鈴木正三道人が示す「持戒」論
鈴木正三道人については、拙Wikiの解説でもご覧いただければ良いと思うが、まずは元武士で戦場働きをしたこともある人が、仏教の「持戒」についてどう説いているかが気になるのである。以下の一節を学んでみよう。○四十三工夫を倣って、疑情を発すも起たず、便ち有為の功行を倣わんと欲す。或いは解脱を倣い、或いは苦行を行い、冬は炉せず、夏は扇がず。人来て衣を乞えば、便ち全身脱去し、甘心凍死す、之を解脱と謂う。人来て食を乞えば、便ち自己は食わず、甘心餓死す、之を解脱と謂う。更に種々有り。具さに説くべからず。総じて之を諭すに、皆是れ勝心の無知を誑惑せしむる所なり。彼の無知は、是れを活仏と謂い、是れを菩薩と謂い、其の形命を尽くして承事供養す。殊に知らずや、仏戒中、之を悪律儀の業と謂う。是れ持戒なりと雖も、歩歩に結罪す。師、衆に...鈴木正三道人が示す「持戒」論
2024/05/19 08:48