ディーゼルカーとボタ山と“とろろこぶうどん”と 後藤寺線を完乗!
赤地に白く抜いた「快速」の文字も誇らしげに、3531Dは23往復の後藤寺線にあって唯一の快速列車だ。筑豊の日の出は7時20分、まだ山並みから昇ったばかりの朝日に照らされて、旧い気動車のドアが閉まる。もはや東日本では見ることが無くなったキハ40系列の2両編成は、唸り声を上げてあくまでも鈍重に動き出した。左手にカーヴを切って筑豊本線を離れた後藤寺線は、しばらく南東に向かう直線区間を加速していく。右手に見える3つの三角錐は旧住友忠隈炭鉱のボタ山、その美しい姿から「筑豊富士」とも呼ばれる。峠とも言えない小さなピークを越えると、今度は左手に岩肌が剥き出して人工的に道付けされた山が現れる。関の山鉱山に麻生セメント、列をなして走るダンプカーが巻き上げる土埃は白い。なるほど石灰石鉱山だね。もともと後藤寺線は石炭や石灰石を...ディーゼルカーとボタ山と“とろろこぶうどん”と後藤寺線を完乗!
2023/01/24 12:56