栄西禅師の「五観の偈」
日本に臨済宗黄竜派の法系を将来された明庵栄西禅師といえば、『興禅護国論』『喫茶養生記』『受禅戒作法』などの著作に合わせて、叢林修行の基礎を記した『出家大綱』(正治2年1月6日著、余談だが道元禅師御生誕の頃になる)が知られている。今日は、栄西禅師が記された「五観」を見ていきたい。その前に、曹洞宗では、道元禅師が伝えられた「五観の偈」が『赴粥飯法』に記されていて、その出典や解釈については、江戸時代の面山瑞方禅師『受食五観訓蒙』(『曹洞宗全書』「注解四」)にて明らかにされるところでもあるので、それをご覧いただきたいところであるが、一応本文のみ記しておこう。一計功多少量彼来処(一には功の多少を計り、彼の来処を量る)。二忖己徳行全欠応供(二には己が徳行の、全欠を忖って供に応ず)。三防心離過貪等為宗(三には心を防ぎ過...栄西禅師の「五観の偈」
2025/04/13 07:33