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どうしていいか途方に暮れていた彼であったが、目の前の惨劇にやっと名案を思い付いたかのように「アッ、そうだ」と呟くと、パンツの後ろポケットに入れていたハンカチを取り出して、女性に渡していい程度の綺麗さであることを確かめてから、美里に両手で差し出してきた。 美里は無言でそれを受け取り涙を拭きとった。もう泣き虫の私はどこかに行ってしまったようなので、美里はホッとした。 「ありがとう。」 「それ、良かったら持っていていいよ。僕はもう一つ持ってきたから。」 もう一つ……その言葉を聞いたらまた目が潤みそうになってきた…。 -今日の私は感傷的すぎるわ。どうしちゃったんだろう、本当に。 美里たちは自然と並んで…
美波は受話器をそっと置いた。 まだ胸がドキドキしている。 -驚いたわ、電話してくるなんて思ってもみなかった。 先ほど母から、悠介クンから電話よ、と聞いた時には思わず、エーっと声を上げてしまった。 今年正月に会った時はあまり話が出来なかったような気がする。話したのは主に、従姉の麗子さん、つまり悠介クンの姉とだけだった。 悠介クンとは、親戚一同がいる前ではどうも話しずらいし、目を合わせるのが何故か恥ずかしい。 -どうしてなんだろう。いつからこんな気持ちになったのだろう。 彼は2歳年上の従兄だけど、私は彼のことを小さい頃から「悠介クン」と呼んでいる。母がそう呼んでいたので、わたしも物心ついたころから…
あらすじ 付属高校から理工系学部に進んだ大学2年生の城ケ崎悠介は、男子高出身だったこともあり、高校以来女子学生との出会いが少ないのが悩みと言えば悩み。どちらかと言えば周りの仲間たちに埋もれて存在感の薄かった悠介が、これから出会う人たちとの交流・交際を通して成長していく恋愛物語です。 週に2,3回程度追加予定です。 主な登場人物 (第10話まで) 城ケ崎悠介 私立W大学理工学部2年生 一見優男で優柔不断なところもあるが、反面いったん決めたらとことんやる一途な一面もある。曲がったことが嫌いで、家族(特に女性陣)から不器用な性格と言われる。小さい頃から失恋ばかりで、恋愛に関しては成功体験ゼロ。2歳上…
こんにちは。ホントは別の記事にする予定でしたが、どうしても気になることがあるので違う話題をUPします。こないだ、取引先の社長さんとリアル麻雀した後にとあるキ…
恋愛を発展させる極意とは?女性から連絡しないと恋は発展しない?
一度デートしてからというもの、相手から何の連絡もない。 そんな時「彼に嫌われてしまったのでは……」と不安になるでしょう。 […]