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どうしても、現在の拙僧どもからすると、『梵網経』を重視してしまうことになるのだが、実際の菩薩戒の参究となると、『瑜伽師地論』(及び同論と同系統の各種訳本)を参照しなければ話にならないわけで、細々ではあるが、先行研究を含めて色々と見るようにしている。その上で、『瑜伽師地論』に於ける「四種他勝処法」を見ていくと、「菩薩戒」の位置付けが理解出来るように思う(先行研究として佐藤達玄先生『中国仏教における戒律の研究』木耳社・1986年、347~360頁参照)ので、その辺を見ておきたい。まず、「四種他勝処法」とは、以下の通りである。其れ四種他勝処法有り。何等とか四と為すや。若し諸菩薩、欲貪の為に利養恭敬を求めれば、自讃毀他す。是れを第一他勝処法と名づく。若し諸菩薩、資財有るを現すれば財を性慳するが故に、苦有り貧有り依...『瑜伽師地論』に見える四種他勝処法について