あの頃は良かったとは云わないけど、あの頃で良かったとは思っている
ひどい雨が降ったあと山の中をくねくねと進む頼りない道はどこも山からの水でビシャバシャで土砂や砂利の流出木々の倒壊や折れた枝の散乱人が作るモノをまるで無かったことにするかのような暴れぶりだネットでざっと眺めただけでも通行止め箇所は多く探検気分で出かけていくのも面白そうだけど一生懸命復旧している人たちのことを考えると申し訳なくもあり出かけて行ってどこかにたどり着けるという保証もない感じだった梅雨空の中山から流れ出た水で川になる道路を突っ切っていくクロ介はすでにびしょ濡れでボクの両足の脛にはびったりとチノパンツが張り付いて気持ち悪い「帰ったらしっかり洗ってやるから」とクロ介をなだめながら迂回路を彷徨うでも、これはこれですごく楽しい走りだ雨上がりは山のにおいが強く湧き出しすべてがしっとりと濡れそぼり湿った重い空気...あの頃は良かったとは云わないけど、あの頃で良かったとは思っている
2023/06/28 11:41