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現在の曹洞宗の宗典になっている『修証義』の思想構造について考えてみると、いわゆる「四大綱領」を基本にしていることは明らかだが、「四大綱領」を考えた大内青巒居士の見解を参照すると、大事なのは「受戒入位」と「行持報恩」になる。そして、これは以前、別の文章でも書いたことがあるのだが、青巒居士がこの2つを基本に据えたのは、「四恩十善」という考えが元になっているとされる。「四恩十善」については、青巒居士が主体的に関わった明治時代初期の仏教結社であった和敬会や明道協会などで重視された。そして、この記事で見ておきたいのはこの原典であり、本来ならばどういう文脈で語られたものなのか?ということである。然るに、「四恩十善」というのは、伝統的な文脈に存在しているのだろうか?その辺について見ておきたい。ところで、青巒居士は浄土宗...「四恩十善」にかかる雑考