『迦葉赴仏般涅槃経』について

『迦葉赴仏般涅槃経』について

釈尊が般涅槃された後、残された者たちは釈尊の遺骸を供養するべく、遺言に従って準備を進めていた。しかし、涅槃部系の経典を見てみると、釈尊の遺骸を火葬にしようとしたけれども、火が点かなかったという。その状況が変わったのは、実質的に釈尊の後継者となった摩訶迦葉尊者が、クシナガラに到着したためであった。そこで、色々と調べてみると、『迦葉赴仏般涅槃経』が『大正蔵』巻12「涅槃部」に収録されている。この経典はまさに、釈尊の涅槃に際して、摩訶迦葉尊者が赴いた話を掲載している。よって、今年の釈尊涅槃会を前に、同経典を読んでみたいと思った。まず、迦葉尊者の位置付けについて、同経典では始まる。昔、仏、在世時、摩訶迦葉、諸比丘中に於いて最長年高なり、才明智慧もて、其の身、亦た金色の相好有り。仏、説法する毎に、常に其れに対坐を与...『迦葉赴仏般涅槃経』について

2023/02/14 10:05