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日本ファンタジーノベル大賞、大賞受賞作である『僕僕先生』。そんなことはつゆ知らず、可愛い表紙絵に魅かれて読んでみたら大当たり。挿絵は畠中恵さんの「つくもがみ貸します」も担当された三木健次さん。貧相な馬を引く青年と、かわいらしい少女が綺麗な色
京大卒の芸人・ロザン宇治原さん。高学歴芸人としてクイズ番組で圧倒的な回答力を誇っています。そんな宇治原さんを主役に相方・菅広文さんが書いた小説が「京大芸人」です。宇治原さん主役といっても、宇治原さんを観察している菅さん視点で話は進みます。二
万城目学さんの描くエッセイは、なんとも不思議な出来事ばかり。現実と虚像が日常と非日常が入り混じっています。 不思議で面白い小説を書く人は、やはりエッセイも不思議で面白いのです。 一言感想 エッセイというより、もはやショートショート 風が吹け
千円で贅沢な気持ちになれる買い物。雑貨や食器、キッチン小物など、日々の暮らしを丁寧にしたい人向きのエッセイです。『群ようこの雑貨カタログ』に続き、日常の小物をモチーフにしたエッセイを読んでみました。作者の中野翠さんは着物や手芸にも詳しく、フ
納豆マガジン一号「NEVER NEVER (未開の) 納豆」
『納豆マガジン』とは、納豆の魅力をあらゆる角度から紹介する、納豆への(ある意味変態的な)愛に満ちあふれた雑誌です。まさに、「納豆好きの、納豆好きによる、納豆好きのための雑誌」と言えるでしょう。一度目を通してしまうと、まるで「糸が引くように」
絵本『小さなピスケのはじめての旅』は、ジブリのアニメーター、二木真希子さんがお話です。私、絵本はほとんど読まないのですが、読んだらいっぺんで好きになってしまいました。『小さなピスケのはじめての旅』あらすじねずみに似たジュムというの女の子・ピ
『金魚生活』は中国の一般女性の恋と家族関係を描いた小説です。主人公が日本を訪れた際に感じたカルチャーギャップを交えながら描かれています。表紙の写真は蜷川実花さん。「金魚生活」 あらすじ主人公の玉玲はレストランで働いている。仕事は金魚の世話。
宮下奈都さんの「誰かが足りない 」。レストランと食べ物にちなんだほっこりとした話かとおもいきや、意外な視点で物語が綴られます。様々な人がレストランに予約を入れるまでの、オムニバスになっているのです。古くからの老舗で、人気のレストラン・ハライ
いしいしんじさんの、切なくて不思議な物語『麦踏みクーツェ』麦ふみクーツェ あらすじ港町でそだった「僕」は、ねこそっくりな声を出すことができる。おじいちゃんは町の吹奏楽のリーダーで音楽のこととなると人が変わったように厳しくなる。父さんは数学の
「パンとスープとネコ日和」は、「かもめ食堂」のスタッフが制作したWOWOWドラマ。その原作にあたる「パンとスープとネコ日和」を読みました。こちらも「かもめ食堂」と同じく、群ようこさんが原作を手掛けています。「パンとスープとネコ日和」あらすじ
『くうねるところすむところ』は、工務店を舞台に、建設業界で働く女性たちの挫折と成長を描いたお仕事小説です。『くうねるところすむところ』あらすじ転職雑誌の副編集長である梨央は、やりがいのない仕事と出口の見えない不倫(編集長と)に嫌気がさし、酒
ピクトグラムとは、公共の場所などで何らかの情報や注意を示すために表示される簡略化されたイラストで、看板や案内板などによく見られます。特に「注意型」のピクトグラムは人型であらわされることが多く、その行為の危険性を身をもって私たちに知らせてくれ
『つむじ風食堂の夜』は、『それからはスープのことばかり考えて暮らした』と同じ、懐かしさの残る架空の街・月舟町を舞台とした物語。わたしは食いしんぼなので、物語のなかに食堂がでてくるお話が好きです。本なら『グアテマラの弟』『かもめ食堂』など、肩
奇想天外な空想博物本を発表しているクラフト・エヴィング商會。「どういうこと?」と思ったら、まずは読んでみてください。「ないもの、あります」は、本のタイトル通り、ことばの上では存在するけれど、実際に存在しないものをあたかも「ある」ように作って
「臣」は、目を潰され、生贄にされた民。「取」は、討ち取った敵の「耳」を着る様子。冒頭からおそろしい解釈が続きますが、これは最初の漢字・甲骨文字が伝える漢字本来の姿なのです。漢文学者・白川静さんの『神様がくれた漢字たち』は、こうした怖さも含め
仕事や日常生活の効率を上げたいけれど、いつも机の上が散らかってしまう、カバンから必要なものをすぐに取り出せない。そんな悩み、ありませんか?以前の私は机の上はグチャグチャで効率も悪く、しょっちゅうミスをしていました。でも、「整理HACKS!―
お金がなかなか貯まらない…。そんな悩みにちょっとしたコツでお金を貯める方法を教えてくれるのがこの『会計HACKS!!』です。楽しみながら資産を増やすアイデア満載の『会計HACKS!!』は2人のプロフェッショナルによって書かれました。『会計H
動物園とはちがった、カピバラの一面がみられる写真集です。 いつもは動物園でのんびりと暮らすカピバラですが、野生ではどんな風に暮らしているのでしょうか。 猫の写真で知られる写真家・岩合光昭さんによる写真集『かぴばら』は、南米に生息する野生のカ
瀬尾まいこさんの『図書館の神様』は、傷ついて落ち込んで、うだうだと日々を過ごしたことのある人に読んでほしい本です。 成長も回復も、そう簡単にはいきません。そんなじれったさと、ほんの少しの前向きな気持ちがこの本には込められています。 『図書館
「言いまつがい」とは、糸井重里さんのほぼ日刊イトイ新聞が集めた「思わず言い間違ってしまった言葉」のことです。 上司に叱られてしまったり 人間関係などで疲れてしまった方におすすめします。でもこの本を読んでも何も解決しません。ですが、読むとおも
文豪の娘が描くグルメエッセイは、レトロで美味しいものばかり。 日本を代表する文豪・森鴎外の娘・森茉莉は小説やエッセイストとして活躍しました。 茉莉さんは、お嬢様育ちで家事全般苦手だったそうですが、食に関してだけは、食べるのも作るのも大好きだ
瀬尾まいこさんのエッセイ『見えない誰かと』は日々の楽しさを綴ったエッセイです。私の学生時代にも瀬尾さんのような先生がいたら楽しかっただろうな。 エッセイは、当時現役の中学生教師だった瀬尾さんの教師生活についてやご家族やいとこたちの話、友達に
田辺聖子さんの『朝ごはんぬき?』は、女流作家とその家族の様子を、秘書である主人公の視点で描いたコメディタッチの小説です。 女流作家とその家族の一風変わった生活がユーモアたっぷりに描かれていて、読んでいると思わずニヤリとしてしまいます。 『朝
『おしまいのデート』は、普通の人々の、よくあるようなお話です。けれど、瀬尾まいこさんが描くと、どのお話もいとおしく、切なくなります。 瀬尾まいこさんは、私たちが邪険に扱ってしまう普通の日常を、丹念に拾い集めて磨き上げ、私たちの前に見せてくれ
行動経済学とは簡単に言うと「お金の使い方って、気持ちで変わっちゃうよね」ということです。 「なんだか難しそう…」、「私には関係ない」と思ったそこのあなた! 行動経済学は日常での買い物でも応用できる、実用性の高い学問です。そんな行動経済学のし
こんにちは!本日は南と華堂さんでお店番を行いながら、棚の本を入れ替えしました。 11月のテーマは ”舞い込む” です。どの本にも共通に出てくるのが家。そこになにかが突然舞い込んでくるのです。家の扉を開いたがためにオオカミに襲われる物語もありますが、この物語たちは安心してください。ハッピーが舞い込みます。しかも秋から冬にかけての季節にぴったりな本が揃いました。本リストはこちら! 【本リスト】 ※11/5現在 『こぶたのレーズン』 『あさがくるまえに』 『ふくろうくん』 『きんいろのとき』 『こぶたのレーズン』 バーリント・アーグネシュ 作 ブローディ・ベラ 絵 ↓記事はこちら ハンガリーで生まれ…
こんにちは!おでん文庫の11月の本棚のPOPを作成しました。 11月のテーマは【舞い込む】です。 12月の年末を意識し始める11月。年の瀬に向けて、残りの日々を惜しみながら、やること、やりたいことに向き合っていくように思います。 そんな季節に”舞い込む”と聞くと、日々やることがパンパンなスケジュールに何が舞い込むんだと、おもわず身構えてしまうかもしれませんが、安心してください!予定外のハッピーが待っています。 舞い込む、という偶然で奇跡的なできごとがどんな物語を紡ぐのかを知ったとき、ちょっとでも忙しい日常の中に可愛げを見つけられたらいいなと思います。 それでは次回からテーマ本を紹介していきます…
こんにちは!最近、秋晴れが気持ちいいですね。元気よく半袖で出かけたら、外で半袖の人を一人も見かけなくて、日傘を深めに差して歩きましたとさ。 さて、おでん文庫の10月の本棚テーマ”おくりもの”の本紹介は、今回でラストになります。 『きんいろのとき』 アルビン・トレッセルト 文 ロジャー・デュボアザン 絵 江國 香織 訳 アルビン・トレッセルトとロジャー・デュボアザンのふたりの絵本『きりのなかのかくれんぼ』が好きで、ふたりの作品を辿っていたときに出会ったのがこちらの絵本でした。訳は江國 香織さんということで、読む前から期待も高まってしまいます。 『きりのなかのかくれんぼ』では、訳を片山 令子さんが…
こんにちは!今日は仕事が思うように進まずに、先程までしなびていました。夜遅くまで働くと悩みが次々と浮かんでしまって結局、早く寝た方がよかったりするのですが、夜は悩むのをスパッとやめるのがどうにも下手。今日はこのブログを書いている間に、ほどよい睡眠に襲われて、スカッと寝よう。 それでは本日紹介するのはこちらの絵本です。 『アフリカの音』 沢田 としき 作・絵 沢田 としきさんは、アフリカにあるエンザロ村に図書館を作った日本人メンバーのひとり。そのことを知ったのは、『エンザロ村のかまど』という絵本でさくま ゆみこさんの紹介文を読んだことから。 「アフリカ子どもの本プロジェクト」を立ち上げているのを…
いつかどこかでこんなことが起きてもおかしくない、と思うエピソードもあり、ゾワゾワした。 現代ならではのミステリー短編集である。 #真相をお話しします 結城真一郎 #真相をお話しします amzn.to 1,303円 (2023年10月15日 13:42時点 詳しくはこちら) Amazon.co.jpで購入する この本に収録されている「#拡散希望」という作品は第74回日本推理作家協会賞短編部門を受賞している。どのエピソードも面白かったが、ひとつだけ挙げるとしたらやはり「#拡散希望」が最後の最後まで面白かったなと思っ
この著者は「言ってはいけない」という別な本を書いている。 そちらはまだ読んでいないのだが、この本に書かれていることもまた「言ってはいけない」真実を含んでいる気がする。 バカと無知 人間、この不都合な生き物 橘玲 バカと無知 (新潮新書) amzn.to 968円 (2023年10月13日 12:27時点 詳しくはこちら) Amazon.co.jpで購入する 知らないということを、知らない さまざまな実験や論文を根拠に、人間にとって「不都合」と言ってもいいような真実が書かれている。 この世にはそんな実験をしてい
こんにちは!友達のおすすめで『モブサイコ100』のアニメを見ていたら、筋肉を付ける努力をしている主人公のモブ君に感化されて今日は久しぶりにジョギングをしました。続けたい…! 本日紹介するのは、今月の本棚でオチオシしたいこちらの絵本です。 『あんちゃんのたんぼ』 梅田 俊作 作 絵も内容も一度読むと心に残る絵本です。絵も文章も作者がひとりで手がけている絵本というのは見かけることがありますが、それってなかなか出来ることではないですよね。 絵が絵本の中の要素として重要であることはもちろんなのですが、ある程度自分で文章を読んで理解や想像を膨らませることができる小学生が読むものとなってくると、人の気持ち…
こんにちは!今日は冷たい風が吹いて急に涼しくなり、気温が20度以下かと感じる勢いでしたが、最高気温が25度くらいありました。それくらい夏の気温が強烈だったということですね。ひとまずは夏を乗り越えたことを喜んで、それから秋に浸っていきたいです。 今回紹介するのは、10月の本棚テーマの決め手となった本です。 『つるばら村のパン屋さん』 茂市 久美子 作 中村 悦子 絵 この表紙がすごく好きです。ウサギたちが覗き込んでいる窓の内側には、焼き立てのパンの香りが広がっているのだろうかと想像をしただけで、なんだか幸せな気持ちに包まれます。 この幸せな食欲を我慢しなくてもいいんだよと、自分に許しを与えられる…
こんにちは!本棚を借りている南と華堂(なんとかどう)さんで、棚の本を入れ替えしてきました。店主さんと熱い絵本トークをして、身体がポカポカ!自分は奥深い児童文学の世界へ足を踏み出すきっかけを作れるように、ブログで発信をしていきたいです。 ということで本題の10月のテーマは ”おくりもの” です。本リストはこちら! 【本リスト】 ※10/1現在 『あんちゃんのたんぼ』 『つるばら村のパン屋さん』 『アフリカの音』 『きんいろのとき』 『あんちゃんのたんぼ』 梅田 俊作 作 『つるばら村のパン屋さん』 茂市 久美子 作 中村 悦子 絵 『アフリカの音』 沢田 としき 作・絵 bookclub.kod…
こんにちは!おでん文庫の10月の本棚のPOPを作成しました。 10月のテーマは【おくりもの】です。 初めは実りの秋をテーマに、「収穫」というテーマ名が浮かんでいたのですが、しっくりいかず、なんでだろうと考えていました。そんなときに読んだ一冊の本(10月の本棚にも置く予定です)。パン屋さんの主人公が、動物や不思議な生きものからもらったものから、新しいパンのアイデアを閃くのです。 そこで思いました。「収穫」という名前では、その先が見えない気がするのす。手に入れて終わるような。このパン屋さんの主人公のように、誰かからの「おくりもの」を、今度は誰かへの「おくりもの」に。「おくりもの」を受け取った人の気…
こんにちは!先週末にコロナになり、今週はブログ更新をお休みするか悩んでいたのですが、書きたくなって、更新しちゃいました☆ 9月の本棚テーマ【月さんお星さん】のラストは希望の星の本です。 『片手いっぱいの星』 ラフィク・シャミ 作 若林 ひとみ 訳 太田 大八 装丁 片手いっぱいの星。かみしめたくなるタイトルです。手の届かない場所にある星、そういう遠くにある存在だからこそ夢や願いを託すこともあるのだと思うのですが、そうした物理的な障害をひゅんと飛び越えて、星を掴んでいる子どもが、キラキラして目の前に現れました。 このキラキラした星、掴むか掴まないか選択肢が選べるとして、気軽に掴むことはできるでし…
こんにちは!今日は本を紹介するにあたり、ずっと哲学について頭を悩ませていました。悩んで頭が燃えカスになっただけで、一日が終わりました。 そんなこんなで、本日紹介するのはいつか本棚に置きたかったスイスの作家の物語です。 『まだ世界が若かったころ』 ユルク・シュービガー 作 ロートラウト・ズザンネ・ベルナー 絵 松島 富美代 訳 9月の本棚テーマ【月さんお星さん】で紹介をしている本の中で、今回は少し変化球の本になります。1冊で1つの物語が紡がれているのではなく、さまざまな短編(短くて3ページというのも)がある中に、星が登場する物語があります。 タイトルの『まだ世界が若かったころ』というのも、なんだ…
こんにちは!いつも先に本文を書いてから、ここの前置きのような文章を書いているのですが、今回の文章はこってりかもしれません。7・8月の本棚テーマでひとりの作者を取り扱ったこともあり、なんだか自分の中で山下さん像が作り上げられてしまった文章になりました(汗)。いろんな考え方、物の見方があると思うので、私自身決めつけないように気を付けていつつも、人からAの意見を聞くことで、違うBが浮かんでくることがあることを思うと、つらつら自分の考えを書いていくことが新しい考えを生むのかな…と前向きな期待を込めて。十人十色で感じ方・考え方はいろいろあることを、本を読んでいると思うようになります。世界が広いと分かるこ…
こんにちは!昨日の夜、さえぎる雲も無く、月が綺麗に見えるなあと思っていたら、今日が今年で一番地球から近い大きい満月がみられるそうです。別の話で、ある漫画で月の引力が潮の満ち引きに関わっていて、そのせいで涙が溢れてくるといったくだりがあったことを思い出しました。これもまたちょうど本日、ジブリ映画の「君たちはどう生きるか」を観た際に泣きました。映画館で見るつもりのなかった奴が心を揺さぶられて家路に着くのでした。 そんな満月の引力が涙も心を引き寄せるような日におすすめの、お月さまと少女の甘やかな時間を描いた絵本を紹介します。おでん文庫9月の本棚テーマ【月さんお星さん】の紹介1つ目にぴったりの真っ直ぐ…
こんにちは!本日は、棚を借りている南と華堂(なんとかどう)さんのお店番をしながら、本棚の中身を入れ替えました。 お店ではちょうどアイスランド絵本のパネル展が開催されており、しげしげと展示パネルやアイスランド関連本を眺めていました。アイスランドは3月に山をテーマで扱ったのをきっかけにアイスランド関連の本をいくつか読んでいるうちに、火山や間欠泉、地球の割れ目、月面着陸の練習場所になったなど、自然に関することや、国民に大事にされてきたアイスランドの言語について、興味がまだまだ熱いです。お店で掲示している案内POPの画像を最後の方に貼っているので、雰囲気を知る参考にしてもらえたら! さてさて9月のテー…
こんにちは!今日、自分の住んでいるあたりの天気は突然の荒れ模様でした。晴れ間が遠くに見えながらも、一時的な激しい雨がそこら中のコンクリートや家の屋根、植物たちにドドドと打ちつけていました。雷もゴロゴロ鳴り、一時ながらも荒々しかったです。そういえば、本日紹介する絵本の主人公である黄色いヨットのチビチャーナも、雨や荒れた海を過ごしていました。建物の中で聞く雨や雷の音は、やはりどこかで守られている安心感があります。でも、もし建物の外に傘もなく放りだれていたら…と考えると、今日はチビチャーナの気持ちに寄り添う気持ちが一層強まります。 ということで、荒れ模様な天気の日に紹介する絵本はこちらです。 『みな…
こんにちは!お盆という大人にとっての夏の連休が終わってしまいましたね。この期間、私は偶然にも海を見ることができました。太平洋というおおらかな言葉の響きに反して、波の音が力強くて渋かったです。水平線には船もなく、ひたすら横一線の青で、この水平線を東に向かってひたすら進み、大陸が見えてくるときというのはどんな具合なんだろうと、想像の中で旅をしていました。実際の船旅は不慣れでちょっとどきどきしますが、いつかハリネズミ・チコのように地中海あたりを巡ってみたいです。 ということで本日紹介するのは、作者の好きなフランス語”ボンボヤージュ(よいたびを)”から想像を膨らませて生まれた絵本です。 『いいたび ボ…
こんにちは!夜、寝つきが悪いとき、みなさんはどうしていますか。私は夜寝る前に考え事をすることが多いために、なかなか寝つきが悪い方です。ビデオテープの早送りと巻き戻しを繰り返してテープがそのうちキュルキュル悲鳴を上げていくような具合に、オーバーヒートしていきます。そうして熱くなった頭を冷やすためにどうするかというと、オードリー・ヘプバーンが歌う「Moon river」とエルヴィス・プレスリーの「Love Me Tender」を聴くようにしています。優しい歌声とギターの音がここちよくて、すーっと頭の中が真っ白になっていく不眠の救世主です。歌の力がこんなところでも発揮されていると思っていたら、今回紹…
棚を借りている本屋で力説したとにかくページを開いてほしい絵本
こんにちは!ブログの書き出し(このこと)に悩むと、ひとまず本の紹介文の方から書き始めるのですが、紹介予定の本の画像が涼し気でいいですね。涼を感じます。最近、このブログを読むのが癒しといってくださる方がいて、ちょうど本日紹介する絵本は目から癒しを与えてくれる表紙なのではと思っています。文章で疲れたらぜひ、表紙に戻ってみてください。 ということで本日紹介するのは、こちらの絵本です。 『よるのふね』 山下 明生 作 黒井 健 絵 南と華堂(なんとかどう)さんで本棚の本を入れ替えたときにお店にいらしていた方々には、こちらの絵本を確か一番最初にご紹介させていただきました。それくらい、絵のすごさを特に伝え…
こんにちは!最近はますます日差しが強いですね。家を出て数歩足らずで、たいてい頭に浮かぶのは「カフェでコーヒー飲んで涼みたい」です。近所の公園では、通るたびに小学生くらいの子どもたちが水道を利用して、ばっしゃーと全身水浸しにしているのをみて、うらやましくなっています…。 ということで、本日紹介するのは、ばっしゃーっと波を浴びるスカッと気持ちの良い絵本です。表紙からしてテンションが上がります。 『みんなでうみへいきました』 山下 明生 作 梶山 俊夫 絵 冒頭でお話した水道で水浴びをする子どもを見ていて思うのが、自分はそうした経験をしていたのかどうかということです。みなさんは公園で水浸しになった経…
暑い夏、サクッと読めてちょっとゾクッとする本はいかがだろうか。 短編集なので「ちょこっと読み」ができる。 暑くて集中力が続かないという時でも、先が気になって一章分は読めてしまうのではないだろうか。 最後のページをめくるまで 水生大海 最後のページをめくるまで (双葉文庫) amzn.to 748円 (2023年07月22日 11:52時点 詳しくはこちら) Amazon.co.jpで購入する ミステリーはあまり読まないのだが夫に勧められて読んだらハマってしまい、あともう一つだけ読んだら終わりにしよう…と思って
こんにちは!このあいだ海の日を迎えて、みなさん夏ムードはますます高まっているでしょうか。自分の方は、現実は季節と関係のない過ごし方になってしまっています。七夕のときに風鈴の音を聞いたのが、ここ最近で夏を感じたものでした。いや、そういえば蝉の鳴き声も聞こえるようになってきましたね。製氷機で氷をつくり始めるようになったりも。地味な日々です。家の中にあるはずのうちわも、そろそろ見つけ出したいです。 さて本日は、実際にある海のポストを題材にしたおもしろい絵本をご紹介です。 『うみのポストくん』 山下 明生 作 村上 康成 絵 この絵本を選んだのは、4歳の男の子を持つお母さんのお話を聞いたのがきっかけで…
こんにちは!7月が始まったばかりだというのに、夏の暑さがこたえますね。毎日アイスクリームを食べたい誘惑にかられています。先日読んだ片山 令子さんの『惑星』の本の中にアイスクリームを作る話があったなぁ。子どもの作者とお父さんとの交流が描かれていました。父親と子どもの交流というものは、子どもの好奇心にこたえるようなところがあるなあと思ったものです。 おでん文庫の本棚は7・8月のテーマ【ここにある海】で、山本 明生さんの本をたくさん紹介していきます。その中で、本日紹介するのは、父親と息子のあいだで繰り広げられる物語です。 『ふとんかいすいよく』 山下 明生 作 渡辺 洋二 絵 この本のあとがきを読ん…
こんにちは!先日、本棚の中身を入れ替えに行ったときに、人形劇に参加しクラリネットを演奏するハイパーな友だちと一緒だったのですが、友だちの持っているものが自分とは対極で魅力的に感じます。絵といえば、誰かと間接的に関わるかたちです。そこでは誰かが絵を眺めている時間の長さによって、何かを感じたり、見つけたりするものがあると考えています。逆に演奏や人形劇は、例えばその場で誰かを笑顔に出来るような場のチカラがあって、キラキラの中心に心が引き寄せられていく感覚。そういう場に立ち会うと感動して鳥肌が立ちます。 本を読んでいる間も、そうした場のチカラを感じるような臨場感のある感動を受けることがあります。渡辺 …
こんにちは!おでん文庫の本棚を入れ替えましたのでご紹介です。ちょうどその時にお店にいらっしゃった方が興味を持ってくださり、一冊手に取ってくださいました。絵が好きかも…と話されていた姿が優しげで、とても心に残りました。ありがとうございます! さてさて、7・8月の本棚のテーマは夏らしく ”ここにある海” です。本棚に置いている12冊全て作者は同じ、山本 明生(やました はるお)さんです。 テーマや本の決定について、実は6月頭までは、7・8月それぞれで置こうと思っていた本もテーマも別にあったのです。これが偶然の流れでまったく違う方向に舵取りすることとなりました。 というのも、6月の本棚で扱ったアルビ…