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もう10分も過ぎて だけど他にすべもなく バスが来るのを待っている 時間、わかりますか 同じく所在無げに立っていた女性が 話しかけてきた そこから なんとはなしに正月頃のことやら 手放したいもののことやら ほんの数分話が弾んで ほんの少し気が紛れた 自分の乗るバスが先に来て それは見慣れない番号だったが 降りる停留所を経由していくので 女性に では、と軽く頭を下げて乗り込んだ バスが動き出してから その人に会釈したが見えたろうか また会えそうな もっと話していたいような 不思議な空間に私たちはいて 寒空をほんのり忘れた ランキング参加中詩
朝起き抜けに 「戻ったよね」 そんな言葉が口をつく 体内時計が息を吹き返し 心身のアンテナがいくつもの 感情をキャッチする ここ数日間の出来事も ここ数年間の日常も 今は全てがありがたく 猫の姿勢を時折真似て 空と向かい合った 朝唐突に 「戻ったよね」 そんな言葉が口をつく 体内時計が息を吹き返し 心身のアンテナがいくつもの わたしをキャッチする ランキング参加中詩
去年、念願のトラディスカンチアが手に入った。 蔓性植物で育てやすく、春に可愛らしい花をつけるらしい。 葉がところどころラベンダー色に染まっているところが、なんとも和やかな空気感を作り出してくれる。 植物は偉大だ。そんなことを思う。 植物はたくましい。習うことのなんと多いことか。 比べて人らのなんと小さなことよ、と恥じて俯いた先に、また名も知らぬ花が息づいている。 ランキング参加中詩 ランキング参加中雑記
自慢、と位置付けると 慢心が全てを拭い去ってしまいそうだが 誰かの何かの参考になるのなら 悪くはないだろうか 靴を 靴箱を空にするのである できれば年に一度といきたいところだが とにかく 大掃除ついででも腹たちまぎれにでも 理由づけなんぞはどうでもよくて 空っぽにする 玄関が片付かない そんな悩みの半分くらいはきっと それでスッと軽くなるものだし 気持ちも体もより空っぽに近くなっていくのだ 大晦日までに! 三が日までに! などと区切りをつけてもつけなくても それは自分の生活リズムに合わせて 誰に影響を受けても受けなくても 自分ごとなのだから 自分が納得すればいいだけの話 さて 今年も靴箱はすっ…
誰彼ともなく いつもより念入りに磨き始めて それは唐突に終わる 少し半端に残ったとしても そこはあまり気にせずに 朝はやってくる 古くなるなどあり得ない 夜もまた同様に 同じ時間は二度紡がれない 瞬間ごとに生まれ変わって 瞬間ごとに何かを忘れては また思い起こすのだ ランキング参加中詩
実家仕舞いをして久しい。 筆者自身、猫街に腰を落ち着けており、どこかに帰りたいという気持ちもないのだ。 雑記カテゴリーにメモ程度に書いてはいるが、むろんリアルタイムというわけではなく、多少の妄想を意図的に混ぜている。 したがって、読者にとって参考にならないであろうことを念のため記しておく。 解体して更地にし、土地を売る。 あるいはリフォーム後、家も土地も売る。 実家に縁(ゆかり)のある者たちが知恵を持ち寄り、体験談を読み漁り、専門家に教えを請い、「主な選択肢はどちらかだね」という話に落ち着いた。 その時点で、「誰に(どれほどの範囲に)知らせるか」というこまごましたところまで決めておいた。 訊か…
一日家を空けていて パートナーはまだ帰ってなくて だけど 「タダイマァ」って玄関先で元気よく どちらが先でもそれがあたしたちの約束だった いつしか約束は約束じゃなくなって ご飯いらないってどちらからともなくLINEしあって 「タダイマァ」っていったいどういう意味だっけ それすらわからなくなってた 一日家を空けていて パートナーはまだ帰ってなくて だけど 「タダイマァ」って玄関先で元気よく どちらが先でもそれがあたしたちの約束だった ランキング参加中詩
冬は、それなりに楽だ。 翌日に大した予定がなければ、ルームウエアに近い服で寝む。完全にパジャマなのは、秋口ぐらいだろうか。 入浴を済ませれば、もう寝るばかり。 深夜の非常事態という可能性を考えて、そのパジャマも“何か羽織れば外出できる”くらいのものにした。 余裕があれば、外出時にラジオや音楽を楽しめる装備をするのだが、このところすっかりそういったことから遠ざかっている。 外で何かを聴くのは嫌いではなかった。 ただ、手持ちのアクセサリだと音漏れが気になって、あまり外に連れ出せない。高速バスの中でボリュームの調整がうまくいかなくなり、恥ずかしい思いをしたこともある。 主流になってきたワイヤレスタイ…
猫街ラジオから、律儀に「空落ち予報」が流れる ほんの欠片ほどしか降りはしないし 星が終わってしまうわけでもないから、 ただ少しだけ いつもより頑丈な傘で出かけるか ただ少しだけ 買い物の予定を早めるか それだけのことだ 今夜はシチューが残っているから ゆでじゃがいもを足して ミルクも足して 黒胡椒も足して 茹でたパスタと合わせよう うん、チーズをかけてグラタンという手もあるな 「空落ち予報」が終わったら 決まって静かな音楽がラジオから流れ出すから、 それを合図に焦げ具合を確認すればいい そうだ、食べ終わったら 旅の準備でもしようか 珈琲豆に詳しい店主に倣って ランキング参加中詩
メインのXのほうで呟いたように、今年最もよく聴いた曲は「熟睡のための音楽」だった。 日常が停滞というか渋滞というか。 疲れすぎて眠れない日も、正直ないわけではなかった。ラジオを聴きながら眠ることもあるにはあったのだが。 そんな折、音楽配信サービスの中に自然音のカテゴリーがあることに注目し、その中から楽器と組み合わされたものを選んで低く流していたことがある。 まさか、そんなに回数を稼いでいたとは。 すぎてしまえば、何をそんなに考え込んでいたのか日記を読んでも実感が湧かなくなっている。 そんなものなのかな、と苦笑いする。 猫街のあの店主にも、そんな夜はあるのだろうか。 案外眠ることを忘れてしまった…
落雷が原因で停電に見舞われた。 以前にも書いたかもしれない。 その日、パートナーと車で遠出して、帰りがけに遠くの山の方角に雷が落ちるのを見た。帰宅すると、電気が止まっている。 懐中電灯は数本あったので、困ることはなかった。多分、風呂のタイマーもセットして出かけたのか、入浴も問題なくできたように記憶している。 ガスはきていたから、少し暗くなったキッチンで何か炒め物をこしらえた。 飲み物も少し用意していたのだろう。食卓はそこそこ賑やかだった。 幸い停電は数時間で終わり、ホッとした。 電気が止まると水もストップする。 そんな住宅事情もあり、天候が荒れてくると湯船の水量をいつもよりたっぷり目にするとい…
それがとても優れていて 認知もされて みんなやってるよ または 限定だよ って (先人の知恵や病的に弱ってしまった時の助けはともかく) 誰かの編み出したメソッドで ほんとのほんとに何かを得られると ほんの一瞬思い込んだとしても よほど自分の血肉になるか よほど感銘を受けたか 何よりそれが継続できるか (月単位年単位で) 真実であっても素晴らしくても 自分に合わないそぐわないことは 世の中結構多いものだ 受け取ったり手放したり そうやって前に前に 転んでも上に上に わたしたちの空はきっと広がっている それがとても優れていて 認知もされて みんなやってるよ または 限定だよ って そんな声を受け止…
「魔法がちょびっと使えるんだから、ポケットなんかいらんでしょ」 口の悪い友人が、そんなことを言う。 いやいや、コントロールできぬのだよと返しながらポケットからのど飴を取り出し、手渡す。 去年のじゃないから安心しな、と付け加えて。 ポケットにビスケットを忍ばせていたのは、遠い昔。 叩いて粉々になったのを忘れて洗濯機に入れたもんだから、叩いても増えないのよっ、と母親にこっぴどく叱られたっけ。 笑い話のようないつかの出来事である。 むろん、もうポケットを叩いたりはしないが、寒い季節に小さな菓子を忍ばせる習慣は変わらない。 猫街では雨が珍しい。 そのせいか、冬になると喉と言わず内臓を言わずかさついてく…
猫街の海が見える小さな土地に、 これまた小さな…そう、なにかのかみさまを祀った 小さな青色の家がある やたらと珈琲豆に詳しいあの店の店主によれば、 「わたしたち猫モドキを、昔の人らが勘違いしたのでしょう」 ということらしい 雪のない、よく晴れた昼間 青色の家を訪ねる この季節には珍しい雨を愛でるために 鍵がかかっていたことはない 誰かに迎え入れられたこともない ただドアノブを回し こんにちは、また来ましたよ 家がびっくりしないように声をかける カーテンもないのに 風もないのに やさしく空気が混ざり合い 窓の外に夜の雨が降り始めるのだ しばらくの間 雨を眺めていると こんにちは、お邪魔します ど…
著名人(と呼んでいいと思うのだが)の方から、SNS(詩人名義のほう)をフォローされた。 Tさん。J-WAVEの深夜番組でそのお声を聴くことができる。そして、筆者はその番組のファンの一人である。 ライブを聴きに行ったことのあるアーティストの方がたまたま、Tさんが関わった映画作品について投稿しておられ、そこに返信ポストをした。 心当たりと言えば、そんなところだ。そのポストでTさんの名前を出したのである。 深夜、何となく目が覚めて手元のスマホを見ると、アプリに通知の数字が灯っている。 半分寝ながらスマホを操作し…完全に目が覚めた。 そのTさんがフォローしてくださっていたのだ。念の為、いろいろな方向か…
慌てず騒がずさわらず開かず。 不思議な雰囲気の、心当たりのない便りが届く。 俗に「迷惑メール」と呼ばれているものだ。 昼夜を問わず(寝ている時間帯も届いていた)送られてくるので、初めのうちはギョッとした。 覚えのないSMSも頻度は多くないが届く。 慌てず騒がずさわらず開かず。 まとめてゴミ箱へ。もちろん読まない。 それで大丈夫になる。 受け取らなくてよいものは、(何かの拍子に受け取ったとしても)しっかり手放していく。 やり方は、それぞれ。 まるで逆恨みのように命やものを傷つけにかかる(!)より、頃合いも師走であるし、大掃除よろしくキレイキレイしていくだけだ。 平和に、穏やかに。よき時間が紡がれ…
食器棚の上に手が届かない。 拭き掃除をしたいのだが、踏み台を倉庫から持ってくるのも億劫だ。 そこで、小さなモップをそーっと浮かせて、ゆっくり埃をかき集めた。 かさり。 不穏な音とともに、何かが落ちてきた。 びっくりしたはずみで魔法が解け、モップがあさっての方向にすっ飛ぶ。 かさりと音をたてたそれは、乾燥させたほうれん草だった。 もしものために買い置いていたのだ。うっかりしていた。 食べてくれろ〜と存在を主張しているようだ。 スープには違う野菜を使ってしまったし…そうだ、ご飯に炊き込んでしまえ。 雑穀を入れることも切り干し大根を入れることもある。水加減が少しばかり多くなっても、いい感じに仕上がる…
その存在を知って、挑戦してみたくなった。 くる日もくる日も入荷情報を探しては落胆する日々だった。 花を咲かせるのは得意ではないため、それほど開花時期を気にせずにいられる蔓性植物には目がない。そんなわけで、万年初心者の域にとどまって久しい。 あるとき、その存在を知った。 くる日もくる日も入荷情報を探しては落胆する日々だった。 だが、思い続けて焦がれているうちに、ついに我が家に迎えることが叶ったのだ。 インスタグラムの広告に、その植物の情報が流れてきたのである。買物したことはなかったが、信頼しているショップのひとつだ。 ところが、ここでもsold outである。 どうしても、これ以上寒くなる前に育…
11月中に年末年始の買い物(衣類以外)も、済ませてしまおう。 そう決めて、ちょっとだけ背伸びした。冬ごしらえには気合だって必要なのだ。 まずは、掃除機の役目を果たさなくなってしまったブツ(!)を粗大ゴミの日に搬出し、買い替えることにした。 ベランダ用サンダル、掃除用手袋といった細々したものも、すっかり傷んでいるので用意する。 あれば重宝するであろう冷凍食品や、保存のきく野菜加工品も買い足しておく。 12月に入ってから届くものもあるが、カレンダーアプリや手帳にその都度メモして、できるだけ期日指定の約束を守れるようにする。 思えば昨年はそういった買物をあまりしなかったように思う。 気持ちが追いつか…
インスタグラムの更新は、かなり気まぐれだ。 平気で数ヶ月ほったらかすこともあれば、興が乗って連投することもある。 ストーリーズも使ったり使わなかったり。 自分の何かを宣伝したり、広く誰かとつながりたいわけでもないので、まあこんなところだろう🙄 そんないい加減な使い方をしていても、どこから嗅ぎつけるのか、一時期ネットストーカーに悩まされたことがあった。 ブロックしても、すぐさまアカウントを変えて足跡を残す。大抵は水着姿の女性アイコンを掲げたユーザーだ。 大した秘密ごとをアップしているわけではないにしても、正直あまり気持ちのいいものではない。 そこで、「広い範囲で限定公開」という設定にした。 繋が…
去年の今日 なにしてた? あなたのことで多分 あたふたしてたっけ 手帳はメモだらけ スケジュールもぎっしり よく息をして よく生きていたなと 笑い話のように思い出す 去年の今日 なにしてた? わたしのことは多分 後回しにしてたっけ 着るもの食べるもの 体調体重悲しみ喜び 何も壊れず何も壊さず あるときは助けられて あるときはちょっとばっかし寄りかかって ありがたくありがたく 日々を紡いだ 去年の今日 なにしてた? 来年の今日 なにしてる? 今日わたしは生きてる 泣いてるか笑ってるかわからないけど 今を生きている ランキング参加中詩
まもなく、龍の年がくる。 チームが大切になるとも言われているのだが、特に何かのチームを作っているかと問われると、たちまちしどろもどろになる筆者である^^; 推しごとを除けば家族とのグループラインくらいか? だが、こうも考えることができる。 自分自身そのものが、ある種のチームであると。 心が乱れれば、なんだかお腹の具合が不安定。 お腹の調子がいいと、少しぐらい強い言葉が飛んできても受け取りすぎない余裕も生まれる。 忘れることも覚えることも、捗る。 一人でいても、誰かといても、自分そのものが「チーム」であり「スクラムを組んでいる」わけだ。 チームを大事に動くことは、自分や他者を大切に想うことでもあ…
「髪、切りました?」 挨拶もそこそこに、店主が問う。 久しぶりに自分でやってみたんだ、と答える。 珈琲豆を詰めながら 「詩人さん、器用でいらっしゃる」 ふふ、と微笑む。 猫街の隅の隅のほう、香り立つとびきりの珈琲豆。宇宙猫とも放浪猫とも噂されている、猫そっくりの姿。 人らのようにすっくと立つことを選んだ生き物である店主は、いつもやさしい。 旅にはいつ? 「珈琲豆の知らせが届く頃に。はい、落とさないように気をつけて」 ありがとう、とずっしり重い豆袋を抱き抱える。 雪の前にまた会えるかな? 「雪が深くなければお店は開けます」 珈琲豆の知らせが届いたら? 「よくよく晴れた日にお店が閉まっていたら、そ…
軽さで選ぶか、容量で選ぶか。 携帯用バッテリーを選ぶとき、迷いがちだ。軽さを重視したものを持っているのだが、1.5回分しか充電できない。遠出をするときには、いささか心もとないのだ。 かと言って、泊まりがけでもないのに数台を持ち歩くのはどうだろう、とも思う。 それでも…とショッピングアプリを立ち上げ、モバイルバッテリーを探す。だが、買うには至らず画面を閉じた。 手持ちのモバイルバッテリーは、まだまだ健在なのだ。 長く使っていたコードレスのものは、差し込む側のほうが破損してしまい、残念。同じ型を使っている人らや猫らを街で見かけると、抜き差しに注意してね、と声をかけたくなる今日この頃である。 ランキ…
たまたま、お昼時に帰宅が叶う。 買い置きを帰りしなに思い浮かべて、パズルのように組み合わせる。 トマト缶のストック、チキン、前日の残りの青菜とツナのおひたし。そうだ、簡単スパイスカレーにしよう。おひたしは水気が少ないから、サラダがわりに付け合わせればバランスもいい。 通りすがり、スーパーをちら、と眺めたが入店せず我が家へ駆け込む。 ご飯がなければ、圧力鍋で炊く。 その間に、カレーをこさえる。30分あれば完成。そのほとんどの時間は煮込み時間なので、ほったらかしで他の何かに没頭すればいい。 何度かブログで触れたようにも思うが、小麦粉を使わず具を炒める過程がないため、一度作り方を覚えれば、具が変わっ…
嘘をつくなら にっこり微笑んで フェイクな通知に リボンをかける(すっかり束ねて燃やすのよ) 受け取るのも手渡すのも 愛だけでいい 未来、だけでいい 今日なんていらない 昨日なんていらない 明日を呼び戻せるなら 未来を信じられるなら 愛だけでいい 今、だけでいい ランキング参加中詩
クライムサスペンス。 大がつくほど好きと言うわけではないが、時折無性に観たくなる。 先日、ある作品の紹介文に惹かれ、ウオッチリストにすぐさま追加した。まだ観てはいないが、機内で鑑賞はしないほうがいいだろう。 降りたくなるだろうから、何がなんでも窓を開けて。 問題は、筆者自身が近々飛行機に乗る可能性があると言う事実だけだ。 タイミング的には、どう頑張っても鑑賞後になる。 それだけのことだ。 www.amazon.co.jp ランキング参加中詩 ランキング参加中雑記
気まぐれに、散歩とウオーキングの中間のような軽い運動をしている。 何分歩く、何歩歩く、歩かねば!…と義務づけてうまくいく向きもあるのだろうが、筆者には「気まぐれ」くらいがちょうどよい。 春に目も心も存分に楽しませてくれた、桜の下を歩いた。 落葉と紅葉が進み、そこだけは晩秋の装いだ。 すれ違う人らは、揃って夏の装いなのがなんとも対照的なのだが。 11月、冬の入り口。 詩人もまだその扉を見つけられずにいる。 ランキング参加中詩 ランキング参加中雑記
以前どこかで書いたが、晩秋から冬にかけてドライフルーツを食べる機会が増える。 フルーツケーキに焼き込んだり、ヨーグルトや紅茶に漬け込んだり。そんなふうに、まめまめしくしていた時代もあったのだが、ヨーグルトや紅茶がなんとなく体に馴染まないことがわかった。 それで、フルーツだけになったというわけだ。 冷蔵庫や冷凍庫を開くたびに、栗鼠になったような心境になる(ナッツの買い置きはしていない)。 週に1〜2回訪れる場所があり、どうしてもその曜日だけは食事が不規則になる。 雑穀おむすびを用意したり、それも難しい時はドライフルーツを齧る。 持ち歩くことはあまりしないが、もしもの時のために大袋を少し。心の安定…
探す 探している 今こうして半袖…は流石に控えるとして 七分袖のTシャツを選び 薄手のカーディガンを羽織る いつもなら手招きするほど明らかな 冬の入り口が見つからない 造作もない 道を曲がったその向こうだと 詩人が言うので ついうっかり信じてしまった 深々と吸い込まれた季節は 二度と現れず 今年も待ちぼうけの立ちぼうけ 詩人はどこかへ消えたので 次の季節はやっぱりさっぱり見つからない ランキング参加中詩
その冬初めてのセーターは、 やわらかくて少しあたしを幸せにした。 セーターなんて、どこでも買えるし。 なんなら編むっていう選択肢もあるし。 なんと言っても、 その前の冬も、その前の前の冬も、 セーターに袖を通していたのに。 その冬初めてのセーターは、 やわらかくて少しあたしを不安にした。 贅沢だったろうか。 手入れが簡単だかrと、つい張り切って 3枚も買った。 その冬初めてのセーターは、 やわらかくて少しあたしを笑顔にした。 やっぱり、やさしくて。 やっぱり、心地よくて。 来年の冬がもっと寒くても、大丈夫だなって。 その冬初めてのセーターは、 やわらかくて、やさしくて、少しあたしを いいえ、た…
以前、友人のブログにアクセスして、いわゆる「あしあと」を調べてもらった。 つまり、地名がどこだと表示されるかを知りたかったのである。 結果、関東地方と判定されたそうで「どこに住んでるのよw」と笑われてしまった(筆者は九州在住である)。 そんなふうに、IPアドレスが判明したからとて、居所が知れたり個人が特定されたりするものではない。また、アドレスの数字は固定されている場合もあるが、筆者の場合がそうであるように、解析のたびに変動することも少なくない。 かろうじて末尾のアルファベットで見分けてはいるものの、「ああまた関東に住んでいることになっている」とがっくりくるのである。 何度か書いたが、そのおか…
時間の使い方がもう少し上手になれば。 季節の終わり、焦りを微かに感じる時の中で そんな思いに駆られる。 時間があれば、ではなくて。 時間ができたら、ではなくて。 いつか、も。いつでも、も。 幻想だ。 乱暴に決めつけ、僕はコーヒーを飲み終える。 ひとりでいること、も。 ふたりでいること、も。 現実だ。 時間の交換をいっそ誰かとしてしまえ、と 捨て台詞にすら、酔ってしまう。 冬が始まる。 時の編み方は、一向に上達しないが 今ここで季節を食むくらいは、許されるだろうか。
金木犀の香りがくぐもっている 晩夏のひと粒が弾けたような午後 雷雨となり それでもその人の部屋に満ちた香りは 消えなかった 帰りしな 雨宿りを兼ねスーパーに寄る 土曜は揚げ物がお手頃価格で 僕の腹もぐううと鳴った 唐揚げのパックをふたつ ひとつは夕飯に ひとつは冷凍して来週の楽しみに 金木犀の香りがくぐもっている 晩夏のひと粒が弾けたような午後 雨が去り 時も去り 影も去り あなたが去った ランキング参加中詩
一度味わってみなよ 流行りには乗ってみるもんだよ ハマったら案外いけるじゃないの? じゃあさ 二人で行ってみよ そういうお誘い そういう誘い 互いになんとも言えない空気感になって いつもいつも最後は険悪になるのを恐れて どちらかがグググと我慢してた じゃあ帰りの時間だけ合わせて どっちかが少しぐらいは 待ってもいいようにしとこう 本読んでるよ じゃあラジオ聴いてるよ あの店ね 了解で〜す そんな会話は多分一度もしなかった きみはどうしてるかなんて どうでもよくなるまで とてもとてもかかってしまったね きみはどうなんだろう 幸せであればいいのだけど ランキング参加中詩
くるくると不安になる 10月の声を聞くたびに 残された今年はこぼれていくだけだと くるくると不安になる 10月の声を聞くたびに 手放したことは多いはずなのに 失い足りないと自分を責めるのだ くるくる不安になる 10月の声を聞くたびに 水の冷ややかさと 夜風の孤独さに 生きたりないと自分を責めるのだ ランキング参加中詩
風にのって届くのは 夏忘れの噂と秋始まりの調べ 奏でるかみさまたちは それぞれをつまみ食いしながら ひとあみひとあみ 季節を縫いあげる いつかは秋が濃くなって いつかは夏が消え去って 溶けた体のことなども記憶の向こうに追いやって そうして星に食べられながら あるいは星を喰い散らかして 逃げ場のないまま生きている ランキング参加中詩
久しぶりのコンビニで冷菓コーナーを覗いた。いつものスーパーとは品揃えが全く異なり、楽しい。 見慣れない筒型の容器に惹かれ、ひとつ買い求めた。中身はフルーツ風味の甘い氷粒である。 どうやって食べたものかと迷ったが、かなり甘いので炭酸水を注いで楽しんでいる。 夏の粒。そうだ。このくらいなら、夏も可愛げがあるというものだ。 あまり秋めいてこないのが、今年も気がかりである。 のんびりしているうちに急に寒くなって、慌ててしまうのもまた幸せだ。 ランキング参加中詩 ランキング参加中雑記
忘れたり理解不能になりやすい だから 自分でもそうするし 人にも分けてもらったほうがいい 時々でいいから 忘れないために わからなくならないために ランキング参加中詩
血の半量がそうさせるのか 遠い記憶が呼び覚まされるのか それは確かになじんだ 一言たりとも交わせはしないし 読み書きもほぼできはしないし ましてや舌にも強すぎて それでも血は正直だ 半量だけの そして先々受け継がれもしないものを 持て余し弄び ただ滅んでいくものを それでも血は正直だ 一言たりとも交わせはしないし 読み書きもほぼできはしないし ましてや舌にも強すぎて わたしとともに滅んでいくというのに ランキング参加中詩
これでようやく これでやっと おかげさまだねえ その人は若い時分から“最期”を心待ちにしている 困ったことに、とも やれやれまたか、とも どうにも感じなくなるほど疲弊したり、も あるにはあったが 自分を責めようがその人を責めようが 事態はそんなに変わらない だから 「はいはい、そのうちね」 「ま、みんないずれは一人残らずだものね」 「こればかりは平等で順番が違うだけだしね」 捨て台詞に聞こえないように どうにか笑顔で 日常会話に混ぜ込むのである 最後は何度もやってくる 最期は一度きり だから なんとか笑顔で 日常会話に混ぜ込むのである ランキング参加中詩
Instagramの通知が、このところ気まぐれである。 要するに、届いたり届かなかったりするのだ。日がな一日スマホの画面を見続けているわけではないからそれは構わないのだが、新しくフォローしたアカウントほど通知が届かない傾向にある。 そんな折、Threadsからのお知らせが届いた。 既にThreadsを利用しているフォロワーさんたちからのフォローリクエストである。つまりは、インスタのつながりと同じ関係を構築してもよい、という設定をしている皆さんのアカウントから自動的に届いているらしい。 ありがたいことだが、筆者自身は相変わらずの様子見で、しかもそんなに困っていないためThreadsアカウントを作…
高いほうがいいのですって、肯定感 いつもポジティブでいられるからですって 周りもどんどん巻き込んで 確かに確かに想像よりずっとずっと Life is short ! でもねでも いつの間にやら誰の声も それちょっと違うかもよ、も 聞こえなくなることが あるのだって 高すぎるのもどうだろ、って話 誰もが誰も、じゃない 高めることは悪くはないにしたって バランスよく肯定したり否定したり どうしてそれじゃいけないのかなぁ 底にいる自分を知るには上がるだけじゃ だめだよ 闇に気づくには光がなくっちゃ 光に感謝するには闇も知っておかなくっちゃ 流行りがいいとは 廃りが悪いとは 一概に言えないんだからさ …
今日、待っている。 少し身構えて、少し忘れて。 平皿ばかりで事足りるだろうと、いつまでも買わなかった深皿。 やはりどうしたって、パスタやカレーを食べるのに、皿が浅すぎると心がウロウロする。 それで、一枚ずつ揃えることにしたのだった。 食器棚は、小さなアートや人形たちの住処になっている。 キッチンの引き出しに入るだけの食器と暮らす。そう決めたのは、数年前。以来、食器を新しく迎え入れることに慎重だ。 ある日、料理を盛るのに少し困ったことがあった。 平皿ではあふれてしまいそうだし、丼も何か違う気がする。 結局、平皿を選びはしたものの、やっぱり心がウロウロした。 今日、待っている。 少し身構えて、少し…
てぃーびぃーえす♪ポッドキャスト♪ おなじみのジングルが、ウェアラブルスピーカーから流れてくる。ぼんやりと、だが、少しばかりホクホクした気分で耳を傾けている。 気がつけば、少しずつグリーンが増えてきた。インドアグリーンという言葉も知った。 闇雲に観葉植物を選ばずとも、「あ、この子だ」と我が家に合うサイズや種類がわかるようになってきた。 住宅街を歩けば何となく庭木に目がいき、公園に差し掛かるとつい桜の下を歩いて、いつの間にか虫に刺されていたりもする(数日、赤みと痒みが消えなかった😂) 続きはまた来週、さようなら〜 黙々と続けていたPC作業が終盤、ちょうどPodcastも終わる。 降りそうで降らな…
目指すところは、それ。ただし、楽しみながら。 ある人のSNSで毎朝コメントを募集している。 心洗われるような写真も楽しみだが、いかに誰とも似ないコメントをポストできるか、簡潔な表現ができるか、プライベートを出さずにそれが可能か…そんなことに挑戦(?)している。 個人的にはブログを3つ掛け持ちし、毎日更新し続けているので、例え短いコメントのポストであっても、こういった日々の積み重ねは鍛錬にもなる。 なぜか、スマホに届く更新通知が恐ろしく遅くなってしまった(汗)ため、瞬発力はともかくとしても表現は大事にしたいところだ。 具体的なことは自分のノートにメモする。だから、ポスト内容はよりシンプルに。 つ…
下がっていく 室温も外気温も 足元の毛布は蹴落としているし 夜中のトイレついでに水分補給は すっかり習慣になっているが 日の出前のひと時は秋が少しだけ濃い 寝具は夏のままで 普段着も外出着も半袖のままで 汗拭きシートも汗拭きタオルもバッグの隅に 忍ばせる 下がっていく 室温も外気温も 己の体も ランキング参加中詩
推しさんの監督作品が、絶賛公開中である。 原作はオゾミスともホラーとも呼ばれており、鑑賞前に繰り返し読み、鑑賞後にまたゆっくりと読み返している。どこに「映画の魔法」がかけられたのかを読み解くのも楽しく、興味は尽きない。 読書時間は就寝前と決めていて、よほど疲れていない限りはKindleを開く。 本を読むこと自体が自分のご機嫌につながっていると気付いたのは、最近だ。 おどろおどろした、例えば人体がバラけるような話も読むが、それでおかしな夢を見ることも少なく、心温まるエッセイを数行読み進まないうちに眠気に負けることもある。 涼しくなり、夜ふかし癖がつくのでは…というのが目下の悩み。 そんな悩みさえ…
朝ごパンから少しずつ朝ご飯に切り替えている。 何かの制限をしているわけでも、体質的に小麦を受け付けなくなったわけでもない。麺類もクッキーもシュークリームもたまには食すし、頂く機会があると小躍りする。 朝食のメニューを変えるのにそんなに大した理由はないが、数年ぶりにおむすびブームが自分の中でやってきたのだ。朝食におむすび。それだけで幸せになれる。 おむすび型を持っていた頃もあったが、いつの間にか自分の中のブームが去り、手放してしまったようである。 幸いなことに、数百円で良いものを見つけた。 海苔も常備。嬉しや。 ランキング参加中雑記
いつもの夏より長い時間、 エアコンを使っていた いっとき見ないふりをしていたが、 ようやくアプリで確認した 残暑見舞いの頃をすぎ、 台風シーズンに突入し、 うっすら年末のことを思う頃。 どんなミステリーより不可解で、 どんなホラー映画より残酷で、 緊張に緊張が重なるのを抑えながら、 電気代を確認するのだ 予想より僅かに小さい数字と、 去年より遥かに大きい数字に 天国と地獄を同時に噛み締める。 ランキング参加中詩