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お立寄り有難うございます。お気楽ハピエンBL小説です 幻月54 BL小説 男の名は石尾健斗三十八歳。 石尾不動産社長で、二週間ほど前に行方不明になっていた男だ。 その記事を読んでも大抵、へえ、で終わる程度だし、島本組系列でもことが麻薬関係ではトバッチリを避けて誰も何も言わないし、インテリヤクザで偉ぶっていたくせ
月夜の猫-BL小説です 幻月53 BL小説 結局、この事件は新聞、テレビ、ネットを通して一時あっちでもこっちでも大いに報道されたが、工藤の名前はどこにもなく、またしても小林千雪とその仲間たちのお陰で、警察も運よく冤罪の謝罪会見をするところを逃れたわけである。 事件報道の空騒ぎもやがて人気芸能人の不倫報道にとって
月夜の猫-BL小説です 幻月52 BL小説 今はさほど問題なく思えたとしても、何かのはずみでフラッシュバックするということもある。 良太は千雪の部屋まで直子に付き添ってきていた。 「今のところ大丈夫だと思うよ」 医師が帰った後、京助が入れてくれた珈琲を一口飲んでから、直子は言った。 「本当にご心配おかけしました
月夜の猫-BL小説です 霞に月の85 BL小説 「だけど工藤さん、こういう反社会勢力とか政治家が大嫌いで」 香坂はフフっと笑う。 「昔からヤクザ嫌ってたよ。でもそもそもなんで、高広がヤクザに狙われるわけ?」 「はあ、それは、おそらく、跡目争いのせいで。主に二つの組系列が争ってて、工藤さんを担ぎ出されたら困る連
月夜の猫-BL小説です 幻月51 BL小説 「ああ、この男が振り回していたナイフはそのテーブルの上のビニール袋の中にあります」 谷川が橋本に言った。 「この男以外に素手では触っていません」 すかさずそう付け加えた谷川をじっと見つめた橋本は、「失礼ですがご同業ですか」と丁寧に尋ねた。 「元です」 「そうですか」
月夜の猫-BL小説です 幻月50 BL小説 「でもな、俺も、留守の間会社を守らなけりゃっては思ってたんだけど、皆が動いてくれているのに、自分が動けないのがもどかしくてさ、実は、直ちゃんに何か言う資格はないんだどさ。ってより、俺、何もできなかったからな」 そんなことを話しているうちに、先ほどの建物に着いて、良太
月夜の猫-BL小説です 幻月49 bl小説 「俺らもだけど、谷川さんとか、工藤とか、おっさんら、もろ心臓にくるから、これきりにして」 ちょっと柔らかい言葉で良太は直子を窘める。 「はい!」 元気よく直子は返事をする。 「なんか、千雪さんのお友達って、すごいタフそうな人ばっかだね」 「だよね~。今回俺なんか出て
月夜の猫-BL小説です 幻月48 bl小説 「別に、何もしてませんよ、俺は。千雪さんにもここにいろって言われたし」 良太は波多野を少し睨み付けて反論した。 「まあ、どうやら実行犯は皆さんが捕まえてくださったようだし、証拠も見つかったらしいから、やつらがあらいざらい吐いてくれれば、工藤さんは出てこられるでしょう。
月夜の猫-BL小説です 霞に月の82 bl小説 一方、秋山は工藤が東京に戻る前に、気になって十二時を少し回った頃、車を飛ばして会社の七階にある良太の部屋を訪ねている。 だが全く応答はないので、仕方なく階下に降りてきた。 警備員は十二時に交代しているので、良太のことはわからないだろう。 良太がいつも使っているジ
月夜の猫-BL小説です 幻月47 bl小説 やがて、将太が向こう側で大きな物音をたてた。 出水が立ち上がってそっちの方へ向かった。 直子も立ち上がったが、どうやら良太からの電話に気づいたらしい。 谷川は直子がスカートをまくり上げて携帯を取り出した時は、思わず目を覆いたくなったが、彼女は冷静だった。 「窓から逃
月夜の猫-BL小説です 霞に月の81 bl小説 すかさず森村が背後から腕をねじ上げて銃を取り上げ、男を床に蹴り倒して銃をその頭に突き付けた。 「女性はどこだ?」 「てめぇ、何もんだ!」 「吐かないと撃つ」 男の耳元でセイフティレバーが外れる音がした。 「や、やめろ! 俺は知らねぇ! 中国の船がどうとか聞いただけ
月夜の猫-BL小説です 幻月46 bl小説 『あんたのとこにも変な脅しがきたんだ? もうちょっとヤバイんじゃない? 今夜なんかヒロと木戸がまたうちの女の子連れて、奥多摩行ったのよ。もうあいつら、何しでかすかわかんないし! あたしはあんたたちのトバッチリを食うのなんかごめんだから! 何言ってんのよ! 田口! ママ
月夜の猫-BL小説です 幻月45 bl小説 藤堂にしてみれば、あり得ない失策だった。 直子に盗聴器をつけさせたことも、それより店に潜り込ませたこと自体、自分をぶん殴りたいくらい憤懣やるかたない思いが渦を巻く。 藤堂はアクセルを踏んでスピードを上げると、前を走っていた車を三台ほど追い抜いた。 ミラーの中の車が小さ
月夜の猫-BL小説です 幻月44 bl小説 「腕に自信があるやつならな」 黙って運転していた京助が付け加えた。 良太はクソ、と思う。 確かに、京助と辻は腕に自信がありそうだ。 千雪もそれこそ竹刀でなくても傘とかでもあれば有段者だというし。 俺なんか沢村と取っ組み合ったっつっても、せいぜいガキの頃だしな。 とにか
月夜の猫-BL小説です 霞に月の(工藤×良太)79までアップしました bl小説 霞に月の(工藤×良太)79、恋ってウソだろ?!21、幻月(工藤×良太)43、までアップしました。 月で逢おうよ(幸也×勝浩)43 ラストまでお付き合い頂きありがとうございました。
月夜の猫-BL小説です 幻月41 bl小説 「……何か俺、怖くなってきた。大丈夫なんだろうな? 山に埋めた女とか、まさか一緒に埋めた赤いドレスじゃねぇだろうな? その女の!」 「ばーか、ありゃ、血だらけで使いもんになりゃしねぇだろうが!」 いつの間にか直子は男たちの方へ近づいて、その会話をはっきり聞いてしまった
月夜の猫-BL小説です 霞に月の77 BL小説 おそらく組絡みに違いない、工藤と一緒にいる香坂を見たのだろう、と良太は判断した。 千雪にも同じメッセージを送った。 これだけの情報で千雪ならすぐに工藤絡みだと察してくれるだろう。 Copy. take care、と森村から返信が来てすぐ千雪からもラインが入った。
月夜の猫-BL小説です 霞に月の(工藤×良太)76までアップしました BL小説 霞に月の(工藤×良太)76、幻月(工藤×良太)40、月で逢おうよ(幸也×勝浩)39、恋ってウソだろ?!18 までアップしました
月夜の猫-BL小説です 幻月40 BL小説 藤堂がこういう店に慣れているのは、散々同僚の河崎に付き合わされたからだが、無論、上質なオーダーメイドのスーツが板についているところといい、一流のホステスならその雰囲気からも藤堂が富裕層に属していることは嗅ぎつけるだろう。 しばらく女の子には常に慕われ慣れているオー
月夜の猫-BL小説です 霞に月の76 BL小説 「俺にできることがお前にできないことがないって人だから。いや、俺、辛うじて喋ってますけど日本語、読み書きは未知に近いんで。アプリのインストールだとか日本語じゃないですか」 森村が苦笑する。 「預かってもよければ設定しとくけど」 「ああ、お願いします。当分古い携帯使
月夜の猫-BL小説です 幻月39 BL小説 グラスに酒を注いだり、氷を入れたりというような仕事も、卒なくこなし、言葉遣いも控えめで丁寧な上、色々なお稽古事を子供の頃からこなしている直子は姿勢もよくきれいな仕草が一層エレガントに見せている。 だが、その紳士の手が身体に伸びた時、内心直子はぞっとした。 そして藤堂が
月夜の猫-BL小説です 霞に月の75 BL小説 「ああ、工藤の同級生とかって言ってたな。T大の香坂准教授」 「そうだ、インテリ軍団の」 「そういえば、モリー、彼女とどうなんだよ」 良太は香坂と工藤のことをあれこれ森村が詮索する前に話題をずらした。 「ソフィ? あれから一回会った。休みがなかなか合わないからな。で
月夜の猫-BL小説です 幻月38 BL小説 「おお、名探偵コナン氏とその仲間たちか」 中のメンツを見回すと、今一つ張りのない声で藤堂は言った。 「すみません、お呼びたてして。店に戻られるのならこれをお願いしたいんですが」 良太は加藤から渡された小さな盗聴器二つを何も言わずに手に取った。 「テープはがせばくっつきます
月夜の猫-BL小説です 幻月37 BL小説 「やから、プラグインの藤堂さんとか入ってったやろ?」 「あ、それ! 何でって思ったんです。まさか藤堂さん、どこかから工藤のこと」 「まあ、あり得ないことやないけど。それより、佐々木さんとこの直ちゃん、その前にえらいバッチリなメイクで店入ってったで」 「うそ!」 それは
月夜の猫-BL小説です 幻月36 BL小説 どう見ても人相がいいとは言えない、ブランド物のスーツが浮いている雰囲気の男は、クソと舌打ちしてまた中に戻っていった。 「………もろ、下っ端ヤクザって感じだな………」 この手の店はバックに反社会的勢力がついていることが多いとはよく聞く話だ。 「あ、あれって確か、出水とか
月夜の猫-BL小説です 霞に月の72 BL小説 早朝福岡から羽田に着いた工藤は、会社の前でタクシーを降りると、オフィスに続く階段を上がっていた。 十時まではあと十五分ほどというところで、工藤はちょうどタクシーが会社の前に止まるのを見下ろした。 すると良太が慌てて車を降りてエレベーターへと走っていくのが見えた。
月夜の猫-BL小説です 幻月35 BL小説 鈴木さんが帰ると、良太は自分の部屋にそそくさと上がり、猫たちのお世話をしてから、クローゼットを覗き込んだ。 以前工藤の命で誂えたブランド物のスーツを着ると、髪形も滅多にやらないがジェルで前髪をかきあげるように整え、いつものリュックではなくかっちりしたブリーフケース
月夜の猫-BL小説です 霞に月の(工藤×良太)71までアップしました BL小説 霞に月の(工藤×良太)71、幻月(工藤×良太)34、月で逢おうよ(幸也×勝浩)33、恋ってウソだろ?!12、までアップしました
月夜の猫-BL小説です 霞に月の71 BL小説 「第一俺なんか、てんでそんな力もないし、あれは俺の黒歴史なんで、ほんと」 すると天野は、「すみません」と頭を下げる。 「わかってます。広瀬さんのせいだとかではないって。ほんと今は、こうやって話が出来て嬉しいです」 「え、いや、こちらこそです。ドラマではお世話になり
月夜の猫-BL小説です 幻月34 BL小説 「それと今さっき谷川さんからまた連絡が入ってね。彼の昔の情報屋経由でわかったんだが、木戸が近々金が入るみたいなことを言いふらしていたらしいが、どうやら木戸をこの事件に引っ張り込んだのは刑務所で知り合ったらしい出水という男で、傷害で三回ほど刑務所を出たり入ったりのヤツ
月夜の猫-BL小説です 幻月33 BL小説 「わかった。何かおかしなことがあったらすぐに俺のところにくるんだよ」 「ラジャ!」 パーキングから車で出ていく直子を見送って、のんびりと歩いていた藤堂だが、通りかかったタクシーを拾った。 ワンメーターほどの距離に嫌そうな顔をした運転手に、「悪いね、急ぐんで、釣りはいら
月夜の猫-BL小説です 幻月32 BL小説 「いやもちろんもちろん。それにその二人の話からも、完全に工藤さんをクロにできない何かがあるんだろう。当然、否認しているだろうし」 藤堂は一人頷く。 「うーん、とっくに名探偵コナン氏も動いているだろうけどね。小田弁護士もついているから」 「そうなんだけど、やっぱりさっき
月夜の猫-BL小説です 霞に月の67 BL小説 「それはまた……」 天野は気の毒そうな顔で良太を見た。 「いやいや、もう、いい思い出ってだけで、意気消沈してるわけじゃないですよ?」 「そうですか? さっき歩いてた時、かなり思いつめたような顔をしてたみたいだったから」 「え………」 ひょっとして、だから誘ってくれ
月夜の猫-BL小説です 幻月30 BL小説 滅多なことでは狼狽えることもない鈴木さんだが、彼女にしては怒り心頭といった目を二人の粗暴なやり方の刑事に向けていた。 「何か、出ましたか?」 年配の刑事と若手の刑事の二人組はやってきた小田の顔を見るとあからさまにムッとしたような顔をで頭だけ下げた。 「ちゃんと元通り