私には相方の世話をする義務はないし、それが嫌なら自分のマンションへ逃げることもできます。文句を言いながらも、私ができる範囲での世話をしている一番の理由は、結局、私のためだと思います。ここで投げ出して、後になってから後悔したくないから。ここまで耐えたのに逃げてしまうと、バチが当たりそうで怖いから。自分勝手ですが、高齢者の世話をしている人すべてが、善良で心優しい人ばかりではありません。優しくできないと...
もうすぐ定年。所有物を整理する自分のメモとして始めたブログ。部屋は片付き、遺言状を書き終えました。最近はエッセイの感想、ミニシアター系の映画の感想を書きながら、残り少ない人生をどのように楽しむか模索する様をブログに織り込んでいます。
【イスラエル映画】元兵士たちの視点から レバノン侵攻の意外な面
私には相方の世話をする義務はないし、それが嫌なら自分のマンションへ逃げることもできます。文句を言いながらも、私ができる範囲での世話をしている一番の理由は、結局、私のためだと思います。ここで投げ出して、後になってから後悔したくないから。ここまで耐えたのに逃げてしまうと、バチが当たりそうで怖いから。自分勝手ですが、高齢者の世話をしている人すべてが、善良で心優しい人ばかりではありません。優しくできないと...
熊澤南水(なんすい)さんの「ひとり語り」に初めてお邪魔しました。朗読と「ひとり語り」の違いと南水さんの魅力について簡単にまとめてみます。私が朗読会に初めて行ったのは、もう6年も前。場所は、移転前の港区三田図書館でした。 参考過去記事 「二胡の演奏と朗読会 春めく季節のしらべ@三田図書館」朗読を聞くのは、読書とはまた違った楽しみがあります。三田図書館での朗読会に出た後、朗読のCDを図書館で借りたり、NHK...
【アルメニア】侵略されるのはウクライナだけではない/チェコの前衛舞踏を見る
ダンスカンパニー420PEOPLEによる作品「WHERE」の公開リハーサルを間近で見る機会がありました。振付、ダンスともにチェコのヴァーツラフ・クネシュさんとヘレナ・アレンベルゲロヴァーさんで、大阪万博のチェコ・パビリオンで上演されます。リハーサルでは、私のすぐ目の前までクネシュさんとアレンベルゲロヴァーさんが来て、吐息まで聞こえるほどでした。ヘレナさんの右足ですが、指が6本あるのかと思ったら、それは重症な外反...
婦人公論で連載中の伊藤比呂美のエッセイを開くのが、怖かったんです。枝元なほみさんの死について何か書いてあるのではないかと。前の号には、何も触れていなくて、なぜだかほっとした。多分、原稿を婦人公論へ渡したのは、なほみさんが亡くなる前のことだったからだろう。そして、いよいよ。伊藤比呂美は独特の強運の持ち主で、その日も枝元なほみさんのお見舞いを済ませた後、なほみさんの家へ泊った、その晩。なほみさんの義妹...
食文化研究家、1941年生まれの舟田詠子さんが、パンの食文化の研究で訪れたオーストリアの村を訪れた時の貴重な記録を読みました。横山貞子さんの著書「老い、時のかさなり」の中に出てきたのが、「アルプスの谷に亜麻を紡いで」でした。リネンが好きな私は、タイトルの「亜麻を紡いで」のところに惹かれ読み始めたものの、亜麻を紡ぐ話は、実は少しだけでした。それで落胆したということはなく、予期しない貴重な体験談を次から次...
青池保子の原画展を見終わり帰宅する途中、ご近所の方が私を呼び止め、慌てたような口調で「お宅のおじいちゃまが探していらっしゃいました!」と言うではないですか。聞けば、相方が「どこ~ぉ?」と口走りながら近所を徘徊していた?!遂に、この時が来たか!心臓がドキドキしてきました。結局、相方は呆けたわけではなく、帰りが遅い私を心配して、探しに駅へ向かって歩き出したらしい。「どこ~ぉ?」というのは相方の口癖みた...
素材ラベルの印字が、すっかりはげおちている古いシャツ。多分、綿。襟の下あたりの生地が透けるくらい薄くなり、穴が開いている。ごみ屋敷の住人のクローゼットで見つけたものだ。昔の私なら、雑巾にした後、捨てていた。あっさりと。それが、今じゃどうだろう。どうやって修繕をしようか、Youtubeやブログを参考にして頭をひねっているとは。いろいろな補修方法がある。・全然、別の色や柄の布をあてる・ミシンではなく、あえて...
定年退職して時間がいっぱいあるはずじゃなかったのか?読書も映画鑑賞も、必ず途中で中断しなくてはならない。好きな本を心行くまで読むことの、何が悪いんだ?外国語の映画は、すべて「テロリスト」か「共産主義」と言ってバカにして、何が楽しい?ひょっとして、こういうストレスがからだに悪いのだろうか。ストレスをためやすい性格の人は膠原病になりやすい、とも聞く。あーあ、損な性格っ。気分を変えて。佐藤愛子さんのエッ...
同僚のフィリピン人、マリアンさんがフィリピンのお菓子をお裾分けしてくれました。紙に包まれた、ヨックモックのシガールみたいなお菓子。意外に硬いです。思い切り噛むと、今度は中身がほろほろっとこぼれ落ちます。マリアンさんは「ピーナツよー、ピーナツ、わかる?」と言っていましたが、あまりピーナッツの味はしません。コーンスターチのような食感で、水がないとむせます。私はフィリピンのことに全然なじみがないので、面...
施設に預けられたシリル、12歳。迎えに来てくれると信じていた父親に裏切られ、町の美容師に救われるも、今度はシリルが彼女を裏切り、悪の道へ。映画「少年と自転車」に、果たして救いはあるのだろうか。やってくれました、ダルデンヌ兄弟。日本でおとなしい生活をしている私の位置からは見えにくい存在を映画にするのが、憎たらしいくらい優れています。「息子のまなざし」など、悪い後味が残るけれど好き、という作品を作る兄弟...
暑からず寒からず。とても気持ちのいい午後のひとときを、東京都立中央図書館で過ごしました。4階で開催中の企画展示「情報、江戸を駆ける!蔦屋重三郎が生きた時代の出版文化」をたっぷりと楽しんできました。蔦屋重三郎が出版した書物の他、江戸時代の瓦版やHow-to本、江戸時代の双六など。実際に双六遊びを体験できるコーナーもあります。故・杉浦日向子さんの解説を聞きたかったなぁなんて思いながらさいころをコロコロと転が...
ウルグアイのムヒカさんがお亡くなりになりました。エミール・クストリッツァ監督の「世界でいちばん貧しい大統領 愛と闘争の男、ホセ・ムヒカ」というドキュメンタリー映画がオススメです。このドキュメンタリーで一瞬だけ見えたシーンが忘れられません。「ペペ(ムヒカさんの愛称)、愛している」という壁のグラフィティ。こんなグラフィティを壁に書いてもらえる政治家が、今の日本にいますか?さて、興味が尽きない話題がいっ...
NHK FMでゴンチチさんが担当されている番組、「世界の快適音楽セレクション」というのがあります。選曲がいいのはもちろん、おふたりのおしゃべりものんびりとしていて落ち着きます。喫茶店に入った時やテレビ番組の導入部で、それとは知らずに耳にしていることが多いゴンチチさんの音楽。おふたりの活動は、本当に長いですねぇ。そんなゴンチチさんの選曲で、忘れられない曲をまとめてみました。イースト・フォレスト&ピーター・...
私が「姉さん」と勝手に慕う、あるブログ主さんがいる。ズッキーニが大きくなってきたそうだ。昔、私もズッキーニを育てようとしたけれど、なにせ、雄花ばっかりが咲く。雌花は滅多に咲いてくれない。オスはひとつだけあればいいんだよ。それより、メスだ、メス。どこかにいないか、女~。さて。シェーグレン症候群のため、膠原病の専門医のところへ定期的に通院しています。先生が「次回の診察では、胸部CTスキャンをしよう」と言...
アパートの騒音問題で殺人事件まで起きていますが、耳が遠い高齢者が増え、騒音問題はこれからも増えるのだろうなぁ。うちの相方も耳が遠いので、テレビは大音響。幸い、隣近所との距離がある上、窓の位置の関係で、騒音問題は起きていませんが、私が耐えられません。特に、日曜の昼下がり。素人ののど自慢大会みたいなのが、相方のお気に入り。日本語が通じない人には、あのシンプルさがいいのでしょうか。さて、今日はチリ映画。...
缶のパイナップルじゃダメだっていうんですよ。飛蚊症に効くのは、生のパイナップル。本当なんですかね。それで、せっせと買っては切り分け、食べていましたが、生ごみが多くて、1か月足らずで挫折。諦めるのが早すぎでしょうか。諦めると言えば(と無理やり、話をつなげる)、清掃のバイト。母が元気なうちは(つまり、母が私の緊急連絡先でいてくれる間は)バイトを続けようと思っていましたが、掃除のバイトももう辞めて趣味に...
ローマ法王が決まりました。アフリカ系、アジア系の法王云々の話は、もう、ミス・ユニバースじゃないんだから、「前回は南米だったし、その前は白人。そろそろアジア人を出さないと、まずいんじゃない?」なんていう忖度は、必要ないでしょう。でも、米国人とは意外でした。なにしろ、米国という国はカトリック教徒を低く見ている国です。ポーランド系、イタリア系、メキシコ系、アイルランド系は、悪く言われることが多く、蔑称が...
私は人混みや行列に並ぶのが苦手なので、万博に出かける元気はありませんが、来場する方たちのわくわくする気持ちはよくわかります。私は、毎日が「世界万博」ですから。珍しいコソボ料理を、JICAのJ's Cafeでいただきました。その名を、タベメオレズといい、コソボ大使夫人直伝のレシピなのだそうです。中に見える白いポツポツは、多分、お米。ピーマンの肉詰めは、旧ユーゴスラビア諸国、トルコで食べられているそうですが、こち...
ドナルド・キーンさんの最初で最後の日記本、「東京下町日記」。私の年代で英会話を一生懸命学んだ人にとっては、おなじみの名前ではないでしょうか。English Journalでドナルド・キーンさんのインタビューを聞いたのが、キーンさんを知るきっかけでした。こんなにすごい米国人がいるんだ、と驚いたことを今でも覚えています。それ以来、私にとってキーンさんは私のアイドルでした。東京下町日記には、三島由紀夫、谷崎潤一郎、安...
早いもので、定年退職して2年。清掃のパートを始めて1年と半年が経ちました。この仕事を選んだ理由は、(1)朝、3時間程度だけ働きたい (2)人と話さず、責任の軽い仕事をしたかったからです。何とも非社交的で勝手な理由ですが、残りの人生、好きにさせてくれと思います。私のように、人と接するのが苦手で、誰とも関わらないで済みそうな清掃業務を考えている方のヒントになればと思い、このブログ記事を書いています。清...
J's Cafeのメニューは、献立に煮詰まった時に便利です。昨夜は、ブラジル風チキンストロガノフなるものを料理してみました。牛肉ではなく、鶏肉。お財布に優しい。粒マスタード、ケチャップ、生クリームで味付け。ソーセージにつけるならディジョン粒マスタードが圧倒的においしいのですが、ディジョンは高いので、今回は100円のチューブ入りを。これで十分で、粒マスタードの酸味が、いい隠し味になりました。さて、ルーマニア...
20代女性のトイレ清掃員が描く漫画を、「こういうコト、あるある」と思いながら読んでいたのですが、ひとつだけ妙なところがあり、これはフィクションなのではないか、と疑っています。この20代さんが別の清掃員さんとペアを組んで清掃をした時のこと。ペアを組んだのは、60代くらいの女性。男性トイレの汚れ具合を見て、60代さんは「糖尿病かしら。ちゃんとした食事を作ってあげたいわ。」と言い、20代さんは彼女の母性愛...
以前は、田町駅でビッグイシューを買ったものですが、販売員さんを見つけられなくなってしまいました。(確認したら、2025年4月現在、田町駅の販売員さんはいないようです。どこかでお元気にされているでしょうか。)九段下駅近くにも、おひとりいらっしゃったんだけど、その方のお姿も最近、見なくなり。と思ったら、まさかの神保町A5出口付近で、別の販売員さんを発見!ビッグイシュー、2025年4月15日号(vol.501・・・ついに500...
友達がいない私にとって、てならい堂からのメルマガは貴重な情報源。ダーニングって、もっと自由にやっていいんだ。「かるさん」ってなんだ?え?ハギレを出さないでズボンが作れるの?和ろうそくは、「キャンドル」とはどう違うの?知れば知るほど、別の新しい世界への扉が開いて、普通の生活がどんどん面白くなっていく。そして、遂に、あー、私が恐れていたことが起きてしまった。福島から漆器の職人さんを招いて、お話を聞きな...
ある朝、目覚めると、手の指がこわばっている。リウマチではない、と整形外科医。では、一体何なのか。膠原病を専門とするクリニックで、二度の血液検査。結果、シェーグレン症候群だと判明した時の気持ちは、病名がはっきりしてよかったという安心感。ところが、徐々に気持ちに変化が現れます。全治しない病気。それならば、通院する意味もないのではないだろうか。来月の予約、どうしよう。「シェーグレン」と検索キーワードに入...
街中で、病院で、車椅子を押す女性を見かけます。辛いと思うことは、ないのだろうか。車椅子に座る人にやさしい口調で語りかけることができるのは、どうしてなのか。私は4世代の共同生活を体験しているし、ボランティアもよくやっているから、高齢者には慣れていると思っていたけれど、相方と外出をすると、ついイライラしてしまいます。歩くのが遅いからイライラするのではなくて、足が弱くなった原因(=運動不足)は、彼自身。...
こう来ましたか。イランの女性歌手、ファタネー(Fataneh)の「Namehraboon」という曲に合わせて、ダンスユニット、The QuickStyle(別名 Quick Crew)が独創的なダンスを見せてくれます。動画解説は、「イランのお正月、おめでとう(ハッピー・ノウルーズ)」とあり、ホストはイラン・インターナショナルテレビとなっています。昔、イラン音楽でエアロビクスを指導していた米国人女性の動画がありましたが、あちらは削除されてし...
海外旅行へ出かける小さな子供へのインタビューをニュースで見ました。「ちょっと西友、行ってくる」みたいな普段着の子供たちを見て、日本もいっちょ前に成長したもんだと感激。あれは、1970年。遠い異国に単身赴任していた父に会いに行った時、私と妹は何を着ていたんだっけ。白いタイツに黒いエナメルの靴。すごい気負い方で笑うけれど、あの時の「ピシッ」とした感覚を忘れると、バチが当たりそうな気が。さて、ユダヤ系に...
今週の「憤怒の人」では、断筆宣言を何度もしながら断筆しない話題でした。え?これで最後、って前回、言ってなかった?ということが何度かありました。愛子さんは書かずにはいられない、書きたいのだということが、響子さんの「憤怒の人」から強く伝わります。機関車とコークスの例えも、響子さんはうまいなぁ。浦河の工務店が作ったお粗末なガーデンテーブル。愛子さんは工務店に苦情をしたため、響子さんが清書する、書かずには...
Lady of the City(2021年)のあらすじ無実の罪で終身刑を言い渡されたシャルバヌー。11年めにして、仮出所をする。息子の結婚式に参加するためだ。久しぶりの外は、なんだか太陽の光がまばゆくて、シャルバヌーは思わず目を細める。しかし、刑務所にいる年月が長すぎた。知らぬ間に、ふたりの娘の人生は狂い始めており、彼女は危険を冒してでも、娘たちの問題を解決しようと奔走するのだが、嘘まみれの世界で、もう誰を何を信じ...
わたくし、宮城県警塩釜警察署刑事第一課の山下と申します。夜の11時過ぎに村井理子さんにかかってきた電話で、「兄の終い」が始まります。翻訳家、村井理子さんによる、実兄急死にまつわる壮絶な手記。人ひとりが亡くなると、手続きや後片付けがこんなにも大変なのかと思いますが、理子さんの場合は、さらに複雑で。疎遠だった兄のためにここまでしなきゃならないというイライラもやもやが、「兄の終い」を埋め尽くします。及川...
エジプトの都会、アレクサンドリアからイスラエルへ招待された警察音楽隊。アラブ文化センター開設のお祝いで生演奏することになっている。ところが、迎えは来ないわ、行先を間違えて、とんでもない田舎に着いてしまうわ、ホテルはないわで、大ピンチ。村に1件しかないレストランの女主人は、「アラブ文化センター?ここはイスラエルだよ?そんなモノ、あるわけないじゃん」とけんもほろろ。あらすじ詳細は「映画で巡るイスラエル...
天気がいいので、どれ、歩いてみるかと、日比谷公園のあたりから皇居前を抜け神保町まで、ぷらぷらしていたら、小学館本社ビルの屋上が!なんじゃ、この緑のもこもこは。帰って調べてみたら、西武造園株式会社が、屋上の緑化を実現させたのですと。小学館のインスタによると、ミツバチが飛ぶほど緑豊かなのだそうです。素敵~~だけど、高所恐怖症の私は、ひ~~~。地下鉄駅の改札近くに、小学館停電のお知らせが。電気設備点検中...
トルコ中が大絶賛し、日本でも上映された「父と息子」は有名ですが、My Father というトルコ映画もなかなかの力作でした。「父と息子」で頑固おやじを演じていたÇetin Tekindorが、気難しい父さんを演じています。あらすじ妻を亡くしたユーセフ(Çetin Tekindor)に残されたのは、知的障害のある息子、アリフ(Berker Güven)。(あれ、この話はどこかで。そうだ、イスラエル映画「靴ひも」だ。)障がいのある息子を、ずっと恥じて...
Bond of Silence(沈黙の絆)は2010年の米国テレビ映画ですが、テレビ映画だけにしておくのはもったいない内容でした。1997年12月31日、カナダで実際に起きた殺人事件が元になっています。3月にブログ記事をアップしましたが、先ほど、日本語字幕付きの無料配信を見つけました。あらすじ年末のパーティーで騒ぐ学生たちを、近所に住むボブが注意をしに行く。それが、ボブの最後の姿だった。現場にいた学生たちは、お互いを庇い合い...
サイッコーにっ、気持ちのいい日でした。珍しいフィジーのお料理、イカバカロロを市ヶ谷のJ's Cafeでいただいた後、まっすぐ駅まで歩いて行くのもつまらないと思い、あてどもなく2.7キロも歩いてしまった。リネンの半袖ニットに、リネンのもんぺ(生地は鎌倉スワニーさん、型紙はうなぎの寝床さん)が気持ちいい、まさに「リネン日和」の午後となりました。あ~幸せ。さて、それで、「ウィスコンシン渾身日記」だ。ご主人の転勤...
今週の「憤怒の人」は、愛子さんのかつての不倫相手のことが。響子さん、ここまで書いちゃっていいのかな。愛子さんから別れを切り出した時の騒動は、昔、瀬戸内寂聴さんと愛子さんとの対談でも愛子さんが語っていたことがあったけれど、娘、響子さんの立場から書いた「別れ・その後」も壮絶。だけど、響子さんの書き方が可笑しくて、笑っちゃった。糸杉紗依の頃より、断然イイよ、響子さん。さて。イラン映画になじみがないけれど...
人形劇団プークによる人形劇を楽しみました。人形劇と子供たちの反応、原作の絵本のことなどについて忘れないうちに書いておきます。スイミーのあらすじ小さな黒いお魚のスイミー。仲間たちは次々と大きな魚に食べられて、とうとうひとりぼっちに。そこから、小さなスイミーの大冒険が始まります。海の生き物たちのお陰で、スイミーは同じ仲間と出会いますが、大きな魚から隠れるように岩陰で窮屈な生活をしています。そこで、スイ...
1922年、米国へ向かう大型客船に乗船したギリシャやロシアの「ピクチャー・ブライド」たちの人間模様を描いたBrides。元・写真家のノーマン・ハリスは、ギリシャのサモトラキ島出身のニキ・ドゥカ(Victoria Haralabidou)に惹かれていくのですが。Bridesでは、ギリシャやロシアの貧しい村の未婚女性の家族が、まるで家畜でも売るかのように、米国行きを決めてしまいます。女性に渡されるのは一枚の花婿の写真と彼の職業と住んでい...
2024年の孤立死は2万1856人孤立死とは 自宅で死亡した1人暮らし 死後8日以上経過して発見 生前に社会的に孤立していた孤立死の他にも、道路でバタリと倒れて亡くなったものの身元不明とか、死後1日から7日の間に発見されたひとり暮らしの方もいるので、2万人以上もの方が静かに亡くなったことになります。身元不明、または親族らに引き取られず、自治体が2023年度に火葬や埋葬をした遺体は全国で4万1969人。23年の全死亡数(...
今年の桜は長く咲いてくれています。桜田通りから日比谷通りへ、そして芝公園へ。ボランティアの方たちが植えたネモフィラもきれいに咲いています。あらすじ(ネタバレ無し)医者もいない村落で看護師として働くズィナット。両想いのハミードと結婚をするためには、仕事を諦めなくてはなりません。ズィナットが仕事を辞めて家事に専念することを決心できるのかどうか、これが前半までの見どころとなります。映画監督のこと行ったこ...
週末は、佐藤愛子さんのエッセイ漬け。響子さんが二言三言、そっけなく言うだけで、佐藤愛子さんのエッセイは俄然、面白くなる。響子さんの週刊誌連載が始まった時は、親の名前を借りているだけと思っていたけれど、母親から礼儀や物の見方などを教わってきたとの自覚が響子さんにあり、母の姿を伝えねばという使命感が、今週号の記事から伝わる。図書室にいるというのに、泣く。泣かずにはいられない。病院から清掃工場が見えると...
あらすじジョージア州のブルーリッジの秘境に住む高齢女性、アニー。子供たちと夫、ヘクターに先立たれ、一人暮らし。そこへやってきたのが、調子のいい不動産開発会社のプリンス。プリンスって面じゃないが、「いい値段で買い取りますよ。ほら、隣村の別荘街ね、あそこもウチが買い取って開発したんですよ。」とアニーに言い寄ります。しかし、この土地にはアニーの夫や子供たちのお墓、それに数えきれないほどの思い出が詰まって...
別冊「太陽」スペシャル(2024年10月25日)「絵本作家のしごと」。人気の絵本作家のアトリエの様子、絵本作家になるまでの紆余曲折、作品の背景や編集さんとのやり取りなど読み応えあり! ミロコマチコ 鈴木のりたけ 及川賢治 きくちちき ヨシタケシンスケ 堀川理万子 こみねゆらそして、私の一番のお目当ては、出久根(でくね)育さん!!!チェコにあるアトリエには、木製の窓枠に木の蔓で編んだ籠。整理整頓がされていて...
【イランアフガニスタン映画】コンテナの中でしか遭えない関係
惹かれ合う、それだけでは許されないのか。アフガニスタン難民の女性、マロナ(ハッシバ・エブラヒミ Hasiba Ebrahimi)と、イラン人労働者のサベル(サイド・ソヘイリSaed Soheili)は、マロナの父親の目を盗み密会を重ねます。ナウィド・マームディとジャムシド・マームディ兄弟の長編デビュー作、「数立方メートルの愛」(A Few Cubic Meters of Love)。タイトルの通り、数立方メートルのコンテナの中でふたりの、もっと近づきた...
あぁ、とんでもなく素敵な世界への扉を、またひとつ開けてしまった・・・。クロワッサンに作家・小川糸さんの暮らしぶりが掲載されていました。(そこで見たのと同じ写真がヤフーにも掲載されていました)田舎でのゆったりした暮らしぶり。私の憧れが詰まっている生活です。小川糸さんのお名前は雑誌で拝見していましたが、小説は苦手なので小川糸さんの小説は読んだことがありません。エッセイも書いていると知り、借りてみました...
パレスチナを取り上げたドキュメンタリーや映画をいろいろと観てきましたが、ドキュメンタリー「壊された5つのカメラ」は、撮影者がパレスチナ人、そして監督がイスラエル人という異色の組み合わせです。農業を営んでいたイマード・ブルナートがカメラを持ち、イスラエル人監督のガイ・ダビディと共同で作り上げたドキュメンタリー、「壊された5つのカメラ」をDVDで視聴しました。(文京区、港区、北区の図書館でDVDを借りること...
スーシー・マンゴ(Sooshi Mango )というオーストラリアのお笑い3人組にハマっています。スーシー・マンゴは、イタリア系のジョーとカルロ兄弟、ふたりの親友のアンドリューの3人で、おばさんの恰好をして、イタリア系移民のママたちに扮して、笑わせてくれます。「Controlled Chaos (しっちゃかめっちゃかだけど、ちゃんと料理してるよ)」と題された、クリスマス当日のイタリア人ママたちの様子。しゃべるしゃべる、そしてし...
【エジプト映画】カイロ中央駅(1958年製作の映画) Bab el hadid
1950年代のカイロ中央駅で繰り広げられる人間模様。駅で新聞を売るキナーウィは、コカ・コーラ売りのハンヌーマに一方的に想いを寄せますが、ふられた腹いせにとんでもない行動に出てしまいます。今日は、モノクロのエジプト映画の感想と、私が忘れられないエジプトの風景のことをのんびりと書いていきたいと思います。雑感ユーセフ・シャヒーン監督自らが演じる新聞売りの青年キナーウィは、足が不自由という引け目から、女性とち...
私は詩というのがわからないのですが、谷川俊太郎さんの「朝のリレー」をテレビCMで初めて聞いた時、時差があることをいつも不思議に思っている私は、からだが震えるようでした。「ららら 星のかなた」は、詩人、谷川俊太郎と伊藤比呂美のちょっと変わった対談集。タイトルを見て知りました、鉄腕アトムの作詞は谷川俊太郎さんでしたね。2020年10月2日に始まったふたりの対談は、2022年11月27日に最後を迎えます。その2年後、202...
テロで家族全員を失ったアルメニア系フランス人女性、ISISの人質になった若い女性、そして米国から帰国したトルコ人男性の三人が、運命のいたずらで出逢い、危険を承知で行方不明の人質を探しに出ます。「私の娘の香り」(Kizim Gibi Kokuyorsun/Scent of My Daughter)は、2021年のイスラーム映画祭6にて日本初上映された作品。戦争、殺戮とは縁を切りたくても切れないトルコの歴史的複雑さが、よく表れた映画でした。主な登場人...
佐藤愛子さんのエッセイで、近所のサミットへ行ったとある。三軒茶屋駅前の西友ではなくて、サミットが近所?一体、どこにおうちがあるんだろう。響子さんや桃子さんは近くの家庭幼稚園に通ったともエッセイに書いてある。さらに世田谷区の印刷物を読んでいると、某神社の裏の方(裏ではなく、裏の「方」)に作家、佐藤愛子さんの自宅がある、なんて書いてあるではないか。ということは、「サミット 幼稚園 某神社」に囲まれた三...
午前中に近所で桜吹雪を楽しんできました。地下鉄に乗らず歩いて行ける範囲のところで行動したので、体が楽でよかったです。青い空をバックに淡い桜色が眩しく、その桜を撮影する人たち、おひとりおひとりも幸せに満ち溢れていて、充実したひと時を過ごすことができました。相方は、あまり歩けないため、家で留守番だったのが残念。仕方ないね、年を取ることは。さて!NHK FMで始まりました、「ライブジャポニズム!福之音(フク...
週末ではなく、平日のうちに千鳥ヶ淵に桜を見に行くとすれば、今日しかない。行こうか、行くまいか。平日と言えども、混む。それを考えるだけで面倒くさくなってしまうイナカモノ。どうせ外出するなら、某・作家のご自宅の桜を見に行こうか。こうやって脳内花見をしているだけで、行った気になるのは、岸本佐知子さんの悪影響。さて、それで、久々のルーマニア映画。悩みのあるカップルたちが、セラピーキャンプで7日間を一緒に過...
作家、佐藤愛子さんの娘、響子さんが、女性誌に連載している「憤怒のひと」。図書館に行くと、誰かしら「女性セブン」を読んでいるので、「もしや、あの人も「憤怒のひと」を?!などという目で見てしまうのですが、どれくらいの人たちが「憤怒のひと」を読んでいるのだろう。今日は、愛子さんの老後、過去のエッセイ、そして響子さんのYoutube動画について思ったことをダラダラと書きました。佐藤愛子さんが施設に今週は、とうと...
どういうわけだか、デンマークの家々の姿に惹かれ、シャッターを切る稲垣早苗さん。中でも気に入ったのが、オレンジ色の家。誰が住んでいるのか知らずに撮影したものの、その家の主と、信じられないような形で出会うことになる。いや、すごい。そんなことって、あるんだ。デンマークに恋して留学したものの、裏切られて、一体、この人はどうなっちゃうのか。欧州を旅したことがある人なら、一度くらい、ウンザリした記憶はないだろ...
【ボスニアヘルツェゴビナ】「泣けない男たち」戦争の後遺症
シーズンオフのホテルに、男たちが集まる。1990年代のボスニア戦争で心に傷を負った男たちの集団セラピーが行われるが、果たしてセラピーの行方は。戦争そのものを映像で伝える映画ではありませんが、セラピーの場面を私たちに見せることによって、戦争の悲惨さを伝えるという、戦争映画です。男性ゆえの辛さもあるのでしょう。男だから涙を見せてはいけないという無言のプレッシャーが。これと対照的なのは、ボスニア戦争で残され...
「ぐりとぐら」などで知られる作家の中川李枝子さんが亡くなったのは、妹の百合子さんが亡くなってから2年ほど後のことでした。先日、図書館で借りた婦人公論に、中川さんの息子さんの記事を見つけましたが、今の自分と重ねて、ショックな内容もありました。おそらく80代に入ったくらいからだと思います。母は緑内障のために、生き甲斐だった読書がままならなくなっていきました。(中略)さらに、父が年を重ねるにつれ、母やほか...
酒井順子さんがお勧めしていた行司千絵さんの「おうちのふく」。読んでいて、本当に本当に楽しくて、2025年読書ベスト図書にしてもいいくらい。(2025年は、まだ終わっていませんけど)行司千絵さんは知り合いたちに頼まれて服を作るのですが、この作り方がとてもユニーク。「こういうのを作って」と服作りを依頼されるのではなく、おおまかなタイプ(コートがいいとか、ワンピースとか)、好みの色と着丈程度だけをきいて、後は行...
近所の木蓮は、咲いてから1週間で散ってしまった~。さて。移民の国、米国のドラマや映画を観ていると、外国語訛りの英語を話す人物が登場することは珍しくはありません。イタリア系あり、東欧系あり、アラブ系あり、中国系あり。演じている役者たちのルーツは、どうなのでしょうか。日本でも放映された「ザ・ソプラノズ 哀愁のマフィア」などは、イタリア系米国人たちが演じるという、キャスティングの凝りようで、仕草やアクセ...
あらすじ中学生のレザ。母親と大学生の姉を支えるため、学校へ行く前にジャラールの工房で働いている。レザの仕事は、染め上がった絹糸の束を絨毯を織る職人たちに渡すこと。しかし、経営不振のため、工房閉鎖を余儀なくされている。工房が閉鎖されれば、レザはもちろん、絨毯を織る職人たちも失業してしまう。工房を守るために、レザは奮闘する。果たして工房の行方は。雑感映画、Wing of Imaginationでは絨毯の手織り場面や絹糸...
世の中、物価が高騰し庶民の生活を圧迫・・・と報道されていますが、その一方でwafu.の9,800円!!!もする女性用トランクスは、再販されたと思った途端に売り切れるとは、どういうこったい。wafu.オリジナルのリネンを買って、自分で縫うか・・・。トランクスの画像を穴があくほど見てみると、クロッチの向きが、快適さの秘密でしょうか。ショーツの場合、前から後ろへとクロッチがついています。女性用トランクスは右足付け...
映画、Angry Indian Goddesses はパワフルなインド女性たちの賑やかなおしゃべりが楽しいーーと思っていたのですが。女優のジョアナ(Amrit Maghera )が撮影現場で、女性ゆえの不快な経験をするところから映画は始まります。ジョアナのいとこ、フリーダ(Sarah-Jane Dias )が友人たちに「結婚相手を紹介したい」と自宅へ招待し、フリーダの家の中は一気に華やかに。上司の悪口、同僚の愚痴、あんなこと、こんなこと。ところでフ...
「わたしのマトカ」は、映画「かもめ食堂」のロケでフィンランドに滞在した時の話を中心に、初めての海外旅行のこと、グアテマラにいる弟さんのこと、日頃の思いなどをまとめた、片桐はいりさん初のエッセイ。「かもめ食堂」はいい映画だった。フィンランドが好き。そんな方には是非お勧めしたいエッセイです。妙なところで正義感を発揮するくせがある。電車の中で足を踏まれて、あやまられる気配のひとつもない時など、せめて指の...
手術日を決めるのは、簡単でした。なにしろ、平日の午後なら、いつでも空いているご身分なのですから。もし、定年退職後、嘱託で残る道を選んでいたら、大変なことだったでしょう。まず、身を小さくしてシナガワにへーこらして、同僚にぺこぺこして、半日お休みをいただかなくてはならなかったでしょう。そもそも、「休みをいただく」だなんて、変な日本語ですよ。現役で活躍している人の中には、仕事を休めないからと無理をして、...
こういう角度から、イスラエルとパレスチナの情勢を描くとは。わずか6分程度のショートフィルム、ガイ・ナッティヴ監督の Offside を観ました。イスラエル兵士ふたりがラジオでサッカーの試合中継を聞きながら歩いている。すると、フェンスの向こうにはパレスチナ兵士がふたり。とっさに銃を構える。一触即発。けれど、サッカーの試合中継から耳を話すことができない。途中で、ラジオの音が途切れ途切れになる。困った、試合の行...
数年前に相方が里帰りした時のこと。甥御さんの奥様、マリオネットさんが「由実子さんに」とTシャツを買ってくれました。そのお気持ちが嬉しいです。感謝。なのですが、その色が「一生、私が着ることはないと思われる色」なのです。どうして米国人というのは、こういう色を着るかなぁというのは、米国ドラマ、The Middle (インディアナ州の家族のシットコム)なんかを見ていると、よく思うことです。色だけでなく、このシャツを...
市ヶ谷のJ's Cafeで「ギソ・デ・レンテハス(アルゼンチン風レンズ豆のシチュー)」をいただきました。私が愛読しているmamekoさんのブログに細かい説明がありました。もっと、スープっぽいのかと思っていましたが、配膳の方がスープを皿に盛る時、ボテッという音が聞こえるんじゃないかというくらい、重たい感じでした。私が好きなレンズ豆をとろとろに煮込んで、マッシュポテトと混ぜ合わせたような食感です。ソーセージやベーコ...
Damascus with Love(دمشق مع حبي)あらすじシリア出身のハラー。彼女が交際していたナビル探しに奔走する。ナビルは亡くなったとばかり思っていたのだが、ハラーの父、アルベールが「実はダマスカスで生活している」とハラーに告白したのだった。映画の背景と雑感日曜の午後にのんびりとした気分で鑑賞するのに向いている映画。東へ行けと言われたから東へ行くと、今度は西へ行けと言われ、西へ行くと「いや、ここじゃない。南だな...
いや、自分が悪いんだけどね。バイト先での年末調整は、すべてオンラインで行いました。エコミック年末調整コンタクトセンターという、電話番号も住所もわからないところが代行で行います。紙に記入してハンコを押して総務に提出、もう、そういう時代じゃないのですねぇ。慎重にやったつもりだが、ダメ出しがメールで来ました。健康保険の支払い票のPDFを削除してください、と。その時に、ちゃんと気付くべきだった。私は、勘違い...
愛らしい花柄のワンピースを着たネルギス(Zerrin Sümer)の日常。冷蔵庫を開ける。コーヒー豆をゴミ箱に捨てる。窓の向こう側にいる誰かに大きな声で話しかけるが、返事がない。それもそのはず。誰も外にはいないのだから。新聞を切る。ラジカセで音楽を聴く。やおら立ち上がり、果たしてダンスでもするのかと思いきや。お粗相をしていた。そこへネルギスの息子、エクレム(Settar Tanriögenが帰ってくる。映画Nergis Hanım(Mrs....
2025年3月、JICAではアルゼンチンの料理を提供したり、アルゼンチン関係の展示や写真展示をしています。アルゼンチンの映画でよく見るマテ茶のカップは、いろいろなデザインがあり、迷います。taraguiというメーカーのマテ茶葉。マテ茶のポットとカップを入れる専用のバッグ。マテ茶を回し飲みするのが、親しみを表すのだとラジオのスペイン語講座で言っていました。どういうわけだか、アルゼンチンでマテ茶を飲んだ記憶がないので...
インクで書いた文字に水をぽとんとたらすでしょ?そうすると、文字がぼやぼや~っと滲んで読めなくなりますよね。私の右目は、そういう感じ。私は、アメーバ状の飛蚊症のせいだと思っていたのですが、右目だけどんどん見えなくなってきます。子供の頃、「家庭の医学」を読んでは、自分は死ぬのではないかと思うような怖がりでしたから、私はとうとう視力を失うのではないかと恐怖でした。ちょうど、緑内障かどうかの検査をする時期...
冴えない中年女性のイリス(カティ・オウティネン)は、狭いアパートに同居する実母、実母のヒモ男を養っている。イリスがマッチ工場で稼いだわずかな給料はふたりに搾取され、イリスはタダ働きの家政婦よろしくコキ使われている。裕福な男性、アールネと一夜を共にしたイリスの運命が少しずつ変わっていく。さすが、アキ・カウリスマキ監督。やるせない気持ちにさせるのが、うますぎる。映画「マッチ工場の少女」には、台詞らしい...
相方がいつも通院している総合病院では、複数の科でお世話になっています。去年、うっ滞性皮膚炎が悪化し、総合病院の皮膚科で診てもらおうとしたところ、断られました。総合病院の皮膚科で「皮膚がんの疑いがあるが、白色人種の皮膚がんは診断しにくい。専門家がいる大学病院へ」と紹介状を受け取ったのが、去年のこと。無事、大学病院でガンを除去し、皮膚移植手術も終了。その後も東大病院の皮膚科で診察をしてもらっています。...
クロワッサン2024年10月10日 1116号で、久しぶりに枝元なほみさんを見ました。クロワッサンの取材では、自分の料理が掲載されること、自分の料理で誰かが幸せになることを素直に喜んでいました。「うふ」という枝元さんの声が耳元で聞こえるような、すてきな記事でした。私が枝元さんと同じ状態だったとして、枝元さんのように他人を思いやる気持ちを持ち続けていられるだろうかと考えると、あらためて枝元さんの偉大さがわかりま...
「シェーグレンというのは、死に至る病気じゃあないんだ。」と穏やかに言うのは、私の主治医。そのせいだろうか、それとも医師の時間的な都合なのか、検査をする→2か月後に来院し結果をきく→さらに2か月後に別の検査→2か月後に来院、こういうスケジュールでいきますか、ということになりました。相方は「検査結果をきくために、なぜ二か月も待つのか?」と言います。私の想像ですが、慌てて検査結果を聞きにいかなくてもいいくら...
昼下がりの図書館で、「ぬくいなー、ねむいなー」と思いながら開いた雑誌に、佐藤愛子の孫、杉山桃子の漫画エッセイが掲載されていた。だいぶ昔に、愛子さんとお孫さんがコスプレをして年賀状を作り続けていたという本を借りたことがあった。あれ以来だなぁ、お孫さんは。稚拙なデッサン、リズムに欠けるセリフ回しに、「あー、こりゃ、有名人の孫っていうだけで出版社に狩りだされたな」と思ってしまった。しかし。この連載よりも...
エアロビクスやヒップホップ系ダンスレッスンを半年くらいやった方なら、誰でも簡単に覚えられます。本格的にやろうとすると、なかなかのハイ・インパクト。膝が悪い私は、膝に負担がかからないようにロー・インパクトに変えて踊っています。バングラダンスの一番特徴的な振付といえば、両手と片足を上へ上げる動き。収穫の喜びを表現しています。これ、インドの音楽ではないんですよね。そこが、面白いと思います。曲は、Despacit...
「ラスト・ダンス」では、爆破テロリストと人質の高齢女性との間の心理的な攻防戦が、意外な方向へ向かってしまいます。あらすじ(ネタバレなし)オーストラリアにあるユダヤ人街の小売店で買い物をするリップマン夫人。店の人たちは、皆、彼女の名前を知っていて、リップマン夫人も店主や知り合いと立ち話を楽しむ、平和な日常の風景から、映画は穏やかに始まる。リップマン夫人がケーキ店で買い物をしていると、店内にいるユダヤ...
「イン・マイ・ライフ」あらすじスタイリストの先駆け、吉本由美さんが18歳で熊本から上京。渋谷本町でお兄さんと暮らす。セツモードセミナーに入学したかと思えば、映画雑誌の小間使い。次は大橋歩さんのお手伝いをやったかと思うと、今度はクロワッサンのお仕事と、私から見ると、飽きっぽくて無計画、衝動的。だけど、不思議なことに仕事が舞い込んでくる、すごい人生。チャンスを掴ませてあげる寛容さが、実は昔の日本にはあっ...
米国ドラマ「ナイトシフト 真夜中の救命医」。その名の通り、救急医療病棟の夜勤医療チームの人間くさいお話。病院だって、経営が成り立たなければ、患者を救うことはできない、それが現実。病院が経営危機に陥らぬよう、医師たちとぶつかりあう憎まれ役の事務長、マイケル・ラゴーサを演じるのは、フレディ・ロドリゲスじゃないですか。あらあら、大きくなっちゃってー、と親戚のおばさん状態です。だって、フレディ・ロドリゲス...
ローレン・フィッツジェラルドの振付は、実は難しくなく、スポーツクラブでエアロビクスやヒップホップのレッスンを数か月でも受けた人なら、きっとできる、そういうレベル。難しくないけれど、カッコいい。海外にいる仲間たちと一体化できたような、楽しい気分にさせられる。全般、ローインパクト。少し飛び跳ねるところがあるけれど、マンション暮らしの私は足踏みをすることにしている。Turn Down for Whatも簡単に楽しめるし、...
不器用な50代のワケあり男女。Love at Fiftyは、そんなふたりの恋のお話。あらすじ50代のキー(Doreen Toh)。喫茶店を経営するが、だらしない部下たちにイライラし、ゲーム漬けの長男、スレた長女のことで人知れず悩み、化粧っ気もなく、死んだ魚のような目をしている。喫茶店に食材を配達しに来たアー・パオはキーに惹かれるのだが、そのアプローチの仕方が武骨で不器用。何しろ、50歳を過ぎるまでデートをしたこともない...
約3年前、白内障手術を受けました。健康診断でひっかかったのです。 過去参考記事 「白内障 手術後に見えたもの」 「白内障手術 14か月後 トラブルと診察費用」 「白内障手術後の飛蚊症/新しい目薬を試す」「目の調子 白内障手術と膠原病と」でも書いたように、右目の視力がすごい勢いで落ちてきています。10日くらい前からは、本を近づけようが遠ざけようが文字がぼやけて、右目では全然文字を読めなくなりました。左...
飯山陽(いいやまあかり)さんの「エジプトの空の下」で、ピラミッドやスフィンクスではないエジプトを体験できます。道を歩いているとベランダがズドンと落ちてくる、そんなエジプト。男性と連れ立って歩いていないと卑猥な言葉を浴びせられる、そんなエジプト。政治にとことん疎い私は、飯山あかりちゃんねるとか文春のインタビュー動画などを見るだけで、心臓がバクバクしてしまいますが、「エジプトの空の下」は、いい意味での...
図書館の「新着図書」をインターネットで、ざーーっと見るのが好き。知らない書き手の名前は、まだまだ多く、だからこそ、本のタイトル、題字、表紙のイメージは、読者に「読ませたい」という説得力がないといけません。電子書籍が一般的になり、それはそれで便利でいいことですが、表紙の面白さ、紙の質感が後回しになるとしたら、少し寂しく思います。「そこから青い闇がささやき」という意味深なタイトル。どこかで聞いたことが...
岸本葉子さんの「おとな世代の暮らし替え」を何度か借りた私にとって、「岸本葉子の暮らしの要」は岸本さんのご自宅に再びお邪魔したような、そんな気分になる一冊であり、リフォームした当時と今の考え方の違いも興味深かったです。・年代による暮らしやすい家の違い・がんの公表に2年待った理由・スキンケアはシンプルに 「ヒルマイルド」とワセリンで十分・ホルモン補充療法 ガンの心配はない!・岸本さんの更年期は肌の乾...
イスラエルが建国された時から現代に至るまでを、ナザレに住むパレスチナ人一家を通して、ややコミカルに軽いタッチで描いた「時の彼方へ」は、パレスチナとイスラエルの緊張感を伝える他の映画とは趣が異なります。パレスチナ問題に少し興味があるけれど、重苦しい映画はちょっと・・・という方にもお勧めしたい作品です。予告編(英語)本編(英語字幕)初めて見た時は、建物やドア、登場人物の配置の仕方や、静止して無言で相手...
アレッポにある日本センターで日本語を学ぶ「優人さん」ことアフマド・アスレさんの話を、小澤祥子さんが聞き取り文章にまとめました。この他、日本語を学ぶシリア人、シリアで日本語を教えた渡辺寛成さんなどの貴重な考えや意見、インターネットを活用した日本語学習方法などが詰まった一冊。外国語学習を通して世界を知る楽しさを知る者としては、少し興奮気味に一気に読んでしまいました。優人さんは感受性が強い方です。ジャー...
あらすじコソボの有名なジャーナリスト、エマ・ベリーシャ(Lumnie Sopi)は、英語力を活かして、米国から来たジャーナリスト、ローラとデヴィッドの通訳として同行します。セルビア軍に破壊され廃墟となった建物の一室で、エマはエディと質素ながら、心温まるような結婚式を挙げます。アコーディオンの演奏者がひとり。着の身着のままの生存者たちがふたりを祝福します。夫婦となった最初の夜に、悪夢のような事件が起きます。セ...
先日、群ようこさんの「六十路 通過道中」を読み終わりました。表紙と本文には、岩渕俊彦さんの版画。猫好きの群さんの本にふさわしく、版画は猫だらけ。本文のネコ濃度はぐっと減ったものの、のっけからネコ探しの話で、これは斜め読み。大量の荷物を処分して、引越し。すっきりした新居で落ち着いた生活かと思いきや、今度は庭のヤブガラシが「若い女性にしつこくからむおやじの指先のようで」対応に苦慮する。お気に入りの美容...
映像で魅せる濃厚さを、チュニジア短編映画「兄弟愛」ほど感じさせる作品はあっただろうか。簡単なあらすじチュニジア北部の寂しい村に暮らす父モハメッド、母サルハー、ふたりの男の子。この男の子たちの兄弟愛がテーマかと思いましたが、実はもっと深い意味がタイトルには隠れていました。1年以上、行方知れずだった長男のマレックが唐突に帰ってくる。弟たちは嬉しそうだが、父は苦々しい表情を隠せず、そんな夫の顔色をサルハ...
相変わらず、一軒家でひとり、という状況に慣れず、夜は一階の照明を点けたまま就寝している。ネコおばさんは、早朝と夜にやってくる。鬱陶しいおばさんだけど、ひとりで怖い私は、「こりゃ、案外、用心になる。なんなら、一晩、ねこに餌やりでもしてくれれば」などと思うんだから、勝手なもの。病院にある最寄り駅は、どこだったっけ?半年ぶりなのに、もう忘れている。確か、漢字4文字で。と思ったら、大江戸線は漢字4文字の駅...
「ラナー、占領下の花嫁」(Rana's Wedding)は、2025年イスラーム映画祭で劇場初公開。簡単なあらすじパレスチナを離れエジプトへ移住を決めた父(Zuher Fahoum)。娘、ラナー(Clara Khoury)には、エジプト移住か、結婚のどちらかしか選択の余地がない。エジプトへ移住すれば、今まで通り勉強を続けることができる。エルサレムに残りたければ、父が選んだ4人の候補からひとりを決めて結婚をするしか、ない。しかし、ラナーには...
今年のイスラーム映画祭でも上映される「母たちの村」を、何年か前にDVDで鑑賞しました。字幕翻訳は清水馨さん。特典映像は、翻訳家の柳沢由実子さんの解説。柳沢さんは、本作品の日本語字幕監修もされています。簡単なあらすじ西アフリカで数千年も前から続く女性器切除。切除されるのはイヤだと、4人の少女がコレ(ファトゥマタ・クリバリ)の家へ逃げてきます。コレは、少女たちを守るため、モーラーデ(フルベ語で「保護」)...
私、何か悪いことでもしたのでしょうか、とちょっとモヤモヤするできごとがありました。「素材XX100%」と出品されている衣類があります。ところが、肝心の「素材XX100%」のタグの写真がアップされていません。そこで、タグが付いていますか、という感じで質問を送りました。しかし、返答があるどころか、私の質問は削除されていました。削除されました、と。これは質問者だけに見えるのだそうです。他の人たちには見えない...
先日、階段を踏み外した相方、79歳。内出血の模様が、日々移動します。「どうせ医者へ行っても、レントゲンを撮られて、それ以上の治療は無いから」と言って、病院へは行きませんでした。ところが、先日、別件でさくらクリニックへ。使命感の強い素敵な院長先生は、英語が堪能。レントゲンを撮りましょうと言われると、「被ばくするのがイヤだ」と相方は拒否。説得されて、レントゲンを撮ると、なんと2か所、ヒビが入っているこ...
タリバンの高官6名が2025年2月16日来日。簡単なあらすじ夫を亡くした女性医師。タリバン政権混乱の中、給与は支払われず、野戦病院のように荒れ果てている。姑と女の子を食べさせないといけない。そこで、娘を男の子に扮装させ、働きに出させる。(女の子では仕事に就くことは許されない)。身バレはしないのだろうかとハラハラしっぱなしだが、映画「アフガン零年」は、思いがけない方向へ展開していく。後味が悪い映画で...
熊本にある橙書店、田尻久子さんが、笑えるエッセイだと「暮しの手帖」で推薦していたのが、じゃむパンの日。知的で真面目な田尻店長が「笑える」とは、いったい、どんなエッセイなのか。どれほど可笑しいのだろうか。ところが、エッセイではない・・・?一人称「わたし」が、客からインド人に間違われるというくだりで、「なんだ、小説か」とがっかりした。いくらなんでも、日本人の赤染晶子さんがインド人に間違えられるわけ、な...
「ブログリーダー」を活用して、由実子さんをフォローしませんか?
私には相方の世話をする義務はないし、それが嫌なら自分のマンションへ逃げることもできます。文句を言いながらも、私ができる範囲での世話をしている一番の理由は、結局、私のためだと思います。ここで投げ出して、後になってから後悔したくないから。ここまで耐えたのに逃げてしまうと、バチが当たりそうで怖いから。自分勝手ですが、高齢者の世話をしている人すべてが、善良で心優しい人ばかりではありません。優しくできないと...
熊澤南水(なんすい)さんの「ひとり語り」に初めてお邪魔しました。朗読と「ひとり語り」の違いと南水さんの魅力について簡単にまとめてみます。私が朗読会に初めて行ったのは、もう6年も前。場所は、移転前の港区三田図書館でした。 参考過去記事 「二胡の演奏と朗読会 春めく季節のしらべ@三田図書館」朗読を聞くのは、読書とはまた違った楽しみがあります。三田図書館での朗読会に出た後、朗読のCDを図書館で借りたり、NHK...
ダンスカンパニー420PEOPLEによる作品「WHERE」の公開リハーサルを間近で見る機会がありました。振付、ダンスともにチェコのヴァーツラフ・クネシュさんとヘレナ・アレンベルゲロヴァーさんで、大阪万博のチェコ・パビリオンで上演されます。リハーサルでは、私のすぐ目の前までクネシュさんとアレンベルゲロヴァーさんが来て、吐息まで聞こえるほどでした。ヘレナさんの右足ですが、指が6本あるのかと思ったら、それは重症な外反...
婦人公論で連載中の伊藤比呂美のエッセイを開くのが、怖かったんです。枝元なほみさんの死について何か書いてあるのではないかと。前の号には、何も触れていなくて、なぜだかほっとした。多分、原稿を婦人公論へ渡したのは、なほみさんが亡くなる前のことだったからだろう。そして、いよいよ。伊藤比呂美は独特の強運の持ち主で、その日も枝元なほみさんのお見舞いを済ませた後、なほみさんの家へ泊った、その晩。なほみさんの義妹...
食文化研究家、1941年生まれの舟田詠子さんが、パンの食文化の研究で訪れたオーストリアの村を訪れた時の貴重な記録を読みました。横山貞子さんの著書「老い、時のかさなり」の中に出てきたのが、「アルプスの谷に亜麻を紡いで」でした。リネンが好きな私は、タイトルの「亜麻を紡いで」のところに惹かれ読み始めたものの、亜麻を紡ぐ話は、実は少しだけでした。それで落胆したということはなく、予期しない貴重な体験談を次から次...
青池保子の原画展を見終わり帰宅する途中、ご近所の方が私を呼び止め、慌てたような口調で「お宅のおじいちゃまが探していらっしゃいました!」と言うではないですか。聞けば、相方が「どこ~ぉ?」と口走りながら近所を徘徊していた?!遂に、この時が来たか!心臓がドキドキしてきました。結局、相方は呆けたわけではなく、帰りが遅い私を心配して、探しに駅へ向かって歩き出したらしい。「どこ~ぉ?」というのは相方の口癖みた...
素材ラベルの印字が、すっかりはげおちている古いシャツ。多分、綿。襟の下あたりの生地が透けるくらい薄くなり、穴が開いている。ごみ屋敷の住人のクローゼットで見つけたものだ。昔の私なら、雑巾にした後、捨てていた。あっさりと。それが、今じゃどうだろう。どうやって修繕をしようか、Youtubeやブログを参考にして頭をひねっているとは。いろいろな補修方法がある。・全然、別の色や柄の布をあてる・ミシンではなく、あえて...
定年退職して時間がいっぱいあるはずじゃなかったのか?読書も映画鑑賞も、必ず途中で中断しなくてはならない。好きな本を心行くまで読むことの、何が悪いんだ?外国語の映画は、すべて「テロリスト」か「共産主義」と言ってバカにして、何が楽しい?ひょっとして、こういうストレスがからだに悪いのだろうか。ストレスをためやすい性格の人は膠原病になりやすい、とも聞く。あーあ、損な性格っ。気分を変えて。佐藤愛子さんのエッ...
同僚のフィリピン人、マリアンさんがフィリピンのお菓子をお裾分けしてくれました。紙に包まれた、ヨックモックのシガールみたいなお菓子。意外に硬いです。思い切り噛むと、今度は中身がほろほろっとこぼれ落ちます。マリアンさんは「ピーナツよー、ピーナツ、わかる?」と言っていましたが、あまりピーナッツの味はしません。コーンスターチのような食感で、水がないとむせます。私はフィリピンのことに全然なじみがないので、面...
施設に預けられたシリル、12歳。迎えに来てくれると信じていた父親に裏切られ、町の美容師に救われるも、今度はシリルが彼女を裏切り、悪の道へ。映画「少年と自転車」に、果たして救いはあるのだろうか。やってくれました、ダルデンヌ兄弟。日本でおとなしい生活をしている私の位置からは見えにくい存在を映画にするのが、憎たらしいくらい優れています。「息子のまなざし」など、悪い後味が残るけれど好き、という作品を作る兄弟...
暑からず寒からず。とても気持ちのいい午後のひとときを、東京都立中央図書館で過ごしました。4階で開催中の企画展示「情報、江戸を駆ける!蔦屋重三郎が生きた時代の出版文化」をたっぷりと楽しんできました。蔦屋重三郎が出版した書物の他、江戸時代の瓦版やHow-to本、江戸時代の双六など。実際に双六遊びを体験できるコーナーもあります。故・杉浦日向子さんの解説を聞きたかったなぁなんて思いながらさいころをコロコロと転が...
ウルグアイのムヒカさんがお亡くなりになりました。エミール・クストリッツァ監督の「世界でいちばん貧しい大統領 愛と闘争の男、ホセ・ムヒカ」というドキュメンタリー映画がオススメです。このドキュメンタリーで一瞬だけ見えたシーンが忘れられません。「ペペ(ムヒカさんの愛称)、愛している」という壁のグラフィティ。こんなグラフィティを壁に書いてもらえる政治家が、今の日本にいますか?さて、興味が尽きない話題がいっ...
NHK FMでゴンチチさんが担当されている番組、「世界の快適音楽セレクション」というのがあります。選曲がいいのはもちろん、おふたりのおしゃべりものんびりとしていて落ち着きます。喫茶店に入った時やテレビ番組の導入部で、それとは知らずに耳にしていることが多いゴンチチさんの音楽。おふたりの活動は、本当に長いですねぇ。そんなゴンチチさんの選曲で、忘れられない曲をまとめてみました。イースト・フォレスト&ピーター・...
私が「姉さん」と勝手に慕う、あるブログ主さんがいる。ズッキーニが大きくなってきたそうだ。昔、私もズッキーニを育てようとしたけれど、なにせ、雄花ばっかりが咲く。雌花は滅多に咲いてくれない。オスはひとつだけあればいいんだよ。それより、メスだ、メス。どこかにいないか、女~。さて。シェーグレン症候群のため、膠原病の専門医のところへ定期的に通院しています。先生が「次回の診察では、胸部CTスキャンをしよう」と言...
アパートの騒音問題で殺人事件まで起きていますが、耳が遠い高齢者が増え、騒音問題はこれからも増えるのだろうなぁ。うちの相方も耳が遠いので、テレビは大音響。幸い、隣近所との距離がある上、窓の位置の関係で、騒音問題は起きていませんが、私が耐えられません。特に、日曜の昼下がり。素人ののど自慢大会みたいなのが、相方のお気に入り。日本語が通じない人には、あのシンプルさがいいのでしょうか。さて、今日はチリ映画。...
缶のパイナップルじゃダメだっていうんですよ。飛蚊症に効くのは、生のパイナップル。本当なんですかね。それで、せっせと買っては切り分け、食べていましたが、生ごみが多くて、1か月足らずで挫折。諦めるのが早すぎでしょうか。諦めると言えば(と無理やり、話をつなげる)、清掃のバイト。母が元気なうちは(つまり、母が私の緊急連絡先でいてくれる間は)バイトを続けようと思っていましたが、掃除のバイトももう辞めて趣味に...
ローマ法王が決まりました。アフリカ系、アジア系の法王云々の話は、もう、ミス・ユニバースじゃないんだから、「前回は南米だったし、その前は白人。そろそろアジア人を出さないと、まずいんじゃない?」なんていう忖度は、必要ないでしょう。でも、米国人とは意外でした。なにしろ、米国という国はカトリック教徒を低く見ている国です。ポーランド系、イタリア系、メキシコ系、アイルランド系は、悪く言われることが多く、蔑称が...
私は人混みや行列に並ぶのが苦手なので、万博に出かける元気はありませんが、来場する方たちのわくわくする気持ちはよくわかります。私は、毎日が「世界万博」ですから。珍しいコソボ料理を、JICAのJ's Cafeでいただきました。その名を、タベメオレズといい、コソボ大使夫人直伝のレシピなのだそうです。中に見える白いポツポツは、多分、お米。ピーマンの肉詰めは、旧ユーゴスラビア諸国、トルコで食べられているそうですが、こち...
ドナルド・キーンさんの最初で最後の日記本、「東京下町日記」。私の年代で英会話を一生懸命学んだ人にとっては、おなじみの名前ではないでしょうか。English Journalでドナルド・キーンさんのインタビューを聞いたのが、キーンさんを知るきっかけでした。こんなにすごい米国人がいるんだ、と驚いたことを今でも覚えています。それ以来、私にとってキーンさんは私のアイドルでした。東京下町日記には、三島由紀夫、谷崎潤一郎、安...
早いもので、定年退職して2年。清掃のパートを始めて1年と半年が経ちました。この仕事を選んだ理由は、(1)朝、3時間程度だけ働きたい (2)人と話さず、責任の軽い仕事をしたかったからです。何とも非社交的で勝手な理由ですが、残りの人生、好きにさせてくれと思います。私のように、人と接するのが苦手で、誰とも関わらないで済みそうな清掃業務を考えている方のヒントになればと思い、このブログ記事を書いています。清...
「男と女」。あれから53年後のふたりを描いた「男と女 人生最良の日々」は、美しい恋愛映画だと高評価ですが、私は全然違う感想を抱いています。女性好きのジャン・ルイ(ジャン=ルイ・トランティニャン)は、意に反して高級老人ホームに入れられ、息子に対する反感を隠せません(あーあ、フランスでもこれか・・・)。記憶があやふやなものの、昔、愛したアンヌのことだけは忘れておらず、息子はアンヌを探し出します。久しぶ...
3年ほど前に購入した麻布館のリネン、綾織のダブルガーゼ。左側が現在。すっかり真っ白になり、キラキラと上品な艶があります。右側は買って間もない頃。実物は、写真よりもダークベージュです。麻布館といえば、リネン好きには評判が高いところですが、敏感肌の私にはどうにも合わず、2年以上経ってもチクチクしました。けれど、安い買い物じゃないからと頑張って使い続けました。どうしても使えないという時は、バスマットに作り...
中国に残してきたおばあちゃんが、ステージ4の肺がんに。中国の習慣で、そのことは本人には告知しないまま、海外へ散り散りになっていた親戚たちが久しぶりに集まります。6歳の時に両親とともに中国から渡米したビリー(ラッパーのオークワフィナ)。両親は、ビリーに内緒で中国へ飛びます。すぐに感情を露にしてしまうビリーが、おばあちゃんの病気のことを隠しとおせるはずがないという親の判断でした。けれど、誰よりもおばあ...
表参道の山陽堂書店さんで開催された原画展へ行ってきました。ちょっと苦手なエリア、表参道。病院へ行く用事でもなければ、あまり来ないところで、まさか地下鉄出口すぐそばに、本屋さんがあっただなんて。レンガと洒落た看板やガス灯(もどき)。奥行きはありませんが、スキップフロアを活かした隠れ家のような、かくれんぼをしたくなるような本屋さん。ああ、この原稿の注意書きはミリさんの手書き!?ミリさんお手製の表紙!!...
伝説のマラソンランナー、パウル(ディーター・ハラーフォルデン)は最愛の妻(ターチャ・サイブト)とともに老人ホームに入居しますが、どうしても馴染めません。ベルリン・マラソンに出場すると決めるものの、ホームの管理者たちと衝突。パウルが批判した栗の人形作り、そんなにダメかなぁ。私はやってみたいんだけど、なんてパウルに少し反感を覚えながら見ていました。彼がオリンピックのメダリストであることを知ったホームの...
可笑しなスパイ映画「83歳のやさしいスパイ」をDVDで視聴しました。原題は、The Mole Agent (潜入捜査官)ですが、邦題にある「83歳」がなければ、あらすじを確認しようともしなかったでしょう。南米チリにある老人ホームに入所している母、ソニアが虐待や盗難の被害に遭っているようだ。私立探偵、ロムロのところに調査依頼が入ります。潜入捜査をするのは、83歳のセルヒオ。新聞の求人広告に応募した、まったくの素人。ホームの...
なで肩過ぎて、ショルダーバッグもかけられない。化繊は嫌い。汗かき。そんな私が大切にしている下着のことをお話いたします。クリーマのviSva Chieさんに、ヘンプのブラ(楽なブラジャー 2)とサイドゴムのショーツを作っていただき、2年近くが経ちました。購入のきっかけは、ヘンプという素材に興味を持ったからです。(写真は、私の購入履歴です)購入を決める前に、viSva Chieさんと何度かやり取りして、この方が相手を気遣...
63歳の専業主婦が主人公の「ブリット=マリーの幸せなひとりだち」。40年間、完璧に家事をこなす専業主婦のブリット=マリー(ペルニラ・アウグスト)。63歳にして、まさかの事件が起こり、仕事を探さなくてはならない。見つけた仕事は、どういうわけだかサッカーコーチ。相手は生意気な子供たち。この映画、単なる「中高年の人生やり直し」の話ではなく、「人は誰でも、自分の存在を認めてもらいたい」ということと、しかし「周...
またひとつ、心に深く残るお勧め映画と出会いました。「”ツウ”が語る映画この一本」で、大好きな料理研究家、ウー・ウェンさんが「とても静かな映画で、中国人のイメージが少し違ってくるかもしれません」と勧めていた映画「千年の祈り」をYoutubeで視聴しました。米国に住むバツイチの娘、イーラン(フェイ・ユー)を心配した父親(ヘンリー・O)が、中国からやってきますが、やがて父と娘、それぞれの秘密が明らかになってきます...
複数の外国語を学習する人なら、きっと興味をそそられる映画、それが「9人の翻訳家 囚われたベストセラー」。邦題、長すぎ。原題は「翻訳者たち」。文京区の図書館でDVDを借りて視聴しました。ベストセラーのミステリー小説を、世界同時に一斉発売したいと目論んだ出版社の社長(ランベール・ウィルソンなんだけど、マッツ・ミケルセンで演じて欲しかった)。翻訳者たちを豪華な屋敷に隔離して、スマホもパソコンも翻訳者たちから...
「PITY ある不幸な男」、久しぶりのギリシャ映画です。監督は、バビス・マクリディス。あらすじには「不幸なときだけ幸せを感じる男の物語」とあり、お葬式で笑いを我慢できない蛭子能収さんのような人のことかと思ったら、全然、違いました。感情を表すのが苦手な弁護士(ヤニス・ドラコプロス Yannis Drakopoulos)。彼の妻が昏睡状態になり、周囲の人たちが親切に接してくれます。淡い青を中心に、色彩を抑え気味にした画面。...
パートの帰りに、いつもは通らない道を歩いてみたら、とあるお宅の塀から赤とピンクの薔薇が枝垂れ(しだれ)ていました。赤いバラは、5つか6つの花がぴったりとくっつき、直径20センチほどの大きなブーケにも見えます。昨年、定年退職の式でいただいたブーケを思い出しました。薔薇といえば、シルクふぁみりぃの桐生店長さん。難しいと言われる薔薇をあんなにたくさん、上手に育てていて感心します。多くの良質の絹とコットン...
天気予報通り、今日の東京は、朝は晴れ、午後から暗くなり雨が降り始めました。益田ミリさんの原画展へ行きたかったけれど、雨降りの日の外出が苦手なので、今日、行くのは止めました。「雨が降らなかったら、どうしよう。すごい後悔するかも?(別の日に行けばいいだけのことですが)」とモンモンとしてしまったので、雨が降ってくれて「やったー」と小躍り。アホか。さて、珍しく村上春樹。「猫を棄てる」は、父親との確執につい...
連休が終わり、今朝の通勤電車にはおみやげらしき紙袋を抱えた会社員の姿が。退職代行会社「モームリ」は、連休明けの相談件数が爆発的に増えたとか。モームリを頼ることの是非はさておき、一か月でそっぽを向かれる会社って、何なんだろう。私が定年退職した企業は表向きはホワイトですが、部署による色の差が大きくて。私の後任として来た派遣社員、7月で辞めたって・・・(笑)。結局のところ、長居をしている一部の人が ...
シルクふぁみりぃで購入した麻(ラミーとリネン)のソックスの口コミです。約二年前に購入。「ミストマホガニー」という亜麻色が気に入りましたが、残念ながら肌触りがザラザラじゃりじゃりして、足が痛痒くなってきます。あまり履かなくなってしまいました。リネン好きな私は、「絹リネン やわらかフィット5本指」にもさんざんお世話になりました。歩く時に足指にシャリシャリとした感触がありました。これを「気持ちいい」と思...
世は連休で幸せモードなれど、屋根の職人さんは3日も4日も来てくれていました。ニカラグア人のような風貌の職人さんです。相方が「アス、ココ?(明日もここに来ますか?」と聞くと、頷いて「明日」とだけ答えます。うーん、何処の国の方なんだろう。そういえば、この近くの工事現場で働いているのは、アフガニスタン人です。ペルシャ語に似たダリー語を話す彼らは、私の片言のペルシャ語の相手をしてくれる優しい人たちです。さて...
多くの人が一斉に移動するものだから、どうしたってもめ事が発生します。指定席に勝手に座られたとか、線路を歩く外国人とか、逆走自転車に痴漢。ああ、やだやだ。精神的にひきこもりの私は、近所の公園のベンチで読書。とーーーっても広い公園なのに、ほとんど人はいない。何と言う贅沢な空間と時間だろう。ジョディ・フォスター主演の映画「おとなのけんか」は、大人向けの笑いを求める方にお勧め。公園の端で男の子たちが喧嘩を...
すかっと晴れた!よーし、洗濯物を干すぞー。太陽の恵みを感じずには、いられません。トマス・ヴィンターベア監督の「偽りなき者」で、後味の悪さを経験済なのに、また借りてきてしまった、ヴィンターベア監督の「光のほうへ」。邦題が「光のほうへ」となっているので、希望を持って見てしまう観客が多いと思いますが、う~ん、どうなのかなぁ、この邦題は。原題のSubmarinoは、頭を水の中に無理やり沈める拷問を意味します。息も...
おととい、図書館の庭に菖蒲が3本。凛々しく、すっくと立っていましたが、今日、見に行ったらもう萎れていました。しまった、あの雄姿を写真に撮っておけばよかった!来年に期待しましょう。来年もまだ生きているって余裕で言えますから、今のところは。料理は簡単でいいの、レシピ通りじゃなくても大丈夫、ということを私に教えてくれたのは、平野レミさんでした。レミさんの言葉にどれほど救われたか。きょうの料理でのレミさん...
連休の中休み。休日の企業も多いと期待して、7時直前の電車に乗りましたが、思っていたよりは乗客が多かったです。曇り空で蒸し暑い日となりましたが、屋根の職人さんは8時過ぎには来てくれたそうです。私がパートから戻ると、ちょうどひとりで昼休みを取っているところでした。職人の仕事は、こういうひとり時間を楽しめる性格の人が向いているのかな。さて、「画家と庭師とカンパーニュ」。何度もDVDを借りてしまいます。子供...