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モキュメンタリー沼 第1章2節 「信じるか信じないかはあなた次第」前提の『ほんと』
「ほんとにあった!呪いのビデオ」というOVがある。それまで静止画だった心霊写真が「奇跡体験!アンビリーバボー」や「USO?!ジャパン」をきっかけに動画に移行し、TVでは心霊映像や超能力、都市伝説、UFOやUMAなどの特番が度々流れ、宜保愛子氏始め霊能者らが跋扈した1999年。発刊から徐々にビデオ屋のホラー棚を侵食、2003年にはビデオからDVDへ、同時にビデオ巻をリマスターDVD化し、2019年には20周年記念イベントを開催、2023年7月にはついに100巻が劇場公開され未だ走り続けている大長寿シリーズである。その間「読者投稿」or「スタッフが直に関わった事象」という体は揺らがず、ネットには常…
①ドキュメンタリー系 「ほんとにあった!呪いのビデオ」激動編 先にも書いたが、歴代最長となる24巻(2006年)~41巻(2011年)を担当した児玉和土監督の時代は、中村監督らの創り上げた基盤を強化しエンタメに昇華させた激動の時代である。「『視聴者による投稿映像』(偶発的に現象を捉えた素人映像)の真偽を調査し紹介する」というセオリーに則り基本一話完結だったモノに巻跨ぎの連作(長編)を導入。それまで文字通り監督の補佐役で、調査(素材集め)や取材担当だった演出補をキャラ立ちさせ、主体にしたのも彼である。その流儀は、自身は一切顔出しせず、いささか高圧的な指示はスタッフをキリキリと追い込み、そのカメラ…
①ドキュメンタリー系 「ほんとにあった!呪いのビデオ」円熟期編 2023年1月、ついにシリーズは99巻を突破、名実ともに『心霊ドキュメンタリーの金字塔』達成へのカウントダウンが始まった今日この頃。今回は前述の児玉和土監督のセオリーを継承し且つ完成させた岩澤宏樹氏、菊池宣秀氏、演出補として活躍した(後に監督も)川居尚美氏による円熟期。 岩澤宏樹氏は42~55巻(全14巻)を担当、顔出しNGの児玉監督の真逆で顔出し&現場主義。 体を張ったゲリラ取材も多く、感情的高圧的な煽り話法で取材対象を追い込みネタを取る強引さと同時に、助手的立場だった菊池氏を大いに頼る側面もあった。 菊池宣秀氏は56~70巻(…
モキュメンタリー沼 第1章5節 詰まるとこ”ほんと”か”ウソ”か
何度も言うが本当っぽければ真偽はどうでもいい派である。ツッコむのはシャギっぱなしのあけすけな合成動画と、女性スタッフにあえて極寒の深夜、薄着生足ミニスカで山奥の化けトン歩かせたり、凶暴な人物にゲリラ取材させたり、素手で異物や死骸を触らせたりする悪趣味くらい。さて今回は「もしかしてガチ(かも)」編。申し訳ない事に若い巻は現在より合成や詰めが甘く(誤字誤用も多く^^;)、”ビデオテープ”という柔軟な素材に頼り過ぎてる感もあるが、そもそも恐怖体験やソレっぽい映像が偶然撮れても発表の場が無い時代であり、最低5000円最高20万もの報奨金目当てのガチ勢=危険な廃墟廃屋への不法侵入や遺痕旧跡聖域忌地にツバ…
①ドキュメンタリー系 「ほんとにあった!呪いのビデオ」とっておき編 2023年7月現在、ついにシリーズは100巻を突破、肝心の『100巻』は始祖である中村義洋監督による劇場版で2023年8月公開、その間もシリーズは走り続け、同8月には102巻がリリース予定だそう。という事で今回は、ほん呪の最後の砦=菊池宣秀監督のとっておきをご紹介しよう。彼は自身が調査対象となった演出補時代の32巻「Twenty Seven」(児玉和土監督)が印象的だが、監督就任後は当たりがソフトでコンプラ的気遣いもあり、60巻「蛭子」(後編)や69巻「ひな人形」では怪しげな洞窟に自ら突する冒険好きな一面も見受けられる。その担…