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まずは、この一節をご覧いただきたい。遺範要略一退蔵峯は老僧の在世隠棲・滅後葬身の地なり。有志の道者三五箇安居を結会して専要に元古仏の坐禅箴・儀両篇に依りて只管に弁道するなり。一老僧、化を戢むるの日は他に告報すべからず。且つ年回の時、牌前の荘厳、一切致すべからざるなり。一老僧を供養せんと欲する者は、欽んで『正法眼蔵弁註』を拝閲すべし。是を第一の孝順心と為すべきなり。云々享保二十年乙卯十二月十日老螺蛤天桂花押『永平正法眼蔵蒐書大成』巻15・709頁上段、訓読は拙僧以前、天桂伝尊禅師(1648~1735)は坐禅に熱心だったはずだと聞いたことがあったが、その典拠がこの一文だった(はず・汗)。その意味で特に見て欲しいのが第一条なのだが、この退蔵峯陽松庵にて有志の道者が3人でも5人でも安居して、道元禅師の『正法眼蔵』...或る眼蔵家の遺言