メインカテゴリーを選択しなおす
お気に入りの青い傘を、猫店主の店で壊してしまう。無論、店主と取っ組み合いの大喧嘩の果てにということではない。 店が終わったあと、二人してコーヒーを淹れ、バックヤードで固いプリンを堪能した。 あまりの美味しさに詩人さんの使い慣れない魔法が発動し、物こそ飛ばなかったがバッグの中で「べきぼき」と不穏な音がした。 持ち歩いていた折り畳み傘に何が起こったか…は、ご想像におまかせする😭 猫そっくりの店主は少し毛を逆立てたが、雨が降らないうちに帰ったほうがいい、と優しく言った。 そんなことがあって、折り畳み傘を探していた。 できれば青くて、できれば日傘にもなって、できれば魔法にも…いや、高望みはするまい。 …
固いプリン、というものがはやっているそうだ。 猫街で噂になるくらいなので、多分少し前から話題になっているに違いない。ようやく黄色の風も落ち着いて、「詩人さんのせいで云々」と言われることもなくなった。 猫そっくりの店主のところでは扱っておらず、後で差し入れる約束をする。 少し足を伸ばし、駅前スーパーに寄ってみた。 珍しい野菜を少し、時折買う缶詰を少し、そして猫店主と自分自身への土産に固いプリンを買い求めた。目を丸くして喜んでくれるだろう。 何かあるとすぐイカ耳になる店主も、本気で不機嫌になっているわけではないのだ(猫街みたいな場所で店を営んでいるくらいだからね)。 使い慣れない魔法が、嬉しさでち…
料理番組でしか見たことがなかった「あれ」。実は、名称を知らなかった。 スライサーやレンジで使える餅容器など、小さなキッチン用具を少しずつ新調している。一番欲しいのはキッチンバサミなのだが…それはともかく。 「あれ」が欲しくなったのは、ラジオで大根おろしの話題が流れてきたからだ。 力要らずに使えてシンプルで洗いやすくて。そんな都合のいい道具、あるのだろうか? 電動のものも考えたが、そうなると料理の上に直接おろし入れることが難しくなる。そこで「あれ」のことを思い出したのだった。 真ん中が「あれ」 その名をグレーターという。 チーズや柑橘類の皮をおろす時にも重宝するらしい。大根にも使えるよう、少しだ…
新ジャガの季節、菜の花も…と思うのだが、なぜか猫街近辺のスーパーで見かけるのは「はなっこりー」である。 ブロッコリーや菜の花もよいが、まるっと食べることのできるはなっこりーは、この季節に食卓にのぼりやすくなる。 袋の中でよくよく洗って、キッチンバサミで切ってレンチン。 じゃがいもを添えるだけでも、ご馳走だ。 冬の間、蓄えたあれこれを手放すのにもいい季節。 野菜がおいしい。 ランキング参加中雑記
冬物の引き出しをひっかき回し 慌ててセーターに着替える 季節が丁寧に丁寧に足踏みを繰り返すから 猫街も幾分白っぽい風が吹く それでも約束は約束だ 無理しなくてもいいんですよ、 あなたは私たちと違って 人みたいなものだから 珍しく電話をくれた猫そっくりの店主に 感謝を伝えつつも、やはり心が騒ぐのだ 花が咲くのとあたたかな飲み物がよく似合う marchéを目指す コーヒーと毛糸と花が並ぶのは 今日だけなんだから ランキング参加中詩
リフォームしてから、ガス火炊飯が難しくなった。システムキッチンに組み込まれている、働き者の安全装置のせいだ。 それでも、ココット・エブリィで揚げ物したり煮物をしたり。 ただ、最近は電気圧力鍋で(揚げ物こそしないが)事足りるようになったので、ココット・エブリィの出番はしばらくなかった。 猫街に、暴風警報が出た。 季節がまた少し足踏みしている。それで、ふとたっぷりのスープをこしらえたくなったのだ。 ミントグリーンの鍋に、野菜や芋たちをこれでもかと詰め込み、ハーブソルトをきつめにふった肉を少し。トマト缶が半分残っていたので、それも使う。 あとは適当に水を入れて、最初は中火。ぐつぐついう音が聞こえたら…
スポドリの代わりにすればいいさ ねじ巻きを忘れないように、との但し書きは 確かに欠かせないのだがね じゃあ エンプティになったなら その時はその時 眠って眠って眠り倒して また次の時に悩めばいい なんだってできるから きっと ランキング参加中詩
やぶれたオムライスに 出盛りの菜の花 へたくそ、と君が笑う だけど あったかいから美味しいよ いつもありがとね これよ、これ やさしいね だからいつまでも やぶれ上手なんだろうな よしっ、いただきます! ランキング参加中詩
知らない歌が耳たぶにたまって 僕は少しイラッとする 春はいつもそうだ 体にも心にもやわらかいのは 日差しだけで 泣く隙も吹き飛ばしてしまう はしゃぐ甲高い声 パタパタ小さな足音 よろしくね と 知るもんか が 同じ意味だなんて この世は残酷だ ランキング参加中詩
ソフトクリーム色の 空が落ちた 今朝はだから なんの音がしなかった 声を上げず 瞳も上げず あたしはただその光景を うけとめる ソフトクリーム色の 空が落ちた 今朝はだから もうさびしくならなかった 綺麗でちょっと嘘つきで 隠した愛憎なんかをひっかきまわした そんな色だった ランキング参加中詩 ソフトクリーム色の 空が落ちた 今朝はだから もう怖くはならなかった あたしは見事に 空の下 今朝はだから もう眠ったままでよかった
月よう 春色何食べて 火よう 空色何編んで 水よう 桃色花摘んだ 木よう 底冷えぶるるるる 金よう あの件どうなった 土よう まさかの最終便 日よう 春の香いちご味 ランキング参加中詩
猫街は曇り空 冷たく激しい風の街 指先も頬も心までも切り裂かれそうだ いまだ解けない絆の いまだ溶けない心の いまだハリツイタ笑顔の 意味を深く嘆く 猫街は曇り空 冷たく激しい風の街 指先も頬も胸の中までも切り裂かれそうだ ランキング参加中詩
のたのたすぼすぼ 月夜を歩く 散歩なんてもんじゃなく 迷子なんてもんじゃなく 速くも遅くもないリズムで のたのたすぼすぼ 月夜を歩く 春と冬とが手に手をとれば 西から急に雨こぼれ 苦い思い出脳からあふれ 速くも遅くもないリズムで のたのたすぼすぼ 月夜を歩く 詩人さんや、おいでおいで 誰ぞの手招き 今夜は寄りかかるか のたのたすぼすぼ 月夜を歩く 散歩なんてもんじゃなく 迷子なんてもんじゃなく 速くも遅くもないリズムで のたのたすぼすぼ 月夜を歩く ランキング参加中詩
しばらくぶりに歯医者に通い、しばらくぶりに体重が少し増えた。 スマートウォッチは、現在「標準」を示している。 もしかしたら、ちゃんと「食べて」るつもりで、栄養補給そのものがうまくいってなかったのかもしれない。 入口が不調だったら、いろんな意味での「巡り」は確かに不調になるに違いなかった。 思えば、「トイレにお籠り」という「季節の恒例行事」(!)からも解放された。 「お腹ゆる子」の体質は急には変わらないのだが、何かひとつ調うと思いもしなかった箇所まで良好になっていく。当然とは言え、不思議だ。 そして、ありがたいことである。 ランキング参加中雑記
空腹で目覚めた。 いい傾向である(詩人さんはお腹が弱い)。 とは言え、キッチンであれこれ始めるには早すぎる時刻。トイレと洗面を済ませ、常温の水を少し口にしても、どこかぼんやりしたままだ。 寝室以外のカーテンを開け、細く窓を開けてすぐに閉める。 そうして、二度寝して体力温存である。 あるときそんなぼんやりした意識の中、防災食というわけではないが、レトルト食品のサブスクに出会った。 スキップも退会も約束されており、商品は家のポストに届けられる。支払い方法も選べるのがありがたい。 物珍しさもあり、契約してみた。ちょっとした外食をするよりもずっとお得なのである。 詩人さんは、普段ほとんど外食の機会がな…
眠っている間に 雨になった パラパラざあぁあ 不規則なリズムに起こされ ようやくなんだか軽い心持ちになった 冷蔵庫の中身と 自分の体調と 今の天気と あーでもないね こーでもないな 相談しながらこしらえるスープ キャベツが半分 玉ねぎちょっぴり 水菜を発見 薄切り肉は解凍してハーブソルトを 気持ち多めに パラパラきのこは凍ったまま 人参半本 水を適当に注いで 電気圧力鍋にかけておくだけ 気が向けばキャンディの残りをひとつ 思い出せれば 冷凍庫で行き場をなくした 生姜のかたまり そんなのを入れたっていい 塩だけで美味しい 塩だけで穏やかになる 悩みなんて置き去りにしよう 企みはたいてい成功するに…
気温の上昇が思いのほか早い。 確かに冬めいた日もあるにはあるが、 「そういえばエアコンもストーブも使わなかった」 「そういえばお風呂上がりに羽織りものが必要なかった」 「手袋せずに散歩しても平気だった」… そんなことも増えてきたようだ。 昔よりも春が初夏寄りであるのなら、ましてや夏の盛りは…と、心が落ち着かない。 ゴールデンウイーク頃に、備蓄や非常用のあれこれを見直すのが習慣だが、今年は少し早めにとりかかっている。以下、思いつくままに書いたが、食料品のほかにも数点用意している。 水、炭酸水、野菜飲料、トマト缶、数年保存できるレトルトクッキーやパン類、備蓄ご飯(これは予約購入した)、各種缶詰、パ…
引っ越しの予定こそないが、持ち物との距離感はそこそこでそれなり。 段ボールで荷物が届けば、その日のうちにできる限り分別しておく。 本を読み終わったら、手放す。 記憶は、形を変え美化されやがて昇華の時を迎える。 記録は、手放さない限り存在する。 想いは、ときどき自分の中で良くも悪くも再生される。 ダイエットと少し似ている。 ふと、そんなことを思う。 手放すこと、捨てること、忘れること、忘れられないこと、たくさん。 ただただ、幸せだ。 ランキング参加中詩 ランキング参加中雑記
予報ではかなり高めで推移する、とアプリが伝えてくる。 だが、猫街はまたもや小雪がちらついた。ま、空が落ちるよりいいか…と思い直して、スープの残りを温めた。 鍋が熱々になったところで、戸棚からショートパスタを選び、ひとつかみほど入れて蓋をして火を止める。 パスタが余熱でいい感じになるのを待つ間に、コーヒーを淹れてチョコをひとかけ。 そこへ花束とケーキを抱えた恋人がサンタクロースのように現れ…たりはしないのが、詩人さんの現実であるのだが。 残り物には、いくらだって笑顔の種が詰まっている。 さあ、いただきましょうか。 ランキング参加中詩 ランキング参加中雑記
詩人さんにとって、 親孝行とはそんな感じである。 そして、そればかりか。 どんなに自己中心的でどんなにわがままであるかも、 痛感している。 …と、打ち明けたところ、 相手は「親孝行は、わがままでいいんですよ。それで間違ってないですよ」 そう言ってくれた。 その人の言葉を、今も大切にしている。 悲しみ以上、愛未満にならないために。 ランキング参加中詩 ランキング参加中雑記
水まわりを掃除した。 今までとは違うやり方で。 キッチン用の止水栓セットを購入した。用事を済ませた帰り道、ふと「だいぶ古びてきたな」と思い出して、ネットで取り寄せたのである。 いい機会なので、流し台にぬるま湯をためてしばらくほったらかしにした。ただのぬるま湯ではなく、酸素系漂白剤を溶かしこんだのだ。 やわらかめのスポンジで擦り洗いしながら、水を抜く。 ただ擦るだけより、断然ピカピカになる。楽して汚れもニオイもおさらば、というわけだ。 同様に洗面所でもやってみた。こちらも、ピカピカである。 水まわりが整っていると、多少心身がくたびれていても、なんだか安心感がそこには漂っていて、日常がぐんと底上げ…
とりあえず ご飯を炊いておく(おむすび作ればなおよし、だけど無理せず) とりあえず 水まわりをなんとなくでいいから 片付けておく(拭きあげればなおよし) とりあえず 少しのお金と身分証明と飴玉なんぞを バッグに入れておく とりあえず 空を見上げてうーんと猫みたいに伸びて 「バカだよねえ、でもよくやってるね」 などと笑ってみる とりあえず とりあえずでいいから さめざめと泣いたっていいんだから その日が来たら ランキング参加中詩
詩人さんは、ときどき驚かれるような行動をする。 日帰りで九州から東北へ旅してみたり、例えば本を出してみたり。 それでも、いざ動くまでには人より時間がかかっている。計画中に誰にも話さないから、アクティブだと映るようであるのだが。 時として、慎重さが勝つこともあるし。 だけども、ぽんっと動けることもある。 心はいつだって(体もだが)一筋縄ではいかないのだ。 それでも愛することを誓いますか。 自分の全てを許せますか。 この意識と体温を抱えた器が干上がってしまうまで。 ランキング参加中詩 ランキング参加中雑記
猫街のちょうどいい場所に、猫街シネマがある。 詩人さんは映画好き。と言っても、内容によってはなんらかの(使いこなせない)魔法が発動して手持ちの何かをすっ飛ばす危険性があるから、アクション多めの作品は外では観ない。 ハンカチが飛ぶとかポップコーンを自分が頭からかぶるくらいなら、まあいいとして、座席を引っこ抜くくらいのことは起きそうな気がする。 それで、穏やかそうな物語を選んで、人の少ない昼間に出かけるのだ。 そうやって観た作品は、いつだって素敵だ。 悩みを忘れ、心配ごとを忘れ、訪れた時よりずっと元気になって日常へ戻っていく。シャワーやお風呂みたいだ。 栄養、かもしれません、と猫そっくりの店主がウ…
わたしの声をわたしは わたしはワタシの思いを私は ワタシとわたしの願いをあなたに 押し付けるばかりなのでした 強さも弱さもむしろ さびしい悲しいとやがて 無になり無理を生み出しては ようやく夢と訣別する わたしの声をわたしは わたしはワタシの思いを私は ワタシとわたしの願いをあなたに 押し込めるかりなのでした ランキング参加中詩
わたしの中の男が 何か囁く わたしは聞こえないふりをする わたしの中の女が ウフフと笑う わたしは悲しい顔をする わたしの中の男が 大声になった わたしはやさしいふりをする わたしの中の女が すっかり黙り込んで わたしはどんどんさめていく ランキング参加中詩
久方ぶりのインスタライブに、ちゃんと参加した。 “ちゃんと”と言うのは、前に配信があった時は高熱で寝込んでいたため、ろくすっぽ画面を見ることができなかったからである😂 編集者であるその人は、穏やかな語り口で丁寧にライブを進めていく。 と言っても、ラジオ番組だったら放送事故案件(!)になりそうなほど、ゆったり間(ま)をあけるという、夜にはたまらなく眠…ではなく、心地のよいリズムの持ち主だ。 猫街にも、多分いそうな感じの人だ。 こっそりそんなことを信じていたりする。 リズムが合う。 波長が合う、気が合うということとはまた違うのかも知れないが。 詩人さんのリズムは、どんな風に誰に伝わって揺れ動くのだ…
honobonosalay.hateblo.jp+++ 以前、別ブログで化粧クリームについて触れたことがある。 肌質は当時とそれほど変化がなく、相変わらず例の“青缶”は全く合わない。スーパーでもドラッグストアでも手の届きやすいものが使えない件については、もう諦めている😂 「いいですよ〜高級クリーム並みです」との声もある一方で、「顔が腫れてしまいました」の声も聞く。 それはきっと、筆者が好んで使っている化粧品でも同じことだと思う。 訊かれれば答えるけれど、強引にすすめることはしない。プレゼントにも選ばないように気をつけている。 数年前から、一般的なハンドクリームを買わなくなった話も、どこかに書い…
茂りすぎではないのか^^; 小さな森のような一角が、作業机に出現した。水栽培している、トラデスカンチアの仕業である。 噂には聞いていたのだが、なんとも元気のよい子たちだ。 下へ下へ伸びていくようだが、なぜかぐんぐん空に向かって成長中。 とは言え、剪定の季節にはまだ早い。森がジャングルにならぬよう見守るのが、日々の楽しみとなっている。 元気がいいと言えば、時折こっそりインスタにあげているマジックアマリリスも、すくすく育っている。 人らが見ていない隙に、こっそり背伸びするんですよ 猫そっくりの店主は、そんなふうに教えてくれた。 春がどこから来るのかを一番よくわかっているのは、植物かも知れない。 ラ…
どんっ! てっきり、下手な魔法が自分から漏れ出たのかと思った。 昨夜書き物をしていたところ、キッチンのほうで大きめの…寝た子が起きるくらいの物音が響いた。いや、響いたと感じた。 なぜなら、耳で聞いたのではなかったから。 これはひょっとして、もしかして。 猫そっくりの店主にすすめられた珈琲でも淹れようと、書き物の手を休める。 キッチンでは、球根を突き破るかのように成長を続けていた花が、開こうともがいているところだった。人の気配に驚いたのか、そのまま固まってしまう。 珈琲を淹れるだけだよ、明るくしてごめん 通じたかどうか分からぬが、もそもそと花が揺れた。 急いで咲かなくても、急いで咲き誇っても、そ…
少し長い文章を書く場合、ブログの発信だけでなく、noteやワードプレスを使う方もいらっしゃると思う。 筆者は、noteを使いOWNDを使い、とウロウロしていたのだが、結局は自分にとって一番使い勝手のよい「はてなブログ」のユーザーとなっている。 proユーザー(有料登録者)ではあるのだが、これは自分の記事を読みやすくするための措置で、他に理由はない。 スマホから見た時のプレビューがあまりにも読みにくくて辟易したため、一番お得なコースで契約し、それが今でも続いているというわけだ。 他社のブログを読むと、記事とはなんの関連もない広告が文章の合間に突然現れることがある。オフィシャルのブロガーさんのペー…
体が軽い。 体重の大きな変化はないが(40kg+α)、格段に動きやすくなったのが分かる。 2020年頃から続けている「一生物」のメソッド。そのメソッドに新しいことをひとつだけ取り入れた。 講師のお手本ポーズのようにはいかないが、回数もスピードも緩やかにのんびり続けている。 もう一つは、書くことと読むこと。 呟きは相変わらずだし、画像投稿も半分鍵をかけた状態だ(ストーリーズにスパムお化けが出没したため)。 オープンなのはブログぐらいか😅 そういえば、季節の変わり目に必ずお腹の不調に見舞われていたのだが、最近は落ち着いている。続いてくれると良いのだが… そうそう、読むのはゆっくり。しかも「何冊かを…
冬の気配はドアから引っぺがしてもそこまで悪さをしないが、春の気配となると話は違ってくる。 宇宙全体がポカポカ傾向のようで、ここ猫街も御多分に洩れず。雪は深いが寒さはそれほどでもない。 午後の予定を早めに切り上げ帰宅した。鍵を開けようとして気がついた。 ドアノブに貼りついているのは…随分とまた黄色い気配だ。 猫街に暮らし始めた頃、なんとなく剥がしたところ、目の前が真っ黄色になった。びっくりしたはずみで風を集めてしまい、猫街中の人らがしばらくクシャミが止まらなくなった。 以来、ドアが黄色っぽく見える時は、用心している。 ポケットから紙袋を取り出した。 ドアノブに息を吹きかけ、素早く袋をかぶせる。そ…
芽吹き 初めての場所 明日の約束 家族が逝った日 思い出を発酵させる 寒すぎる時刻の 悩みの種を抱えて まだ 信じていた頃へと 芽吹き 初めての場所 明日の約束 家族が逝った日 ランキング参加中詩
自分の終活は、断捨離と権利関係をできる範囲でコツコツ作業するとして、場合によっては親の終活もまるっと肩代わりする必要がある。 筆者の場合はそれが大変だったので、一時期自分の終活(と言っても、断捨離に毛が生えた程度)をストップせざるを得なかった。 あれこれ悩む時期は過ぎ、淡々と捨てたり手続きしたりしている。 先日も「あれはどこだ😨」と青くなる場面があったが、紛失しても再発行できるものだった。不安要素は少ない。 もっとも、完全に何もかも終わらせておく訳にはいかないだろうから、それは誰かに任せることにする。 できるところまで、できる範囲で。それでいい。 なんて言ったって「ものぐささん」なのだから。
前記事 sa-la-sa-i-poet.hateblo.jp🐈⬛ 🐈 🐈⬛ 🐈 🐈⬛ 🐈 実家仕舞いが済んだからと言って油断していると、思わぬ「片付け忘れ」に右往左往することがある。そのひとつが「それまで実家で暮らしていた人の住所変更」だ。 筆者を含め子どもらはそれぞれ独立しており、ずいぶん前に手続きを終えている。親も、片方はすでに他界、片方は他の場所で静かに暮らしている。 ギリギリのタイミングで「空き家放置」という事態にはならなかったものの、“静かに暮らしている”人の住所変更、つまり住民票を移す(これにより、自動的に保険証や印鑑証明などの住所が書き変わる)のを失念してしまった💧 通常、…
正確さを重んじるならば、育てやすいように人の手で何らかの改良が加えられているのだろうから、“野の花”と呼ぶのは違うのだろう。 だが、野生味あふれる元気のいいこの植物にすっかり魅せられ、もうひと鉢手に入れた。 入荷待ちが数ヶ月続いた店舗に、ようやくトラディスカンチアがお目見えしたのである。 いつも作業するテーブルに彼ら(彼女ら?)を並べて、ぼんやり眺めているうちに呼吸が深くなってくる。 ありがたいことだ。 ランキング参加中雑記
綿菓子のような 思い出だったのでしょう 口を開いた端から少しずつ キラキラ壊れて静かになった 風にさらわれるような 記憶だったのでしょう ペンを持つ指先から僅かずつ チラチラ崩れて見えなくなった 忘れたいことほど 刻み込まれている身としては あなたの姿がほんの少し羨ましい 美しくて妬ましい ランキング参加中詩
もう10分も過ぎて だけど他にすべもなく バスが来るのを待っている 時間、わかりますか 同じく所在無げに立っていた女性が 話しかけてきた そこから なんとはなしに正月頃のことやら 手放したいもののことやら ほんの数分話が弾んで ほんの少し気が紛れた 自分の乗るバスが先に来て それは見慣れない番号だったが 降りる停留所を経由していくので 女性に では、と軽く頭を下げて乗り込んだ バスが動き出してから その人に会釈したが見えたろうか また会えそうな もっと話していたいような 不思議な空間に私たちはいて 寒空をほんのり忘れた ランキング参加中詩
時々、家族の代行で何かしらの手続きをする。 もちろん委任状持参の上で。 ところが、これがなかなかの手間だ。 Aの何かしらを変更するためには、Bという手続きを済ませる必要がある。 Bという手続きを済ませて発行して貰ったとしても、必ず提出するかどうかはAの何かしらの手続きに実際出かけてみるまでわからない。 手続きする人間の「本人確認」は、マイナンバーカードがあれば問題ない。 が、代行を頼んだ家族が本人であるという確認(不正がないかどうか)の書類が、写真付きのものを持っていなければ二種類必要となる。 頼んできた家族は、未だにマイナンバーカードを持っていない。 パスポートを持っていた時期もあったが、す…
電気圧力鍋に魅せられ、使い続けて数年。 操作のしやすさや気軽さ(鍋につきっきりでなくてよい)安全性はもとより、手厚いサポートがありがたく、ずっと同じメーカーである。 何度かモデルチェンジのようなことは行われていて、買い換えるたびに少しずつ加圧時間が違う。中でも、ゆで卵があっという間…文字通り「秒で」出来上がるのは嬉しい。 ご飯が3合炊けるほどのサイズなので、大量に何かをこしらえるというよりも、ふだんのおかずや炊飯に絶妙な距離感で寄り添ってくれる。 具沢山のご飯を作るときに少しばかり水加減を間違えたり、欲張って材料を多めに入れたりすると、加圧前にエラー表示となり調理がそこでストップする。 初めの…
朝起き抜けに 「戻ったよね」 そんな言葉が口をつく 体内時計が息を吹き返し 心身のアンテナがいくつもの 感情をキャッチする ここ数日間の出来事も ここ数年間の日常も 今は全てがありがたく 猫の姿勢を時折真似て 空と向かい合った 朝唐突に 「戻ったよね」 そんな言葉が口をつく 体内時計が息を吹き返し 心身のアンテナがいくつもの わたしをキャッチする ランキング参加中詩
あなたのことを思うたび とても乾いて ただそこにある愛を飲み干したくなるんだ だけどいつまでも満ちることはなくて あなたの声を忘れてしまうんだ あなたのことを思うたび とても乾いて ただそこにある優しさを飲み干したくなるんだ だけどいつまでも満ちることはなくて あなたの顔を忘れてしまうんだ あなたのことを思うたび とても乾いて 幸せがどういう意味かわからなくなるんだ 何もかも 綺麗さっぱり忘れてしまうんだ ランキング参加中詩
去年、念願のトラディスカンチアが手に入った。 蔓性植物で育てやすく、春に可愛らしい花をつけるらしい。 葉がところどころラベンダー色に染まっているところが、なんとも和やかな空気感を作り出してくれる。 植物は偉大だ。そんなことを思う。 植物はたくましい。習うことのなんと多いことか。 比べて人らのなんと小さなことよ、と恥じて俯いた先に、また名も知らぬ花が息づいている。 ランキング参加中詩 ランキング参加中雑記
11月、冬の「ふ」の字もないうちに 決めておいた 全てに当てはまり 全てをあらわし 全ての意味になる 季節のよろしいときは 多少ガツガツして 季節の厳しい折には 多少静かに暮らす 誰とも同じでない時を 誰とも比べることなく 過ごすのである せきとめるものなど 自分の中にしかないのだから ランキング参加中詩
あくまでも自論なのだが、真の孤独は言葉にできないと信じている。 何かしらの単語で表現できるうちは、大丈夫だと。 ただし、リミッターはそれぞれだから、当てはまるからと言って気づかないふりをするのも、あまり体によろしくないような気がするが… それはそれ。 ところで、数年ぶりに引いた大風邪が中〜小風邪くらいになってきて、同時に読書熱が再燃してきた。 別ブログで紹介したのと違う1冊をご紹介。 電子書籍を旅行中は読んでいた。 だが、やはり乗り物での移動中は(酔うので長くは読めないにしても)文庫本が欲しくなる。 重すぎない内容がいいな、と探していて出会ったのがこのタイトルだった。 映像も音もちょっと今日は…
誰彼ともなく いつもより念入りに磨き始めて それは唐突に終わる 少し半端に残ったとしても そこはあまり気にせずに 朝はやってくる 古くなるなどあり得ない 夜もまた同様に 同じ時間は二度紡がれない 瞬間ごとに生まれ変わって 瞬間ごとに何かを忘れては また思い起こすのだ ランキング参加中詩
猫街の夜明けが、ずいぶん遅くなってきた。 もう冬そのものなので、遅く帰ってきて鍵穴に(正確には冬の欠片に)話しかけていても見咎められることはない。 ありがたい😢 これ以上、「寒くなった!」と言われても、何も対処できないから困る。 そういえば、駅向こうの毛糸屋がしばらくぶりに店を開けたそうだ。 風変わりな便りを受けとった。 「雲色した猫のお皿に蜜柑をひとつ、詩人さんへ」 蜜柑。 またきます、と毛糸屋の店主が約束した、あの木が実をつけたのだろうか。 お言葉に甘えて、ついでにいつかのシロップの出来栄えなど尋ねてみるか。 冬は当分、猫街に居座るのだ。急ぐことはない。 ランキング参加中詩
実家仕舞いをして久しい。 筆者自身、猫街に腰を落ち着けており、どこかに帰りたいという気持ちもないのだ。 雑記カテゴリーにメモ程度に書いてはいるが、むろんリアルタイムというわけではなく、多少の妄想を意図的に混ぜている。 したがって、読者にとって参考にならないであろうことを念のため記しておく。 解体して更地にし、土地を売る。 あるいはリフォーム後、家も土地も売る。 実家に縁(ゆかり)のある者たちが知恵を持ち寄り、体験談を読み漁り、専門家に教えを請い、「主な選択肢はどちらかだね」という話に落ち着いた。 その時点で、「誰に(どれほどの範囲に)知らせるか」というこまごましたところまで決めておいた。 訊か…