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道元禅師が仰った世尊による「二十年の遺恩」「二十年の福分」などについて、実は結構難しい問題を含む。①然れば出家人は、学仏の力によりて食分も尽くべからず、白毫の一相、二十年の遺恩、歴劫に受用すとも尽くべきにあらず。長円寺本『正法眼蔵随聞記』巻1-3②況やまた仏二千年の福分を以て末法の我等に施す。是に因て天下の叢林、人天供養不絶。長円寺本『随聞記』巻2-13良く知られているのは、『正法眼蔵随聞記』であろうと思う。なお、この一節の典拠は、特に①が分かりやすいとされる。世尊二千年の遺蔭、児孫を蓋覆す。白毫光の一分の功徳、受用すれども尽きず。『禅苑清規』巻8「亀鏡文」『随聞記』では、上記の一節を少し入れ替えていますが、「白毫」の記述も含め、明らかに影響を受けている。そして、「亀鏡文」をそのまま引いたと思われるのが、...道元禅師が示す「世尊二十年の遺恩」について