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月夜の猫-BL小説です 夏休み8 BL小説 忘れているか、或いはまた嫌味の一つも言われるだろうと覚悟はしていたが、沢村の反応は案外あっさりとしたもので、良太は少々気が抜けた。 本当は出演交渉も良太の仕事なのだが、ディレクターにさり気に依頼してしまったのも、ただでさえマスコミ嫌いなのに、自分が出て行って断られるこ
月夜の猫-BL小説です 春雷93 BL小説 「何やってるんだ、おとなしく寝てろって言っただろうが」 工藤が部屋に戻るとベッドに寝ているはずの良太がいないので、隣の部屋を覗くと、猫のトイレを片付けていた。 「なんか、熱、下がったみたいだし」 工藤は立ち上がった良太の額に手を当てた。 「ちょっとよくなったからってホ
月夜の猫-BL小説です 夏休み7 BL小説 「あ、いや、それはその。そっちこそ、すげー活躍じゃん」 予期しない出来事に周りは一時騒然となり、やはりクールに沢村がさっさとスタジオを出て行くと、良太を羨望の眼差しで口々に問い詰めた。 「え、ええ、ちょっと昔知ってるってだけで…」 言葉を濁した良太を、例によって大山が
月夜の猫-BL小説です 夏休み6 BL小説 間もなくエントランスから工藤が現れたのを見た良太がドアを開けて運転席を立つと、一斉にセミの声がさんざめく。 すんげーセミの合唱。 太陽の光をまともに浴びて、良太は少し顔をしかめつつ、工藤のために後部座席のドアを開けた。 車に乗り込んでからも、しばらく工藤は携帯でいくつ
月夜の猫-BL小説です 夏休み5 BL小説 「わかった、河崎さんも西口さんも、三浦さんもいないんでしょ?」 良太はスプーンをとめることなく口にする。 「おや、どうしてわかった?」 「藤堂さん、かまうヒトいないと、ここにくるから」 「何をいうかね、この子は。良太ちゃんはかまいたいヒトの筆頭だよ?」 嬉しいとは言い
月夜の猫-BL小説です 春雷91 BL小説 工藤は良太に歩み寄って、「しょうがないな、こっちで寝るか」と良太の後ろ頭に手を当てた。 うん、と頷いた良太は何だか頑是ない子どものようで、工藤はベッドに連れて行って座らせた。 「なんだ、怖い夢でも見たのか?」 工藤は傍らに座り、良太の頭を引き寄せた。 夢が怖かったので
月夜の猫-BL小説です 夏休み4 BL小説 「おお、やっと現れたね、良太ちゃん」 オフィスのドアを開けるなり、能天気な声が良太を出迎えた。 「藤堂さん、いらっしゃい」 「さきにいただいてるわよぉ」 窓際の大テーブルでは、アスカが大きな口を開けてスプーン一杯のメロンをほおばっている。 人気女優があんな大きな口を開
春雷(工藤×良太)90まで、Midsummer Dreamアップしました
春雷(工藤×良太)90まで、 真夜中の恋人(京助×千雪)46まで、 Midsummer Dream エピソード
月夜の猫-BL小説です 夏休み3 BL小説 良太も親の背負った大きな借金という枷がなかったら、この会社に入ることはおそらくなかっただろう。 しかし子供を谷に突き落とす獅子がごときやり方でもって工藤に鍛えられてきたお陰で、世の中どんな災難が待ち受けていようと良太は軽く乗り越えられそうな自信が今はある。 「関西タイ
月夜の猫-BL小説です 夏休み2 BL小説 青山プロダクションの主な業務内容は、タレントの育成、プロモーション及びテレビ番組、映画の企画制作である。 弱小とはいえ数人のタレントを抱えたこの会社の社長工藤高広は、自身は敏腕プロデューサーとして業界に名を馳せている。 所属俳優も志村嘉人、中川アスカ、小笠原裕二、そし
月夜の猫-BL小説です 春雷89 BL小説 タクシーを降りると、また小雪がちらついていた。 工藤は警備員に挨拶するとエレベーターに良太を乗せて部屋に向った。 「猫にはエサやっとくから、お前はもう寝ろ」 良太と一緒に部屋に入った工藤はすぐにエアコンを入れ、コートを脱いでポールハンガーに引っ掛けると、良太のコートや
月夜の猫-BL小説です 夏休み1 BL小説 八月の太陽は惜しげもなく力強い陽射しを世の中に降り注いでいる。 夏、summer、夏休みとくれば、海、山、避暑、旅行! 誰の心の内にも俄かに遊びのムシが騒ぎ出す季節である。 いつもはああしろこうしろと席を動こうともしない額が薄くなりつつあるオヤジであろうが、キーボード
月夜の猫-BL小説です Vacances27(ラスト) BL小説 後を追いかけて、ジェノバで捕まえるしかない、と、工藤はともかくエレベーターホールに向かう。 あの野郎!! 人の気も知らないで! 工藤が荷物を持って再びフロントに現れると、そこには加絵と鴻池が待っていた。 「どうした、慌ててどこへ?」 「いや、急用
月夜の猫-BL小説です 春雷(工藤×良太)87までアップしました BL小説 春雷(工藤×良太)87、Vacances(工藤×入社2年目良太)26、真夜中の恋人(京助×千雪)42、までアップしました。BL小説です。 真夜中の恋人、は、メリーゴーランドより以前の話になります。
月夜の猫-BL小説です Vacances26 BL小説 「そんなにタレントになりてーのか? だったらいくらでもお膳立てしてやるぞ。俺を甘く見るなよ? てめーの一人や二人スターにしてやるくらい朝飯前だ」 語気も荒く、工藤は言い放つ。 「誰がいつ、あんたを甘く見たよ! 俺にだって可能性があるんならって言ってるだけだ
月夜の猫-BL小説です Vacances25 BL小説 シャンパンに負けないスプマンテの味わい。 最高級のエクストラバージンオリーブオイルを使ったトロビエッテのバジルソースやとれたてのシーフードをふんだんに使った料理が振舞われた。 「エー? 加絵が焼いたの? このパンすんごくおいしい!」 女優がそんなにバクバク
月夜の猫-BL小説です 春雷85 BL小説 「もっと音楽もお勉強しろよ」 「またそうやってバカにする」 鼻で笑ってからかう工藤に、良太は文句を言う。 「桐島さんって、でも平気でスキーとかしてたし、度胸ありますよねぇ」 「まあ、世界中公演で回ってるからな、自然と強くなるんだろ」 「そうなんですねぇ」 ついつい自
月夜の猫-BL小説です Vacances24 BL小説 「いいところでしょ? 私もここに初めてきた瞬間、気に入ったの。ここにいると太陽と海、それだけで何もいらなくなる」 カクテルグラスを良太にひとつ渡すと、加絵は風になびく長い黒髪をかきあげる。 「あ、ありがとうございます」 海の色をしたカクテルに口をつける
月夜の猫-BL小説です Vacances23 BL小説 クルーやスタッフ共々、河崎と藤堂は翌日、ミラノから日本に発ったが、一日オフを予定していた青山プロダクションの面々をイッポーリトがちょっとしたクルーズに誘った。 良太はやっとスーツから開放され、Tシャツに短パンでクルーザーに乗り込んだ。 ラフなシャツにパン
月夜の猫-BL小説です 春雷(工藤×良太)83まで連載中です BL小説 春雷(工藤×良太)83、Vacances(工藤×入社2年目良太)22、真夜中の恋人(京助×千雪)37まで、BL小説連載中です。
月夜の猫-BL小説です 春雷83 BL小説 「良太ちゃん、来られたんだ?」 直子は黒のドレスだが、ロックライブに行く時とは打って変わってシックな装いだ。 「いや、工藤さんにチケット渡すことになってるんだけど」 佳乃でも現れれば彼女に渡せばいいか、と思う。 「え、良太ちゃんは?」 直子は怪訝な顔で良太を見つめた
月夜の猫-BL小説です Vacances22 BL小説 「何だ、デマかよ?」 井上は苦笑する。 「いや、実を言うと事実なんだな。そりゃ駆け引きでしょ。達也は自信満々で、金にならないなんてこれっぽっちも考えちゃいないよ。その代わり、ヒットしたらそれなりに上乗せしてもらうことになってるから、良太ちゃんも期待してて」
月夜の猫-BL小説です 春雷82 BL小説 表参道の事務所では案外早く打ち合わせが終わった。 ベテラン俳優の平岩孝次だけでなく、マネージャーや社長も現れて良太を歓待してくれただけでなく、平岩がもともと人を笑わせるのが好きなな人だったので、楽し気な雰囲気で終始した。 あちこちのドラマやCMに顔を出す人だけあって、平
月夜の猫-BL小説です Vacances21 BL小説 ローマとは打って変わって、撮影は殊のほか順調に進んだ。 何だか開き直った良太が妙にしっくり絵の中に収まって、ディレクターもうんうん頷いている。 「いいよ、いいね、良太ちゃん!!」 藤堂が手放しで誉めまくる。 「良太、お前やっぱこれからこっちの仕事でいった方
月夜の猫-BL小説です Vacances20 BL小説 眩い夏の陽射しを受けて小さな港は輝いていた。 ポルトフィーノ、イタリア語でイルカの港と呼ばれるこの入り江はリヴィエラの東側に位置し、リグリア湾を臨む断崖絶壁に囲まれているため、隣接するサンタ・マルゲリータ・リグレの町から船で渡るのが最良の手段だ。 サンレモ
月夜の猫-BL小説です 春雷80 BL小説 今回、朱雀酒造が初夏から新発売する糖質オフ・プリン体オフのノンアルコールビール、「Yes! Free!(イエス、フリー)」のCMプロジェクトで、イメージキャラクターにプロ野球レッドスターズの新鋭八木沼大輔選手を起用したのが、電映社のビジネスプロデューサーという肩書の
月夜の猫-BL小説です Vacances19 BL小説 午後八時のローマの空はまだ明るい。十時でもまだ薄闇だ。 アスカや秋山、藤堂らと軽く食事をとってから、良太はホテルの部屋に戻り、シャワーを浴びるとベッドにもぐりこんでみたものの、神経が疲れすぎているのか今度は眠れない。 ベッドから這い出すと、冷蔵庫からミネラ
月夜の猫-BL小説です Vacances18 BL小説 「よし、お疲れさま~」 ディレクターの声で一斉に空気が開放感に満たされる。 「お疲れ、バッチシじゃん、良太」 すぐ傍にいるアスカの声が遠く聞こえる。 周りのみんなも何か言っているがよくわからない。 良太は顔をあげてその男を探す。 まっすぐ向こうにようやく
月夜の猫-BL小説です 春雷79 BL小説 「昨日まる一日寝てたんだ。十分だろう」 ってことは、少なくともインフルエンザじゃなかったんだろうな。 良太は工藤の言葉から判断する。 すると工藤の背後から、「工藤様、どうぞこちらへ」という声がする。 「え、今どこです?」 相手はこのクソ寒い雪の日に出歩いたらまた風邪が
自己紹介昨日の記事本日の記事大丈夫、私はあなたのベストフレンドだよ。こちらもどうぞ★ランキング参加中です。ポチっと1回クリックで投票できます。何卒よしなに。 ★SNSやっています。★LINEで更新通知が届きます。★LINEスタンプ販売中★
自己紹介昨日の記事本日の記事当たり前だけどね〜だ〜か〜ら〜♪皆、何歳くらいのときにリアルに子どものことを考え始めるんだろ?「いつかほしいな〜」から切り替わる瞬間っていつなのかな。こちらもどうぞ★ランキング参加中です。ポチっと1回クリックで投票できます。何
月夜の猫-BL小説です Vacances17 BL小説 「さっきポスター撮りでファインダーから覗いてて思ったよ。背筋がピンと伸びたっていうか。風格っつうのか? ひょっとして初めから尾崎なんかよりよかったかもよ?」 井上に横で説明されるまでもなく、カメラの向こうの良太は開き直ったのか、さっきまでおどおどして見えた
月夜の猫-BL小説です Vacances16 BL小説 休憩になっても、ぐーんと落ち込んだ良太は、部屋のかたすみにうずくまっていた。 「なーに暗くなってんのよ。良太なかなかうまくやってるよ。初めてやったにしちゃ、もう上出来」 アスカが傍にきて声をかけてくれる。 「ヘタな慰めはいいよぉ」 CMに出るんだ、カッコよ
月夜の猫-BL小説です 春雷77 BL小説 「お疲れ様。帰るよ」 間もなく真中が小笠原を呼びに来て、車で帰って行った。 今夜はロケで、出番もないので、当然美亜はいない。 美亜がいないと、小笠原は出番まで妙に一人静かにしていた。 スタッフは片づけをしているし、俳優陣が帰っていくうち、今日は途中から現れた坂口が宇都
月夜の猫-BL小説です Vacances15 BL小説 石造りの建物の中は、入ってすぐ一瞬ヒンヤリするのだが、これだけぞろぞろとスタッフが入り込むと、空調が効いていてもちょっと動くだけで汗ばんでくる。 秋から放映予定のCMでは、この猛暑の中アスカと良太は秋物を着ているため、半端じゃなく暑いのだ。 ボルゲーゼ公園の
月夜の猫-BL小説です Vacances14 BL小説 売り言葉に買い言葉。後悔先に立たずなんてのもある。 後の祭り、なんて言葉も。 打ち合わせ、準備、あれよあれよという間に時間が経ち、良太は今機上の人なのだった。 あ~~~~~~~~あ………………… 何度ため息をついたか。 どうして俺ってこう、短絡的っつうか、