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以前にアップした【「六頭首」の一考察】の中で、「六頭首」を考えているウチに、そういえば「知庫」という、知客・知蔵・知浴・知殿に並んでいかにも「頭首」みたいな名称の役職なのに、実際には「六頭首」に入っていないことが改めて気になった。それで、この記事では「知庫」という配役について調べてみるものである。それで、まずは漢訳律典を調べてみると、以下の記述を見出した。客比丘、遂に庫を開き、偸みて鉢を将ち去れば、知庫比丘、応に鉢を償うべし。『善見律毘婆沙』巻9、『大正蔵』巻24・738cこの『善見律毘婆沙』であるが、5世紀に学僧ブッダゴーサが現在のスリランカで撰述した律蔵註釈書の抄訳だとされる。つまりは、上座部系の律蔵に対する註釈である。他の律典に「知庫」が見られないのは、「律」本文には無くて、註釈書にあるからであろう...「知庫」って何だ?