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今回採り上げる『草山要路会註』とは、元々、近世初期の日蓮宗・深草元政(1623~1668)が、門下の子弟のために書いたもので、貞享3年(1686)に初めて刊行されたという。内容は、全部で十科(起信・決疑・持戒・衣食・住処・知識・誦経・止静・志学・指帰)を配して、仏教の基本を教示したものとなっている。そして、拙僧の手元にある『草山要路会註』は、元政の弟子であった慧明院日灯(1642~1717)による註釈の『草山要路鈔』を本文に組み込んだものである。拙僧の手元にある『草山要路会註』は、巻末に「京都東洞院通三條上町書林平樂寺村上勘兵衞」とのみあって、本書の書誌的知見を記した【『草山要路会註』の版本について(上)【立正大学・古書資料館の世界4回】(小此木敏明)―八木書店グループ】を参照すると、江戸期に刷られたであ...深草元政・慧明院日灯『草山要路会註』「持戒第三」の参究