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おゆずりというのは、経帷子などとも呼び、我々の記憶の中では、お遍路さんが身に着けているイメージがあると思う。そこで、現在の授戒会では、正授道場に於いてこれを身に着け、その上で登壇するという。しかし、このような授戒の際におゆずりを身に着けるというのは、何を根拠にしている威儀なのだろうか?この辺を簡単に調べてみたい。まず、現今の作法の基準となる『昭和修訂曹洞宗行持軌範』(昭和63年)では、この件についての指摘が無い。併せて、近現代の授戒会作法の多大なる影響をもたらした、石川素童禅師御提唱『戒会指南記』(昭和7年)を拝読したが、おゆずりなどは出てこない。もう一つ参照したのが、江戸時代末期の戒会作法を伝える『尸羅会中内口伝』だが、こちらについても、特に出てこない。ただし、記戒会作法書の中で、戒弟の服装などについて...授戒会・正授道場時の「おゆずり」について