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「もう終わりにしたい」

婦人公論で連載中の伊藤比呂美のエッセイを開くのが、怖かったんです。枝元なほみさんの死について何か書いてあるのではないかと。前の号には、何も触れていなくて、なぜだかほっとした。多分、原稿を婦人公論へ渡したのは、なほみさんが亡くなる前のことだったからだろう。そして、いよいよ。伊藤比呂美は独特の強運の持ち主で、その日も枝元なほみさんのお見舞いを済ませた後、なほみさんの家へ泊った、その晩。なほみさんの義妹...

2025/05/22 20:40

訃報 枝元なほみさん 夜パンをありがとう

クロワッサン2024年10月10日 1116号で、久しぶりに枝元なほみさんを見ました。クロワッサンの取材では、自分の料理が掲載されること、自分の料理で誰かが幸せになることを素直に喜んでいました。「うふ」という枝元さんの声が耳元で聞こえるような、すてきな記事でした。私が枝元さんと同じ状態だったとして、枝元さんのように他人を思いやる気持ちを持ち続けていられるだろうかと考えると、あらためて枝元さんの偉大さがわかりま...

2025/03/13 19:13

週刊 読書案内 伊藤比呂美訳・下田昌克画「今日」（福音館書店）

伊藤比呂美訳・下田昌克画「今日」（福音館書店）​ ​​​谷川俊太郎​が詩を書いている「ハダカだから」という絵本の挿絵で気に入った下田昌克という画家を探していて、この本に行き当たりました。​​ 普段はそ

2023/07/24 08:48

しっかり休む 伊藤比呂美の人生相談

今週は前半が活動的だったので、今日は家でしっかり休んだ。 花粉の影響なのか体も頭もちょっと重く感じる。外の空気が白っぽくて、そんなに飛んでるならどこか調子も悪くなるよなと思う。 今日は伊藤比呂美『人生おろおろ』をパラパラと見ていた。新聞の人生相談連載をまとめた本で、相談者は50代の女性が多い。 作中に「あたしはあたし」「がさつ、ずぼら、ぐうたら」の精神が繰り返し出てくる。仕事も子育ても介護も、浮世の義理で付き合う道もあるし、すっぱり離れる道もある。「自分が自分でいられるようにする」「できることはする、できないことはしない」のがポイントだと唱えられている。 もしこの先同じような状況になったら、あ…

2023/02/23 15:03

人生の先輩に学ぶ 伊藤比呂美『女の一生』

詩人・エッセイストの伊藤比呂美さんは、詩集の他にも人生そのときどきのエッセイを数多く発表されている。 子供の育児と思春期。結婚・離婚と海外移住。自身の更年期。親の介護と看取り。旦那さんの看取り。日本に戻っての生活。人生相談の本も多い。 私が最初に手に取ったのは、女性のお悩み相談に答える『女の一生』。伊藤さんは過去に摂食障害を患っていたとのことで、それに関して述べられていたからだ。 その他にも、女の人生における様々な悩みについて、伊藤さんの経験を元に率直に答えてくれる。すぐに悩みは解決しないかもしれないが、まずは逃げずに向き合う姿勢が大事だと感じる。 また、自分より上の年代のお悩みはかなり参考に…

2023/02/19 05:43