メインカテゴリーを選択しなおす
久々に登場の「カメ輔」です。 12月某日、吾輩は朝から何か良いことが起こりそうな気がしていた。ちょうど、そう思っていたときに、主人が急に吾輩に話しかけてきた。 主人:カメ子、今から良いところに連れて行ってあげるからな、楽しみにしていろよ! やった~!吾輩は、心の中で叫んだ。このことがきっと吾輩の感じていた良いことなのかもしれないなぁ。と思った。 早速、主人は、吾輩をバスケットに入れ外に出た。 しばらくすると、見慣れた光景が吾輩の目の前に拡がって来た。主人は、さっそく吾輩を公園の一角の地面の上に置いた。そして、主人は吾輩のいる場所から2m程離れた所で剣道の蹲踞(そんきょ)の姿勢で、吾輩の様子をじ…
1月某日、主人が外出先から戻ってくると、吾輩の水槽に向かって一目散に駆け寄って来た。 吾輩が急いで主人に駆け寄ると、主人からいきなり仰天発言が飛び出してきたのである。 主人:おい、カメ子よく聞け。刎頸の友の鳩吉夫婦が、初めて会った公園にいたぞ! それを聞いた吾輩はびっくり仰天し、鳩吉との出会い※1を思い出してみたのである。 カメ子:えっ、あの鳩吉に会ったの?あの頃が懐かしいなぁ。 鳩吉にもう一度会えるかもしれない。と思うと、急にうれしくなり、無意識のうちにカメ子ダンスを踊り始めていたのである。 すると、突然二人の会話に奥さんが加わってきた。 奥さん:カメ子に人間の言葉が理解できるわけないじゃな…
*この写真は、好奇心旺盛なカメ子がセミを覗いているところです。 ついに、ユッカ姉さんの話は、佳境を迎えた。 さあ、第159話の始まり、始まりだよ。 セミ:私は、地上に出てから今日で3日目、残りの命が、あと4日間しかないの。 それに比べ、「カメは万年。鶴は千年」と言われていて良いわね。長生き出来るあなたが、とても羨ましいわ。失敗しても、何度でもチャレンジできるわね。 私は残り4日間で、あることをやらなくていけないのよ。 それは、私の子孫をつくること。だから、絶対に失敗は許されないの。今、私は、素敵な彼氏からのラブコールを待っている最中で、これから、あの蝉時雨(せみしぐれ)の大合唱が始まるわよ。 …
吾輩が昼寝をしていると、辺り一面が白いモヤに覆われて、何も見えなくなってきた。 そして、次第にモヤが消えていき、その向こう側には、いつもの光景が広がっている。いったい、ここはどこだろう? よく周りを見渡すと、目の前には幅が約30m位の川が流れていて、両岸とその後ろ側に雑木林が生い茂っている。 空には、10数羽のカラスが「カーカー」と鳴きながら、飛んでいる。そして、横を見ると、石の上で甲羅干しをしているたくさんのカメ達が、こちらをジロジロと見ているのである。吾輩は、びっくり仰天して、「あなた達はいったい誰なの?」と聞いてしまった。 すると、その中の一匹が、「突然目の前に現れ、お前こそいったい誰だ…
今回の話は、いよいよ佳境に入ります。 読者の皆様 どうぞ、お楽しみください。 棟梁:さあ、このブドウを食べてみなさい。ほろ酔い気分で良い気持ちになるよ。 (カメ子:えっ、その正体はブドウだったのか) 吾輩は、棟梁に勧められるがままブドウをかじった。するとどうだ。口の中に、甘いブドウの汁が溢れ出してきたのである。「なるほど、それで棟梁が「乾杯」と言ったのだなぁ」と思った。でも、このブドウ、以前食べたことがあるブドウの味とちょっと違って酸っぱい味がするぞ。 しばらくして、吾輩は、棟梁が言っていたようにほろ酔い気分になってきた※1。一方、カメ達は、各自で持ってきた食べ物を自由に食べ始めていた。さっそ…
吾輩は、夢にみていたご先祖様との会見が実現し、なんだか心がウキウキして、今日は、何か良いことが起こりそうな気がしてきた。 すると、主人がおもしろいことを言いながら吾輩に近づいてきたのである。 主人:おい、カメ子。ワシとにらめっこをしないか? 主人から見れば吾輩は、暇そうに見えるかもしれないが、水槽の中の散歩や首のこりをほぐすための運動をしなければいけないので、忙しいのだ。主人が散歩に連れて行ってくれたら、こんなことをしなくても済むのになぁ。主人とにらめっこをする暇なんてないよ。吾輩が、ブツブツとひとりごと言っていると、突然、奥さんが2人の会話の中に入り、呆れ顔で言ったのである。 奥さん:あなた…
今日、吾輩はあることを決心し、実行することにした。 そして、しばらくすると、突然、家中に「キャー」というけたたましい叫び声が鳴り響いたのである。 なんだ?なんだ?いったい、何が起こったのだ! 吾輩が、何のことやらわからないでいると、主人が吾輩に近づいて来て言ったのである。 主人:おい、おい、カメ子。また、水槽の縁によじ登ぼって、脱走するつもりかよ。 と、言い、笑いながら水槽の中に戻したのである。 吾輩は、「あっ、バレた」と思わず心の中で叫んだ。 感の鋭い読者の皆様は、もう、お分かりだとは思いますが、叫び声の持ち主は奥さんであり、吾輩が決めたのは、脱走することだったのです。 さて、話を先に進める…