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以前、【『大智度論』における出家律儀の種類について】を書いたときに、まだ採り上げないままの文章があったので、この記事で見ておきたい。問うて曰く、沙弥十戒、便ち具足戒を受く。比丘尼法中、何を以てか式叉摩那有りて、然る後に具足戒を受け得るや。答えて曰く、仏の在世時、一りの長者婦有り、懐妊を覚えずして、出家して具足戒を受く。其の後、身、大いに転現し、諸もろの長者、比丘を譏嫌す。因みに此に二歳学戒有りて制し、六法を受けて、然る後に具足戒を受く。問うて曰く、若し譏嫌と為るは、式叉摩那、豈に譏に到らざるや。答えて曰く、式叉摩那、未だ具足戒を受けざるは、譬えば小児の如し、亦た給使の如し。罪穢有ると雖も、人、譏嫌せず。是れを式叉摩那、六法を受けると名づく。是の式叉摩那に二種有り。一つには、十八歳の童女、六法を受く。二つに...『大智度論』における具足戒の受け方について
辞書的な文献である『釈氏要覧』の記述を学んでおきたい。具足戒即ち出家の二衆、受戒するところなり。何をか具足と名づくるや。決定蔵論に云わく、比丘戒、四分の義を摂す。一には具足を白四羯磨して受くるなり。二には具足するに随い、謂わく此の向後より、一一の戒に随い、常に持して覆護するが故に。三には他心の具足を護る。謂わく比丘一分の威儀具足するに他心を護ると名づく。四には守戒を具足す。謂わく小罪を見るに於いて畏れて犯さず。若し犯有る者は、悉く皆な発露するが故に。此の具足戒、六聚有り。比丘二百五十條、尼三百五十條なり。次に釈すること左の如し。『釈氏要覧』巻上、明治期の版本を参照しつつ訓読は当方具足戒とは、一般的には受戒したことで功徳が具足し、持戒がされていくという風に説明されると思うのだが、上記の内容だと、『決定蔵論』...『釈氏要覧』に見る「具足戒」について