メインカテゴリーを選択しなおす
宗門喪儀法における『大宝楼閣善住秘密根本陀羅尼』の導入について
以前から気になっていたことについて、記事にしてみたい。現在の曹洞宗の喪儀法では、『大宝楼閣善住秘密根本陀羅尼』が読誦されることがある。例えば、以下の差定の通りである。喪場を特に寺又は他に設ける場合は、行列が喪場に到着のころ、維那は、「大宝楼閣善住秘密根本陀羅尼」を挙し、霊棺、式場を右遶三帀して所定の位置に安置する。『行持軌範』「檀信徒喪儀法」項以上の通りだが、実は現行の宗門で設定している三種の喪儀法の内、行列に因んで「大宝楼閣」を唱えるのはこの「檀信徒喪儀法」のみとなっている。「大宝楼閣」はいうまでも無く、宗門で読誦する経文の中では、『甘露門』に入っているけれども、そこからこちらにまで出て来たわけである。だが、何故、「檀信徒喪儀法」でのみ、「大宝楼閣」を読誦するのだろうか?今日はその辺を探ってみたい・・・...宗門喪儀法における『大宝楼閣善住秘密根本陀羅尼』の導入について
我々が今行う檀信徒喪儀法では、喪儀に続いてこの「開蓮忌法要」を行う場合がある(最近では略すこともある。理由は繰り上げ初七日に取って代わられるため。併修もある)。ところが、この「開蓮忌」、拙僧の不勉強を恥じるしかないのだが、出典が良く分からない。でも、いわゆる「3日目の供養」とはいわれ、しかもその観点からだと、次のような典拠があるという。第二には開蓮忌の法事である。釈氏要覧の中に見王斎と名けて、死後三日目に必ず僧侶を請して、追福を修すべきことを説いて居る。茂木無文老師『葬式・法事の仕方』国書刊行会、48頁以上の文章から、茂木老師は『釈氏要覧』を典拠に指摘していることが分かる。そこで典拠の文を見てみると、次の通りである。●三目斎北人は亡せて三日に至れば、必ず僧を斎し、之を見王斎と謂う。法苑に云く、「唐の中山郎...「開蓮忌」の話