手紙とは事実を伝えるデバイスである8-6
「言いがかりですね。もし仮に、社長と密接な関係性を築いていたとして、妥当性の証明を、納得するような説明を一般的な理解にまで落とし込んで話さなくては。……あなたの感覚、刑事の感や直感が威嚇鋭く、単なる予感でないデータの観測も含めた予知であっても私を拘束する理由にはなりません」 「返す言葉もありません。いやあ、参りましたね」熊田は頭を掻いた。後頭部は掻いてみると意外に痒みが出てきた。 玉井はじっくり熊田の態度と発言を観察。しかし、切り離して息を大げさに吐いた。「何が聞きたいのか、さっぱりわかりません。理解に苦しみます」 「犯人は本当に社長室から逃げ出したんでしょうか?」 「はい?いまさら何を」玉井…
2024/06/24 06:32