住友化学の人員削減と構造改革について、三菱ケミカルとの共通点やエンジニア視点での影響を解説。経営戦略説明会の内容をもとに、今後の方向性を読み解きます。
化学プラントの設備・運転を分かりやすく解説。国立の機電系大学院卒業→化学会社のプラントエンジニア15年以上。機械設計中心、海外勤務、製造管理経験あり。
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住友化学の人員削減と構造改革について、三菱ケミカルとの共通点やエンジニア視点での影響を解説。経営戦略説明会の内容をもとに、今後の方向性を読み解きます。
液体充填は昔からある古典的な方法ですが、作業環境や設備はアップデートされにくい場合があります。昔からやっているから良いだろうと判断されかねません。現在の安全性や作業性に関する要求を振り返って、できる対策を考えていくことはエンジニアにとっても大事でしょう。監査などで指摘する側も、最高スペックを目指すのではなく基本レベルを満足するように注意したいですね。
プラント設備の標準化に拘ると、コストアップとや納期アップに繋がります。1つの会社だけを見ていると結構気が付きにくいですが、私自身もいくつか思うところがあります。競争力を上げるには、他社の設備を見るのが一番いいですね。
知識の蓄積や共有は、安全で安定したプラント運転のために欠かせない取り組みです。しかし、その仕組み作りには落とし穴も多く、現場の実情に合った柔軟な運用が必要です。・報告書のハードルを下げること ・完璧な原因追及にこだわりすぎないこと ・報告件数の評価を柔軟にすること ・定期報告のプレッシャーを軽減すること
化学会社のトライアルでは、失敗を過度に恐れるために、いろいろな場所で余裕を設けてしまいます。予算・工期・反応・品質・設備などどんどん膨れ上がっていきます。これは結局はコスト(と工期)に直結します。高いなら安い地域で依頼する方が健全と考えるのも仕方ないですね。
工場にずっと居たらその工場の考え方に染まってしまいます。他の工場や本社を知ると、考え方は変わってきます。同じ工場に居れば居るほど保守的になり、卑屈にもなってしまうもの。勤務地が同じというのは少なくとも私にとっては健全ではなかったですね。
海外出向から戻ってきた時は、会社に色々と期待した記憶があります。実際にはそのほとんどは叶えられず、昇進がわずかに速くなったくらいの結果しか得ていません。個々に期待してもあまり意味は無いですが、無いよりはマシ。それよりはもう一度海外に出向して知見を広げたいですね。
機電系エンジニアとしてこだわりを持って仕事をしていましたが、実はそれはあまり周りには響いておらず製造の一部の人にしか評価されていませんでした。それが上手くいくこともありますが、意味がない場合も多いので、変なこだわりを持たなくても良いと思います。
化学工場では多くのデータ、特に時系列データを扱い、それを記録して公開する場合が多いです。このせいで担当者としては見られているという緊張感の外に、やりたくないというネガティブな想いを抱きがちです。そのデータを有効活用する側は、実は機会は少く、見る人も多くはありません。この事実を知っているかどうかで担当者としては動き方が変わるでしょう。
既存の仕組みに何かを足すということはとても簡単です。起こった問題の不備を適当に探し、底に対策を取れば、今後同じ問題は起きないだろうと錯覚してしまいます。何かを足せば何かを減らすという姿勢が大事だと思っています。
機電系エンジニアでも化学工場で起こっている反応の基本的な部分は知っておくと、助かる場面があります。化学工学の詳細の反応を知る必要はなく、時間が経てば劣化するという部分だけを解説します。
タンクの基本構造の専門用語を解説しました。本体/付属品/保温の3つに分けて説明します。新入社員など初めての人はまずはここから理解すると良いでしょう。同じ物でも呼び方がいろいろあるのが、化学工場っぽいです。
年度末の良い機会に、6年間を振り返ろうと思います。この6年間は仕事の点で大きな転換点になっているだろうと今になって思います。転換は過去にもあったのですが、気が付いたら元の仕事に戻ってしまった状態からスタートした6年です。言語化しておかないと...
既存の撹拌機を別用途に使うケースはバッチ運転の場合は多いです。後になって気が付いたとならないようにいろいろチェックしましょう。特に忘れやすいのは、取扱数量が少い側の液量だと思います。後は既存の運転条件や物性と比較して大きな問題があるかどうかをチェックしていきます。
流量計が無くてもそれなりに流量をコントロールする方法を紹介しました。バルブ開度を調整して他の計器などで測定する方法と、液抜きをして測定をする方法です。とてもアナログなので、運転で万が一ということが無いように仕掛けを作らないといけません。これで製品の品質に影響が出たりするので、疎かにできないですね。
プラントの問題は今後増えていきます。八潮市の問題のようにこれまで問題にならなかった部分からトラブルが頻発するでしょう。化学工場でもメンテナンス費をもともとしっかり考えてこずに、最低限のメンテナンスで投資を先送りしていると、いつかは問題になります。投資があっても設備上の問題でメンテナンスできないことも。
化学プラントの技術系調整部門の仕事は、いろいろあります。工場内外の調整の窓口的な役割が基本で、販売や研究との調整や工場見学の対応もしながら、原料や新規品目の全体調整などを行います。他には製造部門の役割変化に臨機応変に対応したり、異動の待機係ともなります。ベテランクラスが配置され、縁の下の力持ちとなってくれています。
バッチ系化学工場では塔の設計は塔径だけを決めるという簡単なものです。反応槽やガスラインなどの口径でほぼ決まってしまうもので、残りの仕様は実績重視で汎用性を持たせます。コスト目的で架構内に収めることも重要です。
化学プラントの投資を削減する狙いに、既存設備を移設するという考えがあります。ところがこれが意外と高いです。設備費と工事費のイメージを持っているかどうかが差となります。ここに気が付くと、新作と移設のケーススタディや費用の内訳の整理など、見積を依頼するにもその分け方を考えることで、投資判断を早く正確にできる可能性があります。
化学プラントの機電系エンジニアにとって予算のコスト意識はとても重要です。コスト意識が足りないと、与えられた予算を使い切ろうとしたり、予算削減の努力をしようとしなく名足、見積精度を甘めにして結果の解析をしなくなってしまいます。結果的に、コスト意識がない部署として冷たい目で見られてしまいます。
化学プラント内の工場見学は調整だらけです。見学者のニーズを知り、どこのプラントを案内するか考えます。課長にお願いしたり間接支援系の職場にも依頼します。保護具や移動手段の確保も必要。懇親会も必要になるかも知れませんね。英語が必須の場合は、さらにハードルが上がります。
フレームアレスタの取付には向きがあると私は思っています。タンク内部のガスが大気に向かって、下から上に流れる方向(固形分・液体分が重力で落下する方向)にしないと、フレームアレスタが詰まるからです。古いプラントほどこのパターンがありがちなので、よく考えて対応しましょう。
プラント設備の保全計画を見直すとき、障害となる思考が結構あります。今までお同じやり方が良く、別のやり方に変えるのが怖い。こういう意見を持つ保全はとてもアブナイです。この場合、変えることが怖いとならないよう、定期的に変える仕組みを作らないといけないでしょう。
製造課長と言っても何を重視するかは人それぞれです。昔は全力投球型が多かったですが、合理化最優先・安全最優先など分化していき、何も進めないという諦めタイプや仕事を拒否するタイプに移っていきます。こうしてみると、製造業の要である製造課長の変わり方は、時代を表していますね。
JIS10kフランジを使わなくても良い場面を紹介しました。マンホールなどはJIS5kなど軽いものを考えましょう。大気開放で付け外しが多い箇所は、自作フランジでも良いと思います。設備接続部は設備メーカーに合わせても良いでしょう。ヘルール・ねじ・ワンタッチ継手もあり得ます。
差圧式液面計にバルブを付けるかどうかを考えました。バルブを付けるとノズルが折れないようにするための対策が必要で、バルブを付けないとメンテナンス対策を考えないといけません。バルブを付けることが基本ですが、全ての差圧式液面計にバルブを付けるべきかというと、そうでもありません。条件によって判断できるようにしたいですね。
プラント設備設計で不純物は見ておかないといけません。ただし、マテリアルバランスを取るというレベルではなく、ゼロかゼロでないか範囲があるかさえ分かれば良いと思います。いろいろな条件の振れがあっても対応できるような設備にしておくこと。どの条件まで考えるか、が大事になってきます。
若手は見ている範囲が狭くて、不具合にだけ着目して何とかしようとしがちで、デメリットを考えにくいです。中堅になるとバランスを見るようになりますが、人数が少なく若手のフォローが追い付きません。ベテランは過去の考え方を残さず、自分たちの失敗を若手が乗り越えてほしいという丸投げに近いシーンをよく見かけます。
プラント建設では安全が最優先ですが、次に優先するものは何でしょうか。立場によって変わってきますが、工期・品質・予算などいくつか考えられます。エンジニアリング担当者の目線では工期を優先させて、製造と密にコミュニケーションを取ると最も被害が少なくなると思います。全部を達成したいのですが、現実は厳しいです。その場合のことを考えておきましょう。
長期連休明けには、生産技術は設備上のトラブルが無かったかすぐに調べて、上司に報告しましょう。緊急連絡体制と同じように、タイムリーな報告が求められる数少ない機会です。それが終われば、連休前後の課題を処理して、新しいことは2日目以降に考えましょう。滑り出しが順調にいく実績が増えれば、連休最終日に嫌な気分にならないかも・・・。
流量計の直管長を確保するためには、配管設計の前のP&ID設計が重要です。配管図を作成する時にP&IDが基本資料になるからです。これができていたら、直管長は自ずと確保されます。もし直管長が確保されていない場合、強引にループを作ったり、計器の種類を変えたり、あえて確保しなかったりと、いくつかの選択肢が残されています。
モーター端子箱にケーブルが届かないという問題は、設備更新で起こりえます。端子箱の向きが変わらないように図面・現場を見たり電気エンジニアに確認しましょう。ケーブルの余裕があればこういう気配りは不要になるので、建設時に考えていても良いかもしれません。
化学会社で20年もいれば、いろいろな上司と仕事をしました。機電系エンジニアは上司の人数が少なかったのですが、化学・化工系の上司にも教えてもらい影響を受けています。ここで学んだことを後輩・若手に引き継いでいきたいのですが、かなり難しそうです。
グラスライニング装置メーカーの個人的なイメージをまとめました。神鋼環境ソリューションがやはり一番信頼できます。日本ガイシは二番手・GL HAKKOは今後に期待という感じです。どこか1社に偏った付き合いは、長期的には好ましくないので、メリットデメリットを考えてユーザーごとに戦略を持たないといけないでしょう。
化学プラントの設計エンジニアの業務の質を上げようとすると、かなり難しいです。経験が全てと言われやすいですが、仕事の完成までの時間が長く・フィードバックを受けにくく・振り返る仕組みがなく・データベースがあっても見ないという多くの問題を抱えます。この辺りの仕組みがしっかりしていると、設計も楽しいものになるはずと期待したいですが
タンク底弁は自動弁にすることが多いです。シリンダの向き次第で自動弁の取付位置が変わり、サポートの有無含めてノズル保護の問題が出てきます。液溜まりを最小化するためにパッドフランジを使っても良いですが、全量漏れるというリスクを許容していることを忘れないように。危ないです。
異径フランジを使いこなすには、取替を前提としたフランジ接続にして、下向き流れで圧損が無い場所を選び、ステンレス配管に限定して使用するのが賢明です。箇所が少ないように思えますが、ステンレス配管のニーズは高いので、それなりに登場します。異径レデューサで面間の問題がある時には、積極的に異径フランジを使用しましょう。
ポンプを使ったスラリーの輸送は、起動前が一番怖いです。流速が一番遅いからというのが理由。ポンプ起動時に詰まってしまうと後が大変ですので、スラリー濃度や配管設計など設計段階で勝負を決めてしまいましょう。
化学プラントで海外出向に選ばれるには、仕事があること・上司に顔を知られていること・昔一緒に仕事をしたことが重要です。本人の仕事のスキルが高く、健康に問題がなく、異動をあまり経験していないということもプラス要素です。周りの要因として他の候補者が少ないということも理由になるでしょう。