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『禅苑清規』巻10「新添濾水法〈並頌〉」を見ていくと、「奥法師」という人の『菩薩戒鈔』という文献から引用していることが分かる。どうも、3箇所ほどのようなのだが、以下の通りである。奧法師の菩薩戒鈔に、既に濾の得已りて別に一つの放生盆を置き、而も安詳せしめて之に水を置き、以て生命を護せしむ。これは、「瀘水曩」についての指示である。「瀘水曩(または漉水曩)」というのは、水の中にいる虫などを適切に避けて、生き物を殺さないようにしながら飲むための法具なのだが、釈尊の時代から重視され、いわゆる「比丘六物」に入るほどである。そこで、その更に具体的な使い方が書かれたのが、上記一節であると言えるのだが、典拠となっている文献は何なのだろうか?『梵網経』の註釈を書いた「奥法師」として調べてみると、唐代に伝奥(北京石壁寺沙門と名...『禅苑清規』に引用された奥法師の『菩薩戒鈔』について