永平寺で学んだ律宗の人
こんな記述を見付けた。如空房理然、南京の人なり。本と興福寺の住僧、円縁大法師の弟子、衆事に交わることを辞し、戒壇院に入る。〈中略〉一両年を経て亦た戒壇に来たりて、本と法相を研き、因明に通達し、学識敏利し、鑽仰飛名し、大小並びに学ぶと雖も、菩薩戒を善くし、太賢梵網古迹、宗要、研究弘通す。越前国永平禅寺に往きて、仏法上人の遺門に入り、禅法旨帰、彼の宗義を存す。凝然大徳『東大寺円照上人行状』下巻これは、理然という人の話である。奈良の平城京出身で、興福寺の円縁大法師の弟子であったらしい。その後、東大寺の戒壇院で学び、法相(唯識)を学び、因明に通じたという。そして、大小乗の戒律を学んだが、特に菩薩戒を善く学んだという。さて、問題は、引用文末尾の一節で、永平寺に行って、仏法上人(道元禅師のこと)の遺門に入り、禅を学ん...永平寺で学んだ律宗の人
2023/05/24 08:24