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【光栄三国志1攻略#6】光栄三国志1年攻略194年編 戦わずして勝つ!【劉備編】
戦わずして勝つ! 光栄三国志1は中国古代の三国時代を舞台にした歴史シミュレーションゲームでプレイヤーは知略と戦略で天下統一を目指します。 しかしこの目標は容易ではありません。 多岐にわたる戦略選択キャラクターの能力そして偶発的な出来事がプレイの毎回ごとに新たな挑戦を生み出します。 光栄の三国志1は1988年10月30日に光栄から発売されたファミリーコンピューター用歴史シミュレーションゲームです。 劉備軍で統一を目指し1年単位でプレイしていきます。 のんびりプレイなので不定期アップになりますがよろしくお願いしますm(__)m 三国志好きですがシミュレーションゲームあまり得意ではないので温かい目で…
【光栄三国志1攻略#5】光栄三国志1年攻略193年編 夏侯淵争奪戦!【劉備編】
夏侯淵争奪戦! 光栄三国志1は中国古代の三国時代を舞台にした歴史シミュレーションゲームでプレイヤーは知略と戦略で天下統一を目指します。 しかしこの目標は容易ではありません。 多岐にわたる戦略選択キャラクターの能力そして偶発的な出来事がプレイの毎回ごとに新たな挑戦を生み出します。 光栄の三国志1は1988年10月30日に光栄から発売されたファミリーコンピューター用歴史シミュレーションゲームです。 劉備軍で統一を目指し1年単位でプレイしていきます。 のんびりプレイなので不定期アップになりますがよろしくお願いしますm(__)m 三国志好きですがシミュレーションゲームあまり得意ではないので温かい目で見…
【光栄三国志1攻略#4】光栄三国志1年攻略192年編【劉備編】
192年編 光栄三国志1は中国古代の三国時代を舞台にした歴史シミュレーションゲームでプレイヤーは知略と戦略で天下統一を目指します。 しかしこの目標は容易ではありません。 多岐にわたる戦略選択キャラクターの能力そして偶発的な出来事がプレイの毎回ごとに新たな挑戦を生み出します。 光栄の三国志1は1988年10月30日に光栄から発売されたファミリーコンピューター用歴史シミュレーションゲームです。 劉備軍で統一を目指し1年単位でプレイしていきます。 のんびりプレイなので不定期アップになりますがよろしくお願いしますm(__)m 三国志好きですがシミュレーションゲームあまり得意ではないので温かい目で見てく…
【光栄三国志1攻略#3】光栄三国志1年攻略191年編【劉備編】
191年編 光栄三国志1は中国古代の三国時代を舞台にした歴史シミュレーションゲームでプレイヤーは知略と戦略で天下統一を目指します。 しかしこの目標は容易ではありません。 多岐にわたる戦略選択キャラクターの能力そして偶発的な出来事がプレイの毎回ごとに新たな挑戦を生み出します。 光栄の三国志1は1988年10月30日に光栄から発売されたファミリーコンピューター用歴史シミュレーションゲームです。 劉備軍で統一を目指し1年単位でプレイしていきます。 のんびりプレイなので不定期アップになりますがよろしくお願いしますm(__)m 三国志好きですがシミュレーションゲームあまり得意ではないので温かい目で見てく…
【光栄三国志1攻略#2】光栄三国志1年攻略190年編【劉備編】
190年編 光栄三国志1は中国古代の三国時代を舞台にした歴史シミュレーションゲームでプレイヤーは知略と戦略で天下統一を目指します。 しかしこの目標は容易ではありません。 多岐にわたる戦略選択キャラクターの能力そして偶発的な出来事がプレイの毎回ごとに新たな挑戦を生み出します。 光栄の三国志1は1988年10月30日に光栄から発売されたファミリーコンピューター用歴史シミュレーションゲームです。 劉備軍で統一を目指し1年単位でプレイしていきます。 のんびりプレイなので不定期アップになりますがよろしくお願いしますm(__)m 三国志好きですがシミュレーションゲームあまり得意ではないので温かい目で見てく…
【光栄三国志1攻略#1】光栄三国志1年攻略189年編【劉備編】
189年編 光栄三国志1は中国古代の三国時代を舞台にした歴史シミュレーションゲームでプレイヤーは知略と戦略で天下統一を目指します。 しかしこの目標は容易ではありません。 多岐にわたる戦略選択キャラクターの能力そして偶発的な出来事がプレイの毎回ごとに新たな挑戦を生み出します。 光栄の三国志1は1988年10月30日に光栄から発売されたファミリーコンピューター用歴史シミュレーションゲームです。 劉備軍で統一を目指し1年単位でプレイしていきます。 のんびりプレイなので不定期アップになりますがよろしくお願いしますm(__)m 三国志好きですがシミュレーションゲームあまり得意ではないので温かい目で見てく…
はじめまして、当ブログの管理人です。 当ブログはアフィリエイト広告を利用しています。 それでは、ごゆっくりとご
どうも、クイズで知識も楽しくゲットしたくなるブログです。小説やマンガ。そして、テレビの人形劇やゲームなどいろいろなメディア展開をした作品の1つといえば「三国志」ですね。「三国志」といえば蜀と魏と呉の三国を舞台にした物語でいろいろな登場人物がいること。登場人
すると、その隣にいた棒切れのような細長い顔の男が叫んだ。「率直にお尋ねする。曹操とは?」「漢室の賊臣なり」細長い顔の男は、小ばかにしたように鼻を鳴らした。「よくもまあ、いい切れるものよ。漢の命運は尽きているのは童子でもわかること。一方の曹丞相は天下の三分の二をすでに治め、良民もかれに付き従っておる。そんな曹丞相を賊呼ばわりするということは、名だたる帝王たちや武王も秦王も高祖も、みな賊となってしまおうぞ」おどけてみせる細長い顔の男の態度に、それまで穏やかな笑みを浮かべていた孔明は、急に顔をこわばらせると、これまでより声高に言った。「その無駄口を叩く口は閉ざされていたほうがよろしかろう。貴殿の言は父母も君主もない人間のことば。そもそも、曹操は漢室の碌を食みながら、邪悪な本質をあらわにし、天下の簒奪を試みている...赤壁に龍は踊る一章その9舌戦その2
急に空気がぴりっとしたのを受け、初老の男はこほん、と軽く咳をしてから言った。「わが名は張昭《ちょうしょう》、あざなを子布《しふ》という」「おお、ご高名はかねがね耳にしております」孔明は軽く礼を取る。張昭は慇懃に、うむ、と答えてから語りだした。「遠路はるばるいらした劉豫洲の使者に向けていうことばではないかもしれぬが、聞いてほしい。われらと同盟を組みたいと劉豫洲はおっしゃっているが、それはつまり、手を組んで曹操軍と戦おうということであろう?しかしその肝心の劉豫洲は、劉表の死後、荊州を取ることもできず、新野も追われ、みじめな逃亡を余儀なくされた。そも、荊州を取らなかったのは何ゆえか」「それは愚問ですな。わが君はもとの州牧である劉表どのとは同じ宗室ですぞ」「宗室か。つまり同族だからと言いたいのかね。ところで貴殿は...赤壁に龍は踊る一章その8舌戦その1
来歴はみなさまご存じのとおり。「奇想三国志英華伝」では、十代で公孫瓚に仕えたことにしている。年齢は、だいたい孔明より五歳くらい年上。※容姿※男らしく凛々しい容姿にめぐまれている。体格はいかにもしなやかそうで、角ばったところはすくない。張郃などは官渡で見た趙雲の後ろ姿を何年もおぼえていたほどで、背中で語れるタイプらしい。背丈は八尺(約180cmくらい)で、孔明とほとんど同じくらい。つねにあたりを警戒する癖がついているせいか、表情は険しいことが多いが、親しい者……とくに孔明にはさまざまな顔を見せているようす。ふだんは無口。なので逆に口をひらくと人が耳を傾けてくれる。核心をついたことを口にすることが多いが、声が若いのと、もともとの誠実な口調ゆえに、あまり相手に威圧感を与えずにすんでいる。めったなことでは自分から...奇想三国志英華伝設定集趙雲(子龍)
※魯粛の先導で柴桑城内へ向かう。城のまえには、馬だの馬車だの鹿車だのがずらりと並んでいて、ありとあらゆる身分の家臣たちがこの城内につどっていることが知れた。主人を待つ従者や御者たちの顔もまた、弛緩しておらず緊張しているように見えるのは、おれが緊張しているせいかな、と趙雲は思う。孔明はあいかわらず涼しい顔だ。客館には、胡済が待機している。変事があった場合は、用意した小舟に移動し、二人を待つよう指示を出しておいた。さすがの胡済も、この指示にはぶうぶういうことはなく、おとなしくわかりましたと答えてくれた。やがて城内に入ると、がやがやと大広間を中心に声が聞こえてきた。どうやら雑談しているなどと言う穏やかなはなしではなく、喧々諤々《けんけんがくがく》の議論が交わされているようだった。見れば、それぞれ五十名ほどの正装...赤壁に龍は踊る一章その7舌戦はじまる
3月7日木曜日に「設定集」を動かします(^^♪&「赤壁編」の進捗状況ほか
明日の3月7日、木曜日に、「設定集」を動かします。具体的には、「趙雲(子龍)」の項目を新しい原稿に差し替えます。すでに公開している原稿より、あたらしい原稿のほうが読みやすくなるのではないかと思います。どうぞお時間ありましたら、チェックしてみてくださいね♪それと、「赤壁編」の進捗状況です。おかげさまで、昨晩に一章目の下書きをかきあげることが出来ました!あとは肉付けして、推敲していけばできあがり(^^♪それもこれも、みなさまが閲覧してくださっているおかげ!とっても張り合いになっているのですよー。やっぱりたくさんの方に見てもらうと、緊張感もテンションもちがいますね。本日より、休まず二章目の制作にとりかかります。一章目は趙雲目線での進行でしたが、二章目からは孔明目線で進行させるかな、と思っています。二人の視線を交...3月7日木曜日に「設定集」を動かします(^^♪&「赤壁編」の進捗状況ほか
趙雲は周瑜と胡済が会った……あるいは再会した場合の「まずさ」について、素早く頭を回転させた。まず、胡済が刺客として江東に派遣されたことがある場合で、周瑜がそれを知ってる状態が、いちばんまずい。孔明が、かつて自分の命を狙った人物を連れてきたと思われてしまう。それでは喧嘩を売りますよと思っているのだと、勝手に受け止められてしまってもおかしくない。胡済だけが周瑜を知っていて、向こうが胡済を知らない、というのが一番穏便だ。胡済はおもしろくないだろうが、ここは我慢してもらうほかない。どちらかわからない以上、二人を対面させる機会はないほうがよさそうだ。「偉度と周公瑾を会わせるのはまずいな」趙雲が言うと、孔明もわが意を得たりという風に深くうなずいた。「周公瑾がまだ鄱陽湖《はようこ》にいるというのは幸いだ。明日、いきなり...赤壁に龍は踊る一章その6打ち合わせその2
※ともかくゆっくり休んでくれと魯粛は言い残し、夕暮れに客館から去っていった。あとのもてなしは、館の主人がしてくれて、三人はひさびさに温かい食事にありつけた。食事のあとは、明日へのかんたんな打ち合わせをし、それから解散となった。趙雲もあてがわれた部屋へもどる。どこからか、楽器こそ言い当てられないが、練習をしてるのだとおぼしき楽の音が聞こえてきた。客館のあるじに聞くと、近くで女楽(芸妓)が練習しているのだという。たびたび音を外すその音楽を聴きながら、そう言えば、周瑜という男は楽団が演奏しているとき、ちょっとでも誰かが音を外すと、その外した者のほうを振り返るのだったと、趙雲は思い出していた。周瑜はけっこう細かい男らしい。その話には、『江東の美周郎は音楽も解する、優雅で知的な貴公子』という意味合いが含まれているこ...赤壁に龍は踊る一章その5打ち合わせ
ほどなく、客館の主人が気を利かせて、茶とあんずの干したものを卓のうえにだしてくれた。みな、ありがたくそれを口にする。旅の疲れに茶の渋みと、あんずの甘味はほどよく沁みた。「ところで、孫将軍のところにはどなたが集まっておられるのです?噂の美周郎どのはすでにいらしているのですか?」あんずをぺろりと平らげた胡済の問いに、魯粛は、おや、というふうに答えた。「あんたは美周郎どのを知っているのかい、ご期待に沿えなくて申し訳ないが、公瑾どのはまだ鄱陽においでだ。水軍の調練で忙しいから、あとから柴桑にいらっしゃるだろう」「そうですか」「そう。それと、だ」魯粛は居住まいを正して、孔明をまっすぐ見た。「船の中でも打ち合わせで言った通り、孔明どのはざんねんながら歓迎されないだろう。いま、孫将軍のまわりでは降伏派が優勢なのだ」「な...赤壁に龍は踊る一章その4不審な胡済
「客館とやらは、まだ遠いのですか、くたびれてしまいました」ぼやきはじめたのは、胡済《こさい》、あざなを偉度《いど》である。趙雲がものめずらしさに、あたりをきょろきょろしているのに対し、胡済は十五という年に似合わず落ち着いていた。むしろお上《のぼ》りさんのようになっている趙雲に、「何が珍しいのやら、主騎なら軍師どのだけ見ていればよいものを」などと嫌みを言ってくるほどだ。あいかわらず、はりねずみのようなやつ、と趙雲はすこしむっとするも、相手が加冠しているとはいえ、まだまだ中身は子供であるから、本気で怒りはしない。「客館はもうすぐだよ。おれたちが帰って来たことは先に伝えてあるから、すぐに休めるようになっているはずだ」「段取りのよいことで」「まあな、そういうのは得意なのさ」魯粛は胡済の嫌みに近い言葉も気にせず、陽...赤壁に龍は踊る一章その3客館に到着
※柴桑《さいそう》への道中は、魯粛がのべつまくなしに江東の地の解説をしてくれることもあり、退屈するということはなかった。とくに趙雲は、これまで荊州から東南へ行ったことがなかったので、見るもの聞くもの、すべてがあたらしい。道中に目にするいかにも神仙がいそうな奇岩や、剣山をひっくりかえしたような山々は見ていて面白かった。刈り入れの終わった田圃《たんぼ》には落穂ひろいをしている女たちのほか、野鳥がにぎやかにさえずっていて、あぜには子供らが遊ぶ声がひびく。集落のまわりには冬支度をはじめている柴を背負った男たちの姿がある。かれらは遠くにいてその表情を見ることはできなかったが、おそらくだれもが穏やかな顔をしているだろう。まず思ったのは、江東は噂通り、豊かな土地だな、ということだった。未開の地と馬鹿にする中原の人間もい...赤壁に龍は踊る一章その2柴桑の街へ
ながくつづいた長江を下る旅は終わった。脚の裏が大地についたとたん、趙雲の口から思わず安堵のため息が出た。船に揺られっぱなしの旅であった。夏口から船に乗った趙雲と孔明らは、長江をくだり、豫章郡《よしょうぐん》柴桑県《さいそうけん》へたどりついたのだ。そこに討虜《とうりょ》将軍・孫権が滞在しているからである。趙雲の船酔いは、この船旅があと三日続いていたらと思うと、さすがに勘弁してほしいと弱音を吐きたくなるものだった。曹操より先んじて動かねばならないという焦りもあるから船は急いでいて、それがまた揺れを加速させていたからだ。魯粛も孔明も、趙雲とおなじ北の人間だというのに、ケロッとしていて船酔いの気配すらなさそうである。かれらは暇さえあれば上陸後の打ち合わせをしていた。もうひとり、孔明が無理やり江夏からつれてきた少...赤壁に龍は踊る一章長江を流れ下りて
歴史マンガで一番好きなのはやはり横山光輝先生の『三国志』!! 2020年に50周年とのこと墓場の画廊というサイトで、50周年記念Tシャツが出ていました。購入決…
あらためてですが、番外編まで読んでくださった方、どうもありがとうございましたー(*^▽^*)3月1日より「赤壁に龍は踊る」開始です!どうぞよろしくお願いいたします!(^^)!なんて書きながら、まだ一章目も書き終わっていないという突貫工事!大丈夫なのか?自分でもちょっと心配ではありますが……(^▽^;)なんとかなるでしょう、たぶん;このところ、「赤壁に龍は踊る」ばっかり書いていて、短編や設定集を動かせていないので、心苦しいかぎり。オリジナルの長編もほとんど手を付けられず……余裕って大切だなあと思います。あ、遊んでいるわけじゃないのですよ、なんかいつの間にか時間が消えている……フルタイムで働いて創作している方も多いなかで、弱音を吐いたら笑われそうですねー;うまく時間を捻出して、どんどん創作を進めていきたいです...3月1日より「赤壁に龍は踊る」連載開始でーす(^^♪
※すっかり勝ち戦の勢いに乗っている孫権の軍のなかで、甘寧ひとりが、喜びに乗り切れずにいた。黄祖の勢力が滅びることに、感傷的になっていたのではない。自分を孫呉に導いてくれた恩人である、蘇飛《そひ》のことが心配でならなかったのだ。前線に出ていなければよいがと心配する甘寧であるが、ふと、孫権のほうを見ると、側仕《そばづか》えのものが、うやうやしく、ふたつの空箱を差し出している。なんの箱かと首をひねっていると、こんな声が聞こえてきた。「われらの勝利は、ほぼ決まったも同然。あとは、この箱に、黄祖めと、蘇飛の首をおさめることができたなら、最高の勝利というべきでしょう」これを聞いて、甘寧は沈み込んだ。蘇飛を助けたいと思う。しかし孫権にとっては、黄祖は親の仇。そして、蘇飛は、その仇に与する男なのである。落ち込んでいる甘寧...番外編甘寧の物語その8
※甘寧はもともと黄祖の元にいたので、出陣の際にも、そう怯えることはなかった。恐れ入ったのは、周瑜の度胸のよさである。周瑜は黄祖に軍を向けるのも、これが最後だと、はっきりわかっているようであった。山越の民を平定したことが、その自信になっているのだろうかと、甘寧は考えた。すると、周瑜は、声をたてて、じつにさわやかに笑いながら、「それもたしかにあるが、もうひとつ、勝利はまちがいないと確信できることがある。興覇どのには、分からなかったかもしれぬが、山越の叛徒どもの勢いが、以前とくらべて落ちていたのだ。なぜだかわかるかね」と、たずねてきた。さあて、これは俺の答えられる問いだろうな、と思い、甘寧は頭を働かせた。「孫将軍のご威光に、とうとう心服した。それしかあるまい」答えると、周瑜はまた、愉快そうに笑った。笑うと、ひど...番外編甘寧の物語その7
甘寧は、はじめに送った孫権あての書状のなかに、おのれの思いのたけと、そして、これからの天下の趨勢《すうせい》がどうなるかの予測を、あますところなく綴っていた。その予測を読んで、呂蒙は、これは只者ではないと判断したのである。呂蒙は甘寧の見識の高さを買って、孫権へとりなす役目を買ってくれることになった。それだけではない。呂蒙から甘寧のことを聞いた周瑜が、甘寧につよい興味をおぼえて、同じく、推薦の役目を買ってくれることになったという。周瑜、字を公瑾。孫権の実兄孫策の義兄弟で、孫家を公私共に支えている傑物である。その人物が後ろについたことで、甘寧の孫家への仕官は、まちがいのないものとなった。甘寧は、呂蒙、つづいて周瑜と接見し、それから孫権に紹介された。とんとんとうまい具合にすべてが順調にすすみ、あっという間に江東...番外編甘寧の物語その6
※そんな甘寧を見かねた蘇飛《そひ》が、あるとき、こっそりと甘寧を自邸に呼び寄せた。月見をしようというのが表向きの理由であったが、ほんとうは、そうではない。蘇飛は、甘寧を身近に呼び寄せると、ささやいた。「興覇どの、あなたは、もうお若くないでしょう」なにを言い出したのだろうと思いながらも、甘寧はたしかにそうだ、と答えた。「人の寿命は、あっという間に尽きるもの。いまのこの世の中で、高い志を持ちながらも、運に恵まれず、埋もれたまま死んでいった者たちの、なんと多いことか。ときに、あなたは禰正平《でいせいへい》という人物をご存知か」その名を知らないものは、この夏口には存在しないのではないかというほどに、禰衡《でいこう》、字を正平《せいへい》は、有名人であった。もとは曹操に仕えていたのだが、言動が放埓にすぎたために嫌わ...番外編甘寧の物語その5
※しかし、夏口での三年間は、甘寧にとって、無駄な年月にはならなかった。黄祖は問題のある人物ではあった。だが、熟練のつわもので、戦上手であることには変わりがない。黄祖のあつかう水練になれた兵卒たちをあずけられ、将としてはたらくことになった甘寧は、そこで、はじめて、正規の軍隊における水軍の動かし方、というものを学んだ。それまで、故郷の臨江にて、海賊まがいのことをしたこともあった。しかし、本物の水軍は、やはりすべての規模がちがっていた。気心のしれた子分たちを動かすのと、兵卒たちに号令をかけるのとは、使う能力がちがう。甘寧は必死に兵法の勉強をし、将とはなんぞやと、おのれの頭で考えつづけた。そうこうしていくうち、やくざ者の雰囲気は薄れ、かれにはどっしりとした落ち着きが備わり始めた。当然のことながら、周囲の扱い方も変...番外編甘寧の物語その4
南陽は、蜀の地から見れば、ずいぶんと太陽の明るい土地であった。過ごしやすいこともあったが、劉表の治世がうまくいっていることもあり、甘寧がその才覚を見せる場面はおとずれなかった。州境でもめ事があっても、甘寧の出番はない。なぜこうも不遇なのか。甘寧は、しばらくもんもんと過ごした。子分たちは、『親分は主君に恵まれないお方だ』と、同情した。かれらにしても、田舎者あつかいされるのは我慢がならなかった。さらには、劉表が復興させようとしていた儒教中心の古めかしい気風に、肌があわなかったのである。そうしているあいだ、天下は動いた。偽帝は横死《おうし》し、その親戚である袁紹も、官渡の戦いにおいて曹操にまさかの敗北を喫した。遺された袁紹の息子たちは、曹操という強敵をまえに互いに食い合いをはじめる愚かさ。甘寧は、乱暴もので、短...番外編甘寧の物語その3
※希望に満ちた甘寧の、仕官への道は、しょっぱな挫けた。益州をおさめる劉璋のもとへ向かったはいいが、かれはおとなしい男で、武辺者の才覚をみきわめる目を持っていなかった。なんとか仕官はできたものの、それは低位の会計係の役目であった。がっかりしなかったといったら、嘘になる。それでも、基本的には真面目な性格だから、最初はおとなしく、けんめいに仕事をした。一緒についてきた子分たちは、『親分がこんなに静かに仕事に励むとは』とびっくりしていた。つまらなくも思ったが、一方で甘寧に面倒を見てもらえていたので、文句はなかった。かれらはそれぞれ食客として豪族の屋敷などに分散して暮らしながらも、なにかあれば甘寧のために集った。そんな生活は、しかし、何年も保たない。こつこつと会計係をつづけたあと、昇進の通達がやってきた。蜀郡の丞(...番外編甘寧の物語その2
甘寧《かんねい》は、字を興覇《こうは》といって、もともとは、益州のちょうど南東部に位置する、江水のほとりに栄えた巴郡臨江《りんこう》の人物である。北方を吹き荒れる暴虐の嵐に揉まれることのすくない土地に生まれ育ちながらも、甘寧の気性はたいへんに荒く、短気で、武を好む気質であった。ちょうど街道沿いに臨江があったこともあって、街はゆたかで、甘寧がのぞめば、たいがいのものは手に入った。ただし、手に入るものは、甘寧が汗水たらして稼いだ金で得たものではない。甘寧の手にするものは、たいがいが恐喝まがいの行為で得たものだった。さもなくば、甘寧とその一党の威勢をおそれた土地の権力者が、上納金のようにして、一党にあたえたものである。甘寧は、若いころから無頼のやからと徒党をくんで、臨江の周辺を我が物顔で闊歩《かっぽ》していた。...番外編甘寧の物語その1
終わりました、「地這う龍」!いちど作るのを挫折したこの話を再生できたのは、みなさまの応援のおかげです。読んでくださった方、応援してくださった方、感想やブックマークを付けてくださった方、ほんとうにどうもありがとうございました(^^♪大変難産な作品でした。「長坂の戦い」のエピソードは三国志演義のなかでもトップクラスの人気エピソードなのに、わたしが書くと、なにかがちがう……この「なにか」が自分の味なのか、はたまた勘違いのタネなのか、自分ではまだわかりません。数年後に読み返して、ジタバタする羽目になったら、また直すつもりでいます。「臥龍的陣」の時もそうでしたが、今回もできうるかぎりのことをしました。いま、これ以上のものを作れと言われても、ほんとうにできません。自分では赤壁編につなげられたのだから、よかったことにし...地這う龍あとがき
※漢水《かんすい》のわたしで、あれほどの恐怖を味わっていたのが嘘のように、船に乗ったひとびとは、穏やかな航路をたのしんでいた。曹操軍はまだ荊州の水軍を把握しきれていないようすで、追ってこない。趙雲は、なみだで腫れた顔を冷まして、真水で顔を洗い、それから劉備の元へ向かった。途中、なつかしい顔と再会した。夏に樊城《はんじょう》で別れた切りになっていた、胡済《こさい》である。地味な衣をまとっているが、その目もさめるような美貌は変わっていなかった。「生きていらしたのですね、よかったです」と、なかなか可愛らしいことをいうな、こいつも成長したなと思っていると、中身はまったく変わっておらず、つづけた。「あなたがたが心配だったようで、軍師は連日徹夜ですよ。倒れるんじゃないかとひやひやしていましたが、今日でそれもおしまい。...地這う龍五章その8東へ
空に、大きなはやぶさが飛んでいた。くるくると輪をかきながら、飛んでいる。陳到が叫んだ。「明星《みょうじょう》だっ!」あるじの呼びかけに、はやぶさが、きぃぃぃ、と高らかに鳴いた。と、さきほどはあれほど目を凝らしてもまったく見えなかった船団が、東のほうから、靄を破って、凄まじい勢いでこちらへ近づいてくるのがわかった。「船だあっ!」「軍師たちが戻って来たぞ!」「やった、感謝するぞ、孔明、雲長!」感激のあまりか、劉備がめずらしく感極まった声を出す。それに呼応して、葦原に隠れていた民も、岸辺に飛び出して、船に向かって、おおい、おおいと手を振りはじめた。船がやって来たのが曹操軍にも見えたようである。突撃命令がくだるのを待つばかりだった曹操軍が、船からの攻撃を恐れたのか、動きを止めた。船はあっという間に帆に風をはらみつ...地這う龍五章その7歓喜と涙と
※長阪橋を燃やしたのがまずかったらしく、いったんは罠をおそれて退いた曹操軍は、すぐにまた追撃を再開してきた。橋を燃やすということは、むしろ罠などないのだと曹操が看破したためであろう。その点は、張飛を責められない。張飛は張飛で、せいいっぱい時間を稼いだのだ。相手が曹操でなければ、あるいは、もうすこし展開がちがったのかもしれないが。そんなことをかんがえても詮無《せんな》いなと、趙雲はふたたび馬上のひととなりながら、おもう。残っていた手勢は、しつこく曹操軍に追い散らされつづけているうちに、さらに減っていた。逃げに逃げて、いま、漢水のほとりに追い詰められている。ちょうど趙雲たちの北に、漢水《かんすい》は流れていた。夜明けとともに川面に靄が発生し、おかげで劉備たちは守られている格好だ。足元は、馬にとっては戦いづらい...地這う龍五章その6空を見上げて
そういえば、劉琦の愛妾を助けに行った胡済《こさい》の姿が、まだ見えない。気になって、孔明は涙ぐんでいる伊籍《いせき》にたずねる。「胡偉度《こいど》を見かけませんでしたか」「ああ、あれなら、桃姫《とうき》の監禁されている部屋に行ったようです」「戻ってくるのが遅すぎます、なにかあったのかもしれない。その部屋に案内していただけませぬか」孔明が言うと、それまで喜びの笑みを浮かべていた伊籍が、ふっと表情を暗くした。「いけませぬな、偉度は、桃姫を恨んでおりますゆえ」「恨む?なぜです」一瞬、桃姫を胡済も気に入っていて、なのに劉琦のものになってしまった、それで恨んでいる、という空想がよぎったが、つぎの伊籍のことばは、思いもかけないものだった。「偉度は桃姫さえいなければ、劉公子の名誉は汚されなかったはずだと言っておりました...地這う龍五章その5孔明の不安
※鄧幹《とうかん》の使者はすっかり怯え切って、まともに左右の足を前に出すことすらできなかった。それでも、なだめたり、脅したりしながら、江夏城の門の前に立たせる。「か、開門!宴より帰って来たぞ」緊張で声が裏返っている。まずいな、と隠れて様子を見ていた孔明はひやひやしたが、場慣れている関羽たちは涼しい顔である。「門さえ開いてしまえば、こちらのものだ」と、関羽は頼もしいことを言った。門の前には、鄧幹の使者と空っぽになった酒甕《さけがめ》の乗った荷車、舞姫や芸人たちがいる。だが、じつのところ酒甕は空っぽなどではなく、中に兵が潜んでいる。また、芸人に関しては、関羽が選りすぐった決死隊が化けた者に変わっていた。そのなかには、武者姿となった胡済《こさい》の姿もある。門が開いた。鄧幹の使者は、門に入るなり、「お、お助けえ...地這う龍五章その4江夏城へ突撃
※「あなたなら、すぐにわたしだと分かってくださると思っておりました」と、大胆におしろいを取りながら、胡済《こさい》は言った。おしろいを取っても、その地肌の抜けるような白さは相変わらず。山猫のような大きな目と、全体の顔の作りのおさなさと愛らしさとが相まって、胡済はやはり、美少女にしか見えない。だが、喉元を見れば、のどぼとけがあるので、きちんと少年だとわかる。舞姫に扮していたときは、うまく首に布を巻いて、誤魔化していたのである。幕舎の一つを借りますよと胡済はいい、しばらくそこで着替えてから、すぐに地味な衣になって戻って来た。「男か、ほんとうに?」まだ疑いのまなざしを向ける孫乾《そんけん》に、孔明はとりなすように言った。「この者の身元は保証しますよ。義陽の胡済です。あざなは偉度《いど》。わたしがあざなを授けまし...地這う龍五章その3江夏の事情
しばらくすると、野営にいつもより多めの篝火が焚かれ、鄧幹《とうかん》の使者がもってきた大量の酒甕《さけがめ》の蓋があけられた。酒の酔い香がぷうんとあたりに漂い、それと同時に気の利く芸人たちが、それぞれ楽し気な音楽を奏ではじめた。すると、舞姫たちはあどけない少女の顔を一変させ、蠱惑的な舞を披露しはじめる。篝火のした、長袖をひらひらと宙に舞わせて、音楽にぴたっと合わせて踊るさまは、幻想的ですらあった。それまで、関羽らとともに、ぶうぶう不平を言っていた者たちも、舞姫たちの見事な踊りに、見とれ始めている。鄧幹の使者に言い含められているのか、芸人たちはすかさず将兵たちの間に入って、杯に酒をついでまわりはじめた。孔明のところにも芸人がやって来た。一瞬、毒はないかなと疑ったが、鄧幹の使者の平然とした顔色を見て、大丈夫そ...地這う龍五章その2舞姫、踊る
明日はバレンタインデーですが、ほったらかしになっていたカクヨムを退会することに決めました。長いこと放置していたので、読んでくださっていたほとんどの方は「なろう」か、このブログに移動してくださっているかと思いますが……「地這う龍」も最終章に突入しましたし、そろそろ整理するかなあ、と。突然でスミマセン;もしブックマーク等されている方、いらしたら、「なろう」かこのブログに移動していただけると嬉しいです。カクヨムは、修行の場としては、かなり試練の場でしたねー……でもほかのユーザーさんの作品もいろいろ読めましたし、大変お世話にもなりました。ありがとうございました。退会することないじゃん、というご意見もあるかしらん。いやあ、正直なところ、「なろう」でそこそこPVがあるのに、「カクヨム」だと一桁しかPVがないという状況...2024年2月の近況報告その2
※江夏《こうか》にいる孔明は、陳到に託されたはやぶさの明星《みょうじょう》の面倒を見ていた。鄧幹《とうかん》とやらの使者のひとりに、ねずみの干したのはないかと尋ねたが、そんなものはない、干し肉でがまんしてくれ、と言われた。そこで、贅沢だなと思いつつ、明星に干し肉を与えることにした。明星は、こんどこそうまそうに肉をつついている。「いつになったらわが君のところへ戻れるのであろうか」ひとりごとをつぶやきつつ、江夏の河岸に目をやる。江夏の港では、船が波に揺られて浮いていた。船乗りの数もじゅうぶんなようだ。江夏太守である劉琦《りゅうき》さえ動かせれば、いつでも出発することができる。しかし、かれはいま、江夏城の奥底に隠され、なぜか名の知られていない土豪の鄧幹が江夏を仕切っている。事情をよく吟味してみれば、関羽が足止め...地這う龍五章その1宴を前に
※地平を埋めつくす曹操の兵。何万人いるのだろうかなあ、と張飛はかんがえる。何万いようと、関係ないのだが。それぞれの大将の名を染め抜いた旗がひるがえり、こちらを威嚇しているのが腹が立つ。兵の中央には天蓋があり、その下に、稀代の姦雄・曹操がいるのはまちがいなかった。やつはおれを見ている。おれもやつを見ている。趙雲が引っ掻き回した戦場は、すでに落ち着いていて、いまは耳に痛いような静寂に包まれていた。曹操の兵は、橋を突破せんと集まって来たのだ。しかし、単騎で橋を守る張飛の姿に怖じて、先に進めなくなっている。おそらく、なにか策があるのではと疑っているのにちがいない。しかし実際に、張飛には策があった。橋の背後の木立に兵をひそませ、縄でもって、木立をしきりに揺らさせていたのだ。そうすることで、伏兵があると、曹操側に疑わ...地這う龍四章その18張飛の咆哮
はじめまして、当ブログの管理人です。 当ブログはアフィリエイト広告を利用しています。 それでは、ごゆっくりとご覧ください。 三国志 第二話③ 劉備が安喜県に赴任して政務をとり始めてからというもの、民は安心して暮らしを送ることが できるよ
※趙雲の行く手に、よく顔の似た、大男二人組があらわれた。「おれは鍾晋《しょうしん》だ」「こっちも鍾紳《しょうしん》だ」似たような声で自己紹介する男たちに行く手を阻まれ、趙雲は小さく舌打ちをした。というのも、これまでがんばってくれた馬が、そろそろ限界にきていることがわかったからだ。あまり長くは戦えない。第一、趙雲自身も疲れ始めていた。張郃《ちょうこう》という気の抜けない相手と長く戦いすぎたせいである。あいつさえいなければ、曹洪《そうこう》の首をとれたものを。そしたら、この惨状に一矢報いることもできただろうに。そう思うとむかむかした。大男たちは二手にわかれて、趙雲を右と左で挟撃しようとする。「もうすこしがんばってくれよ」趙雲は、馬の首を軽く撫でてから、一気に動き出した。鍾晋のほうが槍を突きだし、鍾紳のほうは矛...地這う龍四章その17英雄の帰還
趙雲もまた、自分めがけてやってくる武者の姿に気づいたようである。雑兵《ぞうひょう》を片付ける手を止めて、振り返る。その返り血を浴びた顔には、人間らしい表情の揺れはない。「貴殿は、平狄将軍《へいてきしょうぐん》の張郃《ちょうこう》どのであったな」混乱の中心にあってなお、声が震えるわけでもなし。その胆力に、張郃はおもわずごくりと唾をのんだ。「そうだ。常山真定《じょうざんしんてい》の趙子龍、久しいな」「先へ急ぐ。そこをどいてもらおう」「たわけたことを!これより先には進ませぬ!その首、土産に置いていくがよい!」言いざま、張郃はぶぅん、と槍で趙雲を薙ぎ払おうとした。だが、趙雲は難なくそれを避ける。張郃は舌打ちしつつ、槍をかまえ直して、今度は首もとめがけて槍で突く。しかし、趙雲は自身の槍で、その攻撃を払った。だが張郃...地這う龍四章その16いまは地に這うもの
※張郃《ちょうこう》は、目の前にひろがる無残な光景に、いきどおりをおぼえていた。かれは徹底して武将であったから、将兵が傷つくことには慣れている。だが、いま目の前に転がっている死体の数々は、ほとんどが名もなき民衆だ。老親をかばいともに倒れた親子、けんめいに逃げようとして背中から殺されている男、略奪の憂き目にあったうえで殺された女の姿もあれば、子供を腕にしっかりと抱いたまま、息絶えている母親の姿まであった。これが劉備についていった民の末路なのだ。「やつは悪鬼か、民を盾に自分だけ助かろうとは!」苛立ちをこめつつ、のこされた劉備の兵が立ち向かってくるのを、なんなく屠《ほふ》る。劉備の兵たちもまた、曹操軍をこれ以上進ませまいと、必死の攻撃を繰り出してきた。あわれである。十日以上、ほとんどろくに食べていないような兵と...地這う龍四章その15対決ふたたび
※夏侯恩《かこうおん》のむくろのそばに、青釭の剣が落ちていた。趙雲がめずらしそうに、それを手に取ってしげしげとながめていたので、夏侯蘭《かこうらん》は言う。「それは夏侯恩が曹操から下賜された宝剣で、青釭《せいこう》の剣というやつだ。鉄でもなんでも、水のように斬ってしまうといわれている」と言いつつ、無念そうな顔をしてたおれている夏侯恩を見下ろす。「この御仁には、過ぎた宝物だったようだな。子龍、それはおまえが持つがいい」「ちょうど俺の剣が刃こぼれしてきたところだ。ありがたく頂戴するとしよう」そういって、趙雲が鞘ごと宝剣を手に入れていると、麋竺《びじく》がやってきた。「おおい、無事か!」と、夏侯蘭と玉蘭たちを見つけて、麋竺は声をはずませた。「なんと、我が妹をたすけてくれたのは、そなたたちであったか!」「子仲《し...地這う龍四章その14囮
夏侯蘭《かこうらん》に迷いはなかった。兵をかき分けると、玉蘭《ぎょくらん》たちと夏侯恩《かこうおん》のあいだに滑り込み、夏侯恩の刃を、みずからの剣の刃で受け止めた。がきん、と凄まじい、耳をつんざく音がする。夏侯恩がおどろきに目を見開く。その目線を受けて、夏侯蘭は、にやりと精一杯の意地で笑って見せた。ぎり、ぎり、ぎり、と青釭《せいこう》の剣とやらの刀身の先が、おのれの刃を削っていく音がする。だが夏侯恩の姿勢が、どこかへっぴり腰なのが幸いした。夏侯蘭は力任せに夏侯恩をはじき返すと、すぐさま剣を持ち直し、夏侯恩とその兵士たちの前に立った。弾かれ、倒れた夏侯恩は、怒りで顔を真っ赤に染めて、叫ぶ。「夏侯蘭、きさまっ、裏切るのか!」「もとより、貴様らに力を貸すつもりはなかったさ!」夏侯蘭に手柄を立てさせてやろうという...地這う龍四章その13夏侯蘭の奮闘
Lies of PとWo Long:Fallen Dynastyのコラボ!関羽装備「青龍偃月刀」が登場
Lies of PとWo Long:Fallen Dynastyのコラボ!関羽装備「青龍偃月刀」が登場!コラボ映像が公開!名誉を知る者の鎧・名誉を知る者の頭巾がコスチュームが先行公開。ソウルライクアクションRPGゲーム偽りのP(Lies of P /ライズオブP)とウォーロンのコラボ情報。
※「劉備の女房がいるぞ!」だれかがそう叫んだことで、夏侯恩《かこうおん》の軍兵たちの目の色が変わった。それというのも、夏侯蘭《かこうらん》があまり熱心に先導しなかったことと、戦に慣れていない夏侯恩の要領の悪さのせいで、かれらはほかの軽騎兵たちとはちがい、まったく功績らしい功績をあげられていなかったからだ。劉備の妻を捕獲したとなれば、曹操から褒美がもらえる。しかも、さいわいというべきか、女は背後に男の子をかばっていた。「これが阿斗でしょう」と、夏侯恩のかたわらにいる老兵が夏侯恩に耳打ちをしている。かれらには、阿斗がいくつくらいかという正確な情報が届いていなかった。「はて、さきほど馬で逃げた女は何者だろう?」夏侯恩が首をひねるのを、老兵がまた答えた。「侍女ではありませぬか」「左様か。どちらにしろ、劉備の妻子を...地這う龍四章その12再会
いきなりですが、「奇想三国志英華伝」の赤壁編の制作、非常に行き詰っております……結論からいいますと、「地這う龍」のつづきの原稿がありません。楽しみにしてくださっているすべての皆様に謝罪致します……!ほんとうに、情けない。ごめんなさい!「赤壁編は原稿がほぼ出来ているも同然なので楽勝(ドヤァ)!」といった文章を書いたおぼえがあるし……撤回です。なんて恥ずかしいことを書いてしまったのやら……!え?このブログで「飛鏡、天に輝く」という長編を読んだことがある?あれが赤壁編でしょ?と首をかしげてらっしゃる方、いらっしゃるでしょうか……自分もそうだと先月上旬まで信じていました。ほんとうに、なにも疑いなく、この原稿をちょいと直せばいい、「楽勝だ」と。蓋を開けてみたところ、とんでもなかった!(以下、「飛鏡、天に輝く」のおか...2月の近況報告2024その1
麋夫人《びふじん》は、それでも玉蘭《ぎょくらん》と阿瑯《あろう》をこの地に残すことをためらった。だが、そうこうしているうちに、どんどん廃屋に曹操の兵の気配が近づいてきている。「おそらく水を得ようとしているのでしょう。わたくしたちは、なんとでもなりますわ。さあ、行って!」玉蘭は言うと、馬の腹を手で思い切りたたいた。それを合図に、馬は南へ向かって走り出す。とつぜん動き出した馬に食らいつくのが精いっぱいで、麋夫人は玉蘭たちを振り返ることができなかった。『どうか、ご無事で!』そう祈りながら、手綱を持ち、二の腕で必死に阿斗を抱える。するとなんということだろう、背後から、呪わしい曹操兵の声が聞こえてきた。「だれか馬に乗って逃げるぞ!矢を掛けよ!」「いいえ、待ちなさい!その者に矢を掛けるのは、この劉備の妻がゆるしません...地這う龍四章その11身代わり