フランスにいる心強い仲間の気づきと啓発(awareness)の書 漫画「見えない違い 私はアスペルガー」感想
フランス人女性の発達障害当事者が、自身の障害に気づき自分を解放していく実体験を元に描かれた漫画の感想です。 原作:ジュリー・ダシェ 作画:マドモワゼル・カロリーヌ 翻訳:原正人 単行本にて購読。この作品が電子書籍化されていないのは非常に残念です。 見えない違い 私はアスペルガー 作者:ジュリー ダシェ,Julie Dachez 花伝社 Amazon 原作者であるジェリー・ダシェのyoutubeチャンネルはこんな感じ。フランス語なのでちょっとなに言っているのかわからない(サンドウィッチマン)。 youtu.be <感想>※発達障害に見られる特徴は赤字で表示します。 舞台はフランス、主人公はマルグ…
女子高生がストーカーするサイコスリラー 作:伊奈子 漫画「泥濘の食卓」第1巻感想
女子高生がストーカーされるのではなく、ストーカーするサイコスリラー漫画第1巻の感想です。 泥濘の食卓 1巻 (バンチコミックス) 作者:伊奈子 新潮社 Amazon <感想> 表紙をパッと見た印象としては、なんか可愛い少女が下着姿なのでエチエチな話なのかなと思っていましたが、タイトルに「泥濘」とあるので「あっ(察し)」という風に内容をある程度予想をしながら読み進めてみたのですが、ある意味「アシカノ」クラスのサイコスリラー作品でした。 まず冒頭からキテいて、主人公の女子高生「捻木深愛(名前が……)」ちゃんが、父親から自己肯定感を下げられる様な発言を聞かされていて、そこから場面は変わって彼女が務め…
世界は周縁化された存在に厳しい 映画「ザリガニの鳴くところ」(2022年公開)感想
デイジー・エドガー=ジョーンズ主演の映画の感想です。 監督:オリヴィア・ニューマン 主演:デイジー・エドガー=ジョーンズ youtu.be ザリガニの鳴くところ ブルーレイ&DVDセット [Blu-ray] デイジー・エドガー=ジョーンズ Amazon <あらすじ> 1969年のノースカロライナ、田舎町の人気者チェイス(ハリス・ディキンソン)が湿地帯で死体で発見される。容疑者と思われる”湿地の娘”と蔑まされているカイア(デイジー・エドガー=ジョーンズ)が捕まり裁判にかけられる。引退した弁護士のトム・ミルトン(デヴィット・ストラザーン)が彼女の弁護を務める事になる。 <感想> アメリカ映画の作劇…
海の向こうのジャニー喜多川問題 映画「ダークサイド・セオリー」感想(2023年公開)
サロ・ヴァルジャベディアン監督、モンテ・ベゼルが主演とプロデューサーを務める映画の感想です。 ダークサイド・セオリー(字幕版) モンテ・ベゼル Amazon <感想> 軽い気持ちで観始めたら、映画終了後どんよりとした気分にさせられる内容でした。一応ディテクティブ物ではあるんですけど、どっちかというと社会派といいますか、アフガニスタンでのアメリカとタリバーンの戦いの陰で、存在しなかった事にされた小児性愛「バッチャ・バーズィー」を世の人に知らしめる為の映画だったのではないかと感じました。 ja.wikipedia.org 主人公の私立探偵ジミー(モンテ・ベゼル)は、かつて刑事だったけど息子が行方不…
私の好きな漫画家さんに鬼頭莫宏さんがいるのですが、結構読む人を選ぶ方だと思っています。最初に莫宏さんの作品に触れたのは、月刊アフタヌーンに掲載された「ヴァンデミエールの翼」なんですけど ヴァンデミエールの翼(1) (アフタヌーンコミックス) 作者:鬼頭莫宏 講談社 Amazon ヴァンデミエールの翼(2) (アフタヌーンコミックス) 作者:鬼頭莫宏 講談社 Amazon 線の細いキャラクター造形で、ここらへんではおとぎ話の様な寓話の様な漫画を描く人だなと認識していました。そして私的に彼の存在を強く意識する様になった作品が「なるたる」なんですけど なるたる(1) (アフタヌーンコミックス) 作者…
女性の従軍はスティグマになるのか? 作:小梅けいと 漫画「戦争は女の顔をしていない」第3巻感想
スヴェトラーナ・アレクシェーヴィチのノンフィクションを小梅けいとさんが漫画化した第3巻の感想です。 戦争は女の顔をしていない 3 (単行本コミックス) 作者:小梅 けいと KADOKAWA Amazon 2ki3suke.com <感想> 独ソ戦から数十年経過したロシアで、過去に従軍した女性達に聞き取りをまとめたノンフィクションが原作なのですが、この第3巻で著者であるスヴェトラーナが、聞き取りをされる女性達が従軍したのは確かなのに、それを忘れ去られてしまうのではないか、気づかれずに消し去られてしまうのは悔しいという思いがあるのを著者であるスヴェトラーナが理解し、「戦争のことを聞いただけで吐き気…
アメリカに実際に住んでみた日本人女子高生 作:芽衣田珠子 漫画「ここがヘンだよアメリカ人」感想
日本から移住してアメリカに住むことになった作者自身の体験を描いた漫画の感想です。 ここがヘンだよアメリカ人 (コミックエッセイの森) 作者:芽衣田珠子 イースト・プレス Amazon <感想> この漫画はイラストレーターであり漫画家の芽衣田珠子さん(以下珠子さん)が、父親の仕事の関係でアメリカに移住する事になり、そこで学生生活を送った自身の体験を漫画化した作品ですが、よくある「外国から日本にやって来た外国人のカルチャーギャップ」を逆にした様な内容となっております。 で、珠子さんは移住する前に抱いていたアメリカ人に対しての誤解があったけど、それは学生生活を送る内に払拭される。「すぐ発砲する」「金…
人の形をした札束が、画面の向こうからあなたに襲い掛かる 映画「スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース」感想(2023年)
「スパイダーマン:スパイダーバース」の続編「スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース」を観て来たのでその感想をアップします。 節約しなくちゃいけないのに、観てしまった😅 なんか貰えた youtu.be youtu.be 監督:ホアキン・ドス・サントス、ケンプ・パワーズ、ジャスティン・K・トンプソン 主演:多次元のスパイダーマン達 <あらすじと感想> 前作「スパイダーマン:スパイダーバース」は、新しいスパイダーマンであるマイルス・モラレスの誕生の話と、マルチバースからやって来たスパイダーマン達が出て来てこの映画世界の説明をしていました。 2ki3suke.com 今作では何故多次元が発生し…
全ては神の御業なり。セラピーダークコメディ 映画「ライダーズ・オブ・ジャスティス」感想(2020年公開)
マッツ・ミケルセン主演のダークコメディ映画の感想です。 監督:アナス・トマス・イェンセン 主演:マッツ・ミケルセン youtu.be youtu.be ライダーズ・オブ・ジャスティス Blu-ray&DVD マッツ・ミケルセン Amazon klockworx-v.com <あらすじ> 海兵隊員のマークス(マッツ・ミケルセン)は、列車の事故で妻を亡くして悲しみにくれる。ある日ふたりの男が訪ねて来て、「あの列車事故は実は『ライダーズ・オブ・ジャスティス』というギャングが絡んでいる計画的殺人なんだ」と言われて復讐を誓う。 <感想> デンマーク映画なんですねこの作品。最初主人公を見た時マッツ・ミケル…
発達障害当事者が描く生きづらさと夫婦の関係性 漫画「僕の妻は発達障害」第1巻感想
ナナトエリ・亀山聡夫婦が、自分達をモデルにした漫画の第1巻の感想です。 KindleUnlimited会員なら第1巻は無料です。 僕の妻は発達障害 1巻【電子版限定おまけマンガ付き】: バンチコミックス 作者:ナナトエリ,亀山聡 新潮社 Amazon <感想> 読む前はなんか映画「こちらあみ子」みたいな、発達障害者を見世物にする邪悪な漫画なのかと思って読んでみましたが、巻末にある「知らなかった発達障害」という描き下ろし漫画で作者の一人であるナナトエリさんがどうやら発達障害の当事者で、夫である亀山聡さんとの生活をモデルにしてこの漫画を描いているのが分かって安心しました。 ちなみに、描き下ろしで描…
少年漫画は子供の為の物だけど…… 「鬼滅の刃」に感じる違和感
アニメ「鬼滅の刃」刀鍛冶の里編が終了しましたね。 第一話 誰かの夢 花江夏樹 Amazon 面白かったのか面白くなかったのかと言われれば、まあ楽しみはしましたけどもちろん私は歳を取ったオッサンなので、私に向けて作られたコンテンツでは無いし子供の為の作品なのは間違い無いのですが、それでもやっぱりどうしても違和感を禁じ得ないんですよね。 私が違和感があるのは、主人公の炭治郎達が利他的に行動し過ぎているのではないかなと思っていて、我々が生活している現実社会でそんな行動をしたらたちまち「自己中心的な現代人」という「鬼」に喰われてしまうんですよね。年齢を重ねて来れば否が応でも気づかされると思うのですが、…
死にたいのに死なせて貰えない男 Netflix 映画「タイラー・レイク」(2020年公開)「タイラー・レイク2」(2023年公開)感想
Netflixの映画「タイラー・レイク」「タイラー・レイク2」を連続して視聴したのでその感想を記事にしました。 監督(両作品とも):サム・ハーグレイブ 主演:クリス・ヘムズワース 原作:グラフィック・ノベル「Ciudad」 www.netflix.com なんか久しぶりに純然たるアクション映画を観た様な気がします。話の内容としてはシンプルで、対立するふたりの麻薬王の片方に子供がいて攫われて、それを主人公のタイラー・レイク(クリス・ヘムズワース)が奪還するも……といった内容。監督がベン・アフレック主演のアクション映画「ザ・コンサルタント」でスタントコーディネイトを務めたサム・ハーグレイブなので、…
Netflixの人気リアリティ番組「クィア・アイ」感想です。 youtu.be www.netflix.com <感想> 内容としては「ファブ5」と呼ばれる5人組のジェンダーマイノリティのグループが問題を抱えている家庭に赴き、悪い意味で決まりきった暮らしを送っているその家庭の内装や着ているファッション・料理やライフスタイルさえも変えていき、お互いに会話する事で認識を改めていく。 ジェンダーマイノリティに偏見のありそうな州に行く事もあるけど、そこでも会話をする事で相手を知り、ファブ5側も持っていた相手に対する思い込みやすり込みというバイアスを解き放っていく。 代表的なエピソードとされるシーズン3…
見る事の加虐性について言及したアート系怪獣映画 映画「NOPE/ノープ」感想(2022年公開)
ジョーダン・ピール監督のアート系怪獣映画の感想です。 監督:ジョーダン・ピール 主演:ダニエル・カルーヤ youtu.be NOPE/ノープ(吹替版) ダニエル・カルーヤ Amazon NOPE/ノープ(字幕版) ダニエル・カルーヤ Amazon <あらすじ> 主人公OJ(ダニエル・カルーヤ)は父親と妹と一緒に馬を飼育して映画の撮影用に貸し出しをして生活していた。ある日空からコインが降って来てそれが父親に当たり父は死亡。映画の撮影のトラブルでOJ達は生活に困っていたところ、空にどうやら謎の飛行物体がいるらしく、ふたりはそれを撮影して一儲けしようと企む。 <感想> まず冒頭に「私はあなたに汚物を…
スヴェトラーナ・アレクシエーヴィッチのノンフィクション作品の漫画家 作:小梅けいと 漫画「戦争は女の顔をしていない」第2巻までの感想
スヴェトラーナ・アレクシエーヴィッチによるノンフィクションを、小梅けいと先生が漫画にした作品の第2巻までの感想です。 戦争は女の顔をしていない (岩波現代文庫) 作者:スヴェトラーナ アレクシエーヴィチ 岩波書店 Amazon 戦争は女の顔をしていない 1 (単行本コミックス) 作者:小梅 けいと KADOKAWA Amazon 戦争は女の顔をしていない 2 (単行本コミックス) 作者:小梅 けいと KADOKAWA Amazon <感想> 内容としては、第二次世界大戦の独ソ戦で従軍した女性兵士の証言を、雑誌記者であったスヴェトラーナ・アレクシエーヴィッチがまとめたノンフィクションの漫画化です…
梅雨でジメジメしているこの季節に、屋内で日光浴が出来る家電製品「ブライトライト」紹介
屋内で日光浴が出来る家電製品「ブライトライト」の紹介です。 光療法 セラピーライト elice【 ブライトライト ベッドサイドランプ LEDデイライトランプ タイマーオフ タイミングと色温度、明るさ調整可能】 UVフリー/オフィス/時差ぼけ/エネルギー回復/気力の低下/ホーム/不眠症な/読書/創作などに適用する elice Amazon 梅雨のジメジメしているこの時期ですがお日様を浴びる機会になかなか恵まれなくてセロトニンが分泌されず、気分が落ち込み体内でビタミンDを生成出来なくて上手く眠れなくなり健康を損ないがちになってしまうんですよね。 そんな時にこの商品「セラピーライト elice」が威…
やっぱり見た目やないかーい! 映画「美女と野獣」感想(2017年公開)
エマ・ワトソン主演の実写版「美女と野獣」の感想です。 監督:ビル・コンドン 主演:エマ・ワトソン youtu.be 美女と野獣 MovieNEX(実写版) [ブルーレイ+DVD+デジタルコピー(クラウド対応)+MovieNEXワールド] [Blu-ray] エマ・ワトソン Amazon <感想> 私は大昔アニメ版を視聴して、たしか映画で技術的にCGを導入し始めた最初の頃の作品だったと記憶しています。作中の台詞で「人間見た目が重要じゃない」と言っている事からも、当時は「ルッキズム」という言葉を知りませんでしたが、おそらくそういった事がテーマだと思っていましたけど、最後主人公ベルのおかげで呪いが解…
根深いルッキズムと山田に感じる自閉症的振る舞い 「山田くんとLv999の恋をする」に関して
現在放送中のアニメ「山田くんとLv999の恋をする」を視聴しているのですが、ちょっと気になった点を書いてみました。なお、私は原作の漫画は第1巻のみしか読んでおらず、そこから先の話はアニメでしか消化していなのでその点をご了承ください。 youtu.be youtu.be 山田くんとLv999の恋をする(1) (MFC) 作者:ましろ KADOKAWA Amazon 山田くんとLv999の恋をする 1(完全生産限定版) [Blu-ray] 水瀬いのり Amazon ストーリーとしては、大学生の茜が彼氏をネトゲで知り合った女性に寝取られ、落ち込んでいる所に山田というネトゲ廃人とひょんなことから知り合…
厨二のラクガキみたいなスラッシャー映画 映画「テリファー」感想(2018年公開)
低予算スラッシャー映画「テリファー」の感想です。 監督:デイミアン・レオーネ 主演:デヴィッド・ハワード・ソーントン youtu.be テリファー(吹替版) ジェナ・カネル Amazon テリファー(字幕版) ジェナ・カネル Amazon テリファー [DVD] ジェナ・カネル Amazon <感想> ホラー映画では無くスラッシャー映画でしたね。ホラー映画ならその作品になんらかの含意があったりするもので、この世界には私達には理解できない存在がいる事に戦慄したり、人間という存在の中に怪物が潜んでいる事に気づかされたりしますからね。 でも、この作品はただただ正体の分からない動機なき殺人鬼がひたすら…
KindleUnlimitedで読める雑誌を探していたら、あの有名なオカルト雑誌「ムー」が見つかったので久しぶりに読んでみました。 ムー 2023年6月号 [雑誌] ワン・パブリッシング Amazon ……正直表紙だけでもうお腹いっぱいなんですけど😓 ヒトラーとか、ラストバタリオンとか昔から使い古されているネタなのが分かるのでなんというかこういったオカルトコンテンツってオワコンなのかなと軽い目まいを覚えます。 目次を見ても「UFO(現在の呼称はどちらかというとUAP)」「平将門の首塚」とか「ビッグフット」「常温核融合」「バミューダトライアングル」等、この雑誌だけ時空が歪んで時が止まっているかの…
三宅隆太氏推薦!日本劇場未公開映画「7ボックス」「アナベル あいのきずな」「ザ・パクト 白蜘蛛の呪縛」感想
映画脚本家でありスクリプトドクターや映画監督でもある三宅隆太さんが、日本では劇場未公開の映画3本をTBSラジオ「アフター6ジャンクション」内で紹介していたので、私がその3本の映画を観た感想を記事にしてみました。 open.spotify.com まずは、パラグアイで制作された映画「7ボックス」 youtu.be 7BOX セブンボックス(字幕版) セルソ・フランコ Amazon 映画の舞台は2005年のパラグアイの貧民街で、主人公は自分もいつかテレビに映る事を夢見ているどちかというとトッポい(古い言い方)青年で、貧民街で一応運び屋の仕事をしているけど金に困っている。で、ある日肉屋から7つの箱を…
「アメリカ人」という存在を象徴した様なある男の人生 Netflix ドキュメンタリー「アーノルド」感想(2023年公開)
ボディビルダーや俳優であり、政治家でもあったアーノルド・シュワルツェネッガーの人生を語ったドキュメンタリー「アーノルド」の感想です。 youtu.be www.netflix.com 同じアーノルド・シュワルツェネッガー主演のNetflix作品であるドラマ「FUBAR」と違い、こちらの作品では吹き替えがあって声優がお馴染みの玄田哲章さんが務めているので見ていて安心感があります。 youtu.be www.netflix.com <感想> 内容としては、俳優でありボディビルダーでもあり政治家でもあったアーノルド・シュワルツェネッガーという男を、本人や関係者の証言とその当時の映像を交えながら見せて…
何故学生スポーツで虐待が起きてしまうのか 島沢優子:著 「スポーツ毒親 暴力・性虐待になぜわが子を差し出すのか」感想
学生スポーツで発生する暴力や虐待が、どういったメカニズムで起こるのかが書かれたノンフィクションの感想です。 スポーツ毒親 暴力・性虐待になぜわが子を差し出すのか (文春e-book) 作者:島沢 優子 文藝春秋 Amazon まず、タイトルが禍々しくてかなり構えて読み進めたのですが、案の定地獄みたいな内容でした。この本、去年の5月に発売されていて大昔にあった学生スポーツにおける暴力や性虐待が書かれているのではなく、21世紀の日本で現在発生している状況の報告なので、昔と何も変わっていないんじゃ無いかと思って読んでいてものすごく胸糞が悪くなりました。 著者の島沢優子さんが自身が子供に対して毒親にな…
ジブリを称賛しながら欺瞞も暴き立てる内部告発の書 押井守「誰も語らなかったジブリを語ろう 増補版」感想
映画監督押井守の、ジブリに対する愛憎半ばする想いが書かれた本の感想です。 誰も語らなかったジブリを語ろう 増補版 作者:押井 守 東京ニュース通信社 Amazon 私は子供の頃はジブリのファンで「風の谷のナウシカ」や、ジブリの最高傑作だと思っている「天空の城ラピュタ」は好きでした。でも「となりのトトロ」と「火垂るの墓」が2本立てて上映されたあたりから「?」と疑問に思って「おもひでぽろぽろ」でさらに「???」となって離れていったんですよね。 その時はまだ自分が映画に対するリテラシーが低かったので、どうしてこういう表現をするのだろうとか思っていました。ですが、歳を経るにつれ宮崎駿や高畑勲の思想や嗜…
ポスト9.11の「レインマン」 映画「マイ・ネーム・イズ・ハーン」感想(2010年公開)
アスペルガー症候群の主人公が、9.11後のアメリカで活躍する映画の感想です。 監督:カラン・ジョーハル 主演:シャー・ルク・カーン vimeo.com 各動画サイトでは視聴出来なかったので、今回はDVDを購入しています。 マイネーム・イズ・ハーン [AmazonDVDコレクション] ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社 Amazon <あらすじ> 主人公のリズワン・ハーン(シャー・ルク・カーン)はインド人のイスラム教徒でアスペルガー症候群である。インドからアメリカに移住しそこでヒンドゥー教徒でシングルマザーのマンディラ(カージョル)と恋に落ち結婚する。だがふたりにはある悲劇が訪れる。 <感想…
この人の私の中でのイメージがドンドン更新されていく 作:沖田×華 漫画「×華のやらかし日記」感想
漫画家である沖田×華さんの、自身の整形や看護師時代のエピソードや風俗嬢として働いていた体験談を描いた漫画の感想です。 👇kindleunlimited会員なら無料です。 ×華のやらかし日記 (本当にあった笑える話) 作者:沖田×華 ぶんか社 Amazon <感想> 私が最初に読んだ沖田×華さんの作品が「不浄を拭うひと」だったのですが、その後「ニトロちゃん みんなと違う、発達障害の私」を読んで 2ki3suke.com それから先生の代表作であるところの「毎日やらかしてます。」シリーズを何巻か読んでこの人のイメージがドンドン更新されたりしているんですけど。 👇「毎日やからしてます。」全6巻はki…
デヴィット・ロウリーが「ピートとドラゴン」の現代版を作ったら? 映画「ピートと秘密の友達」感想(2016年公開)
1977年に公開された「ピートとドラゴン」を現代風にリメイクした映画の感想です。 監督:デヴィット・ロウリー 主演:オークス・フェグリー youtu.be ピートと秘密の友達 [Blu-ray] ブライス・ダラス・ハワード Amazon www.disney.co.jp <感想> まずこの映画を観る前に、1977年に制作された「ピートとドラゴン」を視聴しています。 Pete's Dragon [Blu-ray] Mickey Rooney Amazon 内容は、孤児で映画「グーニーズ」のフラッテリー一家のモデルじゃないかといった感じのゴーガン家に奴隷にされている(証明書付き)ピートが、ドラゴン…
読み進めるうちにだんだん目が死んでいく、詳細に書かれた人類の食に関してのレポート ポール・ロバーツ:著「食の終焉」感想
我々の「食」という物が、現在どういった状況にあるのかをレポートしている本の感想です。 食の終焉 作者:ポール・ロバーツ ダイヤモンド社 Amazon 本の内容は全Ⅲ部10章で構成されています。 <第Ⅰ部食システムの起源と発達> ・第1章 豊かさの飽くなき追求 ・第2章 すべては利便性のために ・第3章 より良く、より多く、より安く ・第4章 暴走する食システムと体重計の目盛り <第Ⅱ部食システムの抱える問題> ・第5章 誰が中国を養うのか ・第6章 飽食と飢餓の狭間で ・第7章 病原菌と言う時限爆弾 ・第8章 肉、その罪深きもの <第Ⅲ部食システムの未来> ・第9章 遺伝子組み換えかオーガニッ…
ドナルド・トランプ的な物によって分断が進むアメリカを批判する社会派アクション 映画「ブラック・クランズマン」解説(2018年公開)
実在したコロラド州初の警官「ロン・ストールワース」の回顧録を元にしたスパイク・リー監督の映画の解説です。原題の「BlacKkKlansman」は白人至上主義団体の「KKK」とダブルミーニングになっています。 ブラック・クランズマン 作者:ロン ストールワース パルコ Amazon youtu.be 監督:スパイク・リー 主演:ジョン・デヴィット・ワシントン ブラック・クランズマン (字幕版) ジョン・デヴィッド・ワシントン Amazon ブラック・クランズマン (吹替版) ジョン・デヴィッド・ワシントン Amazon <あらすじ> 1970年代のアメリカ、フロリダ州コロラドスプリングスで黒人初…
スポーツを嫌わせ、貶めているものの正体は何か「スポーツの世界から暴力を無くす30の方法」を読んで
私が忌み嫌う現実のスポーツ胸糞コンテンツ代表で「甲子園」に代表される高校野球の世界があるのですが、あれっていつ止めるんですかね?何を止めるのかと言いますと、夏の炎天下で将来のある高校生に過酷な運動を強いて、それを賛美し応援するという残酷ショーをという意味ですけど。 おそらく権益がからんでいるんでしょうけど「高校球児たちの額に流れる汗」とやらが感動を呼ぶとか言っているけど普通にアウトだと思うんですよね。 学生スポーツって「勝つためにする」のでは無くて「楽しんだり、そこで自分で考えて行動するという学びを得る為にするもの」では無いかと思うのですが、こんな考えはナイーヴ(世間知らず)なのでしょうか? …
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