【通りすがりの怪談】怪其之三十一 〜ハシモトの記憶~
怪談 ~ハシモトの記憶~ 高校三年生の隆志のクラスは朝から騒然としていた。その理由は、先日修学旅行で行った沖縄で撮影したクラスの集合写真にあった。生徒たちが前後数列に並んで撮ったその写真、後列の真ん中あたりに立っている男子生徒二人の間に人の顔のように見える黒い影が写っていた。それを見つけたクラスメイト達はこれは心霊写真だと騒いでいたのだ。だが隆志には写真を最初に見たときから、その黒い影のような顔に見覚えがあった。それは隆志が高校一年生のときに亡くなったクラスメイトのハシモトの顔のだった。仲の良い友人の佑良に隆志はそのことを伝えるが、佑良はハシモトという生徒なんて知らないと隆志に答えた。ならばと…
2025/01/13 21:19