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『沢水法語毎聞記』という文献は、越後国出身と伝えられる沢水長茂禅師という人が、出家・在家問わずに聴聞に来た人に語ったことを、侍者の恵俊という僧がまとめたものであり、全28節からなる。拙僧の手元には、元文五載庚申二月に恵俊が跋文を記し、京寺町野田弥兵衛・江戸通石町野田太兵衛蔵版の印刻本がある。『澤水法語(全)』の題簽(内題は、『澤水法語毎聞記』)を持っているものだが、今日はそれから翻刻しつつ参究してみたいと思う。ところで、色々と調べてみたのだが、この沢水和尚という人は、元々上杉謙信(1530~1578)に仕える武士だったようだが、その後出家して、臨済宗の抜隊得勝禅師(1327~1387)の法語を読んで宗旨を得たという。『沢水法語毎聞記』の「十八抜隊法語の初行を示す事」で同法語を採り上げており、自身の提唱にも...『沢水法語毎聞記』「持戒行事」参究