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朝の連続テレビ小説「らんまん」が終了した。フィクションと史実を巧みに織り交ぜながら、主人公の植物学者・槙野万太郎(牧野富太郎=神木隆之介)と妻の寿恵子(浜辺美波)にも増して、彼らを取り巻く人々を魅力的に描いた長田育恵の脚本が素晴らしかった。最終回を前に、かつて万太郎たちと長屋で生活を共にした堀井丈之助(山脇辰哉)が、翻訳した「シェークスピア全集」を携えて、久しぶりに万太郎たちの前に姿を現すシーンがあった。そのとき、坪内逍遥をモデルにした思われる丈之助が、早稲田大学に演劇博物館を作ることをにおわせるように、「この植物たちと一緒。(演劇は)消えてなくなるものだから。演劇はもともと演じる者と見る者、人間の間にしか存在しない幻なんだよ。だったらせめてできる限りのものを後の世に送りたいなあって…」というセリフを吐い...「らんまん」脚本・長田育恵