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『解深密経』とは、いわゆる法相唯識に於ける正依の経典である。他には論書の体裁を採っているわけである。その中に、六波羅蜜を論じる箇所があるが、戒(尸羅)波羅蜜についても言及があるので、そこを見ておきたい。観自在菩薩、復た仏に白して言わく、「世尊、是の如き六種波羅蜜多、各おの幾種の品類差別有るや」。仏、観自在菩薩に告げて曰わく、「善男子よ、各おの三種有り。施の三種とは、一には法施、二には財施、三には無畏施なり。戒の三種とは、一には転捨不善戒、二には転生善戒、三には転生饒益有情戒なり。忍の三種とは、一には耐怨害忍、二には安受苦忍、三には諦察法忍なり。精進の三種とは、一には被甲精進、二には転生善法加行精進、三には饒益有情加行精進なり。静慮の三種とは、一には無分別寂静極寂静無罪故、対治煩悩衆苦楽住静慮、二には引発功...『解深密経』に見る三聚浄戒について