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インクを入れる勇気が出ない万年筆2本:トロピチとプロフィット80
万年筆は使ってナンボ、使い続けて初めて真価に触れることができる・・。このことは重々承知しているつもりなので、限定品だろうがヴィンテージのMINT品だろうが、購入したらすぐにインクを入れて(あるいは調整に出してから)使うことにしています。この2本(とプラチナノック)を除いては。インクを入れる勇気が出ない万年筆 2本上はセーラー万年筆が1991年に限定発売したプロフィット80というモデル。34年前の製品ですが、手...
作家の北方謙三氏は、愛車マセラティのエンジンがかかるたびに「ああ、自分はまだこの車に愛されている」と感じた・・とどこかの雑誌で読んだ記憶があります。ボタンポンで始動する国産軽自動車に乗っている私には、車を通じてこの心境を味わう機会がないのですが・・。ヴィンテージ万年筆にインクを吸入させる時に味わうヒヤヒヤ感と、無事に吸入完了した時の安堵感は、ひょっとしたらそれに近いものがあるかもしれません。吸入時...
1991年にセーラー万年筆が創業80周年を記念して発売したブライヤー製のアニバーサリーモデル「プロフィット80」です。憧れの品でしたが、ようやく対面することができました。ブライヤー製のボールペンとのセットです。プロフィット30周年記念のブライヤー万年筆との比較手前がプロフィット80、奥が30周年モデルです。プロフィット80はラッカー仕上げなので、表面がツルツル・ピカピカしていますが、30周年モデルはオイル仕上...
モンブランの146(70年代製18C)をOHしてもらいました。
この1月に購入した1970年代製のモンブラン146(18C)。ヴィンテージ万年筆の常で、MINT品だろうとニアミント品だろうと、実用するにはペン先の調整が不可欠になります。最近、雑事に追われてペン先調整を依頼する余裕がなかったのですが、本日、ようやく隙間時間に専門店に立ち寄ることができました。「スリットの寄りを緩めて欲しい」とだけお願いしてあとはお任せしました。書き味抜群になって戻ってきて、めでたしめでたし。調...
70年代製のモンブランの146(18C)のペン先はどれほど柔らかいのか
モンブランを代表する万年筆の一つ、146には、「ペン先が柔らかい」と言われる年代・仕様のものが大きく分けて2種類存在します。1つ目が、146が誕生してから一旦生産中止となるまでの「50年代(頃)」のモデル。もう一つが、70年代半ばに復活した146のうち、ペン先が14Cではなく18Cのモデルです。【70年代の146(18C)】この18Cの146は、雑誌「趣味の文具箱」に筆記中の(たわんだ)ペン先が大写しで掲載された写...
【レビュー】PILOT(パイロット)ノック式万年筆「キャップレス」【ブラックマット】
今回はパイロットのノック式万年筆「キャップレス」を紹介します。 「キャップレス」は1963年に登場。 60年以上も続くロングセラーで、グッドデザイン・ロングライフデザイン賞を受賞しています。 「キャップレス」はその名の通りキャップのない万年
セーラー万年筆の旧プロフィットを一週間近く洗浄しているのですが、なかなか完了しません。ぬるま湯で数回、プラチナ万年筆のクリーニング液で2回、洗浄したのですが、ペン芯の詰まりがひどく、コンバーターが押し戻されたり、外れてしまったり・・。プラチナ万年筆のクリーニング液(3回目)に漬け込んだ後、コンバータでクリーニング液を吸い上げて首軸にセットし、少しずつ圧をかけていったら、ようやくクリーニング液を排出...
1965年発売。プラチナ万年筆の幻のノック式万年筆「プラチナ ノック」/「Platinum Knock」retractable fountain pen
1965年(昭和40年)にプラチナ萬年筆株式会社が発売したノック式万年筆「プラチナ ノック」。ほどなく生産中止になったらしく、現在の中古品流通量はあまり多くないようです。名著「万年筆クロニクル」によれば、マニアが血眼になって探しているとか・・。私も地味に捜索を続けておりましたが、7年前にネットオークションで釣り逃がしてから、一度も見かけることがありませんでしたので、まずまずの絶滅危惧種であるようです。しか...
モンブラン二桁シリーズの金貼キャップには色調のバリエーションがあったのでしょうか?
1960年代のモンブランといえば二桁シリーズ。首軸が割れやすい(軸の中にはインクが入っています)というスリル満点の弱点を持ってはいるものの・・。金貼りキャップを持つ7番台の万年筆には、デザインの完成度やキャップを尻軸に付けたときのバランスの良さなど、抗いがたい魅力を感じます。上が少し大型の#74で下は小ぶりな#72です。軸については、#74はボルドー、#72はブラックなのですが・・。金貼キャップの色も完全に同...
使い勝手抜群のスノーケル。注射器のようにインクを吸いとります。修理やメンテナンスは大変だそうですが、機能としては素晴らしいと思います。手が汚れませんし、第一、楽しいのです。...
イタリアの万年筆メーカ、アウロラの限定万年筆、アンビエンテ トロピチです。軸の色は、熱帯の海をイメージしているのだとか。<妄想>そこではきっと魚影も濃く、あまりスレていない巨魚が沢山泳いでいることでしょう。そこに巨大なポッパーを投げ込んで、次々に水柱が上がったら、どんなに壮観でありましょう。GOCCIAという、特殊ニブが付いたものを購入しました。ちょっとセーラー万年筆の長刀研ぎを連想させるような三角研ぎ...
爪ニブを持ったパイロット社の"アラフィフ"ショート万年筆
預かりもののパイロット社製、ショート万年筆です。天冠には、赤いジュエルが埋め込まれており、エスターブルックのナース万年筆を少しだけ連想させます。恐らく1970年前後のブツだと思われます。ペン先を引っこ抜けば、生産工場と生産時期が分かるはずですが、私では破壊するだけで元に戻せないので我慢。指から生えた爪のようなニブ(ペン体)。付け根には、コンクリンのハート穴を彷彿とさせる半円状の穴があります。洗浄時に、...
モンブランの144には、50年代のテレスコープ型と80年代(~廃盤)の両用式との、2種類が存在します。両用式の144は、テレスコープどころか吸入式ですらなく、コンバーターorカートリッジという簡便な方式を選択しています。キャップもねじ式ではなく嵌合式となっております。校正など、ちょこちょこ書いてはペン先をしまうような使い方には最適であるように思います。この手の作業用には、パイロットのセレモを使っていたのですが...
推定年齢96歳のパーカーから、一昨年生まれたばかりのペリカンまで15本。平均年齢をはじいてみたら、概ね49.5歳と出ました。アラフィフ同士ということでシンパシーを感じます。セルロイドありエボナイトあり木軸あり。 割れやすさに定評があるアクリル樹脂あり。平均寿命の予測のほうは、簡単にはいきそうにありませんね。...
オーバーホール煉獄/モンブラン 234 1/2 コルク弁劣化か
先般、ようやく時計のオーバーホールを終え、ほっと一息ついていたところ、新しいオーバーホール候補が出てまいりました。1950年代前半(多分)に製作されたと思しき、モンブランのヴィンテージ万年筆、234 1/2が、何やら吸入時に不完全燃焼気味なのです。インク窓から弁を見てみると、なんだか少しグラグラしており、インクを完全にとらえ切れていないように見えます。これは・・コルクが劣化して縮んでしまったのではないで...
これまで、随分と色々のものを集めてきました。釣り具、スニーカー、革靴、古着、そして万年筆・・。しばしば思うことなのですが、コレクション、というか蒐集行為を末永く楽しむためには、「すごく欲しいモノ」を、あと一つか二つ、そっと残したままにしておくのが良いのではないでしょうか。「(自分が欲しいモノは)全部揃った!」と思ったとたん、そのモノへの関心が突然、薄れてしまう可能性があるからです。そのせいかどうか...
名作、傑作、マストバイ・・?「モンブランの愛され万年筆、No.74」
モンブランの60年代ヴィンテージ万年筆の中でも、抜群の人気を獲得しているNo.74。名作だ、傑作だ、マストバイだ・・と絶賛する方も多く、廃盤となって半世紀以上も経つのに、いまだに多くのユーザの心を掴んで離さないようです。MINT品の入手、オーバーホール、再調整を経て、ようやくその真価を味わうことができるようになりました。キャップを尻軸に挿したときのバランスの良さ、ソフトで弾力性のあるペン先、ボルドー軸と金貼...
今日、リサイクルショップの店員さんに教えてもらったお話です。曰く・・「金製品の刻印(含有率表示)には、K18のようにKが前に来るものと、18KのようにKが後に来るものとがあり・・」「18Kのように、Kが後に来るものは『あとK』と呼ばれ、主に海外で製造されたもので、その中には金の含有率が表示よりかなり低いものが含まれる(ことがある)」のだとか。実際に、海外で購入した18K表示のアクセサリーを比重計で調べてもらったと...
特に強い捻りぐせがあるわけでもないのに、次第に増えてきたオブリークの万年筆。古い万年筆でも、オブリークのニブだと程度の良いものが見つかりやすいような気がします。売れ残りが多かったのか、使用頻度が低いものが多いのか・・。とにかく、まだ残っていてくれてありがとう。...
本日、軸割れで天寿を全うした60年代ショート万年筆のペン先です。素材は21金。ただ、あまりにも小さいので、いくら金が高騰した今でも、売却したところで大した金額にはならないでしょう。溶かして歯の詰め物にでもできるといいのですけれど。...