【本】村上 春樹『レキシントンの幽霊』~記憶は薄れて影の影になり、やがて消えていく~
1、作品の概要 『レキシントンの幽霊』は1996年に刊行された村上春樹の短編小説集。 『レキシントンの幽霊』『緑色の獣』『沈黙』『氷男』『トニー滝谷』『7番目の男』『めくらやなぎと眠る女』の7篇からなる。 『トニー滝谷』は2005年に市川準監督・脚本で映画化された。 主演はイッセー尾形、宮沢りえ。音楽は坂本龍一が担当した。 2、あらすじ ①『レキシントンの幽霊』 友人のケイシーが住んでいる古い屋敷。 「僕」はロンドンに1週間出張をするケイシーの代わりに留守番をすることに。 最初の晩の夜中に目を覚ました僕は奇妙な物音を耳にする。 ②『緑色の獣』 夫の不在時に地の底から這い出してきて、家の中に侵入…
2022/11/16 20:02