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さて、前回の記事から、『出定笑語』(全4巻)の第2巻に入っている。そして、前回は国学者・平田篤胤(1776~1843)による釈尊成道評を紹介したわけだが、成道した釈尊は続いて、初転法輪に進む。今回はそんな話の筈だが、篤胤は意外なところで引っかかる。それは、実際の本文を見ながら紹介しよう。斯で彼石上を起て山を下り、彼車匿憍陳如が輩五人のおつたる波羅奈国に来ると、かの五人の者は悉多が食を受け食たる事を知りおるによつて、互に語り合には、「瞿曇、苦行を棄て、飲食の楽を受く。志す所、獲ず。今、既に此に来る。我等、須らく起て之を迎えざるなり。亦た礼敬を作すこと勿れ」、と云合せて各々もく然としておつたが、さすがそこへきてはさうもならず、かれこれと世話やいたと云事でござる。『平田先生講説出定笑語(外三篇)』54頁、漢字な...釈尊による初転法輪(拝啓平田篤胤先生24)