メインカテゴリーを選択しなおす
これまでの数回、特に注意して見てきたように、江戸時代後期の国学者・平田篤胤(1776~1843)の『出定笑語』では、釈尊の伝記について『過去現在因果経』を中心に見ていることが分かった。そこで、個人的に『過去現在因果経』も見るようにしていたのだが、篤胤の講談の内容で仏教語の定義について語る際に、別の文献の名前が見えたので、確認しておきたい。その前に、篤胤は「仏・仏陀」という用語の定義を考察している。この如く一切のことをさとつたものと云義で仏とはいひ、その道を仏道とは云てござる。仏とは天竺の詞で翻訳名義集によつて見れば、仏陀こゝには云智者学者とあるから、さとつた人といふことでござる。『平田先生講説出定笑語(外三篇)』58~59頁以前から、篤胤が参照した文献の解明を目指しているのだが、ここでは『翻訳名義集』の名...篤胤が語る「仏陀」の意味(拝啓平田篤胤先生28)