曹洞扶宗会という会がある・・・いや、「あった」というのが正しい。明治時代、神道国教化政策の中で生み出された大教院制度が、1875年(明治8)に崩壊すると各宗派は独自に布教する時代となった。然るに、曹洞宗では同年中に開催された第一次末派総代議員会議(現在の曹洞宗宗議会)に於いて、会議執事であられた青蔭雪鴻師(後に大本山永平寺貫首)から提案された「宗教恢張之事」を議論し、その中で曹洞宗の教え(=宗教)を広めていくため、教会結社を作ることを決め、翌年に「曹洞宗教会条例」が布達された。ここでいう教会結社というのは、仏教を広めていくための教会団体(指導者と信徒、或いは在家信者のみの場合も)であり、池田英俊先生などに優れた研究が残っているが、旧来の「伝統教団―新宗教」という区分の厳密さを崩す中間的団体である。我々が近...「曹洞扶宗会」の揺りかご