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#創作小説
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【自作小説】クリスマスの淡い奇跡の物語(その①)
『おかけになった電話は電波の届かない……』 「なんだよ、スマホは繋がんないのかよ」十九階のオフィスの、窓の外は暗かった。 シンジはスマホを机の上に置くと足元…
2023/12/07 16:18
創作小説
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地這う龍 一章 その2 夏侯蘭先生
その禿頭《とくとう》の男、夏侯蘭《かこうらん》は、十五のときに義勇軍に応募して常山真定《じょうざんしんてい》を出た男だ。いっしょだった幼馴染みの趙家の末っ子である趙雲、あざなを子龍とともに、袁紹軍に参加したり、公孫瓚《こうそんさん》軍に仕えたりした。事情があって趙雲と別れ、ひとりぼっちで各地を放浪したのち、夏侯蘭は曹操軍に加入し、そこでそこそこの手柄をたてたという。そこそこの手柄、と当の本人は謙遜しているものの、その当時の活躍の話が、たいへんに面白い。夏侯蘭の語りはたくみだった。子供たちもかれのことばの導くままに、想像のなかで、氷柱《つらら》のできた氷の道を、つるつる滑らないように気を付けながら行軍し、あるいは、戦場での多彩な仲間たちとともにかまどを囲んで笑い踊り、ときには、猛暑のなかで甲冑の重さに苦しみ...地這う龍一章その2夏侯蘭先生
2023/12/06 09:55
地這う龍 一章 その1 そのころの、常山真定
冀州《きしゅう》、常山真定《じょうざんしんてい》。集落のはずれめざして、童子が息を切らせて走っていた。家で幼い妹のおしめの世話をしていたら、いつのまにか太陽がすっかり昇り切ってしまっていたので、焦っている。背中には妹、片手には野菜のたくさん詰まった籠《かご》を持って、童子はけんめいに走った。集落のはずれには、さいきん開かれた私塾があって、童子はそこで読み書きを教わっているのだ。背中の妹はぐっすり眠っていて、グラグラ揺らされているにもかかわらず、起きる気配もない。童子は器用に籠から野菜がこぼれないよう、うまくからだの均衡をとりながら体を上下に揺らしている。それでもときどき、籠から野菜がごろりと地面に落ちてしまう。つやつやに光る、とれたてで、まだしずくがついた野菜たちに悪態をつきながら、童子は立ち止まって拾う...地這う龍一章その1そのころの、常山真定
2023/12/05 13:07
地這う龍 序章 その3 朝議のあとの、ふたり
※朝議《ちょうぎ》が散会になったあとでも、孔明はその場にとどまっていた。なにやら思案顔《しあんがお》なので、趙雲はたずねる。「浮かない顔をしているな、気にかかることでもあるのか」とたん、孔明はわずかに首をかしげて、答えた。「あなたの視線は感じていたが、やはり見られていたか。じつは気にかかることがあってね。曹操が来ないというのは、ほんとうだろうか」「なぜ」「曹操のもとへいった徐兄《じょけい》からの手紙が、かえってこないのだ」徐兄とは、孔明の前任の軍師の徐庶《じょしょ》、あざなを元直《げんちょく》のことである。前身は潁川《えいせん》のやくざ者だったが、改心して学問にはげみ、立派に軍師となって、短期間だが劉備に仕えた人物だ。孔明の同門の兄弟子でもあり、かつ、大親友でもある。いまは事情があって曹操に仕えざるをえな...地這う龍序章その3朝議のあとの、ふたり
2023/12/04 10:10
地這う龍 序章 その2 春までは
劉備は密書を受け取り、それから、ざっと書面に目を走らせ、すぐさま愁眉《しゅうび》をひらいた。その表情に、場の緊張の糸がほどけていくのを、趙雲も感じた。「曹操は、今秋《こんしゅう》は動く気配がないようだ」劉備のことばに、あらためて、おおっ、と安堵の声がひろがった。曹操は来ない。つまり、一息つけるということだ。趙雲もほかの者たちと同様に、ほっとしたひとりだ。喜びを分かち合おうと、孔明のほうを見れば、かれは裏切られでもしたかのような、意外そうな顔をしている。曹操が来ないというのは朗報だというのに、気にかかることでもあるのだろうか。「仮にやつが侵攻してくるとなれば、春になろう。つまりわれらには、半年も余裕があるということだ。それだけあれば、できることも増えるな」ホッとした顔を見せる劉備に、関羽が大きくうなずいた。...地這う龍序章その2春までは
2023/12/03 10:21
王妃のための失われた王国10-解放の呪文-
家に着いたのは9時過ぎだったが、美穂は驚いた表情で僕を出迎えた。「どうしたの、その怪我!大丈夫?顔色も凄く悪いわよ。」「うん、ちょっと疲れてたのかな?躓いて転んじゃってね。もう年かな、ははは。」僕は美穂に心配をかけないように努めて明るく言っ
2023/12/02 23:07
地這う龍 序章 その1 返って来た密書
首《こうべ》を垂れてみのる稲穂《いなほ》の香ばしいにおいにつられて漂ってきたわけでもなかろうが、新野城の外から、大きなとんぼが広間にまぎれこんできた。これがふだんなら、だれか気の利いた者がとんぼを外へ追い出すのだが、今日ばかりはだれもが緊張していることもあり、知らん顔をしている。とんぼはゆうゆうと劉備の近くまで飛んでいったが、その途中で、止まり木にいるはやぶさに気づいたようで、あわてた様子で引き返していった。その姿を視界の横におさめつつ、趙雲は、広間の中央で、止まり木のはやぶさとともにいる陳到《ちんとう》に目をやる。陳到は、めずらしく神妙な顔をしてはやぶさの運んできた密書をていねいにひろげていた。密書には鄴都《ぎょうと》と許都《きょと》のそれぞれの細作を束ねる男からの情報が書かれている。内容は、ずばり、曹...地這う龍序章その1返って来た密書
2023/12/02 19:23
【報告】根拠のない1位獲得宣言の途中報告
小説投稿サイトのアルファポリスにミステリー部門の24hポイントで1位獲得宣言をしましたがなかなか順位があがりません そこで、タイトルを以下に変更しましたがそれ…
2023/11/26 14:40
王妃のための失われた王国9-奇跡の時間-
「まあ座れよ。本当によく来てくれたね。まずは乾杯しよう。」そう言ってアリゼは僕に木を丸く削って作った器に白濁色の酒を注いで渡してくれた。「これは例のお酒かな?」「そうだよ。バハリが作った自家製の酒だ。といっても実際は君が考えたものだけどね。
2023/11/23 11:39
本日のカクヨム通信(本日はタダの愚痴になっていますw)
小説投稿サイトのカクヨムに自作小説をアップして約半年が過ぎました (これは一昨日から書き始めたものです) それにしてもゼンゼン読まれません ジャンルも、いま人…
2023/11/19 14:20
投稿サイトに小説をアップしていたら。。。
今年から、趣味で小説を書いてカクヨムとか小説家になろうに投稿を始めました しかし、無名で、しかもWEBサイトではマイナージャンルのホラーやミステリーなのでなか…
2023/11/14 19:22
王妃のための失われた王国8-アリゼのお誘い-
美穂に王妃の物語を話してから、僕は自分が何故、それを書こうとしていたのか考え込むようになっていた。そして悩んだ末、この物語についてはしばらくの間、凍結することにした。美穂もそんな僕の様子を感じ取ったのか、あれから物語の続きを聞きたいとは言い
2023/11/12 11:42
王妃のための失われた王国7-王妃の旅と方程式-
「こうして王妃は以前の国王との思いがけず再会を果たした。そして死んでしまったと思っていた息子達がまだ生きていることを知り、どうしても会いたくなってしまったんだ。」 「んー今更会ってどうするのかしら?それぞれ家族がいて新しい暮らしをしているん
2023/11/04 15:38
王妃のための失われた王国6-前王との再会-
その時、iPhoneの液晶には21:42と表示されていた。ここまで話して、ようやく物語の背景が見えてきた気がしていた。「こうして王妃の生まれ故郷への航海が始まった。乗っていた船は最新型で、とても快適だった。大波が来ても揺れが少ないように設計
2023/10/29 11:01
王妃のための失われた王国5-王妃の苛立ち-
「さて、これから一気に10年歳月が流れる。王妃とそれを取り巻く環境も大きく変わる。」美穂が戻ってくると僕は話を再開した。「10年経つと王子も颯太よりちょっと上くらいの年齢になるわよね。王妃はアラフォーに差し掛かったくらいかしら。」「大体、そ
2023/10/23 23:43
王妃のための失われた王国4-王子の誕生-
成り行き上、美穂に物語の続きを話さなければならなくなったので、僕は途方に暮れていた。さてどうしよう?まずは昨日見た夢の前説、背景となる物語が必要だった。その時、iPhoneの液晶には20:20と表示されていた。残念ながら美穂の言うように時間
2023/10/19 23:28
王妃のための失われた王国3-美穂のきまぐれ?-
やんちゃな王子の夢を見て僕は少なからず驚いた。物語は兄とのエピソードで終わりだと思っていたがどうやらまだ続きがあったらしい。夢で見たストーリーの背景に一体何があるのか?僕は仕事中に同僚の呼びかけにも上の空で、その事をずっと考え続けていた。
2023/10/14 11:26
王妃のための失われた王国1-母-
時間はすでに18時を回っていたが、母と美穂の話は尽きる事がなかった。僕からすれば、どうでもいい話を延々と続けている。颯汰はお菓子をたくさん食べて、お小遣いも貰って初めはご機嫌だったがいい加減、退屈してきたようだった。僕は早く家に帰りたくて仕
2023/10/01 11:23
【REALエッセイ】再びカクヨム小説の紹介と此間のお礼^^
第1話 激情の眠れぬ女騎士女は、首都高速から中央自動車道に乗り継いだ。都会はまだ、眠りの中にある。車の時計に目をやると、午前四時三十五分。カセットからは、バ…
2023/09/21 23:30
かき氷
おはよー、今日も暑いねー。ホント、暑いよねー。 毎日が暑い。暑すぎて、心と体からすべての潤いが搾り取られてしまいそうな真夏日。だからこそ、たったこれだけ...
2023/09/20 17:13
謎の球体
どこの学校にだって七不思議の一つや二つくらいあるでしょ。 えっ!?二つもあったら倍の十四不思議だよ!と夕菜の軽いツッコミにも動じず、ずっと教室の窓から身...
夕菜のためなら
夕菜ってさ、なかなか帰ってこないよね。 真っ暗な舞台の幕が上がるようにして視界と脳裏に教室の明かりが戻ってくると、そこには後光を帯びた聖母マリアならぬ朝...
かりん
セミって美味しんだよ。 屈託のない表情で目を輝かせながら幼い頃の想い出を語っているのは神職の宮代家で育った花梨。その目は、まるで透き通る湖の底をギュッと...
まつり、ダウンロード完了
今わぁ、電波の入らないところにいまぁーす。 やっぱりか!茉莉ちゃん、まだ寝てるし。多分、まだ気づいてないよ、お昼過ぎてるの。どうする。起こしに行った方が...
2023/09/20 17:12
オリジナル小説 紹介[2]
「内向型」「HSP」「感覚過敏」「APD(聴覚情報処理障害)」「ASDグレーゾーン」……「生理痛」「PMS」などの悩みや体験談、思った事や学んだ事などを描いたエッセイ漫画を中心に掲載。 その他、創作漫画やオリジナルイラストなども載せてます。|オリジナル小説 紹介[2]|エッセイ漫画*内向型/HSP/生理痛 他
2023/09/19 10:36
そのカンケイ、青森につき。#01 土筆でレスカを。
喫茶店があればついつい入ってしまう。入れないときは記憶に留めたり、店名や場所をメモしたり。都会とか田舎とか、店…
2023/09/16 04:51
やんちゃな王子の物語-原型-
柴犬です🐶、こんにちは。やんちゃな王子の物語が外伝までようやく終わり、ホッとしています。ご一読いただいた皆様、最後までお付き合いいただき誠にありがとうございました。(__)それにしても疲れました(T_T)、小説は年2回くらい書ければ上等と思
2023/09/12 12:39
寂れたスナックで語る物語 第七話 「かいこ」 その(3)
ようこそ、当スナックへお越しくださいました。 私はマスターの、素姓乱雑(そせいらんぞう)」です。 前回までお話しした 「かいこ」 のあらすじは、 ”道に迷った翔梧は一夜の仮宿を頼もうと思い、幾つか明かりが見えるうちの一軒に向かった。そこで偶然出会った「兄」と名乗る男と翔梧は、酒を飲みながら互いを語り合う” というものでした。 それでは第3話に入ります。「小さい頃から住んでいるというならこの家だ。覚え...
2023/09/10 03:06
やんちゃな王子のための失われた王国 外伝4-祈り-
それから、アリゼが兄の船が座礁した件を口にする事は一切無かった。海が穏やかな日は漁に出かけ、帰ってからは畑仕事に黙々と精を出し何事もなかったように日々を過ごした。アイニにもお話を読んで聞かせたり、散歩に連れて行ったりしていつも通り面倒もみて
2023/09/02 14:20
やんちゃな王子のための失われた王国 外伝3-難破-
アリゼはうつ伏せになって、月明かりを頼りに兄からの手紙を何度も繰り返し読み返したが、やがて手紙を地面に放って仰向けになって泣いた。『何でだよ?何で兄さんが俺なんかに嫉妬なんかしなきゃいけないんだ。兄さんみたいになりたかったのは俺なのに…。』
2023/08/28 23:41
AI「小説を書いてみた」【第16章】
ChatGPTを活用して書いた小説の16章目です。人類の活動を脅かすほどに大きくなったAIに人間が抵抗するために動き始める。
2023/08/26 12:21
寂れたスナックで語る物語 第五話 「かいこ」 その(1)
ようこそ、当スナックへお越しくださいました。 今回は私 「素姓乱雑」(“そせいらんぞう”と読みます)が、マスターを務めたいと思います。 本日の 「かいこ」 という物語は少々長いので数回に分けますが、「蚕」 それとも 「回顧」 どちらの漢字を充てましょうか。 えっ、両方とも! 欲張りですね。 ともあれ、失った過去を辿った人の話しになりますが、先へ進めさせていただきます。 辺りを包む白い世界、道にも薄く雪が積...
2023/08/24 01:37
やんちゃな王子のための失われた王国 11-王子と父親-
僕は無意識のうちにリビングを出て行く美穂に対して深々とお辞儀をしていた。それから寝室に行って寝そべってみたが、思った通り睡魔はなかなか訪れなかった。それは僕自身が、この物語の結末に終止符を打てていなかったからだろう。きっと僕も王子と同じよう
2023/08/20 11:51
創作小説 装填のハルピュイア02「嫌われエリシェバ婆さん」
2023/08/08 16:33
オリジナル小説 紹介[1]
「内向型」「HSP」「感覚過敏」「APD(聴覚情報処理障害)」「ASDグレーゾーン」……「生理痛」「PMS」などの悩みや体験談、思った事や学んだ事などを描いたエッセイ漫画を中心に掲載。 その他、創作漫画やオリジナルイラストなども載せてます。|オリジナル小説 紹介[1]|エッセイ漫画*内向型/HSP/生理痛 他
2023/08/05 13:56
AI「小説を書いてみた」【第15章】
ChatGPTを活用して書いた小説の15章目です。AIの存在が大きくなった未来の話です。
2023/07/24 22:56
とりあえず企画設定開始
見に来て頂きましてありがとう御座います。 思いつくまま気の向くまま、とりとめのない話になります、今回はどんな話になるのやら・・・ ↓↓↓↓↓ランキング参加中クリックお願いします↓↓↓↓↓ ランキング参加中新しい事に挑戦している人たちの日記や雑談ランキング参加中自分がコンテンツ! 先日も 有料コンテンツの話でお話してたものになりますが、実現するかしないかは別として下準備が完璧じゃないにしろしておかないと動けないので、それを有料コンテンツに出来るのか考えながら、普通に記事にしていこうと思います。 早速ですが 漠然と書き始める訳にも行かないので方向性や各種設定を軽くやり始めようかな?って思ってます。…
2023/07/19 07:01
【REALエッセイ】自作小説の表紙とはじめての報酬。。
現在、カクヨムに投稿している3つのミステリー小説の表紙を作ってみました (AIが具現化した恐怖) (高層エレベーター殺人事件) (喰われている) そ…
2023/07/18 13:14
【目次】自作小説『丑三つの刻』
はじまりはこれだった ゲーム中のSS(スクリーンショット)にセリフを付けたら本当にキャラたちがそんな感じに見えて来た これで終わりのつもりだったのにクラン外…
2023/07/17 12:54
AI「小説を書いてみた」【第14章】
ChatGPTを使って小説を生成してみたの14章目です。人工知能AIが不穏な動きを見せる中、人間による対抗組織が動き出す。
2023/07/17 02:15
【SS小説】丑三つの刻 (その19) いつだってアデンの空は蒼かった。〔最終話〕
「え?・・・落ちない」チビちーが不思議な顔をした。と、そのとき、ゆたゆたの横で、レイジがむっくりと立ち上がった。 「え、えぇぇぇー?!」と、みんなの驚愕にちか…
2023/07/11 20:30
AI「小説を書いてみた」【第13章】
ChatGPTを使って小説を書いてみました。『シリコン脳はバイナリの涙を流す』の第13章目になります。デルタが所有する島の開発の話です。
2023/07/09 05:36
地這う龍 その13 作戦をたてる
※曹操が南陽の 宛《えん》まで来ている、という衝撃的な知らせは、あっという間に諸将にひろがった。孔明のまわりに集まった将たちの顔は、一様にこわばっている。それはそうだと、趙雲は思う。これまで何度か曹操と対決してきたが、今度の曹操は大軍を引き連れている。国境を巡る小競り合いではない、大津波が襲ってくるのも同然だ。だれもが、勝ち目はあるのかと疑い、動揺している。そんななかでも、孔明だけは落ち着き払っていた。「みなにそれぞれ策を与える。今回はわれらが樊城に移動するまでのあいだ、曹操軍を足止めするのが目的だ」孔明に反論する者はだれもいない。みな粛然としてその声を聴いている。「麋子方どのと劉封どのには、それぞれ赤い旗と青い旗を持って、山頂にて振っていただく役目をお願いする」「振るだけでよいのか」劉封の問いに、孔明は...地這う龍その13作戦をたてる
2023/07/06 19:57
地這う龍 その12 最悪の知らせ
※あらわれた関羽は、甲冑姿のままで、砂埃を払うこともしなかった。その血相はいままで戦場でのみ見た鬼神を思わせるもので、その片手には漆の箱を、もう片手には、旅装の男を引きずっている。引きずられている旅装の男の顔を見て、ますます不吉な思いが増した。男には見覚えがあった。劉備が襄陽に行くたびに趙雲も主騎として随行していたのだが、その襄陽で、蔡瑁のとなりにいた男が、その鼠を思わせる顔をした男…宋忠《そうちゅう》だった。宋忠は、歯をカチカチと鳴らして怯え切っている。「何があったのだ、雲長」「何があったもなにも」劉備の問いに答えつつ、関羽は手にしていた漆《うるし》の箱を劉備のかたわらにいた孔明に向かって放り投げた。孔明はそれを受け取ると、すぐさま封を切り、開く。中には書簡が入っていた。書簡を読む孔明の顔色もまた、桃色...地這う龍その12最悪の知らせ
2023/07/04 09:50
陳到(叔至)
え、誰?というツッコミが来そうな御仁。趙雲ファンならば、正史三国志の蜀書にある「季漢輔賛臣伝」において、趙雲とならべて語られていることをたいがい知っている。wikiなどを見ると、陳到は豫洲に劉備がいる時代から、劉備に付きしたがって、白耳兵なる精鋭部隊を率いて前線で戦っていたようだ。くわしくは、そちらを検索していただきたい。武勇において、趙雲と並ぶと称賛されている。武勇に優れていただけではなく、史実では永安都督までになっているので、統率力もかなりのものだったよう。某SLGの三國志では、だんだん陳到の顔グラフィックが格好良くなってきているように見えるので、趙雲ファン、蜀漢ファンにだけではなく、広く三国志ファンにも認知されてきているのかもしれない。当作品では、勝手に陳到を趙雲の副将ということにしているが、これは...陳到(叔至)
2023/07/03 10:27
AI「小説を書いてみた」【第12章】
ChatGPTを使って小説を書いてみました。『シリコン脳はバイナリの涙を流す』の第12章目になります。人工知能エプシロンの企みが暴かれる。
2023/07/01 21:33
地這う龍 その11 細作の正体
※劉備の私室へ行くと、劉備そのひとと、張飛、孔明がそれぞれ赤い顔をしてそろっていた。劉備と孔明の顔がほんのり赤いのは、酒の力によるものだろうが、張飛に関してはそればかりではなさそうだ。部屋にはもうひとり、目の細くてすらっと背の高い男がいて、趙雲を見るなり、深々と頭を下げた。おそらくは、許都からもどってきたという細作の成延年《せいえんねん》だろう。いつもは片付いている部屋が、今朝に限っては徹夜明けのためか、散らかっていた。書簡、地図、徳利、杯、そういったものが、ばらばらにあちこち置かれている。さらには、部屋にはぷんと酒の匂いが充満していた。空になった徳利の量が三人分よりさらに多い。益徳め、呑みすぎだぞ、と張飛は心のうちで舌打ちをした。その張飛は、虎になって、劉備にからんでいる。「なーにが『お気の毒』だよ。孔...地這う龍その11細作の正体
2023/07/01 09:56
地這う龍 その10 こころの傷
「阿斗さまは子龍さまがお好きなのね」阿斗を上手にあやす趙雲い、感心しきりといったふうに軟児が言う。阿斗は劉備によく似た福耳の、まるまるとした赤ん坊だった。泣くときは、身が爆発するのではと周囲が臆するほどに大声で泣く。「奥方様がたは朝の支度をされているのかな」趙雲が問うと、少女たちはいっせいに、うんと答えた。「奥方様がたがお忙しそうだったので、あたしたちが子守りを買って出たんです」と、リスのような少女が言った。「でもあまりお役に立てなかったみたい。阿斗さまは、むずかしいわ」その口調が、まるで大人の口調をそっくりまねたようだったので、趙雲は思わず声を立てて笑った。趙雲がそんなふうに、楽し気に声を立てて笑うことは珍しかったのだが、もちろん、新参の少女たちはそれを知らない。知らないが、なんだか愉快になったらしく、...地這う龍その10こころの傷
2023/06/28 09:49
地這う龍 その9 趙雲と子供たち
食堂でほかの兵卒たちとともに食事をともにする。張著《ちょうちょ》は趙雲に言われたことを忠実に守って、朝食を猛然と食べていた。もうすこし、自分の感性や感情を優先できるようになるといいなと、となりで趙雲はおもう。壺中《こちゅう》というのは、大人に従順でないと生きていけない場所だったらしいから、張著は大人の言動に過敏になっているのだ。そして、食事をしていると、やれやれというふうに、趙雲の部隊の部将がやってきた。「どうした、朝っぱらから疲れた顔をしているな」趙雲が声をかけると、部将たちは困り顔のまま答えた。「それが、大門のところで、ちょっとした騒ぎがあったのです。どう処理してよいか、困ってしまいました」「どんな騒ぎだ」「鶏の鳴く声と同時に門をひらくのは子龍さまもご存じでしょうが、今朝はまっさきに門をくぐろうとした...地這う龍その9趙雲と子供たち
2023/06/27 09:37
関羽(雲長)&張飛(益徳)
劉備に続いては、このお二方。もう千八百年は語り継がれている人たちだけあって、キャラクターががっちり固まっているところが、じつに書きづらい。とくに関羽は神さまになっているので、とても気を遣う。張飛がボケて、関羽がツッコむ、という図式を崩せないかと頭の中でシミュレートしてみたけれど、どうしても崩せない。しかし、劉備・関羽・張飛のトリオをテンプレ通りに書かないと、もうそれは三国志ではないような気もする…以上の理由から、オリジナル要素は少ない二人である。当作品内でも、関羽は義を重んじる性格で、誇り高く、思慮深い。水魚の交わりのエピソードを持ち出すまでもなく、当初は孔明のことを受け入れていなかったようだが、いったん認めると、とても親身になる。おそらく荊州で娶ったと思われる妻とのあいだに、のちに頼もしい武将に成長する...関羽(雲長)&張飛(益徳)
2023/06/26 09:56
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