ドナルドちゃんの「お誕生日パレード」は散々だったらしい。相方が笑いながら言う。「パレードの戦車が、キコキコと音がしちゃって、『パレードにこれだけお金をかけておきながら、錆止め(WD-40)を買う予算もない』って誰かがレビューしていて笑ったよ」WD-40(ダビュリュ・ディー・フォーティーと呼びます)というのは、日本で言えばクレ556みたいなもので、米国ではほとんど普通名詞化している。さて、ダルデンヌ兄弟の3作...
もうすぐ定年。所有物を整理する自分のメモとして始めたブログ。部屋は片付き、遺言状を書き終えました。最近はエッセイの感想、ミニシアター系の映画の感想を書きながら、残り少ない人生をどのように楽しむか模索する様をブログに織り込んでいます。
【ボスニアヘルツェゴビナ】「泣けない男たち」戦争の後遺症
シーズンオフのホテルに、男たちが集まる。1990年代のボスニア戦争で心に傷を負った男たちの集団セラピーが行われるが、果たしてセラピーの行方は。戦争そのものを映像で伝える映画ではありませんが、セラピーの場面を私たちに見せることによって、戦争の悲惨さを伝えるという、戦争映画です。男性ゆえの辛さもあるのでしょう。男だから涙を見せてはいけないという無言のプレッシャーが。これと対照的なのは、ボスニア戦争で残され...
「ぐりとぐら」などで知られる作家の中川李枝子さんが亡くなったのは、妹の百合子さんが亡くなってから2年ほど後のことでした。先日、図書館で借りた婦人公論に、中川さんの息子さんの記事を見つけましたが、今の自分と重ねて、ショックな内容もありました。おそらく80代に入ったくらいからだと思います。母は緑内障のために、生き甲斐だった読書がままならなくなっていきました。(中略)さらに、父が年を重ねるにつれ、母やほか...
酒井順子さんがお勧めしていた行司千絵さんの「おうちのふく」。読んでいて、本当に本当に楽しくて、2025年読書ベスト図書にしてもいいくらい。(2025年は、まだ終わっていませんけど)行司千絵さんは知り合いたちに頼まれて服を作るのですが、この作り方がとてもユニーク。「こういうのを作って」と服作りを依頼されるのではなく、おおまかなタイプ(コートがいいとか、ワンピースとか)、好みの色と着丈程度だけをきいて、後は行...
近所の木蓮は、咲いてから1週間で散ってしまった~。さて。移民の国、米国のドラマや映画を観ていると、外国語訛りの英語を話す人物が登場することは珍しくはありません。イタリア系あり、東欧系あり、アラブ系あり、中国系あり。演じている役者たちのルーツは、どうなのでしょうか。日本でも放映された「ザ・ソプラノズ 哀愁のマフィア」などは、イタリア系米国人たちが演じるという、キャスティングの凝りようで、仕草やアクセ...
あらすじ中学生のレザ。母親と大学生の姉を支えるため、学校へ行く前にジャラールの工房で働いている。レザの仕事は、染め上がった絹糸の束を絨毯を織る職人たちに渡すこと。しかし、経営不振のため、工房閉鎖を余儀なくされている。工房が閉鎖されれば、レザはもちろん、絨毯を織る職人たちも失業してしまう。工房を守るために、レザは奮闘する。果たして工房の行方は。雑感映画、Wing of Imaginationでは絨毯の手織り場面や絹糸...
世の中、物価が高騰し庶民の生活を圧迫・・・と報道されていますが、その一方でwafu.の9,800円!!!もする女性用トランクスは、再販されたと思った途端に売り切れるとは、どういうこったい。wafu.オリジナルのリネンを買って、自分で縫うか・・・。トランクスの画像を穴があくほど見てみると、クロッチの向きが、快適さの秘密でしょうか。ショーツの場合、前から後ろへとクロッチがついています。女性用トランクスは右足付け...
映画、Angry Indian Goddesses はパワフルなインド女性たちの賑やかなおしゃべりが楽しいーーと思っていたのですが。女優のジョアナ(Amrit Maghera )が撮影現場で、女性ゆえの不快な経験をするところから映画は始まります。ジョアナのいとこ、フリーダ(Sarah-Jane Dias )が友人たちに「結婚相手を紹介したい」と自宅へ招待し、フリーダの家の中は一気に華やかに。上司の悪口、同僚の愚痴、あんなこと、こんなこと。ところでフ...
「わたしのマトカ」は、映画「かもめ食堂」のロケでフィンランドに滞在した時の話を中心に、初めての海外旅行のこと、グアテマラにいる弟さんのこと、日頃の思いなどをまとめた、片桐はいりさん初のエッセイ。「かもめ食堂」はいい映画だった。フィンランドが好き。そんな方には是非お勧めしたいエッセイです。妙なところで正義感を発揮するくせがある。電車の中で足を踏まれて、あやまられる気配のひとつもない時など、せめて指の...
手術日を決めるのは、簡単でした。なにしろ、平日の午後なら、いつでも空いているご身分なのですから。もし、定年退職後、嘱託で残る道を選んでいたら、大変なことだったでしょう。まず、身を小さくしてシナガワにへーこらして、同僚にぺこぺこして、半日お休みをいただかなくてはならなかったでしょう。そもそも、「休みをいただく」だなんて、変な日本語ですよ。現役で活躍している人の中には、仕事を休めないからと無理をして、...
こういう角度から、イスラエルとパレスチナの情勢を描くとは。わずか6分程度のショートフィルム、ガイ・ナッティヴ監督の Offside を観ました。イスラエル兵士ふたりがラジオでサッカーの試合中継を聞きながら歩いている。すると、フェンスの向こうにはパレスチナ兵士がふたり。とっさに銃を構える。一触即発。けれど、サッカーの試合中継から耳を話すことができない。途中で、ラジオの音が途切れ途切れになる。困った、試合の行...
数年前に相方が里帰りした時のこと。甥御さんの奥様、マリオネットさんが「由実子さんに」とTシャツを買ってくれました。そのお気持ちが嬉しいです。感謝。なのですが、その色が「一生、私が着ることはないと思われる色」なのです。どうして米国人というのは、こういう色を着るかなぁというのは、米国ドラマ、The Middle (インディアナ州の家族のシットコム)なんかを見ていると、よく思うことです。色だけでなく、このシャツを...
市ヶ谷のJ's Cafeで「ギソ・デ・レンテハス(アルゼンチン風レンズ豆のシチュー)」をいただきました。私が愛読しているmamekoさんのブログに細かい説明がありました。もっと、スープっぽいのかと思っていましたが、配膳の方がスープを皿に盛る時、ボテッという音が聞こえるんじゃないかというくらい、重たい感じでした。私が好きなレンズ豆をとろとろに煮込んで、マッシュポテトと混ぜ合わせたような食感です。ソーセージやベーコ...
Damascus with Love(دمشق مع حبي)あらすじシリア出身のハラー。彼女が交際していたナビル探しに奔走する。ナビルは亡くなったとばかり思っていたのだが、ハラーの父、アルベールが「実はダマスカスで生活している」とハラーに告白したのだった。映画の背景と雑感日曜の午後にのんびりとした気分で鑑賞するのに向いている映画。東へ行けと言われたから東へ行くと、今度は西へ行けと言われ、西へ行くと「いや、ここじゃない。南だな...
いや、自分が悪いんだけどね。バイト先での年末調整は、すべてオンラインで行いました。エコミック年末調整コンタクトセンターという、電話番号も住所もわからないところが代行で行います。紙に記入してハンコを押して総務に提出、もう、そういう時代じゃないのですねぇ。慎重にやったつもりだが、ダメ出しがメールで来ました。健康保険の支払い票のPDFを削除してください、と。その時に、ちゃんと気付くべきだった。私は、勘違い...
愛らしい花柄のワンピースを着たネルギス(Zerrin Sümer)の日常。冷蔵庫を開ける。コーヒー豆をゴミ箱に捨てる。窓の向こう側にいる誰かに大きな声で話しかけるが、返事がない。それもそのはず。誰も外にはいないのだから。新聞を切る。ラジカセで音楽を聴く。やおら立ち上がり、果たしてダンスでもするのかと思いきや。お粗相をしていた。そこへネルギスの息子、エクレム(Settar Tanriögenが帰ってくる。映画Nergis Hanım(Mrs....
2025年3月、JICAではアルゼンチンの料理を提供したり、アルゼンチン関係の展示や写真展示をしています。アルゼンチンの映画でよく見るマテ茶のカップは、いろいろなデザインがあり、迷います。taraguiというメーカーのマテ茶葉。マテ茶のポットとカップを入れる専用のバッグ。マテ茶を回し飲みするのが、親しみを表すのだとラジオのスペイン語講座で言っていました。どういうわけだか、アルゼンチンでマテ茶を飲んだ記憶がないので...
インクで書いた文字に水をぽとんとたらすでしょ?そうすると、文字がぼやぼや~っと滲んで読めなくなりますよね。私の右目は、そういう感じ。私は、アメーバ状の飛蚊症のせいだと思っていたのですが、右目だけどんどん見えなくなってきます。子供の頃、「家庭の医学」を読んでは、自分は死ぬのではないかと思うような怖がりでしたから、私はとうとう視力を失うのではないかと恐怖でした。ちょうど、緑内障かどうかの検査をする時期...
冴えない中年女性のイリス(カティ・オウティネン)は、狭いアパートに同居する実母、実母のヒモ男を養っている。イリスがマッチ工場で稼いだわずかな給料はふたりに搾取され、イリスはタダ働きの家政婦よろしくコキ使われている。裕福な男性、アールネと一夜を共にしたイリスの運命が少しずつ変わっていく。さすが、アキ・カウリスマキ監督。やるせない気持ちにさせるのが、うますぎる。映画「マッチ工場の少女」には、台詞らしい...
相方がいつも通院している総合病院では、複数の科でお世話になっています。去年、うっ滞性皮膚炎が悪化し、総合病院の皮膚科で診てもらおうとしたところ、断られました。総合病院の皮膚科で「皮膚がんの疑いがあるが、白色人種の皮膚がんは診断しにくい。専門家がいる大学病院へ」と紹介状を受け取ったのが、去年のこと。無事、大学病院でガンを除去し、皮膚移植手術も終了。その後も東大病院の皮膚科で診察をしてもらっています。...
クロワッサン2024年10月10日 1116号で、久しぶりに枝元なほみさんを見ました。クロワッサンの取材では、自分の料理が掲載されること、自分の料理で誰かが幸せになることを素直に喜んでいました。「うふ」という枝元さんの声が耳元で聞こえるような、すてきな記事でした。私が枝元さんと同じ状態だったとして、枝元さんのように他人を思いやる気持ちを持ち続けていられるだろうかと考えると、あらためて枝元さんの偉大さがわかりま...
「シェーグレンというのは、死に至る病気じゃあないんだ。」と穏やかに言うのは、私の主治医。そのせいだろうか、それとも医師の時間的な都合なのか、検査をする→2か月後に来院し結果をきく→さらに2か月後に別の検査→2か月後に来院、こういうスケジュールでいきますか、ということになりました。相方は「検査結果をきくために、なぜ二か月も待つのか?」と言います。私の想像ですが、慌てて検査結果を聞きにいかなくてもいいくら...
昼下がりの図書館で、「ぬくいなー、ねむいなー」と思いながら開いた雑誌に、佐藤愛子の孫、杉山桃子の漫画エッセイが掲載されていた。だいぶ昔に、愛子さんとお孫さんがコスプレをして年賀状を作り続けていたという本を借りたことがあった。あれ以来だなぁ、お孫さんは。稚拙なデッサン、リズムに欠けるセリフ回しに、「あー、こりゃ、有名人の孫っていうだけで出版社に狩りだされたな」と思ってしまった。しかし。この連載よりも...
エアロビクスやヒップホップ系ダンスレッスンを半年くらいやった方なら、誰でも簡単に覚えられます。本格的にやろうとすると、なかなかのハイ・インパクト。膝が悪い私は、膝に負担がかからないようにロー・インパクトに変えて踊っています。バングラダンスの一番特徴的な振付といえば、両手と片足を上へ上げる動き。収穫の喜びを表現しています。これ、インドの音楽ではないんですよね。そこが、面白いと思います。曲は、Despacit...
「ラスト・ダンス」では、爆破テロリストと人質の高齢女性との間の心理的な攻防戦が、意外な方向へ向かってしまいます。あらすじ(ネタバレなし)オーストラリアにあるユダヤ人街の小売店で買い物をするリップマン夫人。店の人たちは、皆、彼女の名前を知っていて、リップマン夫人も店主や知り合いと立ち話を楽しむ、平和な日常の風景から、映画は穏やかに始まる。リップマン夫人がケーキ店で買い物をしていると、店内にいるユダヤ...
「イン・マイ・ライフ」あらすじスタイリストの先駆け、吉本由美さんが18歳で熊本から上京。渋谷本町でお兄さんと暮らす。セツモードセミナーに入学したかと思えば、映画雑誌の小間使い。次は大橋歩さんのお手伝いをやったかと思うと、今度はクロワッサンのお仕事と、私から見ると、飽きっぽくて無計画、衝動的。だけど、不思議なことに仕事が舞い込んでくる、すごい人生。チャンスを掴ませてあげる寛容さが、実は昔の日本にはあっ...
米国ドラマ「ナイトシフト 真夜中の救命医」。その名の通り、救急医療病棟の夜勤医療チームの人間くさいお話。病院だって、経営が成り立たなければ、患者を救うことはできない、それが現実。病院が経営危機に陥らぬよう、医師たちとぶつかりあう憎まれ役の事務長、マイケル・ラゴーサを演じるのは、フレディ・ロドリゲスじゃないですか。あらあら、大きくなっちゃってー、と親戚のおばさん状態です。だって、フレディ・ロドリゲス...
ローレン・フィッツジェラルドの振付は、実は難しくなく、スポーツクラブでエアロビクスやヒップホップのレッスンを数か月でも受けた人なら、きっとできる、そういうレベル。難しくないけれど、カッコいい。海外にいる仲間たちと一体化できたような、楽しい気分にさせられる。全般、ローインパクト。少し飛び跳ねるところがあるけれど、マンション暮らしの私は足踏みをすることにしている。Turn Down for Whatも簡単に楽しめるし、...
不器用な50代のワケあり男女。Love at Fiftyは、そんなふたりの恋のお話。あらすじ50代のキー(Doreen Toh)。喫茶店を経営するが、だらしない部下たちにイライラし、ゲーム漬けの長男、スレた長女のことで人知れず悩み、化粧っ気もなく、死んだ魚のような目をしている。喫茶店に食材を配達しに来たアー・パオはキーに惹かれるのだが、そのアプローチの仕方が武骨で不器用。何しろ、50歳を過ぎるまでデートをしたこともない...
約3年前、白内障手術を受けました。健康診断でひっかかったのです。 過去参考記事 「白内障 手術後に見えたもの」 「白内障手術 14か月後 トラブルと診察費用」 「白内障手術後の飛蚊症/新しい目薬を試す」「目の調子 白内障手術と膠原病と」でも書いたように、右目の視力がすごい勢いで落ちてきています。10日くらい前からは、本を近づけようが遠ざけようが文字がぼやけて、右目では全然文字を読めなくなりました。左...
飯山陽(いいやまあかり)さんの「エジプトの空の下」で、ピラミッドやスフィンクスではないエジプトを体験できます。道を歩いているとベランダがズドンと落ちてくる、そんなエジプト。男性と連れ立って歩いていないと卑猥な言葉を浴びせられる、そんなエジプト。政治にとことん疎い私は、飯山あかりちゃんねるとか文春のインタビュー動画などを見るだけで、心臓がバクバクしてしまいますが、「エジプトの空の下」は、いい意味での...
図書館の「新着図書」をインターネットで、ざーーっと見るのが好き。知らない書き手の名前は、まだまだ多く、だからこそ、本のタイトル、題字、表紙のイメージは、読者に「読ませたい」という説得力がないといけません。電子書籍が一般的になり、それはそれで便利でいいことですが、表紙の面白さ、紙の質感が後回しになるとしたら、少し寂しく思います。「そこから青い闇がささやき」という意味深なタイトル。どこかで聞いたことが...
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ドナルドちゃんの「お誕生日パレード」は散々だったらしい。相方が笑いながら言う。「パレードの戦車が、キコキコと音がしちゃって、『パレードにこれだけお金をかけておきながら、錆止め(WD-40)を買う予算もない』って誰かがレビューしていて笑ったよ」WD-40(ダビュリュ・ディー・フォーティーと呼びます)というのは、日本で言えばクレ556みたいなもので、米国ではほとんど普通名詞化している。さて、ダルデンヌ兄弟の3作...
ハンガリーと日本の意外な共通点といえば、苗字が先に来るということでしょうか。マジャールというウラル系民族が遠い祖先だった影響でしょうか。現在では、混血が進み白色人種ですが、デュルク系、ユダヤ系、スラブ系などなど複雑で、ハンガリーという国の複雑な歴史を感じます。さて、先月のことになりますが、ハンガリーを代表する、日本でもおなじみのピアニストと奥様によるピアノの連弾を間近で聴く幸運に恵まれました。ヘゲ...
貧しい少年、ガッセム (ハッサン・ダラビ)が悪だくみでお金を儲け、そのお金でサッカーの試合を見にテヘランへ。映画「トラベラー」の主人公は、アッバス・キアロスタミ監督お約束の、田舎の貧乏な少年ですよ。このガッセムっていうのが、はっきり言って、犯罪者。フィルムなんか入っちゃいないカメラで、「写真を撮ってやるぞー」と村人たちの写真を撮影したフリをして、お金を巻き上げるハッサン。現像した写真は後で渡すから、...
驚きました。私は伊藤病院で右甲状腺摘出手術を受けましたが、その時の執刀医、石垣貴之先生が下北沢にクリニックを開設されました。下北沢乳腺・甲状腺いしがきクリニックといいます。甲状腺のほか乳腺の専門クリニックでもあります。千代田線、小田急線、井の頭線利用で、下北沢駅から1分という好立地。石垣貴之先生は、話のしやすい、いい先生です。私の腫瘍は大変大きく、手術を決意する前は首の下がポッコンと膨らんでいたほ...
うーん、と唸った。唸りましたよ。とってもおいしい!でも、自分では作れないなぁ、と。パームバターのスープとフフというリベリア料理をJICAにあるJ's Cafeでいただきました。白身魚と牛肉の両方が入っている珍しいスープ。パッと見はトマトシチューのようですが、ひとさじすくって口に入れると、少し辛いです。困った。私は辛いのはあまり得意ではありません。口の中の辛さを取るために、フフを口に入れます。マッシュポテトを少...
とても珍しいタイの映画、「山の民」のビデオを図書館で鑑賞しました。(原題は、Khon phuu kaow )「山の民」の冒頭では、カレン族、ヤーン族、チベットビルマ系のリソー族、中国・チベット系のヤオ族などの特徴や違いが説明され、ほとんどドキュメンタリーのようです。ヤオ族が縫う、生地が見えなくなるくらいたっぷりとする刺繍が気に入りました。イコー人の若い男性、アーヨと妻が、村を追い出されてからランカー山(の向こう...
有給休暇を消化しないといけない。バカバカしい決まりだとは思うが、休んだ。いつもは仕事をしている午前中に、今日の私がやったことと言ったら、相方の薬を取りに行っただけだった。もし、私がバイトを辞めたら、こんなふうに目的もなくぼんやりと過ごしてしまうのだろうか。でも、明日、仕事に行くのが少し億劫だ。関節のあちこちが痛い。でも、街へ出れば、それなりに行くところがあり、楽しいことがある。ぼーっとして過ごした...
マーティン・スコセッシが映画館には行かなくなった理由には、私も同意。私は、定年退職後にシニア割引を受けられる年齢になり、もっと映画館へ行くぞーと喜んでいたのもつかの間、マナーが悪い人がいて残念です。そういう人は館内にたったひとりでも目立つし、そんな人に限ってどういうわけだか私の隣とか前に座る・・・。私、何かを引き寄せるニオイでも発しているのでしょうか・・・。さて、イラン映画。あのアスガー・ファルハ...
ある日の昼下がり。お天気がサイコーッに良かったので、虎ノ門から御成門まで散歩して、芝公園の図書館へ。図書館のスタッフが時間と心をこめて、ある特集を組み関連図書を並べてくれたり、テーマを決めて企画展示してくれるのが、いつも楽しみ。先日は、「芝公園 昔巡り」という企画をじっくりと見てきました。図書館の企画展示は、量が多すぎないところも実はいいのです。「あー、夕飯の支度しなきゃぁ」なんて心配しなくていい...
イタリアのリノーザ島に暮らす家族たち。猟師として生きる頑固なエルネスト爺さん(ミンモ・クティッキオ)、島を出たくてたまらない孫のフィリッポと母のジュリエッタ(ドナテッラ・フィノッキアーロ)。島に流れ着いた難民を迷った末に匿うことにしたのですが。映画「海と大陸」の主題からは外れるかも知れませんが、観光客という甘っちょろい存在と、いやでも島で生きていかなくてはならない島民たちとの対比が、かつての旅人だ...
ジーン・ハックマンと奥様のベッツィーさん死亡のニュースは、ショックでした。ベッツィーさんは私とは大して年が違わないですし、最初のニュースでは「バスルームに薬が散乱していた」と報じていたので、薬物過剰摂取か、はたまた自殺なのか。介護疲れが動機だろうかなどと邪推しました。その理由は、今、私自身、年が離れた相方の世話で心をすり減らしていて、発作的にとんでもないことをしでかしてしまうのでは、と恐れていたか...
青春ものは見ない私が、珍しく高校生主演の台湾映画「共犯」をDVDで鑑賞しました。SNSで多くの人と「繋がっている」のは幻想なのか。なぜ、こんなにも寂しいのか。いい作品でした。あらすじ(ネタバレなし)住宅街の路地に、頭から血を流した女子高生、ウェイチャオ(ヤオ・アイニン)の遺体が横たわる。発見したのは、いじめられっ子のリーファイ。そこへ偶然通りかかった不良のイーカイと秀才で頼りにする同級生が多いヨンチュン...
ドナルド・キーンさんが浄瑠璃奏者の上原誠己(うえはら せいき)さんと養子縁組をしたというニュースには大変驚いたことを、今でも覚えています。上原さんにとってキーンさんとは、浄瑠璃など日本の古典に造詣が深い「師」であり、キーンさんは上原さんの演奏を楽しんでいました。これは私の想像ですが、フランス語が大好きなキーンさんにとって、大学でフランス語を専攻した上原さんから学ぶこともあり、おふたりの楽しい会話は...
2018年、イギリス・カナダ映画「ルイの9番目の人生」は、サスペンスのつもりで図書館でDVDを借りてきました。サンフランシスコに住むルイ・ドラックスくんは、毎年、危険な事故に遭い、9歳の誕生日に転落死します。それは単なる事故だったのか。なにしろ、こちらはサスペンスのつもりで見ているものだから、ワカメのモンスターが病院内をうろつくあたりから、「こりゃ、ファンタジー系か?」と、ファンタジー系が嫌いな私は白け...
マレーク・ベロニカさんのドキュメンタリー上映会とサイン会へ行きました。ベロニカさんの「ラチとらいおん」という絵本のことは、私は初めて知りました。弱虫のラチくんが赤いライオンと出会って強く成長するお話です。ハンガリーでは1961年に発行され、世代を超えてのベストセラー。日本では1965年にとくながやすもとさんの翻訳で福音館書店から出版されました。私が2歳の時です。「ライオンにいてほしい」ドキュメンタリー「ラ...
歯科技工士が不足というニュースを読み、実情に疎かった私は驚きました。私にできるささやかな対策は、年に二回は歯石取りをしてもらい、歯科技工士のお世話にならないようにすることくらいしか思いつきません。さて、先月、ドナルド・キーンさんを想う散歩をしました。旧古河庭園のすぐお隣に、ドナルド・キーンさんが「いらっしゃいます」。キーンさんが大好きだった旧古河庭園から見えたマンション。ここに空き部屋があると知っ...
皮膚移植後の経過を診察していただくため、相方といっしょに大学病院へ。執刀医だった若い女性医師は「春に転勤がある」と言っていましたが、なんと米国へ!折しも、トランプ政権が留学生規制を始めたと報じられた時で、先生の在留資格が、病院勤務の労働ビザなのか、医学生としての学生ビザなのかわかりませんが心配になりました。さて、風変わりなサスペンス映画を観ました。それは遺言から始まった(ネタバレなし)ジャンヌには...
久々に大笑いして、スカッとした本。お客様に喜んでいただくことを誇りとしたい、そう考えるエッセンシャルワーカーやサービス業、必読の一冊。わがまま言いたい放題のおばあちゃんをロンドンへエスコートする孫の苦悩を、椹野道流さんが面白おかしく書いたエッセイです。冒頭に出てくる、ファーストクラスのわがままな(貧乏人のひがみ30%込み)客にお仕えするプロの言葉が印象的。何ができないかではなく、何ができるのかを見...
wafu.の綿貫社長さんも言っていましたが、百貨店仕様というのがあり、基準が厳しいのだそうです。基準が厳しい分、着やすいのか、上質のリネンなのか、実際のところ、どうなのでしょうね。先日、ついに(株)エム・アイ・ディーが企画販売しているメイド・イン・ジャパンのリネンの中古服を手に入れました。三越やそごうで洋服を買う方なら、エム・アイ・ディーのBLENHEIMとかAVENIRETOILEの文字を見たことがあるかも知れません。...
会社員時代のこと。韓国から取引先の女性が来日して、昼食へ。彼女は日本語がぺらぺらで、日本の文化も尊重してくれる。でも、お味噌汁には口をつけていないので、あぁ、お口に合わないかと思ったら、違った。「スプーンがありません」と言う。そうだ、そうだった。何かで読んだ話だけれど、食器を手で持つことは韓国ではお行儀が悪いとされる。ましてや、食器を持って口をつけるなど。だから、韓国人の彼女はスプーンでお味噌汁を...
食べること、ぶらぶらすることをこよなく愛する私が、何故にこの本に気が付かなかったのか!岡根谷実里(おかねや みさと)さんの「世界の台所探検」を発見した時のような興奮が、どどっと押し寄せてきます。松本智秋さんの「散歩とごはんのくり返し」は、図書館の特集コーナーで偶然見つけた一冊。図書館員さんたちが工夫を凝らしたポップアップと選りすぐりの本を並べる、月替わりのコーナー。目利きが選んだ本を眺めるのが、図...
前作「おひとりさまのケチじょうず」は、写真ではなくイラストばかりで落胆した記憶がありました。前作から4年。「財布は軽く、暮らしはシンプル。74歳、心はいつもエレガンス 」を読むと、久しぶりに小笠原さんのお宅におじゃましたような気分になり、「あれ?キッチンのテーブル、変えたんだ?」などと勝手に話しかけている自分に気が付きます。さすが小笠原洋子さんだなと思う、手元にある物で工夫した室内の様子が写真や文章...
岐阜県で活躍する手芸作家のRosyさんにドルマン袖のチュニックを作っていただいて、数年が経ちました。会社で着ても違和感のないように、色は暗めの亜麻色に。事務に支障がないように、袖口は絞ってもらいました。会社員時代は、周りの目を意識しながら、着る物を選んでいたんだなと今更ながら思います。定年退職して、「会社」という縛りが無くなった今、そして、解放的な春という季節が到来し、春めいた色に変えたいと思うように...
6歳のやんちゃな息子、イバンは、離婚した夫とフランスへ出かけてくれた。あー、久しぶりの自由時間。おかあさんとショッピングにでも行こうかなー。そんな時に、息子から電話が入る。パパがいなくなっちゃった。知らない男の人がボクを見てる・・・。今、どこにいるのか、わからない。冷静を装い、必死で息子を安全な場所へ誘導しようとする母、エレナ。「イバン、この間、右と左を覚えたよね?右には何が見える?」と言うエレナ...
今日も暑くなりそうです。暑い日といえば、南インドのサラサラしたカレー。11時半に行っても13時過ぎに行っても、行列ができている有名店。神保町の三燈舎(さんとうしゃ)。上澄み液だけのサンバルに、人気店の驕りが感じられ、ちょっと残念。帰りには、いつもポルトガル菓子専門店へ立ち寄ります。神保町駅から水道橋方面へ向かって歩く途中で見つけたのが、シリバラジ。13時過ぎなら、空きテーブルが見つかります。シリバ...
フリマで安く購入したマキシ丈のフレアスカートがあります。フレンチリネンの手触りと艶が素敵で、無印良品もなかなかやるな、と感心しました。マキシ丈は体形の欠点をうまく隠してくれるのですが、階段を上がる時に裾を踏んづけることが度々ありました。50代の頃は、さっと立て直せることが、60歳を過ぎるとできなくなり、危うくケガをしそうになりました。それに、冬の寒さが前以上に堪えるようになり、スカートよりパンツかなぁ...
相方がチョコレートケーキを焼いてくれました。(それにしても、台所やテーブルの上がとっちらかっていて、庶民的だなー)まぁ、相方本人が食べたかったってことなんですけどね。たっぷりのイチゴと大好きなココナツ。実はねぇ、イチゴはアレルギーが出てしまうので、1個か2個くらいしか私は食べられません。これも、相方本人が食べたいからってことで。おいおい、誰の誕生日だよ。えー、ケーキ、焼くんですか、すごいじゃないで...
肌寒い6月の朝。冬物をマンションへ持って帰った後だったので、とりあえず手元にあるものを組み合わせて工夫します。コトリワークスの腹巻をネックウォーマーにして仕事に行きました。さて。後味のよいギリシャ映画を観ました。主人公はアテネで父親と仕立て屋を営むニコス(ディミトリス・イメロス)。映画「テーラー 人生の仕立て屋」は、宣伝がカラフルでしたが、意外にも真面目で現実的な展開。セリフが少なく、内向的なニコ...
近江上布伝統産業会館のオンラインショップで、リネンのダブルガーゼのタオルを買ってみました。2か月使ってみてのレビューです。昭和初期のシャトル機で、ゆっくりと時間をかけて織りあげたリネンのダブルガーゼ。近江上布伝統産業会館では、織物の体験イベントもあるようで、ご近所の方たちが羨ましいです。お試しのつもりで「茶」を一枚だけ買いました。タグが茶色という意味で、タオル生地はどれも同じようです。オンラインス...
1984年。ロサンゼルスでオリンピックが開催された年、何をしていましたか?私は幸せな大学生で、マンハッタンにあるInternational Student House(現在はありません)で世界中の学生たちといっしょに、古ぼけたテレビでオリンピックを観戦していましたが、チェコスロバキアの選手のことは何も覚えていませんでした。映画「線上のフェアプレー」(EUフィルムデイズでは「フェアプレー」)は、1980年代、共産圏だったチェコスロバキ...
定年退職したら、若い時に訪れた場所にもう一度行ってみたい。そんなふうに思うことは、ありませんか?「君を想い、バスに乗る」の主人公、80代のトムは、老人無料パスを利用して、ひとりバスの旅を始めます。それは、愛する妻のため。トムとメアリーがどんな夫婦だったのか。二人の間に何が起こったのか。こんな無謀な高齢者のひとり旅・・・子供は助けてやらないのか(自分を棚に上げてますが)。その答えは、映像とわずかなセリ...
初診予約相方が定期的に通院している総合病院から紹介状を渡され、東大病院へ行ってきました。Web上で初診予約をできる科と、電話でないと初診予約できない科があり、皮膚科は電話でしか予約を入れることができません。外来予約には英語が話せる人がいないため、私が代理で電話をしたところ、「うちは通訳のサービスはないので、通訳を連れてきてください。」と言われました。相方がいつも行く総合病院や、高田馬場にある個人のク...
久しぶりのイスラエル映画、「旅立つ息子へ」。息子を心配する父親という雰囲気が感じられる邦題ですが、息子から旅立つ父親の葛藤を描いた作品だと私は思いました。自閉症のウリのために、キャリアを棒に振る父親。別居中の母親はウリの世話を焼ききれなくて、ウリが入れる施設を見つけました。ところが、施設へ連れて行く途中、駅のホームでウリがパニックに。父親は施設には入れないと決め、ふたりで逃避行の旅に出るのですが。...
2024年の5月は、あまり5月らしくない天気が多かったです。寒くなったり、大雨が降ったり。一番好きな5月なのに。そして、いつになく忙しい月でもありました。先日、相方(後期高齢者)の静脈瘤のことを少しブログに書きました。最初に異変に気付いたのは、私でした。足の甲がぱんぱんに膨らみ、脛に赤黒いアザのようなものがどんどん広がりました。何故、相方本人は気づかないかというと、太っていて脛が見えない!!いいですか...
「男と女」。あれから53年後のふたりを描いた「男と女 人生最良の日々」は、美しい恋愛映画だと高評価ですが、私は全然違う感想を抱いています。女性好きのジャン・ルイ(ジャン=ルイ・トランティニャン)は、意に反して高級老人ホームに入れられ、息子に対する反感を隠せません(あーあ、フランスでもこれか・・・)。記憶があやふやなものの、昔、愛したアンヌのことだけは忘れておらず、息子はアンヌを探し出します。久しぶ...
3年ほど前に購入した麻布館のリネン、綾織のダブルガーゼ。左側が現在。すっかり真っ白になり、キラキラと上品な艶があります。右側は買って間もない頃。実物は、写真よりもダークベージュです。麻布館といえば、リネン好きには評判が高いところですが、敏感肌の私にはどうにも合わず、2年以上経ってもチクチクしました。けれど、安い買い物じゃないからと頑張って使い続けました。どうしても使えないという時は、バスマットに作り...
中国に残してきたおばあちゃんが、ステージ4の肺がんに。中国の習慣で、そのことは本人には告知しないまま、海外へ散り散りになっていた親戚たちが久しぶりに集まります。6歳の時に両親とともに中国から渡米したビリー(ラッパーのオークワフィナ)。両親は、ビリーに内緒で中国へ飛びます。すぐに感情を露にしてしまうビリーが、おばあちゃんの病気のことを隠しとおせるはずがないという親の判断でした。けれど、誰よりもおばあ...
表参道の山陽堂書店さんで開催された原画展へ行ってきました。ちょっと苦手なエリア、表参道。病院へ行く用事でもなければ、あまり来ないところで、まさか地下鉄出口すぐそばに、本屋さんがあっただなんて。レンガと洒落た看板やガス灯(もどき)。奥行きはありませんが、スキップフロアを活かした隠れ家のような、かくれんぼをしたくなるような本屋さん。ああ、この原稿の注意書きはミリさんの手書き!?ミリさんお手製の表紙!!...
伝説のマラソンランナー、パウル(ディーター・ハラーフォルデン)は最愛の妻(ターチャ・サイブト)とともに老人ホームに入居しますが、どうしても馴染めません。ベルリン・マラソンに出場すると決めるものの、ホームの管理者たちと衝突。パウルが批判した栗の人形作り、そんなにダメかなぁ。私はやってみたいんだけど、なんてパウルに少し反感を覚えながら見ていました。彼がオリンピックのメダリストであることを知ったホームの...
可笑しなスパイ映画「83歳のやさしいスパイ」をDVDで視聴しました。原題は、The Mole Agent (潜入捜査官)ですが、邦題にある「83歳」がなければ、あらすじを確認しようともしなかったでしょう。南米チリにある老人ホームに入所している母、ソニアが虐待や盗難の被害に遭っているようだ。私立探偵、ロムロのところに調査依頼が入ります。潜入捜査をするのは、83歳のセルヒオ。新聞の求人広告に応募した、まったくの素人。ホームの...