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月夜の猫-BL小説です 好きだから2 BL小説 そのあり得ないことはハロウィンの一夜限りのラブアフェアに終わらず、未だに現実として歴然と、仕事以外の佐々木の大部分を支配していると言っても過言ではない。 沢村のことは、初めは鷹揚で達観している大人で、佐々木を今の仕事に引き込んだジャストエージェンシーの社長春日
月夜の猫-BL小説です 好きだから1 BL小説 今年は暖冬といわれているが、十月も末ともなれば枯れ葉も舗道に舞うし、ビル風も明らかに冷たく耳のそばを吹き抜ける。 「う、さむ……」 佐々木周平は思わずカーコートの前を掻き合わせた。 スキーもやるし、吹雪の北海道へ仕事で行くこともある。 だが、このビル風が昔から佐々
月夜の猫-BL小説です 好きだから BL小説 「恋ってウソだろ?!」「限りなく傲慢なキス(工藤×良太)」「好きなのに」などの後日談になりますm(__)m。(R18) 沢村は出会ってちょうど1年となるハロウィンに佐々木と会おうと画策しているのだが、佐々木はとにかく忙しい。そんな時、ただでさえ敬遠したい父親らの
月夜の猫-BL小説です 恋ってウソだろ?!71 BL小説 馴染みの居酒屋の暖簾をくぐると、カウンターもテーブルも、一年の労を労い合う会社員の赤い顔で満杯だった。 二階から聞こえてくる賑やかさは一段とテンションが高そうで、佐々木は一瞬上に上がるのを躊躇したほどだ。 ジャスト・エージェンシーの忘年会は毎年、この
月夜の猫-BL小説です 恋ってウソだろ?!64 BL小説 母親を安心させたい……か。 うちが家庭崩壊しているから、そんなこと考えもしなかった。 空のグラスに注がれたバーボンを、沢村はまた一気に飲み干した。 「大丈夫? 何かあったの? そういう時は言葉にしちゃった方が楽になるわよ」 マリオンに声をかけられて、そ
月夜の猫-BL小説です 恋ってウソだろ?!63 BL小説 グラスを握る手に力が入り、沢村は一気に飲み干した。 そう、あのハロウインの夜、あの人、最初、すんげー美人って思ったんだ。 近づいて話しかけたら、男だった。 あの人は既に結構酔っていたし、どうやら振られたような話で意気投合して、部屋にあの人を連れて行った
月夜の猫-BL小説です 恋ってウソだろ?!50 BL小説 「………ええ加減にせぇや! あとになって野球やめたんは俺のせいやなんて言われても、俺には責任取られへん!」 「俺にとって何が大切かは俺が決めることだ。今までも、これからも」 トモは語気を強めて言い切った。 「……強いんやな。俺はあかん。すぐいろいろ
月夜の猫-BL小説です 恋ってウソだろ?!49 BL小説 「はい、やっぱ、あかんかった? 直ちゃん」 「トモです」 てっきり直子だと思って取った受話器の向こうから聞こえてきた声に、佐々木は絶句する。 「今晩、会えませんか?」 低い、静かな声だった。 おいおい、こんだけ電話無視されたら、会いたくないんやと思うや
月夜の猫-BL小説です 恋ってウソだろ?!48 BL小説 クリスマスイブ、東京の空は朝からぐずついていて、せっかくのイリュミネーションも雨に煙っている。 直子はジャスト・エージェンシーに出かけたので、佐々木は一人でパソコンに向かっていた。 仕事がもたついている。 昨日の休日も一人オフィスに出てきてやっていたの
月夜の猫-BL小説です 恋ってウソだろ?!47 BL小説 『あいつ何か失礼なこと言いませんでしたか? マスコミとかにメチャ無愛想で、上から目線だし。一応、ちゃんと礼儀正しくしろよとは言っておいたんですけど』 「いや、……そんなことは。良太ちゃん、随分親しいんやね? 沢村選手と」 『親しいってか、ガキの頃からリ
月夜の猫-BL小説です 恋ってウソだろ?!46 BL小説 シャンパンゴールドの煌きに通りは彩られていた。 仕事で丸の内に来て、外に出てみたら既に日は暮れていたが、豪奢な光の渦に佐々木は目を細めた。 クリスマスまであと数日、あちこちのイリュミネーション・スポットでは今年最後の輝きを競っているようだ。 それはい
月夜の猫-BL小説です 恋ってウソだろ?!45 BL小説 「うん、でも、随分前の話だよ。最近、全然そういう話聞かないし。女子アナの間じゃ人気NO1なんだけど、その女子アナですら声かけるのぴりぴりしてるみたいだし、とにかく超硬派ってとこが、またカッコいいよね」 「ふーん」 いずれにせよ、こいつは、ダメや。 夢か
月夜の猫-BL小説です 恋ってウソだろ?!44 BL小説 「あーん、もう始まっちゃってるぅ!」 そこへバタバタとキッチンから直子が駆け込んできた。 『そうだ、肝心なことを忘れてました! 昨年に引き続き、三冠王、おめでとうございます!』 三冠王? 急速に佐々木は身体が冷えていくような思いがした。 『ありがとうご
月夜の猫-BL小説です 恋ってウソだろ?!43 BL小説 「佐々木ちゃん、ちょっとだけテレビ見ていい? どうしても見たい番組があって」 「かまへんよ。ついでにオンエアされてるCM、チェックしてて」 佐々木はコーヒーを持ってパソコンの前に戻った。 「何かおもろいもんやんの?」 「うん、あの人、滅多にトーク番組みた
月夜の猫-BL小説です 恋ってウソだろ?!42 BL小説 「あ、ゴメン、起こしちまったか?」 朝、佐々木が目が覚めるとすっかり身支度を整えたトモが立っていた。 「いいよ、まだ寝てて」 身体を起こそうとした佐々木を制して、トモは微笑んだ。 「この部屋、年間契約してるから、いつまでいても構わないし。こんなこと言う
月夜の猫-BL小説です 恋ってウソだろ?!41 BL小説 「佐々木ちゃん、外寒いから、ちゃんと髪乾かさなきゃだめだよぉ?」 直子は佐々木の相手が例え男だったとしても、そうなんだ、で納得してしまうかもしれない。 ただ二人の関係をどう説明すればいいのかわからない。 とにかく、今夜はトモに会えるのだ。 師走を吹き抜