第20話 我が良き友よ
-この件は美波には言わないでおこう。言ったって怖がらせるだけだから。 夜道を急ぎながら悠介は先程のことを考えていた。 あの車は間違いなく悠介を狙ったものだろう。いや、狙ったというよりも「脅しをかけた」と言った方が当たっているかもしれない。脅して怖気させようとしたのかな、それとも単なる嫌がらせだろうか。 -知りたいのだったら、本人に聞くしかないか。 まあ、それができれば苦労はしないのだが。 悠介は夜道を歩きながら細心の注意を払っていた。もしも家の住所を知られたら、この先非常に厄介なことになるかもしれなかった。端的に言えば危害を加えられることもあるかもしれない。 何も知らない家族を危ない目には会わ…
2024/02/18 22:28