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2019/10/20

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  • 寝つき改善

    お医者さんの勧めで睡眠時間を増やす努力を始めてしばらく経ちますが、目が覚めた後に布団の中で大人しくしているのは性に合いません。冬場は、目覚めてから数分の間、ぬくぬくしているのが楽しみでもありましたが、今は寝床を抜けて活動開始するのが楽しい季節となりました。 仕事をしていた頃は、脳みそが疲労困憊していても妙に寝つきが悪い夜が度々ありました。疲れているのに眠れないのは体が疲れていないから、と運動量を増やしたり湯舟に使っている時間を長くしたりといろいろと試したものの、あまり効果はありませんでした。最後は寝る前の数十分、瞑想やストレッチをすることである程度の寝つきの良さが得られるようにはなりました。 …

  • 本音の解放

    周囲への気遣いや自分に気を遣わせないようにしようとする心がけは、会社員時代に身に沁みついたものですが、本来の自分はそれほど他者への思いやりに溢れるような人間ではなく、「上司として」とか「部下として」あるべき姿に近づこうと、そういう“振り”をしていただけでした。 会社で見せていた私という人間は仮の姿でした。本当は面倒臭がり屋で社内のいざこざには関わりたくはなかったにも拘わらず、自分の本心とは真逆に行動してストレスを募らせていたのだと思います。 病気休職中の元部下とは、在職中にはメールのやり取りをしていましたが、彼に私の退職をメールで告げて以来、先方からの連絡はありません。彼に限らず、一度でも仕事…

  • 散歩

    近所の総合病院に面した通りに桜並木があります。車や人の往来は多くなく、静かに桜の花を愛でるには最高の場所です。 今年は敢えて桜の名所巡りはしませんでした。今の私は人気スポットに足を運ぶよりも、地元民しか知らないような人混みとは無縁の花見の方が性に合っているような気がします。 花が咲き誇っていた間は、朝の散歩の途中に病院前のベンチで一服していましたが、あっという間に葉桜となってしまい、桜並木は普通の散歩コースに戻りました。 朝の散歩は、在宅勤務が出来るようになって以来の日課です。仕事をしていた頃は、その日の段取りなどを考えてしまうので散歩に集中することはありませんでした。今はどうかというと、何も…

  • アレルギー検査

    数週間前に花粉症のような症状が出たので、近所のクリニックでアレルギー検査を受けましたが、検査結果が出るまでの一週間余りの間に症状はほとんど治まってしまいました。 lambamirstan.hatenablog.com 結局、埃の立つ中でマスクもせずに掃除をしていたことが原因だったのだと思っていたところ、送られてきた検査結果では、スギやヒノキなど樹木系のアレルゲンで陽性反応が出てしまいました。そのほか、ハウスダストや猫・犬に対してもアレルギーがあることが分かりました。 それぞれの陽性反応の“度合”はそれほど高くないようでしたが、その結果を受けて、クリニックに電話で問い合わせたところ、現在発症して…

  • ダイコンの葉っぱ

    近所のスーパーでお米5キロが3,600円台で売られていたので一袋購入しました。スーパーでの買い物はそれが目当てではなく、朝一番での買い物もたまたまだったのですが、「一家族一品限り」のポップに乗せられてしまいました。我が家の米びつのお米もあと数日の残量だったので、買い時に手頃な値段で手に入れられたのはラッキーでした。 以前の記事で触れたとおり、妻は食品や日用品の購入時に価格を記録していますが、去年の今頃は、食料品の値段を単品ごとに気にするようなことはありませんでした。 lambamirstan.hatenablog.com 生鮮食料品は季節変動はあるものの、長い間ほとんど横ばいに近い動きでした。…

  • 年度替わり

    退職して初めての年度替わり。会社勤めをしていた頃は忙しなく、心が落ち着きませんでしたが、今ではただの月跨ぎでしかありません。 仕事を辞めて早三か月経ちました。当初は、自由な時間を手に入れた高揚感とそれを持て余してしまうのではという不安感が混在していました。 高揚感がそれほど長く続かないのは想定内でした。他方、意外にも時間を持て余すこともなく、余計な不安も今のところ感じません。 “自分時間”が増えたことで、やりたいことや行きたい場所に行くための待機時間がほとんどなくなり、それがストレスを感じなくなった要因のひとつであることは間違いないのでしょう。 ただ、それ以上にありがたいのは、自分が思い描いて…

  • 袋分け卒業

    我が家はこれまで毎月の支出を袋分けして管理していましたが、妻が年度替わりを機に終わりにすると言いました。 公共料金も新聞代も口座引き落としなので以前にくらべれば袋の枚数は激減し、今は現金で手元に置いておくものは食費と日用品代と予備費くらいのものです。これからは、毎月現金で支払う費用の分だけを銀行口座から引き出して家の財布に移すようになります。 その気になれば、日々の出費のほとんどをキャッシュレスにできますが、アナログネイティブの妻と私としてはお金の大切さを実感できなくなりそうなので、ひとまず様子見することにしました。 家計の袋分け管理は私よりも妻の拘りが強かったのですが、ライフステージの山場を…

  • 花粉症の仲間入り?

    下の娘は酷い花粉症で、二年前には市販薬では症状を抑えられず、お医者さんで注射を打ってもらうようになりました。本人曰く、だいぶ症状は緩和されるものの、春先から梅雨入り前まで不快な状態が続くようです。 まだ娘が家にいた頃は、空気の入れ替えに家中の窓を開けることもできず、他の家族も帰宅した際には家に上がる前にコロコロ(粘着クリーナー)で念入りに“花粉取り”をしなければなりませんでした。 昨年娘が一人暮らしをするようになったので、今年は誰も玄関先でコロコロしなくなったのですが、娘がたまに家に帰ってくる日は、午前中に念入りに家中を拭き掃除しています。 花粉症持ちは大変だと気の毒に思っていた私も最近になっ…

  • 雑音嫌い

    会社勤めをしていた頃、コロナ禍の影響もあって在宅勤務制度が導入されました。基本は週三日。本人や家族に基礎疾患があったり同居している家族に病気療養中の者がいれば完全在宅勤務が許されました。 私の場合、妻の闘病生活の開始とコロナ禍が重なったこともあって、在宅勤務ができるようになったのはとても有難かったのですが、それはさておき、在宅勤務によって思いのほか仕事が捗ったことに驚かされました。 我が家は交通量の多い通りに面しておらず、ご近所の生活音に悩まされるような立地でもないので、仕事をする環境としては打ってつけでした。 ところが、書類の読み込みや検討作業を遮るものがない環境に慣れると、出社して同僚の話…

  • お願い事

    寒い日と暖かい日が交互に訪れて、少しずつ春の穏やかな日が近づいてきています。そろそろ冬物の片づけをしようかと話していると、妻や娘は、四月になっても底冷えする日があるので、衣類の入れ替えはゴールデンウィークで十分と。妻からは、退職して以来私が何となくせっかちになったと言われる始末です。 仕事をしていた頃は、平日に何か思いついても「次の週末に」と先送りしていたものがいろいろありましたが、今は「思い立ったが吉日」とすぐに片づけるようになりました。 といっても、それらは大した用事ではありません。洗濯機のクリーニング、害虫用の粉剤撒き、靴の踵の補修 ー 。妻曰く「どうせすぐにはやらないと思って、時間の余…

  • コーヒー熱

    以前、コーヒーのハンドドリップに凝っていた時期がありました。娘たちからは「スタバのコーヒーの方が美味しい」と、自家製コーヒーに軍配が上がることは一度もありませんでした。その言葉を励ましと受け取り、自分なりに試行錯誤を繰り返したものの、熱しやすく冷めやすい性格ゆえ、私のコーヒー熱は一年も持たずに冷めてしまいました。 先日、食器棚の奥に仕舞ってあった手挽きミルを引っ張り出していると、妻が「冷凍庫にコーヒー豆があるから」と教えてくれました。新しいコーヒー豆を買う前に在庫の豆を使い切らなければ、などと考えている私の胸の内を見透かしていたのか、妻からは、コーヒー豆も値上がりしているので、「よ~く考えてか…

  • 字忘れ

    会社勤めをしていた頃の最後の数年は、極力資料などの印刷は控えるようにとの社内方針が進められていましたが、私は社内文書や契約書のドラフトを印刷して、そこにコメントや修正案文を手書きしていました。ページを自分の手で手繰って書き込む作業をしないと上手く考えがまとまらず、退職まで古い習慣を捨てることが出来ませんでした。 そのため、私の右手中指にはペンだこが残り続けていました。自分の中で、ペンだこを“育てる”のは仕事をしている証でもありました。 仕事を離れて約三か月。手書きする機会が激減どころかほとんどなくなって、長年の相棒だったペンだこもうっすらと痕跡を残すだけになってしまいました。これからはペンや万…

  • 映画鑑賞

    週明けから妻と娘たちは関西方面に気まぐれ旅行に出ています。私はちょっと風邪気味のため独り留守番することにしたのですが、体の不調は一晩寝たら快復しました。こんなことなら妻たちと一緒に出かけられたのにと思う反面、せっかくの静かな生活を満喫しています。 ビデオデッキをテレビに接続して、先日発掘したビデオテープの中から『キリング・フィールド』を“鑑賞”しました。 lambamirstan.hatenablog.com 高校生の頃、付き合っていた彼女と初めて見に行った映画でした。見終わった後に彼女がポツリと吐いた「デートで見る映画じゃなかった」という一言を、私は自分に向けられた侮辱と大袈裟に受け止めてし…

  • 高額療養制度

    先の生活を見通すのは楽しみでもあり不安でもあります。今の生活レベルを維持していれば大丈夫と思っていても、それは公的なサービスが今までどおり継続されることを前提にしているわけで、年金や健康保険などの制度が崩壊することは想定していません。 この国の公的サービスが突然なくなることは ー 少なくとも私が生きている間は ー ないのでしょうが、これから私も仲間入りする高齢者の負担は増えることはあっても減ることはないのでしょう。 昨今話題になっている高額療養費制度の見直し。数年前、妻が抗がん剤の投与や手術の際には数か月間にわたって制度の恩恵にあずかりました。がんの治療にかかる費用と自分たちが負担しなければな…

  • 雪かき

    先日、妻の上の兄から電話がかかってきました。自宅と、今は空き家になった実家の両方の雪下ろしをした後、あっという間にまた雪が積もってうんざりしているとぼやいていました。 以前、退職なんてまだまだの話と思っていた頃、老後は妻の地元に移住することも選択肢でしたが、妻は、豪雪地帯の大変さを甘く考えていると言って、その話を却下しました。 私は新入社員だった頃の約二年間をその“地元”で過ごしましたが、仕事を除けばとても過ごしやすく良い思いでしかありませんでした。たしかに、冬場にはたくさん雪が降りましたが、それも“良い思い出”だったのは、寮生活だったために雪かきや屋根の雪下ろしの大変さを知らなかったからなの…

  • 古物整理

    今の家に引っ越ししたのがかれこれ七年前。不要なものは引っ越しの際にかなり処分したのですが、時間切れで整理しきれなかったものは箱詰めして新居に持ち込みました。 結局その後、その段ボール箱は埃を被ったまま放置されていました。置く場所に困ったわけでもなく、無理に開梱しなくても生活に支障はありません。ただ、妻からは何度か私の“私物”を整理するように言われていました。 私とて、妻のエッグアートやファイヤーキングのカップのコレクションを見て、その熱の入れようが理解できず、場所も取るので一度整理した方がいいのではと思わないわけではありませんが、諍いの火種になるようなことを敢えて口にする必要もないでしょう。 …

  • 娘に伝わらなかった話

    若い頃は、忙しい中でも仕事を覚える楽しさやプロジェクトに取り組んでいる過程に充実感を覚えることが多かったような気がします。 それがいつしか、最良の結果を最短の時間で得るために、より効率的で合理的な方法を考えることに腐心し、仕事の過程に楽しみを見出すことが少なくなりました。 結果の出来栄えとそれを得るための時間対効果ばかりが気になり、家族との関わりや自分の趣味のための時間を知らず知らずのうちに削っていましたが、その渦中の自分はそれにきづくことができませんでした。 退職を意識した頃から、効率的とか合理的とは対極の、日々の些細な物事にも立ち止まって目を向けられるような、そして、それが非効率的で非合理…

  • 買い物巡回ルート

    妻は家計簿の他に毎回買った品物の単価を記録しています。昨年来の価格高騰が気になるお米は、去年の今頃には五キロで二千円を下回っていました。近所のスーパーの商品は総じて手頃感のある価格設定になっていますが、それでもお米は5キロで四千円をやや下回るお値段。来月実施される政府備蓄米の放出でスーパーのお米がお手頃価格になることを期待しています。 主食のお米や料理に必要な調味料は値段が高くても買わないわけにはいきませんが、野菜に関しては、妻からは割高なものはスーパーでの購入は控えて、農家さんの販売所を確認するように言いつけられています。 一時期、つい億劫になって家から一番近いスーパーでほとんどの買い物を済…

  • 充実感

    海外駐在を終えて帰国してからかれこれ十年が経ちます。当時、四十代後半だった自分は、まさかその十年後に退職しているとは想像もしていませんでした。 会社を辞める際に関係者に挨拶メールを送りましたが、親しい人たちからは労いの言葉とともに退職理由を尋ねられもしましたが、その質問に直接答えることはしませんでした。 ブログでは、仕事の愚痴や、妻や自分自身の健康問題、在宅勤務など、その時々に感じたことを書き連ねてきました。日々の自分の思いや考えは薄い膜のようなものですが、それが折り重なった結果が自分を決断に導いたのだと考えます。 他人から退職理由を聞かれればもっともらしい説明は出来ますが、それはきっと後付け…

  • 一部解禁

    会社勤めをしていた頃は、帰宅が遅くなった時でも夕飯に箸をつけるまでに“とりあえずビール”でした。ビールで喉を潤したあとは、その日の気分で日本酒かバーボンが続きます。当然、外での付き合いもあったので、ほとんど休肝日のない生活を三十年近く続けてきました。 妻の闘病開始を機に私は断酒しました。その時は一時的な酒断ちのはずでした。妻が元気になって、私の中でのアルコール解禁の条件は整ったのですが、今のところ“一部解禁”のレベルに収まっています。 晩酌は週末のみと決めたわけではありませんが、平日は滅多にアルコールに手を出さなくなりました。以前はビールを箱買いして、冷蔵庫を開ければいつでもキンキンに冷えたビ…

  • 認知症チェック

    母はテレビを時計代わりにしています。私が様子見に訪れても、起きてから寝るまでの間、ずっとテレビをつけっ放し。ワイドショーやドラマを見ては、ツッコミを入れたり手を叩いたりしています。私は自分でテレビ番組をほとんど見ないので、母がテレビから仕入れた話のネタはかえって新鮮に感じられます。 毎年この時期に母親の認知症のチェックを行なっています。ある時期、母の物忘れが酷くなり、同じ話を何度も繰り返すようになったことが気になり、かかりつけのお医者さんに相談したのが始まりでした。その時の診断では特に認知症の兆候は見られず、今回も無事に“異常なし”との結果でした。 当時、母の住む自治体の包括支援センターに介護…

  • OB会

    元の勤め先からOB会の参加案内が届きました。私は定年まで勤め上げずに退職した身なのでOB会の参加資格はないと思っていましたが、添付されていた会則には「自由選択定年制度により退職した者」も参加資格があると謳われていました。OB会の会員数が減少傾向にあるので参加資格を緩くしたのでしょう。 かつて私は会社に対して家庭以外のもう一つの居場所のような感覚を抱いていました。今はそのような思いが薄れてしまい、退職後まで会社とつながっている状態を心地良く感じることができません。私は、参加申込書の「不参加」に〇をつけて返送しました。 その数日後、OB会の事務局を任されている社員から直接電話をもらいました。是非と…

  • 体感時間

    年明けからの一か月、体感時間は仕事をしていた頃よりも格段に短くなりました。退職後は日々丁寧に生きることを心がけているため、手持ち無沙汰な時間はありません。 今までは自分のコントロールできない他人時間の中で自分を追いかけてくるものが時間でしたが、これからは自分時間の中で、自分が追いかけていくのが時間になりました。 自分のやりたいことに没頭していると時間が過ぎるのを忘れてしまいます。それにしても一日という時間はこんなにも短いものなのだと改めて認識しました。 時間の速さに焦りを感じることはありませんが、自分に残された時間は案外長くはないような気がしてきました。世間一般からすると大往生と言われるまで生…

  • ポンコツ

    結婚する前は、自分の良いところを相手に見てもらおうとして、かっこいい自分を演出していたものですが、いざ結婚して一緒に暮らし始めるとそうはいきません。 素の自分をさらけ出し、相手にわがままになり、喧嘩して和解して夫婦としての落としどころを見つける努力が必要になります。 “結婚の理想と現実” ー 陳腐なテーマですが、結婚して三十年余りの時間が経つと、当初の理想は過去に置き去りとなり、妥協というフィルターで濾過された現実だけが目の前に残ります。 結婚生活は、お互いに相手に対して小さな失望を感じたり新たな魅力を見出したりする中で、これから先も生活を共にする価値があるのかを見定める作業なのだと思います。…

  • がん検診

    妻は乳がんの治療後、定期的に検診を受けているのですが、その時期が近づくと不安が募り塞ぎ込みがちになります。それほど深刻とまでは言えませんが、こちらが振った話題にもどこか上の空で、話好きのはずが言葉数が少なくなります。 妻の場合、がん細胞を全て取り除くことができなかったので寛解したわけではありません。がんはまだ彼女の体の中にあり、他の臓器に転移せずに大人しくしている状態です。いずれにしても、がんが再活動しなければ、抗がん剤の投与や手術をする必要なく過ごせるのですが、それが今後二度と来ないのかどうなのかは分かりません。 妻の不安はよく理解しているつもりですが、今は健康上問題のない私も深刻な病気にな…

  • 焼き芋とおでん

    この冬、家のオーブンで作った焼き芋が家族に殊の外好評で、特に上の娘は「腸活にも良い」と、数日おきに焼き芋作りに励むようになりました。違う品種のさつまいもを買い込んでの“焼き比べ”が始まり、にわか品評会に妻と私も付き合わされています。もっとも、熱しやすく冷めやすい娘の性格ですから、“焼き芋熱”がいつまで続くかは分かりません。 小学生の頃、寒い季節になると石焼き芋売りのリアカーをよく目にしたものです。家の外で売り声を耳にすると、親にお金をもらって石焼き芋を買うのが楽しみの一つでした。石焼き芋売りはリアカーから軽トラックに変わり、いつしか街中で遭遇することもなくなりました。普段気にもかけていませんが…

  • 楽しむためだけの勉強

    大学を受験した時、将来の就職で“潰しの利く”学部を選んだのですが ー そのこと自体を悔やむものではありませんが ー 哲学や言語学など、より自分が関心を持っていた分野を選択する道もあったのではないかと今更ながら思っています。 若くて、今よりももっと吸収力があったであろう我が脳みそを、自分がそうしたいと心の底から望む使い方ができたら、また違った人生の楽しみを見つけることができたかもしれません。 今私が日々自分の時間を費やしているものは、生涯関心を持ち続けられそうで、かつ、終わりのないものです。起業や再就職のためでもなく、特定の資格取得を目指すためでもなく、自分の興味と関心を満たすためだけのものです…

  • 物質的な豊かさと人との関わり

    元旦に母に電話した時のこと。母が、今年は昭和百年なのだとぽつりと言いました。平成から令和に元号が変わっても、母の頭の中の年表は昭和のまま。西暦や今の元号では月日の長さを計れないようになっているみたいです。 たしかに、母にとっての人生の大きなイベントは全て昭和時代のもので、平成の始まりからここまではおまけのような時間の流れなのかもしれません。 かく言う私も「平成」や「令和」はしっくり来ません。娘たちの生年月日や自分たちが結婚した年などは西暦で記憶しているので、元号に置き換えるには頭の中でひと手間かけないといけません。 母のつぶやきはさておき、二千年代も四半世紀が過ぎようとしているのは感慨深いもの…

  • 年始の長電話

    年末年始の前半は女子三人が風邪でダウンしてしまい、年明けも病み上がりを理由に外出を控えた生活を送りました。総じて正月らしくない正月休みとなりましたが、何もせずにただ休むだけというのは本来の目的に適った休暇の使い方なのかもしれません。 ここ何年か、年末年始に母親の顔を見に行くということはしなくなりました。母曰く、正月のもてなしの準備もできなくなり、独りで静かにゆっくりしたいとのこと。そんなわけで、母とは元日に電話で年始の挨拶をしました。 母との電話といっても、私はほんの数分で話す“ネタ”もなくなり、妻や娘たちと交代しますが、そこからがとても長いのがいつものパターンです。女性同士だと何故あんなに会…

  • 年末年始

    クリスマスケーキ 年末の二十日から休みに入った下の娘が家に帰ってきましたが、熱と喉の痛みでそのまま寝入ってしまいました。その二日後には上の娘と妻もダウンしました。クリスマスと年末年始用にお酒やつまみを買い込む算段だったのを先送りしましたが、予約していたクリスマスケーキだけはキャンセルが間に合いませんでした。 女子三人が寝床から這い出てきてゾンビのようにケーキを口に運ぶ様は、痛々しくも滑稽で、そこまで彼女たちを駆り立てるスイーツへの熱い思いを改めて思い知らされた気分でした。 これまで、家族の中で風邪が蔓延すると、最後は私に回ってきて、しかも女子三人よりも重症になることがいつものパターンですが、年…

  • 退職日

    毎年、年末年始やゴールデンウィークの休みは楽しみのひとつでもあり、いざ休みが始まってしまうと無意識のうちに休み明けまでのカウントダウンをしてしまい、気分が重くなったものでした。 せっかくの休みなのに、嬉しい気持ちと、その後に必ずやってくる忙しなさを煩わしく感じる気持ちが綯い交ぜになった何とも言えないもったりとした心の中の重し。それは長めの休みに限らず週末の休みも、どこかで仕事のための体力温存や後送りした仕事のことを考えてしまうからでした。 それがなくなった分、今の私は体が軽くなった気がします。会社支給のパソコンも携帯電話も返却してしまい、会社の関係者は緊急連絡先として私個人の携帯電話の番号を知…

  • 電話帳

    NTTのタウンページや電話での番号案内のサービスが再来年の三月末で終了するそうです。 タウンページがまだ“電話帳”と呼ばれていた時代。分厚い書籍を電話帳に例えていたといっても今の若い人にはピンとこないでしょう。かつては公共サービスやお店だけでなく、個人のお宅の電話番号を調べるのも電話帳に頼っていました。今は必要であればネットで電話番号の検索ができ、わざわざタウンページを捲るまでもありません。 各家庭の固定電話の保有率も減少傾向が続き、今では固定電話を持たない家も珍しくありません。あと数年もすると、固定電話を持つ家庭の方が少数派になってしまうのでしょう。 我が家にしても家の電話番号を知っているの…

  • 物騒な世の中

    下の娘が独り暮らしを始めて数か月経ちます。 妻は頻繁にLINEで娘の“安否確認”をしているようですが、娘はそれを煩わしいく思っているようで、私に愚痴をこぼします。娘にしてみれば、日を置かずに母親が様子を窺うようだと独り立ちした意味がありません。 私が妻にそれとなく、娘への様子窺いを控えるように伝えると、彼女は「最近、物騒なのだから」と、毎日のように娘に連絡することを当然のように言います。 メディアで殺傷事件のニュースが流れるたびに、離れて暮らす娘のことが頭に浮かぶのは私も同じです。娘たちの帰宅が遅くなる時、私は徒歩十分少々の最寄り駅まで迎えに行きます。妻ほど心配性ではない私にとっても、子どもは…

  • ぬくぬく

    仕事を離れても早寝早起きの習慣を維持しています。元々、混んでいる電車が苦手なことと早朝の静かなオフィスで仕事をしたかったために始めたものでした。 今となってはこんなに早く起きる必要はないのですが、体内時計は簡単には修正できないようです。朝は目覚まし時計が鳴る少し前には目が覚めます。二度寝も許されるところですが、歳のせいでしょうか、一度目が覚めてしまうと二度寝は出来ません。 それでも、今は季節柄、寒さを押して寝床から抜け出すのがつらく、目覚め後の数分間、布団の中でぬくぬくしているのが至福のひと時です。 寝起きの後は洗濯と風呂掃除。家族の起床後は掃除機がけ。在宅勤務で自宅にいる時間が増えて以来の朝…

  • 加齢の手本

    以前の記事で年齢とともに食に対する意識が変わったことに触れました。 lambamirstan.hatenablog.com 内臓機能と同様に、年齢を重ねるにつれて日々実感するのは、記憶力や視力、それに諸々の動作の衰えです。 人や物の名前を度忘れして、喉元まで出かかっているのに思い出せないもどかしさ。ここ数年、目の前にいる人の名前が出て来ず、打ち合わせの後に慌てて名刺フォルダーを捲り、社員名簿を検索することが何度かありました。漢字の読みや英単語のスペルの度忘れも酷いものです。 新聞を読んでいる時、気が付くと字面から顔を遠ざけ目を細くしています。眼鏡を作り直しましたが、長時間字を追うのが苦痛になり…

  • スケジュール表

    この数年はピーク時に比べて業務量は少なくなったものの、先月までは社内外の会議や打ち合わせ、資料の締め切りなどでスケジュール表は埋まっていました。 十二月のスケジュール表は、当然のことながら真っ白。それを見て、わずかながら寂しさを覚えるのは、若い人たちの成長ぶりを垣間見たり、気の合う同僚と阿吽の呼吸で仕事を仕上げたりといった、やや大袈裟に言うと“仕事のカタルシス”を得られなくなるためです。 それでも、仕事を離れたメリットは大きいと感じています。まず、三十年余り続いていた“日曜日の憂鬱”がなくなりました。もっとも、今や平日と週末の境目のない生活となったので、そもそも曜日を気にすることもなく、翌日の…

  • 食に対する意識の変化

    若い時分、食べ放題のビュッフェに行くと、元を取ろうとすることばかりに気が向いてしまいました。飲み放題も然り。普段食べない量を胃袋に詰め込み、次の日のことを気にせずアルコールを喉に流し込み、料理を味わうことは二の次でした。一次会、二次会、それに〆のラーメンというのはだいたいお決まりのコース。妻の心配をよそに、暴飲暴食ができることは健康のバロメーターだと思っていました。 中年の域に差しかかった頃、飲み会の翌日に悪酔いや胸やけに苦しむことが珍しくなくなりましたが、それは、若い頃の自分に張り合おうとする無意味な対抗心の結果でした。肉体的なピークは内臓の適応力のピークでもあり、ひとたび下り坂に差しかかれ…

  • これから

    正式な退職日は十二月三十一日なので、私の肩書はまだ「会社員」ではありますが、実質的にはもう“ただのおじさん”です。 キャンディーズは引退コンサートで「普通の女の子に戻りたい」と言いましたが、私にとって“ただのおじさん”も自分の居場所に帰り着いた感覚に近いような気がします。 最終出勤日までに直接会って話を出来なかった人々には退職の挨拶メールを送りました。わざわざ返信してくれた人もいました。その中には、「まだ若いのにもったいない」と言ってくれた人もいて、それがお世辞だと分かっていても悪い気はしませんでした。 兼好法師は徒然草の中で、長くても四十歳くらいで死ねれば一番、その歳を過ぎれば生への執着だけ…

  • 退職話の切り出し

    母親には私が退職したことをまだ告げていません。 昨夏、母の様子を見に行った時に ― その時にはすでに会社に退職の意向を伝えていました ― 仕事を辞めることを話しておこうと思ったのですが、何かの話の流れで、母が「体が動くうちは働き続けた方が良い」というようなことをポツリと呟きました。 そこで退職の話をすれば、母の長話のスイッチが入ってしまうことが分かっていたので、私は話すきっかけを見つけられずにここまで来てしまいました。 私が父親に会社を畳んで隠居するように強引に説得した時、父よりもむしろ母の方が強く反対しました。“まだ働ける”父から生きがいを奪った私を、母は今でも心の底で恨んでいるかもしれませ…

  • 時の流れ

    三十年余りの会社人生が一区切りしました。 走馬灯のように ― というと使い古された言い回しになってしまいますが、帰りの電車の中で過去の出来事が次々に浮かんでは消えていきました。不思議なことに良い思い出しか浮かんでこなかったのは、これまで私を支えてくれた多くの人たちのお陰です。 退職に際して、部内の有志で私の入社以来の略歴を作ってくれました。私の“歩み”の横には世の中の動きが並んで書かれていたのですが、改めて三十年という時間の長さを感じさせるものでした。 入社前後の歴史的な事件というと、湾岸戦争、ベルリンの壁崩壊、ソビエト連邦解体が挙げられます。三十年前の出来事ともなれば歴史教科書の話ですが、私…

  • 仮想散策

    先週金曜日の午後に住民票を取りに市役所に出向きました。しばらく前に人事部から提出するように言われていたのを失念していました。そのついでに思い出したのが自分の本籍のことでした。 戸籍上の住所を出生地のままにしていたのは、自分のルーツにつながっていたい気持ちがどこかにあったからなのかもしれません。 この週末、気まぐれにグーグルマップで出生地の周辺を“散策”しました。これまで何度か戸籍謄本を取ったことはありましたが、全て郵送してもらっていました。小学校時代の同級生との音信は途絶えてしまったので、私が生まれた町のその後の変遷については全く情報がありませんでした。 散策を終えた私は、懐かしさ半分、ほろ苦…

  • アイ ラブ ミー

    他人が幸せか不幸かなど、傍から見て分かるものではありません。幸せそうに見えてもいろいろな悩みを抱えている人もたくさんいるはずです。 私は長い間、本当に長い間、自分が倒れずに仕事を続けて、安定した収入を得ることが自分の役目であって、それが自分にとっても家族にとっても幸せなことなのだと考えてきました。そうあることが幸せだと考えるべきだと自分に思い込ませていました。 家族の幸せは自分の幸せ。仕事で辛いことが続いても家族が幸せならそれで良し。辛いのに幸せという矛盾した状態に対する違和感から目を逸らして暮らしてきました。 来週の月曜日が最終出勤日ですが、これまで仕事上で関わりのあった人々には少しずつ挨拶…

  • 不安の掘り起こし

    心配事なんて考え始めたら切りがありません。特殊詐欺に引っかからないか、闇バイトの集団に強盗に入られないか、年金はきちんともらえるのか ― 等々、挙げようとすればいくらでも思いつきます。もちろん、それなりの防衛策を講じた上で、自分がその被害を受けることは“まずないだろう”と受け流すものの方が多いのではないでしょうか。 心配性の妻は、私を楽観的過ぎると言いますが、私とて心配事が全くないわけではありません。老母の介護、妻と自分自身の健康。目先の問題ではないにしても、いずれ対処しなければならない時が来ます。 しかし、考えてもすっきりと解決できないことは、心配しても仕方のないことです。無理に不安の種を掘…

  • 退職前の書き付け

    まだ私の退職は社内で公表されておらず、ごく限られた人間にしか伝わっていません。上司に退職の意思を伝えてから少しずつ書き始めていた引継書は案外早く仕上がって、後はそれを誰に託すか会社が決めてくれればそれで終わりです。 来年の年明けから、私はどこの組織や団体にも属さなくなります。思えば、物心ついてから集団の中での自分を演じてきたわけですから、肩書のない人間になるのは自分の意識の中では初めての経験です。 それがどのようなものなのか、今のところ実感が湧きませんが、不安や焦りは感じません。むしろ逆で、安堵の気持ちで満たされています。 ずっと私にまとわりついていた得体の知れない焦燥感のようなものは、仕事を…

  • 掃除の習慣

    妻の治療終了とともに私の通院付き添いも終わりましたが、それまで三年間、三週間に一度の通院が習慣化していて、それがなくなってしばらくの間は、ほっとした気分と何となく落ち着かない感覚に囚われました。 妻が抗がん剤を投与している間、付き添いの家族は待合室で時間を潰すことになるのですが、何度か同じ顔に出会うと、お互いに会釈程度のことはするようになります。その回数が増えると、世間話をするような相手も見つかります。 六十代後半、あるいは七十代に差しかかっていたかもしれません。奥様の治療の付き添いだと言っていたその方と私はそれほど親しくなったわけではなく、ほとんど私が聞き役に回っていただけなのですが、「もっ…

  • 闇バイト

    私が子どもの頃に両親と暮らしていたのは、町工場と住宅が混在していた地域で、父親の経営する会社兼工場の隣が私たちの住居でしたが、家を留守にする時を除けば施錠などしません。親からすれば、近所は古くからの顔見知りで、日中に戸締りに気を配る必要がなかったのでしょう。 さて、いわゆる「闇バイト」による強盗事件のいくつかは、私の住んでいる地域からそう遠くない場所で起きています。 今の家を建てる際、ハザードマップや防犯マップを頼りに安心して住めるエリアだと考えて土地を決めましたが、もはやエリアごとの治安の良し悪しに関する情報は、防犯に対する安心感を高める材料にはならないのかもしれません。 我が家にホームセキ…

  • 離職と忍耐力

    経営陣から社員への情報共有会が年に数回あります。会社の現状と中期計画の実績と見込みを“分かりやすく”説明し、社員の仕事に対するエンゲージメントを高めるのが目的です。 その中で各部門の重要課題や目標の達成度も公表されるのですが、気になったのが人事部の手前味噌的な説明内容でした。新卒とキャリアを合せて今年度採用計画の約九割を達成。年度末の来年三月までに目標到達する見込み。一方で高止まりしている離職率については何も触れず仕舞でした。 悪い情報ほど早く、かつ、包み隠さず共有するようにとは、元社長の誰かの指示でしたが、まだ浸透していないようです。 新規採用と離職者数を並べてみなければ、業務に必要な人員を…

  • ぎくしゃく

    妻の兄弟姉妹は、大きな揉め事とまでは言わないまでも、ぎくしゃくした状態が続いています。義父母が他界しても兄弟姉妹とその家族の集まりは毎年恒例の行事でしたが、コロナ禍を境に自然消滅しました。 仕切り役の上の義兄の声掛けに誰も応えず、今年は義父母の法事もありませんでした。年末の親族の集まりが復活することもないでしょう。 ぎくしゃくの発端は、義兄の家の跡取り問題でした。三十代半ばの一人息子は付き合っている女性はいるものの結婚する意志はなく、家を継ぐという考えもない様子。 そんな息子に業を煮やした義兄が、跡取りとして養子を迎えることを考え始めたことで、兄弟姉妹の関係も上手く行かなくなりました。 そこま…

  • 組織改編再び

    先月、私の部署で組織改編が行なわれました。何が変わったのかというと、何も変わっていません。数年前に私も含めた管理職の多くが異議を唱えたにも拘らず“断行”された組織改編が、結局また元に戻っただけのような組織になりました。 一周回って元に戻った体制は、人員不足の手当てが置き去りにされたため、以前よりも仕事がしやすくなったとは言えないものとなりました。 その結果は明らかで、組織改編後まだ一か月ほどしか経っていませんが、すでに退職する若手社員が出始めています。 経営陣や部署の管理職は、気が付いていないのか、気が付かないふりをしているのか分かりませんが、若手社員の退職は彼ら・彼女らの最終決断であり、それ…

  • キャリア採用活動

    キャリア採用の仕事の携わるようになって一年が過ぎようとしています。かつては専ら人事部が行なっていた採用活動ですが、人材流出に伴う各部署からの要請に人事部の対応が間に合わず、一次面接までのスクリーニングは採用希望部署がそれぞれ行うこととなりました。 人事部が採用希望部署と転職エージェントとの仲介をした後は、エージェントから転職希望者の紹介状と職務経歴書などが送られてきます。 私は書類選考と一次面接までを担当していましたが、退職することを会社に伝えた後は、書類選考に専念するようになりました。一次面接は私の上司である課長と課員が行なっていますが、採用までたどり着く気配はありません。 職務経歴書を見て…

  • 後輩社員の退職

    私の一つ下の後輩社員が今年いっぱいで退職することになりました。彼は半年ほど前に“二度目の”病気休職から復帰したばかりでした。 私が海外駐在していた時、ほんの一年足らずの間でしたが、彼は本社側の私のカウンターパートでした。実直で噓を吐かず、相手に変な期待を持たせない姿勢。掛け値なしの彼の言葉、一歩先を読んだ対応 ― 仕事量が多く忙殺される中で、信頼できる相棒の存在はとても心強いものでした。 彼が最初に倒れたのは、そんな忙しい最中でした。仕事の重圧、部下の指導、上司との軋轢。諸々の負担に圧し潰されてしまったのだと思いました。彼を良く知らない同僚の中には、彼を「真面目過ぎる」とか「融通が利かない」と…

  • 健康について

    過ごしやすい季節がようやくやってきましたが、暦の上ではもう冬がそこまで来ています。 今は週に二日・三日の出社の他は在宅勤務で仕事をしています。行き帰りの電車の中でマスクをしている人の数は半々程度でしょうか。職場ではマスクをしている社員はすっかり少数派になっています。 私は少数派です。季節に関わらずマスク着用が習慣になっています。その効用がどれほどかは分かりませんが、マスクのおかげでほとんど風邪をひかなくなりました。気持ちの問題だけなのかもしれませんが、自分を安心させるためにマスクを手放せなくなってしまいました。 以前は自分の健康状態を気に掛けることはありませんでした。慢性的な疲労は歳のせい、風…

  • 礼服のクリーニング

    先月、仕事用のスーツの多くを処分したのですが、手元に残すスーツと礼服をクリーニングに出しました。礼服は、四年前に従姉が他界した時に袖を通したきりで、その後は一度も出番がありませんでした。 lambamirstan.hatenablog.com 以前は、社員の家族に不幸があれば、通夜や告別式に参列するのが普通でした。葬儀の手伝いに駆り出されたこともありました。年に数回でも弔事に関わると、たとえ生前に自分が一度もお会いしたことのない方でも死を悼む気持ちが湧いてきてます。 他人様の死を、自分の心持ちを正すのに“利用”するのが良いのか悪いのかは別として、若い頃の私にとって ― 少なくとも父親が亡くなる…

  • 転勤と家庭の事情

    私の勤め先では、本社機能の一部を地方の事業所に移転するという構想が、数年前から浮かんでは消えてを繰り返してきました。操業体制を集約化し事業部門を現場に近い場所に移動させて一層の効率化・合理化を図るというのが理由です。 その構想は来春から段階的に実現化されます。その頃には私は会社の“中の人”ではなくなっているので、今となっては自分には関係のない話ですが、残された同僚や後輩社員にとっては、これから大変な時期を迎えることは想像に難くありません。 ここ数年、家庭の事情で転勤を避けたがる社員が増えました。“家庭の事情”の多くは、子どもの進学や家族の介護、配偶者の仕事の継続といったところでしょうか。今は、…

  • 食費値上がり対策

    今月(九月)の中旬までお米は品薄状態でしたが、我が家は、非常食として用意していた乾燥米が賞味期限を過ぎたため、それを消化しているうちに幸いにして“米騒動”は収束しました。 乾燥米はお湯で戻しただけでは、口当たりや味がイマイチなので、雑炊やリゾットにし、日によってはパスタなどの麺類やお好み焼きも夕飯に取り入れました。 今までは、「夕飯の主食は米」と決めつけていたのですが、工夫次第で違和感のない、それなりの満足度を得られる食卓にできることを知りました。 もし、非常食の乾燥米がなく、お米も入手できなかったとしたら、“米なし生活”となったのでしょうが、私も家族もそれをあまり苦にしないのでしょう。 今年…

  • 睡眠時間増加計画

    お医者さんの勧めで、睡眠時間を増やす努力を始めてかれこれ四年あまりが過ぎようとしています。学生時代から習慣化していた睡眠時間は三~四時間程度。それでも勉強や仕事に支障はなく、自分はショートスリーパーなのだと信じていました。 お医者さんからは、八時間程度の睡眠時間を確保するよう言われました。その時に私の頭に浮かんだ言葉は「時間がもったいない」 ― ただでさえ時間がいくらあっても足りない状況で、寝る時間を増やす必要があると言われても、今までの約二倍の時間を睡眠時間に充てるのには強い抵抗がありました。それに、そもそもそんなに長い時間眠れる自信もありませんでした。 若い頃から、健康診断や人間ドックの問…

  • お金と時間に関する焦り

    義姉が手術を受けるという話から、妻の老後資金に対する不安にスイッチが入ってしまいました。 lambamirstan.hatenablog.com 老後資金と老後時間。そのバランスをどのように取るのか。自分たちにとって最適なバランスとは ― 妻の不安が“伝染”したわけではありませんが、私は、この先ずっと生き方と死に方を考え続けるのだろうと漠然と思うようになりました。もちろん、それは行く末を悲観的に捉えるという意味ではありません。妻と私にとって、人生の第四コーナーから先をどう過ごすのがベストなのかを探し求めることになるのでしょう。 将来受け取る年金で生活できる自信のある人にとっては、貯蓄の多寡はそ…

  • ハラスメント呼ばわり

    下の娘は自己主張が服を着て歩いているような性格です。自己主張の強さは両刃の剣ですが、妻も私もそれを受け止めて二十数年彼女と過ごしてきました。 学校の先生や学友と衝突を繰り返した高校時代は、私たちは定期的な三者面談以外にも学校に呼ばれることがありました。それでも、妻と私は娘の味方であり続けました。時に場の空気を読めない娘の言動は、周囲に細波を起こすことがありましたが、娘としては悪気があるわけではなく、些細な問題でも黙って見過ごすことができない ― ただそれだけだったのです。娘は先生から煙たがられても、クラスで浮いた存在となっても自分のスタイルを変えませんでした。 大学時代は、娘にとって最高に楽し…

  • 心配性の虫

    義姉が近々股関節に人工関節を入れる手術をするそうです。術後のリハビリに数か月かかり、回復具合によっては歩行に支障が出る可能性もあるとのこと。 義姉とその連れ合いはともに七十代前半。体の不具合が出てきても不思議ではない年齢です。義姉は、あと何年自立的な生活を送れるか不安になり、介護付きのマンションを探し始めたそうです。 私にその話を伝えている時の妻の顔には、不安の色が濃く浮かび上がっていました。 私たちの老後は、六十歳から繰り上げして受け取る年金と貯蓄の取り崩しで賄うことになります。羽目を外さずにこれまでどおりの生活を送る限り不安はないと考えてます。 年老いた自分たちが介護される身になることを想…

  • 老いを楽しむ余裕

    「老化現象」という言葉を耳にすると、以前の私はうんざりして、その話題には触れないように避けていました。 四十代半ばに差しかかり、記憶力や体力に衰えを感じるようになりました。歳とともにこれまで出来ていたことができなくなること、自分の持っている知力や気力が削ぎ落されていくことを自覚するのは、不安を通り越して恐れにも近い感覚です。 同じ頃、老齢の母が年を追うごとに急速に衰えていく様を見るにつけ、想像する自分の行く末を重ね合わせ、不甲斐なく侘しい思いにさせられました。 そんな私が、“老い”を嘆き悲しむものではなく、受け入れて楽しむものと思えるようになったのは、ここ数年のことです。 平均寿命と言われる年…

  • 日曜日の夜更かし

    九月に入っても厳しい残暑が続いています。それでも、今は出社時の服装はビジネスカジュアルなので、だいぶ楽になりました。かつて、スーツとネクタイが基本だった頃、汗かきの私にとって夏場の通勤は苦痛以外の何物でもありませんでした。 今年は、スーツ姿で出勤したのはわずか数日。法律事務所との打ち合わせの時だけでした。それもノーネクタイです。最後にネクタイを締めたのは思い出せないくらい昔のことのようです。 そんな調子でほとんど袖を通さなかった夏服をクリーニングに出そうかと思案していると、上の娘から、「思い切って処分したら?」と提案されました。たしかに、退職すればスーツの出番はほとんどありません。 というわけ…

  • 働きやすい職場への道

    ハラスメントやアンガー・マネジメントに関する社内研修が始まってから、もうだいぶ年数が経ちましたが、果たして効果はあったのだろうかと思う今日この頃です。 さすがに今の職場で、声を荒げて部下を叱責するような上司はいません。そんなことをすれば、一発で賞罰委員会にかけられます。以前はそのような罰則がなかったから、自分に抵抗できない人間に対して腹いせができたわけです。 しかし、今会社が行なっている研修は、職場でのゴタゴタを未然に回避するための対処療法の域を脱していません。アンガー・マネジメント研修にしても、端的に言えば、職場で怒りを露わにしないための、一時的な解決方法であって、その社員が抱えている負の感…

  • 残された気がかり

    在宅勤務では気になりませんが、出社して一日職場にいると、同僚の仕事ぶりにどうしても目が行く時があります。 私がこの職場にいるのもあと四か月。もう、先のことを見据えて仕事の段取りに頭を悩ませる必要はないのですが、“最後のご奉公”として、役に立てそうなことを考えながら働いています。 今、気になっていることが二つあって、ひとつは今年入社した新入社員の育成です。入社して半年近く、私が見ている限り、上司から振られた雑用をこなしているだけで、業務に必要な知識を体系的に勉強するような指示や、目標となる主業務を任されている様子はありません。 課長は、中堅社員が退社したことで自分の仕事が増え、新入社員の育成まで…

  • 米不足

    週末にスーパーに買い出しに行きましたが、お米は売り切れ状態。空になった陳列棚には「一家族一点限り」の張り紙だけが残されていました。 報道によれば、新米が流通し始めるまで一時的に品薄になっているだけのようですが、“令和の米騒動”などと騒がれれば、多めにお米を買い込んでおきたくなる人が増えるのもやむを得ないのかもしれません。コロナ禍当初のマスクのように、お米もすぐに普通に買える時が来るものと期待しています。 幸か不幸か、我が家は今月、期限切れの備蓄食料の消費月間で、主食は乾燥米です。これを食べ切らないと炊き立てのご飯にはたどり着けません。 アルファ米の乾燥米飯はカップ麺に比べて場所も取らないので、…

  • 夢の伴走者

    会社員として勤めている限り、いつか定年を迎えます。私の勤め先の場合、再雇用期間も含めると六十五歳までは働くことができ、今後、再雇用期間は七十歳まで延長される見込みです。 体が動くうちは出来るだけ長く働きたい人、あるいは、働かなければならない人もいることを考えれば、雇用期間の延長は悪いことではないと思います。 私はその権利を放棄しました。体が動くうちに、仕事を続けるよりも自分のやりたいことを実現させる方を選びました。 妻と結婚したのは会社に入って二年目のことでしたが、当時の定年は五十八歳。その後二年間の再雇用のオプションがあり、完全にリタイアするのは六十歳というのが、会社の就業規則の定めでした。…

  • 家族旅行2024夏

    家族四人、お盆の前後約一週間の夏休みを取ることにしていたものの、特に予定を立てていたわけではありませんでした。 妻が不意にワイキキのビーチを見に行ってみたいと言い出したのは夏休みの二週間前。あまりにも唐突な提案に、「常磐のスパリゾートはお嫌いか?」と尋ねた私でしたが、こういう時の妻は簡単に引き下がらないことは分かっていました。 妻が後ろで見張る中、ダメ元でフライトやホテルの空き状況を調べると予約可能。娘たちに断りなく、その場で家族旅行の手配とESTAの申請を完了させました。 その夜、下の娘は、引っ越し荷物がまだ片付いていないと文句を言いつつも家に帰ってきて、女子三人で夜遅くまで旅行のスケジュー…

  • 消費期限

    八月も半ばに差しかかりました。 我が家では、年に一回、防災の日(九月一日)を目途に防災用品の点検や備蓄している飲料水・非常食の入れ替えを行ないます。食べ物と飲み水は、家族四人で十日程度の“籠城”が可能になる分量を確保するようにしています。 ペットボトルの飲料水、レトルト食品、カップ麺、それに乾パンや羊羹は、消費期限がまちまちなので、在庫表を作って管理しているのですが、うっかり消費期限を過ぎたことを忘れてしまったものも出てきます。日頃の備えに対する緊張感を維持するのは簡単ではありませんね。 お役御免となった備蓄食料は昼食や間食で消費されますが、それは専ら娘たちの役目となっています。歳のせいか、私…

  • お盆休み

    まだ妻の両親が健在だった頃、夏休みは妻の実家へ、年末年始は私の実家へ帰省するのが暗黙のお約束になっていました。お互いの両親への顔見せのために休みを取るのは、気の乗らない仕事をやらされるのと同じくらい億劫なものでした。 当時、両親との関係が良好ではなかった妻にとって、実家で過ごすのは憂鬱な時間で、私が半ば無理に彼女を連れて里帰りしました。 妻の両親が鬼籍に入ってからは、義兄が音頭を取って墓参りを兼ねた兄弟姉妹家族の集まりをお盆に合わせて行なっていましたが、やがて兄弟姉妹だけの集まりに変わり、昨年はその集まりもなくなりました。 私の母親は、「家族で顔を見せに来る必要はない」と言い、ここ数年は私が月…

  • リタイア後の楽しみ

    来年の一月から、私は晴れて無職の身となります。やりたいことは多過ぎて、いきなり全て取り掛かるのではかえって中途半端になってしまいそうで、“バケットリスト”の優先順位をつける必要があります。 結婚してからこれまで、折に触れて妻とは老後の過ごし方を話してきましたが、外向的な彼女の希望は、体が動かせるうちにできるだけたくさん旅行することです。 それは結構なのですが、妻の闘病前、夫婦水入らずの二回の旅行は、道中喧嘩続きでした。方々を見て回りたい妻と、ゆっくりじっくりと鑑賞したい私。“旅行作法”の違う人間が一緒に行動すると、お互いに不満が生じることになります。 思えば、結婚当初、妻と私は旅行先すら意見が…

  • 八月

    まだ私が小学生の頃、八月十五日はどこのテレビ局でも終戦特番を終日流し続けていました。そのことに不平を漏らす私に、父は「よく見ておけ」とだけ言いました。 生前、父は自身の戦争体験をほとんど語りませんでした。唯一、東京大空襲の際に死体を跨いで逃げおおせた話を聞かされた記憶があるだけでした。 子どもの私にとって、自分が生まれる三十年も前のことは大昔の話でしたが、戦争体験者の父や母にとっては、ついこの間の、生々しいつらい出来事だったはずです。 思うに、終戦から二十数年後に生まれた私は、その後、命の危険に晒されることなく、間もなく還暦を迎えようとしています。 戦争に巻き込まれることもなく、震災に遭うこと…

  • 夏バテ予防

    暦の上では、間もなく立秋を迎えますが、まだまだ猛暑が続きそうです。かつての我が家の習慣では、休みの日でもエアコンは日が落ちてから使っていたのですが、ここ数年はエアコンをつけっ放しにしている日がほとんどとなりました。 学生時代、ぼろアパートで独り暮らししていた頃のこと。夏場の休日は、日中、大学の図書館やデパートなどで涼をとり、夜は寝る直前まで水風呂で体を冷やしてから床に就くようにしていましたが、それでも寝苦しさから睡眠不足に悩まされていました。 そんな若かりし日の苦労は二度と味わいたくない一方で、心のどこかにその苦労を正当化したい思いがあります。そのため、日中エアコンをつけることに躊躇しながらも…

  • 欠員埋まらず

    私の部署のキャリア採用活動。これまで私は書類選考と一次面接を担当してきましたが、先日“退職宣言”をした際に、私は部長と課長に採用活動の仕事を遠慮したいことも伝えました。会社を辞める人間がやる仕事ではないと考えたからです。 課長は、「忙しいから」という理由でキャリア採用の仕事を自分で担う気はなさそうでしたが、単に興味がないからだということは分かっていました。 着任早々、欠員補充は不要と言い放った課長でしたが、こればかりは部長に諭されて渋々受け入れた模様です。課の仕事が回っているのは、残っている部下の面々が何とか回していただけの話です。 キャリア採用での人員補充は喫緊の課題で、しかも、頼りにしてき…

  • サバサバ

    出勤日は始発電車に乗ることにしているので、会社には六時前には到着しています。その時間には他に出社している者はいません。 しばらくすると、清掃会社の作業員が数名、ごみの回収や掃除機掛けを行ないますが、そのわずかな時間を除き、八時くらいまでは私がオフィスを独占しています。 この時間帯はとても仕事が捗ります。自分が片づけなければならない仕事の大半は済ませることができるので、日中は打ち合わせや資料の整理に時間を割くことができます。 そして、何もなければ三時半には退社します。 このサバサバした感覚はどこから来るのだろうと思うことがあります。退職宣言をしたからではなく、随分前から、仕事に心を使うことが少な…

  • 娘の独り暮らし

    下の娘が来月から独り暮らしをすることとなりました。 私と娘の通勤時間はほぼ同じで、片道一時間少々。在宅勤務に慣れてしまった私は、通勤を面倒と思うようになりましたが、私の一世代上の先輩方の中には片道二時間超の通勤を定年まで続けた猛者(?)もいました。それを考えれば、一時間程度の通勤は許容範囲内です。 しかし、娘は職場から家までの移動時間を減らして、資格取得のための勉強時間を増やしたいと言います。表向きは立派な理由をつけていますが、実のところ、この一年間、娘が飲み会の帰りに電車で寝過ごして、他県から大枚を叩いてタクシーで帰宅したことが何度か(何度も?)あったことを私は知っています。 独り暮らしの本…

  • 手遅れ

    どこの部署でも上司と部下問題は存在するのでしょうが、それでも普通は異動後の最初の数か月はいわゆる“ハネムーン期間”で、お互いの腹の内を探りつつも表面上は上手く行っているように見えるものです。 ところが、私の課はそれがありませんでした。課長としては、「言いたいことがあれば遠慮なくどうぞ」ということだったのでしょうが、最初の課のミーティングでは、その言葉とは裏腹に、課長は部下からの意見を取り入れることはありませんでした。部下が全員、無益な議論を嫌って、それ以上の口出しをしなかったというだけの話で、だれも課長の意見に納得していたわけではありませんでした。 (課長交代) 職場の雰囲気なんて、たった一人…

  • 退職宣言

    私の勤め先では自由選択定年制度があります。五十歳以上の社員が対象で、退職金が割り増しになります。先週、私はその制度を利用して今年いっぱいで退職することを部長と課長に伝えました。 部長からは、時短勤務や在宅勤務日数を増やせば働き続けられるのかと尋ねられました。私はそういう問題ではなく、自分と家族のための時間を増やしたいことが理由だと説明したのですが、腑に落ちない様子でした。 この三年間、妻の闘病、私自身の体調不良、そしてコロナ禍と、思いもよらないことが次々に降りかかりました。私にとってそれらは決して不幸な出来事ではなく、むしろ、働き方や家族との関わり方を見直す良いきっかけになりました。そして、そ…

  • 第二ラウンド

    妻が乳がんの摘出手術を受けたのは三年あまり前のことでした。それから先月まで放射線治療や抗がん剤の投与を続けてきましたが、主治医の先生から治療の終了が伝えられました。 抗がん剤の副作用との闘いはおしまいです。手術で取り除けなかった患部は、治療で消えることも広がることもなく、がんの転移もありませんでした。これからは半年に一度の血液検査と主治医の先生との問診を続けていくこととなります。 妻に寄り添うことしかできなかった私は、治療終了を悪くは受け止めていません。言い方は良くないかも知れませんが、「気が済んだ」という表現が一番近いかもしれません。寛解とはならずとも、手術と治療によってひとまず危機は脱しま…

  • 欠員補充

    部の欠員補充のため、キャリア採用活動を始めて半年あまりが経過しましたが、未だに欠員を埋める人材を射止めることができません。 私は書類選考と一次面接を任されていますが、目ぼしい候補を二次面接に送り出しても、最終面接までに時間がかかりすぎて併願先に流れてしまった候補者や、役員面接で「うちの社風に合いそうにない」との理由で不合格となった候補者が増えるばかり。 決められた募集要件に従ってスクリーニングを行なっても、受け入れ側の態勢が整っていなければ採用活動は徒労に終わってしまいます。 他の部署でキャリア採用を行なったところは、それほど時間をかけずに欠員を補うことができていると聞くと、詰まるところ、上の…

  • バケットリスト

    北米に駐在中、出向先で懇意にしてもらっていたコンサルタントがいました。多才な人で、会社のパーティーでは、毎回彼の出し物が“お約束”になっているほどでした。 彼は郊外にセカンドハウスを所有していて、家族ともども何度かお邪魔したことがありましたが、そこはまさに趣味のための家でした。湖畔に佇むその家は、毎週末奥さんとの時間と自分の趣味を楽しむための隠れ家でした。 トランペット奏者、ジャグラー、マジシャン、画家、メカニック ― 彼の休日は、平日よりも忙しいのではないかと思えるほどでした。その趣味の多さに私は圧倒されつつも、自分も仕事とは別の、自分のやりたいことに没頭できる環境が欲しいと思うようになりま…

  • 介護飲み会

    コロナ禍をきっかけに飲み会の回数はゼロになりましたが、その間も気の置けない知人とはリモートでの飲み会を続けていました。 先日、久しぶりにオフ会をしようという話になったのですが、すっかり家飲み派になってしまった私は、楽しみ半分、面倒臭さ半分で、出欠を逡巡していたところ、飲み仲間にひとりから、家族の介護を理由に「残念ながら欠席」との連絡が入りました。 私と同年代の彼は、昨年末に倒れた老父の面倒を見るために早期退職していました。いわゆる介護離職です。 年老いた親の世話にまつわる問題は、私にとっても他人事ではありませんでした。私の母親はなんとか独り暮らしができている状態ですが、年々衰えている様子が分か…

  • 娘の部屋探し

    独り暮らしをしたいと言っている下の娘ですが、なかなか希望する物件が見つかりません。いろいろと賃貸物件を検索しても、掘り出し物はありません。利便性や治安の良さを優先させればそれなりの値段になってしまいます。逆に周辺の相場よりも安いものは曰くつきの物件ということになります。 独り暮らしと言えば、私の勤め先の単身寮が廃止になることが決まりました。入居希望者が激減したことが理由のようです。 会社の福利厚生施設ですから、周辺の相場よりも格段に手ごろな寮費で住めるのですが、若い人々は、少しばかりコストがかかっても通勤の便の良い場所に自分の城を構えたいようです。 家族向けの社宅も入居希望者が減少傾向にあるよ…

  • 会社の向かう先

    今年度から導入された新人事制度と組織改革。“課”を構成する必要最小人数が定められたため、それを下回る課は統合され、それまで課長だった者は“自動的に”一般社員に降格となります。全社でどれほどの降格者が出たのかは分かりません。いずれにせよ、管理職のポストは減り、新たに管理職となるための登用試験の門はさらに狭まることになるのでしょう。 導入前から、途中経過も含めて繰り返し行われてきた制度概要の説明会は、お世辞にも評判の良いものではなく、批判的な意見も多々出されていましたが、会社はなし崩し的に新人事制度の導入を決めてしまいました。 “メリハリのある評価制度”、“社員のエンゲージメントの高揚”、“変化に…

  • モラルの問題

    私の勤め先では、コロナ禍の最中に在宅勤務制度が始まり、しばらくして漸く業務用のパソコンを持ち帰れるようになりました。 コロナ禍が落ち着き、出社率が上がるのに伴い、通勤途中のパソコンの破損や紛失が目立つようになりました。具体的な件数は詳らかにはされていませんが、折に触れ会社のイントラネットに注意喚起が掲示されます。 パソコン紛失の多くは飲み会帰りの置忘れのようで、来月からはそのような不注意による紛失については、社員個人に弁償させることになりました。また、パソコンの持ち出しにはその都度上司の許可を取ることになりました。 来月からもう一つ変わることは、本社ビル内の全面禁煙が実施されることです。禁煙運…

  • 払い込み満了

    独身時代の私はお金のことには無頓着でした。毎月の給料から奨学金を返済したら、あとは自分のお小遣い。翌月の給料日までにはほとんどお金を使い切っていました。 妻と結婚することが決まり、お互いの銀行通帳を見せ合った時、妻の口から小さな悲鳴が洩れたのを今でも覚えています。四桁の残高。それが私の全財産でした。妻曰く、この瞬間に家計の管理は自分でやるしかないと思ったそうです。 結婚後、私の給料は妻の管理下に置かれました。生命保険、医療保険、それに個人年金にも入らされ、毎月少ないながらも一定額は貯蓄に回すようになりました。 我が家のキャッシュフロー表を作って、これから先どれだけのお金が必要になりそうなのかを…

  • 課長交代

    六月末で退職する課長の後任が先週着任しました。私は彼とは仕事で関わったことがないので、変な先入観は持たないようにするつもりでしたが、なんとも毀誉褒貶の多い人物で、方々からお悔やみメールが届いています。 最初のグループ内の打ち合わせで、その片鱗は顔を覗かせました。四月に決めたばかりの組織目標の抜本的見直しと業務分担の再整理を今月一杯に仕上げる ― 一方的な宣言に対して、出席した課員からは抵抗の声が上がりました。 打ち合わせの冒頭では、全員参加型、ボトムアップ型の意思決定を謳っていながら、自分の意に反する意見をねじ伏せようとする姿勢は、この先、課や部の中に無用な波風が立つことを予想させます。 “結…

  • 心の有り様

    過去の苦い経験がフラッシュバックすると、たとえ楽しく過ごしていても途端に不快な気分になってしまうことがあります。 自分の意思とは関係なしにつらい思い出が頭を過るのは、それらがまだ自分の中で消化しきれていないためなのでしょう。 以前の記事でも何度か触れましたが、四十代くらいまでの私は、嫌な思い出が首をもたげると無理に払拭しようしたり、蓋をして閉じ込めておこうとしたりと苦しんでいましたが、今は静かに受け止められるようになりました。 lambamirstan.hatenablog.com 私が今大切にしているのは、この瞬間の心の有り様です。もし、静かな水面のように波紋一つ立たっていない穏やかな状態で…

  • 義兄の暴走(2)

    寄進 十年ほど前に義母が亡くなった後、妻の兄弟姉妹は遺産相続で揉めました。空き家となった実家と預貯金。義兄は実家を処分することに大反対で、自分が実家を管理することと、管理費分として現金を多めに相続することを主張。兄弟姉妹の間での長い話し合いの結果、他の兄弟姉妹は根負けして義兄の言うとおりに事を進めることになりました。 ところが、今回妻に届いた手紙で、義兄が菩提寺に多額の寄付をしていたことが“発覚”しました。檀家向けの会報に自分の寄付の記事が掲載されたことが嬉しかったのか、手紙には会報のコピーが添えられていたそうです。そこには亡き両親から譲り受けた遺産をお寺に寄進したと書かれていて、これに妻は不…

  • 義兄の暴走(1)

    妻の悩み 今年は家族四人にとって最高の年になると思っていましたが、一年を通じて何のトラブルもなく平穏に過ぎていくことなど期待しない方が良いのかもしれません。 自分自身の悩みではなくとも、親兄弟のいざこざに巻き込まれて自分の悩み事になってしまうこともあります。心配性の妻は、とりわけその嫌いがあります。 十余りも歳の離れた姉と二人の兄は、妻をずっと子ども扱いしてきました。妻からしても姉兄とは距離がありました。 妻が冗談半分に、「結婚して子どもが生まれて、ようやく兄弟姉妹の仲間入りができた」と言うくらい、それまでは兄姉との関係性は希薄で、実家にまつわる諸々のことについても妻は蚊帳の外に置かれていまし…

  • 身の丈に合った生活

    スーパーなどで買い物をしていると、物価上昇を嫌でも実感します。 コロナ禍以降、食材や日用品に関しては、近所のスーパーへの買い出しと大手スーパーの宅配サービスを利用するのが定着しましたが、それぞれの品目の単価を記録しています。 半年前、一年前の記録を見ると、確かにモノの値段は上がっています。値段が据え置きでもシュリンクフレーションで内容量が減っている品物もあります。 世の中の景気とは関係なく、我が家の生活レベルはほとんど変わっていません。決して爪に火を点すような倹約生活を自分たちに強いてきたわけではありませんが、妻と私が心地良いと感じられる範囲での節約を心がけてきました。 そのため、物価上昇を受…

  • 芳しくないキャリア採用

    娘たちの転職観 先日、下の娘と若手社員の流出の話になりました。入社二年目の彼女は、今はまだ真剣に転職を考えているわけではなさそうですが、それでも転職サイトへの登録は済ませていて、キャリア採用の会社説明会にも足を運んでいます。チャンスがあればいつでも転職する気はあると言います。 上の娘は、実際に年明けに転職を果たしました。今の職場は自分に合っていると言いながらも、転職サイトの登録は続けていて、より良い条件の会社が見つかれば応募すると言っています。元来内向的だったはずの娘ですが、転職活動と、その結果、自分の希望する会社に入ることができたことが自信につながったのだと思います。 終身雇用が死語になりつ…

  • 料理の喜び

    抗がん剤の投与を開始した当初、妻は吐き気や倦怠感のために食事もままならず、また、味覚障害にも悩まされていました。 私は妻が美味しいと感じる食事を食べさせたくて試行錯誤しましたが、消化が良く塩分控えめな食事として、カツオや昆布で出汁を引いた「くたくたうどん」が人気メニューとなりました。その名前のとおりコシがなくなるまで時間をかけて茹でたうどんです。 lambamirstan.hatenablog.com 今思えば、顆粒のダシを使っても変わらなかったのかもしれませんが、手間暇をかけて食事を用意することが、私の妻への罪滅ぼしや感謝につながるものと感じていたのでしょう。妻は「離乳食みたいだ」と言いまし…

  • ペンキ塗り立て

    入梅前のこの時期、毎年ウッドデッキのペンキ塗りをするのですが、担当は私と下の娘です。普段、何かお願いごとをしても二つ返事で応じるようなことのない娘ですが、ペンキ塗りは別のようです。 古いペンキをやすり掛けしてはがした後にペンキの二度塗りをすれば、半日仕事になります。ひと仕事の後のビール。それが娘の目当てでした。労働の後の一杯は格別、と泡のついた口元を拭う娘は言います。 普段、ウッドデッキは洗濯物の干場でしか使っていませんが、週末などの日中に家族が揃う時には、テーブルを広げて昼食を摂ることもあります。使用頻度はそれほど高くはありませんが、最低限のメンテナンスとしてペンキの塗り直しだけはするように…

  • 自分時間

    以前の記事で、働くことは自分の時間を切り売りしていることだと書きました。切り売りした時間の単価が上がっても、やりがいや張り合いが伴わない仕事は喜びではなく虚しさしか残しません。 lambamirstan.hatenablog.com 自分のために使える「自分時間」が増えたことで、私の時間に対する考え方は大きく変わりました。かつては往復の通勤の間に急かされるように本を読んでいたものですが、今は読書のためだけに時間を割いています。ページを捲るスピードは遅くなり、本の内容を理解するよりも文章や行間を楽しみたいと思うようになりました。 それは食事も同じで、数年前までは、仕事のある日は夜遅く帰宅した後、…

  • 母乳と粉ミルク

    連休中に家族で衣類の断捨離をしていた際に、娘たちが赤ん坊の頃の服(段ボール箱一つ分)を処分しました。生後から一年くらいの間に使っていたものですが、生まれたばかりの子どもの成長は驚くほど早く、すぐにサイズが合わなくなったため、衣類の状態はそれほど悪くならないうちにお役御免になりました。 これまでは、甥や姪、あるいは娘たちに子どもができたら使ってもらえるかもしれないと取っておいたものですが、いくら身内とはいえ、三十年物の古着を使わせるのはどうかと思い廃棄することにしました。 子供服を詰め込んだ箱の中から未使用の粉ミルクや瓶詰の離乳食も見つかりました。たぶん、何も考えずに箱に詰め込んだのでしょう。も…

  • 課長の退職

    退職代行サービスというのが人気で、連休明けから利用が急増しているというニュースを新聞で読みました。 私の勤め先では、まだ退職代行を利用して辞めていった社員がいるとは聞いていませんが、それも時間の問題なのでしょう。退職に伴う手続きや諸々の煩わしさから解放されるのであれば、ちょっとした手数料を払って誰かに代行をお願いしたい気持ちは分かるような気がします。 とはいえ、もし、私が代行会社から自分の部下の退職を告げられたなら、心穏やかではいられないことでしょう。私が管理職だった時に退職していった元部下たちは、人繰りや引継ぎを考えて“前広に”退職を申し出てくれましたが、これから先、上司や同僚にお別れの挨拶…

  • 連休最終日のショッピング

    連休が終わり通常の生活に戻りました。私の勤め先は、全社一斉の夏休みはありませんので、次の大型連休は年末まで待つこととなります。 そんなこともあり、ゴールデンウィークは一年の折り返しのようなもので、私の中では“今年もあと半分”といった気分になります。 以前は、貴重な連休に目いっぱいの予定を詰め込んだものでしたが、今は歳のせいか、賑やかな場所に身を置くよりも、静かにゆったりとした時間を楽しみたいと思うようになりました。 このゴールデンウィークも自宅でのんびりと過ごしましたが、最終日は家族でアウトレットのショッピングモールに買い物に出かけました。 連休前から妻や娘たちに買い物に連れていくようにせがま…

  • 連休半ば

    今年のゴールデンウィークはどこか遠出でもしようかと考えていた私でしたが、娘たちは、人でごった返している行楽地へ足を運ぶよりもちょっと贅沢な家飲みにお金をかけたいと言い、結局、二人の意見に流された形になりました。 もっとも、家族旅行にしても家飲みにしても、娘たちは「まだ給料が安いから」と自分の財布のひもを緩めることはないので、単に人込みにもまれるのを嫌がっただけなのでしょう。 上司と反りが合わず、“モチベーションゼロ”の下の娘。家でダラダラしていれば、母親から小言が飛んでくるのを経験上熟知していて、一日ひと仕事を自分に課すことで余計な諍いを避けています。昨日はレンジフードの掃除、一昨日はウッドデ…

  • 集中力の邪魔

    新年度になって一か月が過ぎようとしています。 在宅勤務の日数が制限されたため、私は週三日出社するようになったのですが、これまであまり気にしなかった職場の雑音に悩まされています。 コロナ禍の間に、会社が事務所の縮小とフリーアドレス化を推し進めたことによって、社員のパーソナルスペースは格段に狭くなりました。 当初は、在宅勤務の継続が前提で、人事部や総務部の説明では、事務所の人口密度は以前よりも低くなり、パーソナルスペースの狭さは問題にならないというものでした。 ところが、今のように社員の出社率が上がってしまうと、事務所はほぼ満席状態。空いている席を見つけるのに苦労する社員もいます。また、出社勤務者…

  • 幸福序論

    自棄酒とガス抜き せっかくゴールデンウィークが始まるというのに、下の娘は上司とやりあったらしく、ひどく落ち込んで帰っていました。 一年間努力して、自分では十分な成果を上げたと思っていても、上司がどう評価するかは別の話です。そんな当たり前のことではあっても、新入社員に毛の生えた程度の娘にとっては腑に落ちないのでしょう。 それにしても、自分と意見の違う人に対して見境なく食って掛かる娘の性格は何とかならないものかと思ってしまいます。娘に“激詰め”される上司の方の苦労は如何ほどのものでしょう。 この歳になって、娘の自棄酒につき合わされるとは思いませんでしたが、たとえ酔い潰れたとしてもすぐ近くに寝床が用…

  • 小遣い使途

    大概の支払いはキャッシュレスで行なえるようになったため、流行に疎い私ですら、普段の買い物で現金を使うことはあまりなくなりました。自分の財布に何かあった時のために一万円札を一枚入れてありますが、それに手を付けることはありません。 以前は袋分けで家計管理をしていたので、給料日に引き出す現金もそれなりの金額でしたが、公共料金を含めほとんどの支払いは銀行口座からの引き落としやカード決済となりました。今では現金が登場するのは、近所の無人販売所で野菜を買う時くらいです。 キャッシュレスでの支払いは非常に便利ではありますが、私の場合、知らない間に小遣いを使い過ぎることが増えてしまいました。以前は、財布が空に…

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