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月夜の猫-BL小説です バレンタインバトル7 BL小説 「はい、何とか、例の二人がまた見解の相違とかで三十分ほど中断した程度です」 むしろいろいろあり過ぎて電話なんかでは話せないというのが本音だが。 「フン、あんまり長引かせるなよ。これから釧路に移動して今夜はそっちに泊まる。何かあったら携帯に入れろ」 すぐに切
月夜の猫-BL小説です 花さそう47 BL小説 良太と森村は朝飯前とばかりに、早朝森村の車で慌てて工藤の別荘に向った。 「やっぱり平さん、もう雪除けしてるし」 別荘に着くと、シャベルで門のあたりの雪を避けている平造がいた。 「平さん、俺らやりますから」 良太が降りて平造に声を掛けると、「これしきの雪、お前さんらの
月夜の猫-BL小説です バレンタインバトル6 BL小説 良太は一呼吸置いてから監督と脚本家を振り返った。 年代もキャリアも似通っているこの二人は、まさしくああいえばこういうで、原作の解釈の違いとかの段階などではなく、ただ互いを貶しあっているだけなのだ。 一応双方の言い分を聞き、二人を宥めすかして数カットを撮り
月夜の猫-BL小説です 花さそう46 BL小説 「くっそ、俺負けてるぜ!」 小笠原が喚いた。 「俺もちょっと鍛えないとな」 人と比べても仕方がないとは思うのだが、良太にしてみればかつては野球少年だったとかこれでは口にできたものではない。 沢村や森村の鍛え方は生半可なものではないとは思うが、アラフォーなんてとても
月夜の猫-BL小説です バレンタインバトル5 BL小説 「ちょっと、今井、どこ?!」 ただし、休憩中時折聞こえる芽久のヒステリックな声は、スタッフの精神状態にも悪影響を及ぼしそうだった。 「はい! ただ今!」 コーヒーを手に慌てて芽久に駆け寄ったのは彼女のマネージャー、今井だ。 「どこ行ってたのよ!」
月夜の猫-BL小説です バレンタインバトル4 BL小説 良太は翌日の早朝から『花の終わり』の横浜ロケに同行し、仕事はまたフル回転となった。 「考えてみればこの仕事、あくまでも工藤がプロデュースで、俺はアシスタントなんだからな」 なのに、特別なことがない限りお前の判断で動け、だもんな。 ったく! 工藤がこの仕事を
月夜の猫-BL小説です 花さそう45 BL小説 「サプライズ、よかったで? しんみりし過ぎず騒ぎ過ぎず、平造さんも喜んでたし」 「ありがとうございます」 佐々木にそう言われると、良太もホッとする。 「なあなあ、俺ン時はどんなサプライズやってくれんの?」 小笠原がウキウキと聞いてくる。 「サプライズつきはアラフォー
月夜の猫-BL小説です バレンタインバトル3 BL小説 さらに暮れには、まるで小公女セーラかってくらい、良太の部屋が豪華に一掃されていた。 パイプベッドなんかまだ使えるのに勝手に捨てるなんてと口喧嘩になってしまったものの、一応礼は言ったし、工藤の誕生日やクリスマスには、前田の店に工藤の好みの酒を置いてもらうこと
月夜の猫-BL小説です バレンタインバトル2 BL小説 外に出るとびゅうびゅう刺すように冷たい風が吹きつけ、あっという間に体温をさげてしまう。 「うう、寒ぅ…………」 良太はマフラーで口元辺りまで覆った。 短いダウンジャケットではあまり防寒対策にならないくらいだ。 数センチ積もった雪は、影になっているところには
月夜の猫-BL小説です 花さそう(工藤×良太)44までアップしました BL小説 花さそう(工藤×良太)44までアップしました。バレンタインエピソードアップしています。小草生月某日(京助×千雪)、バレンタインバトル(工藤×良太)1までアップしました
月夜の猫-BL小説です 花さそう44 BL小説 平造にはこの軽井沢で吉川や杉田らとたまに顔を合わせながら野菜作りをしたりして安穏に暮らすのが一番いいのだろう。 工藤は平造の胸中を思いやる。 「平造は自分から何がしたいとか言わないからな。お前でも何か聞いたらまた教えろ」 「……はあ………」 良太は良太で
月夜の猫-BL小説です バレンタインバトル(工藤×良太) BL小説 良太が京助が主催するスキー合宿に初めて参加したすぐ後のエピソードです。沢村に散々振り回されたものの楽しかった休暇が終われば、またてんこ盛りの仕事が待っていた。一段落するとを終えて外に出ると、バレンタインデーなる文字が目に入る。そう言えばそろそろ
月夜の猫-BL小説です バレンタインバトル1 BL小説 小林千雪に誘われた軽井沢のスキー合宿から良太が戻ったのは昨日の夕方だったが、オフィスの上に住居があるお陰で、合宿に行っている間猫たちの世話をしてくれた鈴木さんに、お土産のお菓子をお礼に持って行った。 ついでに、気になっていた仕事があり、結局夜八時頃までオ
月夜の猫-BL小説です 花さそう43 BL小説 今夜は戸川には工藤の別荘に泊ってもらうよう、杉田が部屋を用意していた。 和やかな中で会はお開きとなり、出席者の車はそのままに、タクシーに乗り合わせて帰っていく。 平造と戸川は工藤と一緒にタクシーで別荘まで行くと、工藤は平造に明日からの二泊三日の温泉旅行のクーポンを
月夜の猫-BL小説です 花さそう42 BL小説 「何せこの平造ってやつは、中学を卒業するとふいっと水戸を出て行ってそれっきり。もともとむっつり一人でいるようなやつで、まあ、両親を早くに亡くして親戚を転々としてたらしくて、捻くれてもしょうがないかってとこだったんですが、とにかくかわいげのないやつで、それでも野良猫を
月夜の猫-BL小説です 花さそう41 BL小説 平造は誕生日の食事会に工藤や良太、それにアスカや小笠原ら社員が集ってくれているとだけ秋山から聞いて、ジャケットを羽織っただけでやってきた。 「お誕生日おめでとうございます!」 だからドアを開けた途端、大勢の歓迎を受けるとは思ってもみなかった。 拍手の嵐にしばらく呆
月夜の猫-BL小説です 花さそう(工藤×良太)40までアップしました BL小説 花さそう(工藤×良太)40までアップしました。今回、モブシーン? が多くてすみません。 時々、誰がここにいるのか、わからなくなりそうです。
月夜の猫-BL小説です 花さそう40 BL小説 二人のコートを受け取ると、吉川はクローゼットへ持って行く。 「工藤さん、平さんへのプレゼント、どうしました?」 所在なく二人は入り口近くのソファに座ると、良太が聞いた。 「いつもと同じだ。明日から温泉二泊三日。あんまり遠くない方がいいっていうから、蔵王の温泉旅館の
月夜の猫-BL小説です 花さそう39 BL小説 良太は工藤を振り仰いだ。 「だから、工藤さんも一緒に驚いてくださいよ。時間まであと少しなんですから」 フン、と工藤は鼻で笑う。 「驚くって言っても、そんな驚くような企画じゃないんですよ。まあ、平さんから以前ちょっと聞いた話を思い出して」 良太は言った。 「杉田さん
月夜の猫-BL小説です 花さそう(工藤×良太)37までアップしました BL小説 花さそう(工藤×良太)37までアップしました。氷花(京助×千雪)24(ラスト)までアップしました。 氷花、お付き合い有難うございました。 次回、ペンディング中の『かぜをいたみ』(京助×千雪)に向いたいと思います。 以前とは多少人物な
月夜の猫-BL小説です 花さそう37 BL小説 「工藤さん、もしご希望なら鑑定に出しますが?」 藤堂がやんわりと問いかけた。 「沢村じゃないが、俺は本物だろうがかまやしない。騒がれるのもごめんだしな」 工藤はフンと鼻で笑う。 「そうおっしゃるだろうと思いました」 藤堂は笑みを浮かべた。 「蒐集家のターゲットにさ
月夜の猫-BL小説です 花さそう36 BL小説 みんなのあとから屋敷に入った工藤は杉田に「来てくれたのか、すまないな」と声をかけた。 「このお屋敷が賑やかになるの、あまりないことですもの」 笑顔でお茶を振舞う杉田が続けて「ぼっちゃ……」と言いかけたのを工藤は遮って「平造、好きなように見てもらうからあとはい
月夜の猫-BL小説です 花さそう34 BL小説 帰りは良太が運転したが、スキー用具を積み込む際、牧のスキーがかなり年季が入っているのを見て取った良太は、少しでも牧が売れるようになればいいがと思う。 日比野が推すくらいだから、牧の舞台での演技力はそれ相応のものがあるのだろう。 ふと、人気俳優となった本谷和正のこ
月夜の猫-BL小説です 花さそう(工藤×良太)33までアップしました BL小説 花さそう(工藤×良太)33までアップしました。氷花(京助×千雪)20までアップしました。ちなみに「花さそう」と「氷花」はちょうど冬のエピソードですが時間的には約10年程開きがあり、「氷花」では京助も千雪もまだ工藤と知り会う前になります
月夜の猫-BL小説です 花さそう33 BL小説 映画のエキストラに牧を連れてきたのは監督の日比野だった。 「割と肝の据わったマジメな役者なんです。若くてタッパもあるし見てくれもいいのに地味に小劇団で舞台をやってて、なんてのかな、いい役者になるって言う片鱗を見た気がして」 日比野の言葉に感化されたわけではないが、た
月夜の猫-BL小説です 花さそう32 BL小説 工藤と良太が上のコースに行ってみたりしているうちに、森村はもう牧について行ける程になっていた。 十二時半頃、森村がスキーセットをレンタルしたロッジに集合し、ランチを取った。 工藤に一生懸命ついて回った良太には、何だ、もうそんな時間か、と少しばかり残念な気がした。
月夜の猫-BL小説です 花さそう31 BL小説 リフトを降りた時に、森村が前にいる良太にぶつかりそうになったところを、牧が後ろから止めてくれた。 「お二人は先にどうぞ。俺、モリーと一緒に少しずつ降りていきますから」 そういう牧は、ドラマで出番を待ちながら大きな身体を縮こまらせている時とは打って変わって頼もし気だ
月夜の猫-BL小説です 花さそう30 BL小説 「食事会については以上です、よろしくお願いします」 良太が話し終えるのを待って、後ろにいた佐々木が「すみません、工藤さんの別荘見学のことで、いいですか?」と声を掛けた。 「あ、そうでした。何時頃になりますか?」 良太が聞き返すと、「お昼住んでからやと、二時くらい
月夜の猫-BL小説です 花さそう(工藤×良太)29までアップしました BL小説 花さそう(工藤×良太)29までアップしました。氷花(京助×千雪)14までアップしました。
月夜の猫-BL小説です 花さそう29 BL小説 「総菜、まだ仰山あるなあ」 佐々木は沢村がテーブルにつくのを確認しつつ、キッチンで片づけを手伝っていた。 サラダやハム類、スープ、それともともとたくさん煮た大根の煮物。 「サラダは和え物にして、野菜はちょっと炒めて昼に誰でも食べられるようにまた出しておく」 佐々木
月夜の猫-BL小説です 花さそう28 BL小説 「研二さん作ったんですか?」 「うん、大根食べとうなって」 研二は控えめに頷いた。 「ほんまに美味い。今度レシピ教えて下さい」 佐々木も気に入ったらしく、しきりと感心している。 四人がテーブルに向かい合って食べていると、ぞろぞろと皆が階段を降りてきた。 「美味そう
月夜の猫-BL小説です 花さそう26 BL小説 そこへ一人遅れてやってきたのは佐々木だ。 「あ、佐々木さん、こっちいらっしゃいよ」 理香ににっこり笑みを返す佐々木だが、沢村はソファを立って佐々木をカウンターに連れて行く。 「あらら、佐々木さんさらわれちゃったわ」 肩を竦めながら理香が速水を意味ありげに見た。
月夜の猫-BL小説です 花さそう25 BL小説 「いい加減部屋に戻ったらどうです? 風邪引きますよ」 秋山が何度目かのアスカへの苦言を口にした。 「だって、セシル寝てるからこそっとしないとダメみたいじゃない?」 「恵美さんも久々スキーやって、かなり堪えたらしくて、寝ちゃってるみたい」 直子もアスカに同調するよ
月夜の猫-BL小説です 花さそう(工藤×良太)24までアップしました BL小説 花さそう(工藤×良太)24までアップしました。氷花(京助×千雪)8までアップしました
月夜の猫-BL小説です 花さそう24 BL小説 「そうだ、工藤さん。佐々木さんが、工藤さんとこの別荘にある作品見せてもらいたいんだと」 沢村が工藤に言った。 「かまわないぞ、いつでも。俺がいなくても平造がいる時なら」 「何かしら? 工藤さんの別荘の作品って」 理香がそれを聞きつけて工藤に聞いた。 「いや、なんか
月夜の猫-BL小説です 花さそう23 BL小説 「じゃ、コニャックを頼むよ」 速水が言った。 「ジントニックお願いできる?」 理香が聞いた。 「わかりました」 「マティーニとかいいかしら?」 彩佳が聞いた。 「もちろん。工藤さん、バカルディでいいですか?」 「ああ」 工藤は頷いた。 「あたし、何を飲もうかな」
月夜の猫-BL小説です 花さそう22 BL小説 頭にタオルを巻いてバスローブ姿のアスカは、良太の注意にも馬耳東風で、カウンターに入って行くと、ソーダをグラスに注いでゴクゴクと飲んだ。 「はあーっ、生き返った」 「オヤジな発言!」 「うるさいわね、良太。ちょっと長湯し過ぎちゃって、喉乾いちゃって」 そこへ牧や森村
月夜の猫-BL小説です 花さそう21 BL小説 「どうぞ」 速水が工藤と良太の前にグラスを置いて向かいに座った。 「ありがとうございます」 良太はほとんど炭酸かというロンググラスに口をつけた。 工藤は彩佳を覚えていなかったが、住田という名前に記憶があった。 三友フィナンシャルの住田か? いつの間に良太のやつ、知
月夜の猫-BL小説です 花さそう20 BL小説 「キッチン、去年よりすごいことになってて。業務用のでかい食洗機があるんです。食器とか片付けるのもすげえラクで」 良太はこんな風に工藤が仕事を離れてゆっくりしていることが何だか嬉しかった。 「手伝っていたのか?」 「ええ、今さっき終わったとこです。あ、でも、社員さん
BLを読み始めたのが2、3年前でドはまりするきっかけになったのが「僕のおまわりさん」でした。誠治くんと晋ちゃんとチコたんが可愛すぎる3巻の表紙晋ちゃんの10年以上にも及ぶ思いが誠治くんに届いたときに涙。誠治くんの人間愛に涙。あと二人の生活に
月夜の猫-BL小説です 花さそう18 BL小説 「最初はいずれ会社はお前に任せればいいかと思っていた。無論お前が望めばだが。しかし、アスカの操縦はお前じゃないとダメだろう。独立という手もある。バックアップは惜しまないぞ」 すると秋山はややあって神妙に答えた。 「ありがとうございます。その言葉を疑いませんよ