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谷本富(たにもととめり、1867~1946年)とは、教育者であると同時に、教育学者でもあり、乃木希典の殉死を批判したことなどもあり、京都帝国大学を逐われると、その後は批評家などとして活動した。その谷本に『現代宗教と性慾』(二松堂書店・大正12年)という文献があるのだが、何故か「授戒会に就て」という一節がある。谷本の問題意識は、何故に禅(坐禅)を中心としているはずの禅宗(特に臨済宗の記事が多い)に於いて、授戒会を行っているのか?という問題意識の解決を目指して考察したものである。その辺の事情は以下の通りである。勿論授戒会は固より禅家独特のものではない。爾余の仏教諸宗派、只独り真宗を除いての外には、大概これを行ふ様で、寧ろ禅宗の方では実は却て遙に後れて他の真似をしたらしく見受けられる様でもある。更に言葉を改めて...谷本富による禅宗授戒会への批評について