【母の日】切腹もんの懺悔
アタシは、半世紀ほど前に誕生した。帝王切開による出産だった。 3つ上の兄も帝王切開で産まれている。出産時の体重が4200gという大きさであった為、身長141センチの小柄の母にとって、その巨大児の出産は経腟分娩では耐えられなかったらしい。その次のアタシも3980g。このアタシも帝王切開で出産する必要があった。腹の皮ふと子宮壁を1度でも切開すると、次の出産で破裂する危険性があるからだ。 なので、母の腹は2回も切開された。 子供のころ、母と風呂に入りながら、その古傷を人差し指で撫でた。 それはケロイドのような縦1本傷で、その左右にてん・てん・てんと縫合された痕があった。半世紀前の産科医療がどれだけ発…
2025/05/11 07:42