アニメ『烏は主を選ばない』第三話『真の金烏』。若宮に仕えることになった少年・雪哉。さっそく若宮の無茶振りブラックワークが始まります。『真の金烏』あらすじ大量の仕事を与えられる雪哉。仕事の中には鉢の色ごとにやる水を変えるなど不可解なものもあっ
日々の小ネタ、マンガ、映画、レトロ、テレビ感想、読書はミステリー・ファンタジー・時代小説など。
街で見かけたおかしなもの、笑いを誘うものを探しては カメラに収めています。 ・書道の展覧会で変なお題で書かれたもの http://lbn.hizuki.lomo.jp/?eid=482648
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アニメ『烏は主を選ばない』第三話『真の金烏』。若宮に仕えることになった少年・雪哉。さっそく若宮の無茶振りブラックワークが始まります。『真の金烏』あらすじ大量の仕事を与えられる雪哉。仕事の中には鉢の色ごとにやる水を変えるなど不可解なものもあっ
アニメ『烏は主を選ばない』第2話は、地方貴族の少年・雪哉が若宮に仕えるまでを、お后候補の姫たちの思惑をからめて描いています。ほんくら次男と呼ばれる雪哉が実は…という、どんでん返しがおもしろい回でした。キャラクターの感想正直、動く前のキャラク
八咫烏シリーズ10巻『望月の烏』が刊行されました。以下、がっつり内容にふれるネタバレ考察です。そしてあくまで個人の感想ですのでお許しを。なるべくというか必ず『望月の烏』をお読みになってから御覧ください。澄生の正体 今回、澄生の正体が紫苑の宮
原作や漫画との違いをメインにアニメ『烏は主を選ばない』の感想を綴っていきます。アニメ烏は主を選ばない『場違いな姫君』、いよいよ放送が始まりました。私は原作もコミカライズも読んでいますし、外伝からファンブックまで読み込んでいるので、アニメでこ
意外な裏切リ者と協力者が判明する『烏は主を選ばない5』。いよいよ物語も佳境へ。『烏は主を選ばない5』あらすじ 七夕の日、若宮は桜花宮へ向かうと見せかけ、ギリギリまで南家との交渉を続け、なんとか会談の約束をこじつける。南家当主との会談を終え、
八咫烏シリーズ第二部『望月の烏』。時間軸でいうと『追憶の烏』の10数年後、『楽園の烏』の少し前といったところです。まだ発売されたばかりなので、できるだけネタバレを少なく書いたつもりですが、未読の方はぜひ、『望月の烏』後に御覧ください。ネタバ
2023年10月24日、驚きのニュースが入ってきました。和製ファンタジー小説・八咫烏シリーズの『烏は主を選ばない』が2024年4月にアニメ化されるとのこと。これまでずっと、私達ファンが夢見てきた八咫烏シリーズのアニメ化です。これまでの公開情
家にまつわる怪異と、それを修繕して整える『営繕かるかや怪異譚その参』。今回も家にまつわる様々な怪奇が登場します。念と呪い「念」とは、常に心から離れない、強い思い入れのことを言います。そんな人の念は家や家具に影響を与え、時に呪いとして人を襲い
『菓子屋横丁月光荘』シリーズもこれで最後。とても名残惜しいですが、孤独だった守人が人や家の縁に恵まれて幸せになってゆく様子は、読者としても嬉しく思いました。『菓子屋横丁月光荘 光の糸』あらすじ月光荘のオーナー、島田さんと、恩師である木谷先生
文豪と現代のイラストレーターがコラボした「乙女の本棚シリーズ」。今回は太宰治の『待つ』を読んでみました。美麗で儚げな少女が「待つ」のは一体誰なのでしょう…?『待つ』あらすじ毎日、駅のベンチに佇んで「誰か」を待つ少女。彼女自身、待ち人が誰かわ
女性の生きづらさを世界の少女たちの視点から描いた『女の子がいる場所は』。とても切なくて、とても考えさせられる漫画でした。女性だけでなく、男性にも読んでほしい物語です。『女の子がいる場所は』あらすじサウジアラビアのサルマサルマは父親にもう一人
ねこがババーン!と出てくる!たったこれだけ。でも最高に面白い絵本でした。猫が好きな人、絵本が好きな人、そして、お笑いが好きな人におすすめの絵本です。なんだかお笑いのフリップ芸みたいだなと思ったら、作者のたなかひかるさんは現役のお笑い芸人でし
島田荘司さんの名作ミステリ『斜め屋敷の犯罪』。資産家の老人が酔狂建てたわざと斜めに傾いている「斜め屋敷」。そこでで起こる殺人事件を描いたミステリです。舞台が1982年のため、携帯電話もありませんし、動機やトリックなども時代背景が感じられます
この絵本があんまりすてきだったから、思わず買ってしまいました。「すてき」と思うものを持つ人や、推し活をしている人に読んでほしい絵本です。『あんまりすてきだったから』あらすじ歌手のうたごえがあんまりすてきだったから、こんちゃんはお手紙をかきま
戦前の映画の殆どが行方不明です。そうした貴重なフィルムを探すコレクターたちを追った『映画を追え フィルムコレクター歴訪の旅 』以前読んだ『映画探偵: 失われた戦前日本映画を捜して』は、失われた戦前映画のフィルムを探しだすドキュメンタリーでし
昭和初期、翻訳家の令子さんと14歳の真面目な女中・ハナちゃんの日常を描いた『うちのちいさな女中さん』。蚊取り線香を焚いたり、海水浴に行ったりと、戦前の夏の過ごし方は現代の私たちとそんなに変わりません。むしろ、今のようにネットもテレビもないか
『早番にまわしとけ 書店員の覚醒』は『遅番にやらせとけ 書店員の逆襲』に次ぐ書店小説です。「遅番」が男子が中心でしたが、「早番」は女子を主人公とした物語で、書店のリアルな業務とともに書店員の恋愛模様や成長が描かれます。閉店危機の書店、ミス連
最近、視覚障害者の方々の活躍がめざましいですね。ピアニストの辻井伸行さんやピン芸人の濱田祐太郎さん、そして、この本の主人公、白鳥さんは全盲の美術愛好家でありアーティストです。白鳥さんが「見る」のは、視覚障害者向けの接触可能な彫刻などではなく
沙苗さん、栞さん、晴子さん、3人のマダムたちの暮らしを描いた『マダムたちのルームシェア2』今日もマダムたちは日常を全力で楽しんでいます。・マダムたちのルームシェア毎日を楽しくする工夫夏祭りでは全力で買い食いやくじ引きを楽しみ、誕生日は全力で
古き良き美しい風景と欲望の都会。少し前の中国を舞台に、そこに生きる人々の暮らしを描いた短編集『山の郵便配達』。日本の小説とは異なる設定や描写がおもしろく、読み始めると面白くて物語の中に入りこんでしまいました。山の郵便配達映画の方を先に見たの
猫は人間がいない時、何をしているのでしょうか。お昼寝?ごはん?それとも飼い主の知らない「どこか」へでかけていて、いつも素知らぬ顔で戻ってくるのかも…。そんな空想を描いた絵本が『ねこはるすばん』です。ご主人がでかけたあと、くつろいでいるかと思
イラストレーター名司生(なつき)さんの作品集『名司生ART WORKS』は、コロボックルや空を泳ぐ魚など、不思議な世界が美しい水彩で表現された作品集です。また、阿部智里さんの人気ファンタジー『八咫烏シリーズ』の世界観が巧みに表現された表紙絵
ウォン・カーウァイ映画『花様年華』では、美しく、色鮮やかなチャイナドレスがスクリーンを彩っています。そんなチャイナドレスの魅力にひかれ、チャイナドレスについて調べてみることにしました。『チャイナドレスの文化史』は、チャイナドレスを歴史や文化
同じ言葉でも、意味は人によって違う。それが「言葉の獣」のテーマなのですが、「中傷」や「記憶」も、人それぞれで感覚が違うのです。『言葉の獣2』あらすじ言葉の意味を視覚的に「獣」として描ける東雲と、言葉の感覚に優れたやっけん。「言葉の獣」を探す
いよいよ最終巻。神々との戦いと人の戦い、そして烏妃という存在に終止符が打たれます。『後宮の烏7』あらすじ烏連娘娘の半身を探すため、界(ジェ)島に向かう寿雪。一方、沙那賣(さなめ)家の当主は寿雪を疎い、次男に命じて北方での反乱を企てる。寿雪は
経済学と銘打っていますが、実は心理学に近い考え方です。行動経済学とは?行動経済学とは、人が起こす不合理な行動とその原因について研究する学問です。例えば、「普通なら100円のキャベツを買うのに、人が並んでいると200円のキャベツを買いたくなる
文豪の名作と現代のイラストレーターがコラボした『乙女の本棚シリーズ』、今回は太宰治の『葉桜と魔笛』です。姉妹愛と当時の切ない恋愛事情、少し不思議な出来事が葉桜の思い出とともに語られます。紗久楽さわさんの描写が物語の世界をより深く、美しく伝え
以前、電子書籍のみで発売されていた『八咫烏シリーズファンブック』。今回、阿部先生作家生活10周年を記念し、描き下ろしや過去のインタビューなど秘蔵の記事を再編集。さらになんと、まだ世に出ていない『空棺の烏』のキャラが描かれているという、八咫烏
結界は破られたものの、前王朝の証である寿雪の白銀の髪がさらされ、寿雪の魂も行方不明に…。『後宮の烏6』あらすじ寿雪の変わりに烏(烏連娘娘)が現れて、これまでの経緯を語る。寿雪の魂を戻すには、「血を分けた肉親」が必要とされ、冬官・千里の助言で
いよいよ物語が動き出します。寿雪の中にいる女神・烏連娘娘を開放するため、寿雪は敵対関係にある巫術師・白雷を引き込み、高峻は解放後の寿雪の安全を確保するため、それぞれ準備を始めます。『後宮の烏5』 あらすじ寿雪を烏妃である己を開放するため、初
『後宮の烏』は、これまで後宮の中での出来事でしたが、女神・烏連娘娘にまつわる謎が一部解明され、物語は少しずつ世界を広げていきます。そして、これまでのように寿雪が高峻、夜明宮の人々との気軽なお茶の時間が少なくなりました。それだけ、事態は深刻に
2023年4月21〜22日に行われた八咫烏シリーズ展覧会&トークショーに行ってきました。会場内の展示は撮影OKでしたし、編集の川田さんが「ぜひハッシュタグをつけてつぶやいてほしい」とおっしゃっていたので、会場の様子などを書き留めておこうと思
『後宮の烏3』から、この世界の地図と、烏妃たちの住む霄国の地図、登場人物の表記がつきました。アニメ主題歌で女王蜂のアヴちゃんが「四角い海」と歌うように、この世界は平坦で、その両端に神々が住む島があります。地名もまた独特で、別の国の発音を漢字
『まめで四角でやわらかで』の感想はこちらに移転しました。
原田マハさんのアート小説の初期の名作である『楽園のカンヴァス』。アートに興味のある人はより面白く、興味のない人にもミステリのように楽しめる作品です。『楽園のカンヴァス』はアンリ・ルソーの「夢」を題材にした物語。ルソー研究者の主人公たちが、コ
春はこの本を片手に散歩に出たくなります。『柳宗民の雑草ノオト 春』は、単なる野草図鑑ではありません。柳宗民氏の草花に対する愛情が伝わる本であり、随筆なのです。この本で名前やその性質を知ってからは道ばたの雑草も、なんだか愛おしく思えてきました
猫の銭湯に紛れ込んだ人間・ハラくんと大将・トタンの日常を描いた『みゃーこ湯のトタンくん』。猫好き、銭湯好きの人におすすめの漫画です。『みゃーこ湯のトタンくん』あらすじ「みゃーこ湯」という銭湯の前に倒れていたハラくん。覚えているのは自分の名前
久々にゴーストハントを読み返したおかげで、ホラーが読みたくなりました。阿部智里さんの『発現』は、和風ファンタジー八咫烏シリーズとは違う切り口で描かれたホラーミステリです。戦争中に起こったある事件と、現代の家族が遭遇する怪奇が、時を越えて発現
悪霊シリーズは、高校生・谷山麻衣と冷徹な心霊調査事務所所長・ナル、個性豊かな霊能者たちが活躍するホラー小説です。そして、このシリーズの続編にあたるのが『悪夢の棲む家』です。なので、この物語自体がシリーズのネタバレになるので、できれば悪霊シリ
『烏は主を選ばない4』いよいよここから、前作『烏に単は似合わない』の登場人物や出来事とリンクして、原作を見据えたオリジナルシーンも満載。ますます面白くなってきました。『烏は主を選ばない4』あらすじ若宮の命を狙った射手を探すため、若宮と雪哉は
笑い飯の哲夫さんが仏教好きというのは、なんとなく知っていましたが、まさかこんなにガチだったとは。やはり本業がお笑い芸人さんなので、文章のリズムがよく、難しい説法も身近なもので例えるのでわかりやすい仏教本です。そんな身近だけれど、詳しいことは
前回は烏妃と、烏妃である寿雪、双方の正体が判明しました。しかし、烏妃と烏連娘娘にはさらなる秘密があるようです。『後宮の烏 2』あらすじ妃でありながら皇帝の妻ではない烏妃。彼女は女神・烏連娘娘を身に宿し、不思議な力を使うことができる。実は烏妃
2022年にアニメ化された『後宮の烏』。アニメが素晴らしかったので、原作も読んでみました。『後宮の烏』あらすじ後宮の奥・夜明宮に住む烏妃は、妃でありながら皇帝の夜伽をせず、不思議な術を使う特別な存在。新たに皇帝のくらいについた高峻は、夜更け
コミカルで、ちょっとブラックな絵本『その本は』。ヨシタケシンスケさんの絵と又吉直樹さんの文章で、面白くも珍しい本について紹介しています。『その本は』とは『その本は』、王様の願いによって生まれました。本好きの瀕死の王様が二人の男に依頼します。
マテウシュ・ウルバノヴィチさんは、新海誠監督の『君の名は』の背景を手掛けたイラストレーター。そんなマテウシュさんが、妻で漫画家の香苗さん(『ぽんこさんの暮らしのはてな?』)や、『盆の国』のスケラッコさんなど日本国内外のクリエイターとともに、
幕末、新政府軍と幕末軍、敵味方に分かれて戦うことになった高須藩の四兄弟たち。そんな彼らの活躍と悲哀を描いたのが『葵の残葉』でした。そして『葵のしずく』は、『葵の残葉』の四兄弟たちを、裏で支えた女性たちの物語です。正妻や母といった公式な立場の
人間道よりも充実した餓鬼道スローライフ『丁寧な暮らしをする餓鬼』も最終巻。今回はいよいよ餓鬼(ガッキー)の正体、前世の姿が描かれます。餓鬼のスローライフと、カレー坊主こと吉田僧侶が仏教による餓鬼の解説もなさっています。丁寧な暮らしをする餓鬼
三重県四日市を舞台に、学校に迷い込んだ犬と、高校生たちの10年にわたる物語『犬がいた季節』。物語は昭和の終わりから平成の半ばまで、高校で飼われることになった犬・コーシローと、歴代の高校生たちの交流、彼らの恋や友情、将来が描かれます。『犬がい
架空の映画都市・ニャリウッドを舞台に、天才プロデューサー・ポンポさんと、彼女に才能を見出された監督と新人女優の物語。原作は漫画『映画大好きポンポさん』で、続編も連載中。映画版はアシスタントのジーンくんが映画を完成させるまでのお話です。キャラ
異世界「山内」を舞台とするファンタジー、八咫烏シリーズ。その中で「幕間」と題されるのは、人間側の視点から描かれる異界としての山内です。→前回の「幕間 烏の山」はこちら。無料で読めます。主婦の美紀は姑の看病のため、山あいにある姑宅に泊まった。
年の瀬になると、本や映画、動画などの年間ランキングが発表されますね。私もそれらにちなんで、2022年に発売された本の中から、気になったものをピックアップしてみました。あくまで個人の感想です。だって個人の感想ブログですし。本当はたくさん紹介し
まるで、言葉の宝石箱のよう。美しい情景の言葉の数々が集められた『情景ことばえらび辞典』は、パラパラと眺めていると時間を忘れます。古くから日本人は、自然や情景に美しい言葉をつけてきました。この辞典では、雪や雨といった気象や月や空、草花の異名が
男は滅んでも、女は生き延び、血を繋いでいく。女系図から歴史を読み解くと、これまでの歴史の常識がくつがえります。実は源氏より平氏の方が繁栄していたり妻の地位で子供の身分が決まったりと、鎌倉時代初期までは「女腹」、つまり女系の血統が政治を動かし
『乙嫁語り14』では、最初の乙嫁アミルの兄、アゼルの嫁取りの様子が描かれます。草原の嫁取りの条件、それは「強い男」であること。アミルの年下夫・カルルクもアミルを守りたい一心でアゼルのもとに修行に来ているくらいですし、19世紀の中央アジアでは
向田邦子の秘められた恋と、妹・和子さんが姉との思い出を綴ったエッセイ『向田邦子の恋文』。作家のきょうだいの中には、ときおり文章のセンスがある人が現れます。宮沢賢治の弟で『兄のトランク』の作者、宮澤清六さんや、今回読んだ向田和子さんもまた、思
以前、長崎・出島と丸山遊郭を舞台にした漫画『扇島歳時記』から丸山遊郭に興味が湧き、関連本を読んでみました。通常、遊郭は華やかな極楽ですが、遊女にとってはまさに生き地獄。しかし、国際都市だった長崎では、他の遊郭とは違うシステムがありました。長
自衛隊の中でも一番ごはんがおいしいと評判な海上自衛隊。どうやらそのルーツは旧海軍時代の創意工夫にあったようです。『海軍食グルメ物語』こちらは、海軍の食の歴史エピソードを紹介した本です。東郷平八郎がイギリス留学の際に食べたシチューを、日本で再
昭和初期の日本。翻訳家の令子先生と14歳の女中ハナちゃんとの日常を綴った漫画『うちの小さな女中さん』も3巻目。今回は、ご近所さんと仲良くなったり、ライバル(?)が登場したりと、令子先生以外の人間関係についても描かれます。うちの小さな女中さん
古語はエモい。なるほど確かに、この辞典を読むとそう思います。「エモい」とは古語の「あはれ」と同じような言葉なのだそう。どちらも「かわいい」「なつかしい」「さびしい」など、様々な感情を表すのに使われるのだとか。この本に掲載されている古語は、ど
ああ、こんな老後が過ごしてみたい。3人のマダムたちがルームシェアをする日常を描いた『マダムたちのルームシェア』。キャリアウーマン、シングルマザー、専業主婦など、立場も人生も違う3人ですが、お互いを尊重しあいながら毎日を自分たちらしくを過ごす
『烏の緑羽』では一部の構成を意識させつつ、これまで隠れていた事実が浮き彫りになりました。今回は特に、人物描写のすさまじさを感じました。サブキャラだと思っていた人物に、いきなりスポットライトが当てられます。そして彼の苦難の人生とともに物語は進
時代とともに移り変わる流行語。そんな失われた言葉を知ると、歴史の風景が見えてきます。『占領期のキーワード100 1945-1952』は、日本が占領下に置かれていた7年間に流行した言葉を紹介・解説した本です。キーワードと同時に当時の記事や類語
家にまつわる怪異を「営繕」というかたちで整える『営繕かるかや怪異譚』の第二弾。尾端さんの営繕は「除霊」でも「浄霊」でもなく「場を整える」「ずらす」に近い気がします。怪異を「ありえないもの」ではなく「あるもの」として普通に捉え、欠けたり歪んだ
言葉は日常的で意識せず使うもの。でも、その奥にはきっと本当の意味が込められているのです。それを探すにはひたすら向き合うしかない。そして、そんな風に言葉と向き合ってみたい。『言葉の獣』は、言葉の奥深さと恐ろしさを視覚で味わえる良本です。『言葉
長崎・丸山遊郭で生きる少女・たまの成長と、出島周辺の人々の物語も終わりを迎えます。親しい人々が次々と去っていき、遊女となる時間が刻々と近づいていきます。『扇島歳時記4』あらすじ「たま」は新造としての教育を受け始め、咲ノ助はハルトマンが忘れら
戦後のアンダーグラウンド『わが青春の「盛り場」物語』福富太郎
福富太郎氏といえば「キャバレー王」とよばれた実業家で、絵画コレクターとしても有名な人物です。彼の絵画の話を知りたくて読んでみたのですが、実はこの本、福富太郎氏が戦後の盛り場での実体験記でした。しかし、読んでみるとこれが面白い!治安が悪く、汚
2022年8月からウォン・カーウァイ(王家衛)5作品4Kレストアされ再上映された『花様年華』、最高でした。かつて、シネマート六本木で上映されたウォン・カーウァイ特集では、こんなコピーがつけられました。時代が、王家衛に恋をしたー映画館には、当
『過ぎる十七の春』は小野不由美主上の初期のホラー作品。当時から建築物や自然の描写が詳細で美しく、それと相反するような恐怖描写に震えます。謎解きのミステリとしても読めますし、ホラーが苦手な私でも読めるくらいの怖さです。『過ぎる十七の春』あらす
O・ヘンリ短編集が好きで、翻訳の違うバージョンを読み比べています。内容は同じでも、文章に訳者の個性や時代背景が反映されていて、そうした違いを読むのも楽しいです。その中でも、私が最も印象に残ったのが『魔女のパン』と『善女のパン』です。実はこの
歴史の影にジジババあり。『くそじじいとくそばばあの日本史』の作者は、老齢をものともせず、歴史上活躍したジジババたちを、愛着をもって「くそじじい、くそばばあ」と呼んでいます。歴史上活躍したくそじじい、くそばばあ食事や医療が未発達だった昔。さぞ
マテウシュ・ウルバノヴィチさんの『東京店構え』はレトロ好き、建物好きの私の愛読書です。妹尾河童さんの「河童が覗いたシリーズ」以来の、ワクワクする建物本に出会いました。マテウシュさんが描くのはどれも、年季が入った味のある建物ばかり。和風の店舗
小野不由美さんのホラーは怖い。特に恐ろしい言葉を使っているわけではないのに、怖い。怖いけれど面白い。普通の言葉で描写しているはずなのに、そこには「何か」潜んでいるんです。『営繕かるかや怪異譚』は、家にまつわる怪異短編集。それでも小野不由美さ
『<守り人>のすべて 守り人シリーズ完全ガイド 増補改訂版』
『精霊の守り人』シリーズのガイドブック「<守り人>のすべて 守り人シリーズ完全ガイド」表紙はスタジオジブリの二木真希子さん。これは、雑誌ダ・ヴィンチの特集で描かれたイラストの一部だと思います。上橋菜穂子特集で「精霊の守り人」や「獣の奏者」の
外国語の翻訳や新しい慣習を伝えるため、明治の知識人たちは四苦八苦して新しい言葉を作りました。「恋愛」も「個人」も「常識」も新たに作られた言葉で、江戸時代にはなかったというのは驚きです。文明開化で生まれた言葉明治時代、新しい社会体制や生活様式
家の声が聞こえる能力をもつ守人としゃべる家・月光荘との交流の物語『菓子屋横丁月光荘 金色姫』。今回は孤独だった守人に新しい出会いが訪れます。しかし、その一方で大事な人との別れも…。タイトルの「金色姫」は姫の体から蚕が生まれた神話から。物語を
連載中からずっと楽しみにしていた『ぽんこさんの暮らしのはてな?』が単行本化。たぬきの「ぽんこさん」の視点を通して、普段の暮らしの中にある「はてな?」を解いていきます。大人の私が読んでも、知らないことがたくさんあって興味深いですし、楽しく学べ
『逃げるは恥だが役に立つ』の海野つなみさんの次作『スプートニク』。他人同士のつながりや仕事について、海野さんらしい社会風刺を軽快なタッチで描き出しています。『スプートニク』あらすじブライダルプランナーの浅利は、上司の汐路に退職を告げた。とこ
『香君 下 遥かな道』では、さらにオアレ稲に危機が迫り、アイシャたち香使は賢明に状況を打開しようとします。しかし…。『香君上 遥かな道』あらすじ万能の穀物オアレ稲に虫害が広がる。一方、アイシャはオゴタ藩王国の王母に捉えられ、オゴタが秘密裏に
『香君』を読んで感じたこと。それは、私たちは自然のことを何ひとつわかっていないのだ、ということです。『香君上 西から来た少女』あらすじアイシャは生まれつき嗅覚がするどく、生物が発する「香りの声」を聞き分ける能力をもつ少女。そんなアイシャの能
『「文豪」がよくわかる本』の表紙にはこう書いてあります。ゲスだっていいじゃないか、文豪だものこのコピーがあるように、教科書にのるような文豪たち、実はゲスだらけ。しかし、こんな黒歴史を持ちつつも、それを作品に昇華させるのは、さすが文豪というべ
異世界ファンタジー八咫烏シリーズのコミカライズを手掛ける松崎夏未さんの短編集『ララバイ・フォー・ガール』実は私、BLも百合も苦手な方なのですが、『ララバイ・フォー・ガール』は、純粋に相手を思う姿、一瞬で永遠の時間、人生の切り取り方、見せ方が
『きらをきそう』は異世界・山内の版画「綺羅絵」と遊郭をモチーフにした短編。短かい話の中にさまざまな設定や伏線が設けられていて、読み応えのある外伝でした。『きらをきそう』あらすじ長津彦(奈月彦の祖父)の金鳥代時代、町民文化が花開き「綺羅絵」と
実は芸術家たちは、お菓子が大好き。『民芸お菓子』では柳宗悦をはじめ、濱田庄司や棟方志功など、民芸の巨匠たちに愛された各地のお菓子を紹介しています。中にはパッケージのデザインや開発まで巨匠たちがプロデュースしたお菓子もあります。芸術家たちはお
長崎の遊郭・丸山を舞台に少女「たま」と出島周辺の人々を描く『扇島歳時記3』。「たま」は初潮を迎えて出島を去り、本格的な遊女教育を受けることになります。出島のたけくらべ出島から丸山へ戻ることになった「たま」は、出島の少年・ヴィクトールから「君
本当にすごかったです。『世界のすごい巨像 巨仏・巨神・巨人』以前「タモリ倶楽部」で特集されて、気になっていたんです。眺めているだけで楽しい本!信仰や権威、観光と目的は違えども、世界各地で「とにかく大きい像がほしい!」という人々の欲求(?)が
古典SF研究の第一人者・横田順彌さんの『百年前の未来予測』は、明治・大正時代の人々の考えていた未来像がわかる1冊。ハチャメチャではあるものの、案外当たっています。中でも通信技術や鉄道などの技術については、驚くほど的中しています。中には「未来
先日、久しぶりにチンドン屋さんを見かけました。そういえばチンドン屋や、ラッパを鳴らして売りに来る豆腐屋さん、屋台のラーメン屋さんはいつの間にか私たちの前から姿を消していきました。そんな、懐かしい昭和の仕事を紹介しているのが『イラストで見る昭
見たとたんに、動作や現象がわかる不思議なことば、オノマトペ。オノマトペは擬音語・擬態語のことですが、文字を見ただけで動作や現象がわかるって、よくよく考えると不思議な言葉です。こども向けの絵本ではありますが、大人でも知らなかったオノマトペがあ
漫画版『烏は主を選ばない』3巻刊行記念スペースざっくり聞き書き
ツイッターのスペース機能を利用した3巻刊行記念トークの様子です。ざっくりですが内容を書き起こしてみました。聞き間違いとかもあるかもしれませんがご容赦を…。健聴者はもちろん、聴覚障害の八咫烏シリーズファンの方でも楽しめますように。オリジナルの
『烏は主を選ばない3』コミカライズももう3巻。借金のカタとして無法地帯・谷間(たにあい)に置き去りにされた雪哉の運命は…『烏は主を選ばない3』あらすじ日嗣の御子・奈月彦のお供で、無法地帯の谷間にやってきた雪哉。そこで奈月彦は身分を隠してカナ
アフリカの女性婚とアジアの女系社会『日本人が知らない驚き価値観』
『ペルシア民俗誌』では女性同士の結婚「姉妹婚」について調べてみましたが、『日本人が知らない驚き価値観』によると、世界にはまだまだ、変わったかたちの婚姻がありました。アフリカの女性婚中東の姉妹婚は、結婚に自由がない女性同士の、一種の「疑似恋愛
森薫さんの『乙嫁語り7』では、女性同士の結婚制度「姉妹婚」が紹介されていました。19世紀には廃れてしまった風習らしいのですが、その元ネタとなるのがこの『ペルシア民俗誌』という本です。中東の姉妹婚・ハーハル・ハーンデ『ペルシア民俗誌』は、17
回転銀河6巻。美しい容姿と悪魔のような性格で周囲を巻き込む双子、天野兄弟の兄・優と、マイペースで中立的な和倉。ふたりの恋、それにまつわる感情にもいよいよ変化が。回転銀河6AmazonKindle楽天楽天Kobo 逆回転和倉の気
「回転銀河」の待望の5巻。ほのぼのあり、ベタ甘あり、身を切られるような切なさあり、登場人物たちが星座のように連鎖し、影響してゆく恋愛オムニバス、復活です。回転銀河5AmazonKindle楽天楽天Kobo わたしの一日物語のメ
『回転銀河』では、主要キャラ以外の「モブ」と呼ばれる人たちの物語もつむがれていきます。また、回転銀河シリーズ以外の海野つなみ作品からもキャラが登場してリンクしています。なので海野つなみ作品をすべて読んでいると、物語がより楽しめます。回転銀河
登場人物が星の巡りのように入れ替わるオムニバス『回転銀河3』では、これまで登場したキャラクターたちの内面がより深く描かれていきます。不遜な思いやタブーな恋愛の中にも、キラキラと光るきもちが隠れていて、美しくて切ない物語です。回転銀河3Ama
登場人物同士が入れ替わりながら、影響を与えていく『回転銀河2』『回転銀河2』あらすじ二重惑星お互いを意識し始めた池上と須磨。けれど池上は須磨にそっけない。そんな池上の態度に不安を感じる須磨だったが、実はふたりとも、とっくにお互いに惹きつけあ
海野つなみさんの『回転銀河』は高校を舞台にした恋愛オムニバス。『回転銀河』には主人公はいません。毎回主人公が変わるけれど、登場人物たちはまるで星座のように、恋愛や友情、時には憎しみでリンクしてゆくのです。回転銀河1AmazonKindle楽
中江有里さんの『万葉と沙羅』。本を通じて少しずつ成長する高校生たちが、とてもまぶしく、愛おしいと感じました。いい本に出会いました。特に『ビブリア古書堂の事件手帖』で本への執着にまみれた人々を読んた後だと、余計に彼らの純粋さに癒やされました。
『ビブリア古書堂の事件手帖III 〜扉子と虚ろな夢〜』三上延
亡き父親の蔵書をめぐるミステリ。扉子と栞子、そして智恵子の関係が複雑に絡み合います。『ビブリア古書堂の事件手帖III 〜扉子と虚ろな夢〜』あらすじプロローグ・五日前樋口佳穂という女性がビブリア古書堂を訪ねてくる。離婚した前夫の残した蔵書を息
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アニメ『烏は主を選ばない』第三話『真の金烏』。若宮に仕えることになった少年・雪哉。さっそく若宮の無茶振りブラックワークが始まります。『真の金烏』あらすじ大量の仕事を与えられる雪哉。仕事の中には鉢の色ごとにやる水を変えるなど不可解なものもあっ
アニメ『烏は主を選ばない』第2話は、地方貴族の少年・雪哉が若宮に仕えるまでを、お后候補の姫たちの思惑をからめて描いています。ほんくら次男と呼ばれる雪哉が実は…という、どんでん返しがおもしろい回でした。キャラクターの感想正直、動く前のキャラク
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八咫烏シリーズ第二部『望月の烏』。時間軸でいうと『追憶の烏』の10数年後、『楽園の烏』の少し前といったところです。まだ発売されたばかりなので、できるだけネタバレを少なく書いたつもりですが、未読の方はぜひ、『望月の烏』後に御覧ください。ネタバ
2023年10月24日、驚きのニュースが入ってきました。和製ファンタジー小説・八咫烏シリーズの『烏は主を選ばない』が2024年4月にアニメ化されるとのこと。これまでずっと、私達ファンが夢見てきた八咫烏シリーズのアニメ化です。これまでの公開情
家にまつわる怪異と、それを修繕して整える『営繕かるかや怪異譚その参』。今回も家にまつわる様々な怪奇が登場します。念と呪い「念」とは、常に心から離れない、強い思い入れのことを言います。そんな人の念は家や家具に影響を与え、時に呪いとして人を襲い
『菓子屋横丁月光荘』シリーズもこれで最後。とても名残惜しいですが、孤独だった守人が人や家の縁に恵まれて幸せになってゆく様子は、読者としても嬉しく思いました。『菓子屋横丁月光荘 光の糸』あらすじ月光荘のオーナー、島田さんと、恩師である木谷先生
文豪と現代のイラストレーターがコラボした「乙女の本棚シリーズ」。今回は太宰治の『待つ』を読んでみました。美麗で儚げな少女が「待つ」のは一体誰なのでしょう…?『待つ』あらすじ毎日、駅のベンチに佇んで「誰か」を待つ少女。彼女自身、待ち人が誰かわ
女性の生きづらさを世界の少女たちの視点から描いた『女の子がいる場所は』。とても切なくて、とても考えさせられる漫画でした。女性だけでなく、男性にも読んでほしい物語です。『女の子がいる場所は』あらすじサウジアラビアのサルマサルマは父親にもう一人
ねこがババーン!と出てくる!たったこれだけ。でも最高に面白い絵本でした。猫が好きな人、絵本が好きな人、そして、お笑いが好きな人におすすめの絵本です。なんだかお笑いのフリップ芸みたいだなと思ったら、作者のたなかひかるさんは現役のお笑い芸人でし
島田荘司さんの名作ミステリ『斜め屋敷の犯罪』。資産家の老人が酔狂建てたわざと斜めに傾いている「斜め屋敷」。そこでで起こる殺人事件を描いたミステリです。舞台が1982年のため、携帯電話もありませんし、動機やトリックなども時代背景が感じられます
この絵本があんまりすてきだったから、思わず買ってしまいました。「すてき」と思うものを持つ人や、推し活をしている人に読んでほしい絵本です。『あんまりすてきだったから』あらすじ歌手のうたごえがあんまりすてきだったから、こんちゃんはお手紙をかきま
戦前の映画の殆どが行方不明です。そうした貴重なフィルムを探すコレクターたちを追った『映画を追え フィルムコレクター歴訪の旅 』以前読んだ『映画探偵: 失われた戦前日本映画を捜して』は、失われた戦前映画のフィルムを探しだすドキュメンタリーでし
昭和初期、翻訳家の令子さんと14歳の真面目な女中・ハナちゃんの日常を描いた『うちのちいさな女中さん』。蚊取り線香を焚いたり、海水浴に行ったりと、戦前の夏の過ごし方は現代の私たちとそんなに変わりません。むしろ、今のようにネットもテレビもないか
『早番にまわしとけ 書店員の覚醒』は『遅番にやらせとけ 書店員の逆襲』に次ぐ書店小説です。「遅番」が男子が中心でしたが、「早番」は女子を主人公とした物語で、書店のリアルな業務とともに書店員の恋愛模様や成長が描かれます。閉店危機の書店、ミス連
最近、視覚障害者の方々の活躍がめざましいですね。ピアニストの辻井伸行さんやピン芸人の濱田祐太郎さん、そして、この本の主人公、白鳥さんは全盲の美術愛好家でありアーティストです。白鳥さんが「見る」のは、視覚障害者向けの接触可能な彫刻などではなく
沙苗さん、栞さん、晴子さん、3人のマダムたちの暮らしを描いた『マダムたちのルームシェア2』今日もマダムたちは日常を全力で楽しんでいます。・マダムたちのルームシェア毎日を楽しくする工夫夏祭りでは全力で買い食いやくじ引きを楽しみ、誕生日は全力で
古き良き美しい風景と欲望の都会。少し前の中国を舞台に、そこに生きる人々の暮らしを描いた短編集『山の郵便配達』。日本の小説とは異なる設定や描写がおもしろく、読み始めると面白くて物語の中に入りこんでしまいました。山の郵便配達映画の方を先に見たの
『まめで四角でやわらかで』の感想はこちらに移転しました。
原田マハさんのアート小説の初期の名作である『楽園のカンヴァス』。アートに興味のある人はより面白く、興味のない人にもミステリのように楽しめる作品です。『楽園のカンヴァス』はアンリ・ルソーの「夢」を題材にした物語。ルソー研究者の主人公たちが、コ
春はこの本を片手に散歩に出たくなります。『柳宗民の雑草ノオト 春』は、単なる野草図鑑ではありません。柳宗民氏の草花に対する愛情が伝わる本であり、随筆なのです。この本で名前やその性質を知ってからは道ばたの雑草も、なんだか愛おしく思えてきました
猫の銭湯に紛れ込んだ人間・ハラくんと大将・トタンの日常を描いた『みゃーこ湯のトタンくん』。猫好き、銭湯好きの人におすすめの漫画です。『みゃーこ湯のトタンくん』あらすじ「みゃーこ湯」という銭湯の前に倒れていたハラくん。覚えているのは自分の名前
久々にゴーストハントを読み返したおかげで、ホラーが読みたくなりました。阿部智里さんの『発現』は、和風ファンタジー八咫烏シリーズとは違う切り口で描かれたホラーミステリです。戦争中に起こったある事件と、現代の家族が遭遇する怪奇が、時を越えて発現
悪霊シリーズは、高校生・谷山麻衣と冷徹な心霊調査事務所所長・ナル、個性豊かな霊能者たちが活躍するホラー小説です。そして、このシリーズの続編にあたるのが『悪夢の棲む家』です。なので、この物語自体がシリーズのネタバレになるので、できれば悪霊シリ
『烏は主を選ばない4』いよいよここから、前作『烏に単は似合わない』の登場人物や出来事とリンクして、原作を見据えたオリジナルシーンも満載。ますます面白くなってきました。『烏は主を選ばない4』あらすじ若宮の命を狙った射手を探すため、若宮と雪哉は
笑い飯の哲夫さんが仏教好きというのは、なんとなく知っていましたが、まさかこんなにガチだったとは。やはり本業がお笑い芸人さんなので、文章のリズムがよく、難しい説法も身近なもので例えるのでわかりやすい仏教本です。そんな身近だけれど、詳しいことは
前回は烏妃と、烏妃である寿雪、双方の正体が判明しました。しかし、烏妃と烏連娘娘にはさらなる秘密があるようです。『後宮の烏 2』あらすじ妃でありながら皇帝の妻ではない烏妃。彼女は女神・烏連娘娘を身に宿し、不思議な力を使うことができる。実は烏妃
2022年にアニメ化された『後宮の烏』。アニメが素晴らしかったので、原作も読んでみました。『後宮の烏』あらすじ後宮の奥・夜明宮に住む烏妃は、妃でありながら皇帝の夜伽をせず、不思議な術を使う特別な存在。新たに皇帝のくらいについた高峻は、夜更け
コミカルで、ちょっとブラックな絵本『その本は』。ヨシタケシンスケさんの絵と又吉直樹さんの文章で、面白くも珍しい本について紹介しています。『その本は』とは『その本は』、王様の願いによって生まれました。本好きの瀕死の王様が二人の男に依頼します。
マテウシュ・ウルバノヴィチさんは、新海誠監督の『君の名は』の背景を手掛けたイラストレーター。そんなマテウシュさんが、妻で漫画家の香苗さん(『ぽんこさんの暮らしのはてな?』)や、『盆の国』のスケラッコさんなど日本国内外のクリエイターとともに、
幕末、新政府軍と幕末軍、敵味方に分かれて戦うことになった高須藩の四兄弟たち。そんな彼らの活躍と悲哀を描いたのが『葵の残葉』でした。そして『葵のしずく』は、『葵の残葉』の四兄弟たちを、裏で支えた女性たちの物語です。正妻や母といった公式な立場の
人間道よりも充実した餓鬼道スローライフ『丁寧な暮らしをする餓鬼』も最終巻。今回はいよいよ餓鬼(ガッキー)の正体、前世の姿が描かれます。餓鬼のスローライフと、カレー坊主こと吉田僧侶が仏教による餓鬼の解説もなさっています。丁寧な暮らしをする餓鬼
三重県四日市を舞台に、学校に迷い込んだ犬と、高校生たちの10年にわたる物語『犬がいた季節』。物語は昭和の終わりから平成の半ばまで、高校で飼われることになった犬・コーシローと、歴代の高校生たちの交流、彼らの恋や友情、将来が描かれます。『犬がい
架空の映画都市・ニャリウッドを舞台に、天才プロデューサー・ポンポさんと、彼女に才能を見出された監督と新人女優の物語。原作は漫画『映画大好きポンポさん』で、続編も連載中。映画版はアシスタントのジーンくんが映画を完成させるまでのお話です。キャラ
異世界「山内」を舞台とするファンタジー、八咫烏シリーズ。その中で「幕間」と題されるのは、人間側の視点から描かれる異界としての山内です。→前回の「幕間 烏の山」はこちら。無料で読めます。主婦の美紀は姑の看病のため、山あいにある姑宅に泊まった。
年の瀬になると、本や映画、動画などの年間ランキングが発表されますね。私もそれらにちなんで、2022年に発売された本の中から、気になったものをピックアップしてみました。あくまで個人の感想です。だって個人の感想ブログですし。本当はたくさん紹介し
まるで、言葉の宝石箱のよう。美しい情景の言葉の数々が集められた『情景ことばえらび辞典』は、パラパラと眺めていると時間を忘れます。古くから日本人は、自然や情景に美しい言葉をつけてきました。この辞典では、雪や雨といった気象や月や空、草花の異名が
男は滅んでも、女は生き延び、血を繋いでいく。女系図から歴史を読み解くと、これまでの歴史の常識がくつがえります。実は源氏より平氏の方が繁栄していたり妻の地位で子供の身分が決まったりと、鎌倉時代初期までは「女腹」、つまり女系の血統が政治を動かし