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前回は、メタバースという仮想空間内の商品を例にあげて、仮想空間内の商品(架空の商品、著作物)を選択するのは、現実世界における自分が優越感、満足感、幸福感を得るためであって、仮想空間内のアバター(自分の分身)が満足するためではないという話をしました。 仮想の商品であるヘアードライヤーによってアバター自体が気持ちよくなることはないからです。 アバター自体は満足しないが、アバターを操作する自分は、仮想世界の中でアバターの活動を通じて満足する。仮想空間内の商品や建築物、更には環境を独自に構築していく中で、思い入れのある仮想商品、仮想建築物、仮想環境を選んでいく。そのようにして、自分の価値観を仮想空間内…
前回、メタバース空間などに存在する著作物に焦点を合わせると、著作権情報がポップアップで表示されて、その著作物を利用して二次創作をした瞬間に著作権者に何らかの報酬が与えられる仕組みの可能性の話をしました。 ここで重要になってくるのは、その著作物について二次創作が許されているかどうか、すなわち、著作権者が二次的著作物を創作する権利を他人に認めているかどうか、ということです。それが認められていないならば、そもそも二次創作を行うことはできないからです。 ですので、ポップアップ表示される著作権情報には、二次創作が許されているか、許されているならば著作物の利用料はどれくらいか、という情報も盛り込む必要があ…
前回は、二次創作を生み出す時に元の著作者に報酬を与えると興るであろう好循環のサイクルと、そのための著作権情報の提供、著作物の評価、著作物の使用料の重要性について話をしました。今回は、著作権情報や著作物の評価について、具体的な例を挙げながら詳しく見ていきましょう。 著作権情報とは、何についてどんな著作権を誰が持っているかの情報であり、パロディ作品のような二次創作品の場合は、元になっている著作権情報が曖昧であることは前回までに述べました。また、楽曲のアレンジも二次創作品であり、アレンジ曲には元になっている曲の著作権情報や、アレンジをする許諾を得ているかの情報が付いていない場合が多々あるので、様々な…
前回は、二次創作の元の著作者に何らの経済的報酬を与えてよいのでは、という話をしました。果たして、元の著作者の情報はどのように知ることができるのでしょうか。 食品の世界では、トレーサビリティが普及しつつあり、食品の生産者、生産日、生産方法などの生産に関する情報や、輸送経路などの流通に関する情報を、QRコードなどにより購入者が確認できようになっています。 パロディ作品のような二次創作品についても、そのような情報、すなわち、元になっている著作物は何か、その著作者は誰か、その著作者が著作権を持っているのか、持っていないならば現在の著作権者は誰か、という情報が簡単に確認できる仕組みを構築すればよい。 同…
前回までのブログで、「著作権を所有している人は誰か」と「著作権が発生する対象物は何か」について述べてきました。前者は「著作者」であり、後者は「著作物」でした。 「著作者」が、自分の「著作物」についてどんな権利を持っているのか。今日はそれについて考えてみましょう。 以前のブログで、夢の内容は、それを文章にして初めて著作物になるという話をしました。文章化されているので言語の著作物になり、言わばミニ小説のような物です。 貴方が自分が見た夢の内容をミニ小説にして、それをブログで公表したとします。読者の受けが良くて喜んでいたところ、後日、他のブログサイトでそのミニ小説と全く同じ内容の記事が掲載されている…
著作物について、今までいろいろ考えてきました。 ここでは、特殊な著作物について見ていきましょう。 ○ 共同著作物 貴方は、友人と一緒に漫才のネタを考えて、二人で漫才のシナリオを書いたとします。このシナリオは二人が共同して創作した物です。著作権法では、このような物を「共同創作物」としています。勿論、二人ではなく、三人以上の人が共同して創作した物も共同著作物です。 ○ データベースの著作物 昨今は、ビッグデータの管理や利用が重要になってきています。著作権法では、個々のデータをコンピュータによって検索できるように体系的に構成した物を「データベースの著作物」としています。ただし、データベースを構成する…