わたくし、宮城県警塩釜警察署刑事第一課の山下と申します。夜の11時過ぎに村井理子さんにかかってきた電話で、「兄の終い」が始まります。翻訳家、村井理子さんによる、実兄急死にまつわる壮絶な手記。人ひとりが亡くなると、手続きや後片付けがこんなにも大変なのかと思いますが、理子さんの場合は、さらに複雑で。疎遠だった兄のためにここまでしなきゃならないというイライラもやもやが、「兄の終い」を埋め尽くします。及川...
もうすぐ定年。所有物を整理する自分のメモとして始めたブログ。部屋は片付き、遺言状を書き終えました。最近はエッセイの感想、ミニシアター系の映画の感想を書きながら、残り少ない人生をどのように楽しむか模索する様をブログに織り込んでいます。
相方のところに投票用紙がカリフォルニアから郵送されました。スペイン語が併記されているのには慣れましたが、「投票に行きました!」シールには、中国語まで。ヒスパニック系住民や中国系住民が、カリフォルニアでは圧倒的に多いからでしょう。英語の読み書きに不自由するような人が増えたとも解釈できます。米国憲法修正第14条のjus soli(出生地主義)は、いい加減、改正したほうがいいのでは、と東の端っこにいる私は大きなお...
1937年のグルジアを舞台にした、ラナ・ゴゴベリゼ監督の自伝的作品。父親は「人民の敵」として処刑され、母親はコトラスにある強制収容所送りに。コジョリにある孤児院に預けられたアナは、かつて住んでいた家に忍び込みますが、家はすでに秘密警察の男に乗っ取られていました。アナのおばあちゃん愛用のティーカップに、グルジアワインを注ぐ男。他人を尊重するなんて、ここにはありません。謎のアジア系男性のショットで始まる「...
大阪にある古色の美でベンガラ泥染め6本セットと下染剤50ml × 2本を購入しました。ベリーボタンさんで買った「灰桜」色のリネンが、実はベージュピンクという別の商品らしく、ちょっぴり悔しい・・・渋い桜色を着たいなぁと、一度思ってしまうと、諦めきれなくて。そこで、ベンガラ染めを試したところ、自画自賛したくなる仕上がりになりました。...
赤ちゃんの可愛いあんよの写真でごまかしておりますが。(無料の画像サイトから拝借)先日の日記にちょっと書いた、相方のうっ滞性皮膚炎のこと。下肢静脈瘤が原因とのことで、レーザーで静脈瘤を焼く手術を受けました。痛がらない相方にしては珍しく、チクチクすると言います。どこが痛むか聞いても、どこなのか、よくわからないそうです。手術後は、脛から足にかけてしっかりと包帯を巻いて過ごしています。痛みは一か月ほどして...
**2024年9月末 追記**いやー、1週間延長になりましたね、ジョージア映画祭。しかも、はらだたけひでさん、レジャバ大使のトークショーがあるですと?!今年の9月はジョージア映画に染まりつつ、相方のうっ滞性皮膚炎の手当で慌ただしく日々が過ぎています。病院付き添いの読書の友ははらだたけひでさんの「グルジア映画への旅」。前にも借りたことがありますが、実際に映画を観賞する前と後では、読後感が違います。で、「...
「アラヴェルディの祭(ალავერდობა/ Alaverdoba)」は、1962年、ソ連時代のジョージア(旧グルジア)映画。私が生まれる1年前の映画です。カヘティ地方にあるアラヴェルディ修道院。ここで行われる伝統的なお祭りには宗教的意味が失われていることに、疑問を感じた記者のグーラム(Geidar Palavandishvili)。彼は、人々の気持ちをひとつにする行動を起こさなくてはという考えに至ります。コーカサス地方の伝統舞踏や音楽、土器...
MSG。初めて知りました。LAW & ORDER:性犯罪特捜班 シーズン18・第17話「扇動される人々」を見ていたら、参考人の男が I'm allergic to MSG.と言っています。MSGとは何だろうと調べたら、グルタミン酸ナトリウム (MSG)のことで、味の素の原材料のひとつだとか。米国の料理番組を見ていると、たまーにですが「ウマーミー」と出演者が言うのを耳にします。日本語の「うま味」のことです。wasabi、 noriだけでなく、うま味まで輸...
2024年9月19日 追記杉の木クラフトさんの曲げわっぱのお弁当箱。軽いのに丈夫。風情があります。会社でのお昼ご飯の時間には、癒されました。定年退職してからは、おひつとして使おうと思っていたのですが、おかず無しでご飯だけを入れると、思いのほか、拭き漆のにおいが気になるようになりました。これは個人の好みの問題なので、「漆の香りが、いいんだよ」と唸る人もいるかも知れません。おかず入れのほうが、拭き漆の器は向...
カレーです。災害時の非常食として、どなたも常備されているようなレトルトカレーや、冷蔵庫の中のカレールー。私は持っていません。小さい子がいるご家庭なら、被災した時にこそ食べたいのがカレーかも知れませんが、共同の避難所では2つ、問題がありました。 1.カレーのにおい 2.レトルト袋に残るカレー普段の食事でもカレーを食べる機会も減り、そうなると冷蔵庫の中のカレールーの消費も遅れがち。カレールーの代わりに...
米国女優のダコタ・ファニングさんの記事を読みました。日本では「アイ・アム・サム」で幼いダコタ・ファニングを見てファンになった人が多いようですが、彼女の凄さを知りたければ、是非、子役時代のドラマを見てほしいなと思います。虚ろな表情を見せるのは、CSI第1シーズン・第7話「惨劇の家」(原題はBlood Drops)でブレンダを演じるダコタ。両親と兄を惨殺され、生き残ったのはブレンダとお姉ちゃんという設定。CSIに限ら...
ジャーナリストのソフィコ(Sofiko Chiaureli)は仕事にやりがいを感じていますが、反抗期の息子、サンドロ(Levan Abashidze)の扱いに悩んだり、夫との間に距離を感じるように。やがてめぐって来た昇進の話。管理職になれば、家族のために時間を融通しやすくなる。けれど、ソフィコは現場へ出て動きたい。優先にするのは、家族か、仕事かの選択を迫られます。こういうジョージア映画を観たいと思っていました!働く女性が「仕事...
刺繍デザイナーの青木和子さんの作品が好きで、小さなハーブの刺繍はチマチマと刺していましたが、定年退職後、刺繍の世界を広げています。チャルカやイスクラで取り扱っている東欧の布や刺繍には、前にも増して魅了されているのですが、「そういえば」と気が付いたのが、ユキエさんの遺品の中にあった丸いCDプレーヤー入れです。赤っぽく写っている刺繍糸は、実際にはショッキングピンクや赤みの強い紫。その大胆な色使い、ぷっく...
前置き: ジョージア映画祭の立役者のこと「ジョージア映画祭2024」が開催されているユーロスペースへ久しぶりに行くと、はらだたけひでさんを見つけてしまいました。私は旧ソ連の文化が好きだと言いながらも、ジョージアがこれほど素敵な映画を作っていたなどとは恥ずかしながら知らなくて、はらだたけひでさんの個展へ行ったことがきっかけで、ジョージア映画の世界へ引きこまれて行った次第。あの日、個展へ行かなければ、珠玉...
左側は100円ショップで買った洗濯バサミ。右側は、70年くらい前に米国で使われていた洗濯バサミ。相方のお母さんが米国で使っていました。バネの太さが違います。バネが太いので、開いたり閉じたりするのにちょっとだけ力が要りますが、その分、洗濯ものをはさむグリップ力も強く、強い風が吹いても洗濯物が吹き飛ばされる心配がありません。相方が生まれた1945年、家には大きなオーブンも洗濯機、乾燥機、食洗器もすでに揃った生...
舞台は、ソ連崩壊前のジョージア(グルジア)。駆け出しの作家ソソは、小説を売り込むために役所の職員たちの間を奔走する、ブラックコメディー。役人たちは人当たりだけはいいのですが、ソソから渡された原稿を、書類の一番下にねじ込んだりして、やる気なし(笑)親切に、いつもコーヒーを勧めてくれる、色気のある職員もいますがソソが、さてコーヒーをいただこうという、まさにそのタイミングで、やきもち焼きの亭主が娘を連れ...
現在のルーマニア、トランシルヴァニア西部にあるカロタセグ地方に伝わるハンガリー刺繍の数々。それを谷崎聖子さんがまとめた「カロタセグのきらめく伝統刺繍」ほど、詳細に解説し、わかりやすいカラー写真をそろえたものはないのではないでしょうか。初めて見聞きするものが多く驚くばかりでした。未婚女性のみが被れるビーズの頭飾り「パールタ」、未婚男性であることを示す、帽子につけるビーズ飾り「ボクレータ」。どちらも、...
「不倫をした」と、唐突に告白をする夫、アルド。ふたりの子供をお風呂に入れてやり、絵本を読んできかせる、いいお父さんなのに。そして、アルバ・ロルヴァケル演じる妻、ヴァンダの壊れっぷりが、すごい。いやー、映画「靴ひものロンド」は、色彩豊かなDVDパッケージに騙されちゃあ、いけませんぜ。この夫婦、ひっついている必要はあるんだろうか。文句、恨みつらみ、不満が渦巻いてどうしようもないなら、いっそ、関係を切るほ...
相方が免許更新に運転試験場へ行ってきました。皮膚がんの手術後で鼻に絆創膏を貼ったままで。これ、いいのでしょうか?ネットで調べてみると、担当者の判断次第だと書いている人もいます。で、相方の場合。案の定、絆創膏を取ってくださいと言われました。皮膚がんの手術を受けたこと、感染する恐れがあるので、絆創膏をここで剥がすわけにはいかないと通訳に説明したところ、絆創膏をつけたままの写真撮影を許していただきました...
戦争の陰を、独特の観点から描くイラン映画「ミカエル」を観ました。ひとりの帰還兵、ミカエルをめぐる人間ドラマであり、ややミステリー仕立てでもある作品で、最後の方のワンシーンで「!!」となり、最後の最後で「・・・」となり。戦地へ赴いたミカエルが、ようやく母親、ムネースの元へ戻り、あとはミカエルとナグメ(Donya Pakdaman)との結婚式を待つばかりとなりました。しかし、何かおかしい。ミカエルは、ひょっとして帰...
東欧、旧社会主義国のレシピを集めたイスクラさんの「ノスタルジア食堂」を参考に、ジョージア(旧グルジア)の「ハルチョー」を作ってみました。ハルチョーとは、牛肉のスパイススープですが、ハンガリーのグーヤシュ(グラーシュ)のようでもあり、イランのフェセンジャーン(フェセンジュン)のようでもあり。下に書いたレシピもどきは、イスクラさんのレシピを元に、自分でやりやすいように少し変えてあります。1 炒める牛肉...
テヘランの女子大生が巻き込まれた事故を描く、人間ドラマ、My Second Year in College(英語字幕)(Sale Dovom Daneshkadeh Man)を1年ぶりに、再び鑑賞しました。2019年、イスファハン出身のRasoul Sadrameli 監督の最新作。大学で学ぶアヴァ(Fereshte Arastouie)とマフタブ(Soha Niasti)は、教師や級友たちと一緒にイスファハンへ旅行をします。他愛ない話できゃっきゃと盛り上がる女子大生の華やかさに、そうそう、こうい...
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わたくし、宮城県警塩釜警察署刑事第一課の山下と申します。夜の11時過ぎに村井理子さんにかかってきた電話で、「兄の終い」が始まります。翻訳家、村井理子さんによる、実兄急死にまつわる壮絶な手記。人ひとりが亡くなると、手続きや後片付けがこんなにも大変なのかと思いますが、理子さんの場合は、さらに複雑で。疎遠だった兄のためにここまでしなきゃならないというイライラもやもやが、「兄の終い」を埋め尽くします。及川...
エジプトの都会、アレクサンドリアからイスラエルへ招待された警察音楽隊。アラブ文化センター開設のお祝いで生演奏することになっている。ところが、迎えは来ないわ、行先を間違えて、とんでもない田舎に着いてしまうわ、ホテルはないわで、大ピンチ。村に1件しかないレストランの女主人は、「アラブ文化センター?ここはイスラエルだよ?そんなモノ、あるわけないじゃん」とけんもほろろ。あらすじ詳細は「映画で巡るイスラエル...
天気がいいので、どれ、歩いてみるかと、日比谷公園のあたりから皇居前を抜け神保町まで、ぷらぷらしていたら、小学館本社ビルの屋上が!なんじゃ、この緑のもこもこは。帰って調べてみたら、西武造園株式会社が、屋上の緑化を実現させたのですと。小学館のインスタによると、ミツバチが飛ぶほど緑豊かなのだそうです。素敵~~だけど、高所恐怖症の私は、ひ~~~。地下鉄駅の改札近くに、小学館停電のお知らせが。電気設備点検中...
トルコ中が大絶賛し、日本でも上映された「父と息子」は有名ですが、My Father というトルコ映画もなかなかの力作でした。「父と息子」で頑固おやじを演じていたÇetin Tekindorが、気難しい父さんを演じています。あらすじ妻を亡くしたユーセフ(Çetin Tekindor)に残されたのは、知的障害のある息子、アリフ(Berker Güven)。(あれ、この話はどこかで。そうだ、イスラエル映画「靴ひも」だ。)障がいのある息子を、ずっと恥じて...
Bond of Silence(沈黙の絆)は2010年の米国テレビ映画ですが、テレビ映画だけにしておくのはもったいない内容でした。1997年12月31日、カナダで実際に起きた殺人事件が元になっています。3月にブログ記事をアップしましたが、先ほど、日本語字幕付きの無料配信を見つけました。あらすじ年末のパーティーで騒ぐ学生たちを、近所に住むボブが注意をしに行く。それが、ボブの最後の姿だった。現場にいた学生たちは、お互いを庇い合い...
サイッコーにっ、気持ちのいい日でした。珍しいフィジーのお料理、イカバカロロを市ヶ谷のJ's Cafeでいただいた後、まっすぐ駅まで歩いて行くのもつまらないと思い、あてどもなく2.7キロも歩いてしまった。リネンの半袖ニットに、リネンのもんぺ(生地は鎌倉スワニーさん、型紙はうなぎの寝床さん)が気持ちいい、まさに「リネン日和」の午後となりました。あ~幸せ。さて、それで、「ウィスコンシン渾身日記」だ。ご主人の転勤...
今週の「憤怒の人」は、愛子さんのかつての不倫相手のことが。響子さん、ここまで書いちゃっていいのかな。愛子さんから別れを切り出した時の騒動は、昔、瀬戸内寂聴さんと愛子さんとの対談でも愛子さんが語っていたことがあったけれど、娘、響子さんの立場から書いた「別れ・その後」も壮絶。だけど、響子さんの書き方が可笑しくて、笑っちゃった。糸杉紗依の頃より、断然イイよ、響子さん。さて。イラン映画になじみがないけれど...
人形劇団プークによる人形劇を楽しみました。人形劇と子供たちの反応、原作の絵本のことなどについて忘れないうちに書いておきます。スイミーのあらすじ小さな黒いお魚のスイミー。仲間たちは次々と大きな魚に食べられて、とうとうひとりぼっちに。そこから、小さなスイミーの大冒険が始まります。海の生き物たちのお陰で、スイミーは同じ仲間と出会いますが、大きな魚から隠れるように岩陰で窮屈な生活をしています。そこで、スイ...
1922年、米国へ向かう大型客船に乗船したギリシャやロシアの「ピクチャー・ブライド」たちの人間模様を描いたBrides。元・写真家のノーマン・ハリスは、ギリシャのサモトラキ島出身のニキ・ドゥカ(Victoria Haralabidou)に惹かれていくのですが。Bridesでは、ギリシャやロシアの貧しい村の未婚女性の家族が、まるで家畜でも売るかのように、米国行きを決めてしまいます。女性に渡されるのは一枚の花婿の写真と彼の職業と住んでい...
2024年の孤立死は2万1856人孤立死とは 自宅で死亡した1人暮らし 死後8日以上経過して発見 生前に社会的に孤立していた孤立死の他にも、道路でバタリと倒れて亡くなったものの身元不明とか、死後1日から7日の間に発見されたひとり暮らしの方もいるので、2万人以上もの方が静かに亡くなったことになります。身元不明、または親族らに引き取られず、自治体が2023年度に火葬や埋葬をした遺体は全国で4万1969人。23年の全死亡数(...
今年の桜は長く咲いてくれています。桜田通りから日比谷通りへ、そして芝公園へ。ボランティアの方たちが植えたネモフィラもきれいに咲いています。あらすじ(ネタバレ無し)医者もいない村落で看護師として働くズィナット。両想いのハミードと結婚をするためには、仕事を諦めなくてはなりません。ズィナットが仕事を辞めて家事に専念することを決心できるのかどうか、これが前半までの見どころとなります。映画監督のこと行ったこ...
週末は、佐藤愛子さんのエッセイ漬け。響子さんが二言三言、そっけなく言うだけで、佐藤愛子さんのエッセイは俄然、面白くなる。響子さんの週刊誌連載が始まった時は、親の名前を借りているだけと思っていたけれど、母親から礼儀や物の見方などを教わってきたとの自覚が響子さんにあり、母の姿を伝えねばという使命感が、今週号の記事から伝わる。図書室にいるというのに、泣く。泣かずにはいられない。病院から清掃工場が見えると...
あらすじジョージア州のブルーリッジの秘境に住む高齢女性、アニー。子供たちと夫、ヘクターに先立たれ、一人暮らし。そこへやってきたのが、調子のいい不動産開発会社のプリンス。プリンスって面じゃないが、「いい値段で買い取りますよ。ほら、隣村の別荘街ね、あそこもウチが買い取って開発したんですよ。」とアニーに言い寄ります。しかし、この土地にはアニーの夫や子供たちのお墓、それに数えきれないほどの思い出が詰まって...
別冊「太陽」スペシャル(2024年10月25日)「絵本作家のしごと」。人気の絵本作家のアトリエの様子、絵本作家になるまでの紆余曲折、作品の背景や編集さんとのやり取りなど読み応えあり! ミロコマチコ 鈴木のりたけ 及川賢治 きくちちき ヨシタケシンスケ 堀川理万子 こみねゆらそして、私の一番のお目当ては、出久根(でくね)育さん!!!チェコにあるアトリエには、木製の窓枠に木の蔓で編んだ籠。整理整頓がされていて...
惹かれ合う、それだけでは許されないのか。アフガニスタン難民の女性、マロナ(ハッシバ・エブラヒミ Hasiba Ebrahimi)と、イラン人労働者のサベル(サイド・ソヘイリSaed Soheili)は、マロナの父親の目を盗み密会を重ねます。ナウィド・マームディとジャムシド・マームディ兄弟の長編デビュー作、「数立方メートルの愛」(A Few Cubic Meters of Love)。タイトルの通り、数立方メートルのコンテナの中でふたりの、もっと近づきた...
あぁ、とんでもなく素敵な世界への扉を、またひとつ開けてしまった・・・。クロワッサンに作家・小川糸さんの暮らしぶりが掲載されていました。(そこで見たのと同じ写真がヤフーにも掲載されていました)田舎でのゆったりした暮らしぶり。私の憧れが詰まっている生活です。小川糸さんのお名前は雑誌で拝見していましたが、小説は苦手なので小川糸さんの小説は読んだことがありません。エッセイも書いていると知り、借りてみました...
パレスチナを取り上げたドキュメンタリーや映画をいろいろと観てきましたが、ドキュメンタリー「壊された5つのカメラ」は、撮影者がパレスチナ人、そして監督がイスラエル人という異色の組み合わせです。農業を営んでいたイマード・ブルナートがカメラを持ち、イスラエル人監督のガイ・ダビディと共同で作り上げたドキュメンタリー、「壊された5つのカメラ」をDVDで視聴しました。(文京区、港区、北区の図書館でDVDを借りること...
スーシー・マンゴ(Sooshi Mango )というオーストラリアのお笑い3人組にハマっています。スーシー・マンゴは、イタリア系のジョーとカルロ兄弟、ふたりの親友のアンドリューの3人で、おばさんの恰好をして、イタリア系移民のママたちに扮して、笑わせてくれます。「Controlled Chaos (しっちゃかめっちゃかだけど、ちゃんと料理してるよ)」と題された、クリスマス当日のイタリア人ママたちの様子。しゃべるしゃべる、そしてし...
1950年代のカイロ中央駅で繰り広げられる人間模様。駅で新聞を売るキナーウィは、コカ・コーラ売りのハンヌーマに一方的に想いを寄せますが、ふられた腹いせにとんでもない行動に出てしまいます。今日は、モノクロのエジプト映画の感想と、私が忘れられないエジプトの風景のことをのんびりと書いていきたいと思います。雑感ユーセフ・シャヒーン監督自らが演じる新聞売りの青年キナーウィは、足が不自由という引け目から、女性とち...
私は詩というのがわからないのですが、谷川俊太郎さんの「朝のリレー」をテレビCMで初めて聞いた時、時差があることをいつも不思議に思っている私は、からだが震えるようでした。「ららら 星のかなた」は、詩人、谷川俊太郎と伊藤比呂美のちょっと変わった対談集。タイトルを見て知りました、鉄腕アトムの作詞は谷川俊太郎さんでしたね。2020年10月2日に始まったふたりの対談は、2022年11月27日に最後を迎えます。その2年後、202...
Wafuさんで、やっと三重ガーゼケットの再販が始まりました。Wafuの綿貫社長が求めるようなリネンを織れる職人も少なくなり、この機会を逃すと、次に買えるのはいつになることやら。リネンの良さを肌で知ってしまうと、もう化繊には戻れなくなってしまうという、リネン地獄に私は落ちてしまいました。さてさて。ポーランド・フランス合作の映画「夜明けの祈り」をDVDで視聴しました。1945年12月、雪に覆われたポーランド。ポーラン...
前にブログに書いた通り、強風のため、相方の家の屋根が吹っ飛びました。屋根瓦を一枚取り換えるだけでも、全部取り換えるにしても、とにかく足場を組まなくてはならず、これが高くつきます。家を建てて20年近く。この際だから屋根を全部、交換することに決めましたが、な、な、なんとお値段、200万以上。お隣のアパートのオーナーさんも、同じ日に足場を組むように、業者が日程を調整してくれました。こうすると、足場を組む業者...
2007年のイラン映画「Village Dwellers(村に住む人たち)」は、イラン・イラク戦争中、兵士たちの帰りを待つ女性や子供たちが主人公。小さな村に疎開して、共同生活をして助け合っています。普段は、連続ドラマを楽しみにしながら、家事をしたり。角砂糖を作る場面も出てきました。大根のようなものが、実は砂糖の塊です。イラン映画「花嫁と角砂糖」を見て、初めて知りました。女性たちを取り仕切っているのは、ヘイリ夫人(「ウ...
久しぶりの「踊る」カテゴリーは、オランダに拠点を置くCDKのことを。CDKのこれまでの踊りは、ダンサーたちが同じ衣装を身に着けるので、集合体の迫力と面白さがあります。全員、異なる衣装で踊る動画を始めて見ました。衣装は自前なのかしら。もし自前だとすると、どういう考えで、それを選んだんだろう、と細かいことが気になります。写真中央で、ベロア調のブラッドオレンジ色の衣装を着ているのは、ジェシー・ダーメン(Jessy ...
とんでもない話だ。お金に困った兄のアンディが、おバカな弟、ハンクをそそのかして、強盗を企てる。とにかくハンクがバカバカで、あれこれとやらかしてくれて、話はとんでもない方向へ!何度、Oh my God!と私は叫んだことか。その度に、横で一緒に鑑賞している相方が、Yes?(神のオレのことを呼んだ?)というくだらなジョークを言うので、うるさい。「その土曜日、7時58分」の原題は、死んだことを悪魔に知られる前に。生前、...
Joha(ヨハ)のサラ。ウール85%、シルク15%の長袖インナーを、この時期はトップとして使うこともあります。コトリワークスのメリノウールも優秀ですが、サラは毛羽立ちや毛玉がありません。一度、間違えて、アタックで普通水流で洗ってしまいましたが、サラはへこたれません。ちーさな糸くずが見えてしまうこともあるので、ベージュのサラも欲しくなってしまいますが、ここはちょっと我慢です。私はスイートサイトという信頼できる...
スペインのサスペンス映画「マーシュランド」を久しぶりにDVDで鑑賞しました。これでもかってくらい残酷な犯罪、地味な風貌の主人公、哀しいくらい美しい風景。ドイツ映画「23年の沈黙」を、なぜだか思い出しました。フランコの独裁政治が尾を引いている1980年。場所はアンダルシア地方の湿地帯、ラス・マリスマス(グアダルキビール湿地のことで、だから英語のタイトルが、marshlandになっている)。湿地帯が、妙に芸術的に映し...
映画って、観て終わり、でしょうか。私の場合、いい映画は後を引きます。しばらく経っても、その作品のことを考えたりして。そんな作品のひとつが、メキシコ生まれのミシェル・フランコ監督の「或る終焉(しゅうえん)」。原題は、Chronic。慢性的な、とか長引く(病)という意味ですが、邦題はよくできていると感心しました。終末期の患者を在宅看護する看護師のデイヴィッド(ティム・ロス)。患者の人生の「一部」にでもなった...
シルクふぁみりぃさんで「ゴールデンシルク ヘアケアロングキャップ」を購入しました。ゴールデンシルクには、ずーっと興味があったのですが、「いやいや、今は老後資金を貯める時」と、買うのを我慢していました。定年退職して「よし、買う!今なら、買える!」と鼻息を荒くしたら、売り切れ。ずーっと売り切れ。おいー、せっかく買う気マンマンなのに、なんだよーと思っていたら、立ち上がったのです。毛布でおなじみの瀧芳さん...
「私は年寄りの共産党ババア」という、とんでもないタイトルのルーマニア映画をYoutubeで視聴しました。政治的な思想がどうのという堅苦しいことはありません。昔を懐かしく思い、今についていけないという、誰もが経験しそうなことを、この映画では表現しています。かつて共産党員だったミカ(ルミニツァ・ゲオルギウ Luminita Gheorghiu)は夫と質素に暮らしています。処刑されたチャウシェスクのが、本当に本人なのか確かめるた...
シリア・イラン合作、パレスチナを舞台にした映画、The Survivor (Almoutabaki/Bazmandeh)をYoutubeで視聴しました。1995年に製作され、今年の4月9日にTPMがペルシャ語吹替え版(英語字幕付き)を配信してくれました。1948年、イスラエルの入植者たちがアラブ系住民を追い出しにかかります。それは、あまりにも唐突で理不尽なことでした。(セルビアのムラジッチがボシュニャク人たちを村から追い出したYoutubeの動画を思い出しま...
母を亡くし、父親に見捨てられた幼いアーメドと妹のアイシェ。同居しているおじいちゃんは左手が麻痺しているため、おじいちゃんの体を拭いたり、食事を作るのはアーメドの役目。おじいちゃんが受け取る年金だけが頼り。おじいちゃんだって、この先、どうなるかわかりません。アーメドとアイシェはどうなってしまうのか。はい、典型的なトルコの泣ける映画です。貧しい子供が苦労する映画はイヤなのに、また観てしまった・・・。貧...
少し前に、シルクふぁみりぃのエヴァ(キャミソール)を、3,200円(税込み)で購入しました。ポコポコとした鹿の子編みが特徴。写真はシルクふぁみりぃさんのサイトから拝借しました。肌にべたりと密着しないので夏向きだそうですが、実際のところ、どうでしょうか。そして、エヴァ。・ 汗は乾きにくいリネンや薄手のメリノウールと比較すると、なかなか乾きません。これは、他のシルク製品全般にも言えます。桐生店長は、最近、...
Distress(苦痛)(2008年 Ali Tavakolnia監督)をYoutubeで視聴しました。精神病と迷信をテーマにした、なかなか深みのある作品でした。最後にネタバレがあります。父親の死をきっかけに精神に異常をきたしたモフタブ。優しい夫、エーサンの計らいで、別の家へ引越しをしたのですが、荷物を家へ運び入れる最中に、鏡に黒いカラスが映り込み、バラバラに割れてしまいます。イラン映画で度々描かれるのですが、ムスリムの女性が結婚...
ふわふわのコットンガーゼで定評のあるfuwara(フワラ)さんで、六重織・雲のガーゼを購入したのが2021年夏のこと。生地を買い、ガーゼケットを作りました。買った時から表面がすべすべで、洗うたびに、ふわんふわんと膨らみます。今度は、ダブルガーゼでタオルを作ることにしました。以前、メルカリで売っていただいた麻布館のリネンダブルガーゼは、私の感覚ではガサガサしています。麻布館の評判は、手芸好きの間ではすこぶるい...
カナダの空港で居眠りをしている間に、パスポートなど貴重品を盗まれたアルチュロ(ジャン・ロシュフォール)。フランスに到着したものの、パスポートも身分証明書も盗まれたので、入国できず。「パリ空港の人々」は、パリの空港で出国手続きができず拘留されてしまう人たちを描いた、コメディタッチの作品。え?こんなふうにすれば、空港内で生きていけるってことなの?と驚きの連続。ウサギを捕まえる話には、本当にびっくりさせ...
日テレニュースの記事を読むと、未だに飯塚幸三のことを「元院長」としているのかと、朝からむかむかしました。飯塚幸三受刑者と報道できないのは、何故なのだろうか。遺族の男性ばかりがフルネームで報道されるばかりか、脅迫までされているというのに。飯塚幸三受刑者が運転する車に同乗していた、妻と息子の配偶者は、今、何を思っているのか。後期高齢者の相方のところに、免許更新のお知らせが届きました。認知機能検査を受け...
ヌリ・ビルゲ・ジェイラン監督には「スリー・モンキーズ」で懲りたはずなのに、また見てしまった、「雪の轍(わだち)」。とにかく、まぁ、セリフが多いの。大西公子さんの安定した日本語字幕無しには、理解できなかった映画です。冒頭の事件がきっかけで、どえらい復讐劇になるのかと思ったら、そういうわけではなく。閉鎖的な村に住む老いた夫と若く美しい妻の気持ちの移り変わりを描く超大作です。カッパドキアでホテル業を営む...
立て続けに、ワクワクドキゴキが止まらない本との出会いがありました。図書館の「今月のおすすめ」で見つけた文庫本、「そこに日本人がいた!」海外へ渡航することが難しかった江戸から明治にかけて、自らの意思で海外へ渡った人たち。熊田忠雄さんが資料をよく調べ上げており、記憶違いや勘違い、矛盾などもきちんと指摘しています。興味深いのは、漂流中に助けられて異国へ渡った人や密航者がいたということ。現地の女性と結婚し...
久しぶりのトニ・セルヴィッロ。「グレート・ビューティー」の、にやけた顔もよかったなぁ。ロベルト・アンドー監督・脚本の「修道士は沈黙する」では、全然違う顔を見せてくれました。イタリア映画祭では、現代のまま「告解」というタイトルで上映されました。高級ホテルで開かれるG8の会議に招かれた一人が、修道士のロベルト・サルス(トニ・セルヴィッロ)。彼を招いたのは、国際通貨基金(IMF)のロシェ専務理事(ダニエル・...